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生命保険の契約者が認知症になったら?トラブル防止の方法を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 認知症になった時加入済みの生命保険契約がどうなるのかわからない
  • 認知症が引き起こす生命保険のトラブルについて知りたい
  • 認知症による生命保険のトラブル回避法が知りたい

生命保険の加入者や保険金受取人が認知症になった場合、予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性がある。

本記事では認知症と生命保険の関連性、そしてそこから生じる様々な問題を検証し、解決策と予防策まで深掘りして解説する。

家族が生命保険に入っていて、認知症になってしまった場合は、是非記事を参考にしてほしい。

目次

トラブルになる?認知症になった場合の生命保険の取り扱い

認知症と生命保険の関連性について 生命保険ナビ

認知症になった際、生命保険にどのような影響を及ぼすかわからない人は多いだろう。

ただ、厚生労働省の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要」(※1)によると、2025年には高齢者人口の約5人に1人、2060年には約4人に1人が認知症になると予想されている。

つまり、自分や家族が認知症になる可能性は十分にあり、無関係だという人はほとんどいないだろう。

ここでは、認知症になった際の生命保険の取り扱いや認知症によって引き起こされる生命保険のトラブルについて紹介する。

認知症とは何か?

認知症とは、脳の病気によって認知機能が低下して、社会生活に支障をきたした状態のことを指す。

アルツハイマー型認知症や血管性認知症、レビー小体型認知症など、さまざまな種類がある。

思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを覚えるのが困難になったりするもの忘れとは違い、認知症は日常生活に支障をきたしたり、体験したことのすべてを忘れていたりするのだ。

「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違い(一例)は以下のとおりである。

加齢によるもの忘れ認知症によるもの忘れ
体験したこと一部を忘れる
例)朝ごはんのメニュー
すべてを忘れている
例)朝ごはんを食べたこと自体
もの忘れの自覚あるない
(初期には自覚があることが少なくない)
日常生活への支障ないある
症状の進行極めて徐々にしか進行しない進行する
出典:政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」

65歳未満で発症する認知症は若年性認知症と呼ばれており、誰がなってもおかしくない病気なのだ。

早期に症状に気がつけば、認知症になるのを遅らせたり、認知症になっても進行を緩やかにしたりすることもできる。

早期診断・早期治療につなげるために、なるべく早めにかかりつけの医師に相談しよう。

認知症が生命保険に及ぼす影響

認知症が生命保険に及ぼす影響として、以下の三つが挙げられる。

  • 保険金が給付される
  • 保険料の払込が不要になる
  • 新規の保険加入ができなくなる

保険期間中に認知症と診断されると、加入している生命保険から保険金が給付される。

保険商品ごとに違いはあるものの、保険料の払込が不要になるケースもある。

また、認知症と診断された後、基本的に新規の生命保険に加入することはできない。

契約には意思能力が必要とされているからだ。

保険商品は種類が豊富であるため、認知症になった際の影響は1パターンではない。

ケースによって異なることを認識しておいてほしい。

認知症になった場合の生命保険の取り扱い

認知症になった場合、生命保険の契約内容によっては死亡保険金を受け取れる。「死亡保障の受取条件が所定の高度障害状態に該当した場合」などの記載が生命保険にあれば、死亡保障を受けられるのだ。

保障内容は、年金形式や一時金形式など、保険商品ごとに異なる。

すでに加入している場合は、認知症が保障内容に含まれているのか、発症した場合はどのような形で保険金が給付されるのか、必ずチェックしておこう。

未加入の場合は発症した場合の経済的な負担への備えとして、認知症が保障対象の生命保険に加入するのも選択肢の一つだ。

認知症が引き起こす生命保険のトラブル

認知症が引き起こす生命保険のトラブル 生命保険ナビ

誰しもが発症する可能性のある認知症になると、生命保険に関するさまざまなトラブルを引き起こすかもしれない。

考えられるトラブルは以下のとおりだ。

  • 保険金の受け取りができなくなる
  • 支払い忘れや解約ができなくなる
  • 不要な生命保険に入ってしまう

それぞれについて詳しく説明しよう。

保険金の受け取りができなくなる

一つ目のトラブルは保険金の受け取りができなくなることだ。

病気や怪我の際の保険金は、被保険者が請求しないと受け取れないケースがあるからだ。

認知症で判断力が低下している状態では請求手続きができなくて、保険金を受け取れないかもしれない。

ただ、認知症にともなう入院費用や介護費用に備えて加入していた生命保険から保険金を受け取れないと、貯金で対応しないといけない状況に陥る。

発症してから困らないように、保険金を請求できる方法を確認しておこう。

支払い忘れや解約ができなくなる

保険料の支払いが不要になる保険商品もあるが、契約内容によっては継続して払い込む必要があるものもある。

認知症により、保険料の支払いを忘れることもあるだろう。

これにより、保険契約が失効するリスクがある。

自動引き落としや家族による管理など、支払いを確実にする仕組みを検討することが重要だ。

また、生命保険の解約返戻金を受け取るためには、原則として契約者本人(保険会社と契約して保険料を支払う人)が解約手続きをしなければならない。

しかし、契約者が認知症だと判断能力の低下によって、生命保険を解約できなかったり、解約返戻金を受け取れなかったりするかもしれない。

不要な生命保険に入ってしまう

基本的には認知症の人が生命保険に加入することはできない。

ただ、加入時の症状や商品によっては、契約できるケースもある。

判断能力が低下した状態だと、不要な生命保険に加入してしまうかもしれない。

ただ、申込みを撤回することができるクーリング・オフ制度が、生命保険にも適用できる。

一般的には、「クーリング・オフに関する書面を受け取った日」または「申込日」のいずれか遅い日から、その日を含めて8日以内であれば、申込の撤回が可能だ。

生命保険会社によっては、撤回可能な期間を10日、15日、30日などに延長している。

クーリング・オフに関する書面とは、「注意喚起情報」「契約締結前交付書面」「ご契約のしおり・約款」のどれかが該当するケースが多い。

該当する書類については、注意喚起情報に記載されている。

また、既にある契約に特約を中途付加した場合や更新などの場合は、クーリング・オフの対象外である点に注意が必要だ。

トラブルを回避するための対策と準備

トラブルを回避するための対策と準備 生命保険ナビ

認知症になるとさまざまなトラブルに遭う可能性がある。

そのため、前もって対策したり、準備したりする必要がある。

有効な対策と準備は以下のとおりだ。

  • 指定代理請求人を指定する
  • 委任状や遺言を活用する
  • 早期発見して予防の対策をとる

それぞれ解説しよう。

指定代理請求人を指定する

指定代理請求人を指定しておくと、万が一の場合でも保険金を受けとりやすい。

指定代理請求人とは、被保険者本人に特別な事情がある場合、契約者によって指定された代理人のことだ。

判断能力の低下した被保険者に代わって、保険金を請求できる。

特別な事情に該当するケースは、生命保険会社ごとに異なるため、契約時に確認しておこう。

生命保険会社によって異なるものの、指定代理請求人になれる範囲は、被保険者の戸籍上の配偶者や直系血族、同居または生計を一にしている被保険者の3親等内の親族などだ。

亡くなったり、離婚したりすると代理請求ができなくなる可能性があるため、契約期間が長い場合は指定代理請求人を定期的に見直そう。

また、代理人を指定する際、契約者は被保険者の同意を得る必要がある。そのため、認知症になった後では、指定代理請求人を指定できなくなってしまう恐れがある。

万が一の場合に備えて、なるべく早めに決定しておこう。

委任状や遺言を活用する

認知症が進行していても契約者が委任状を作成できるケースでは、本人が作成した委任状を提出することで、保険金を受け取ることができる。

ただ、症状が進行して本人の意思能力が確認できないと保険会社が判断した場合、保険金請求や解約は認められないかもしれない。

契約者が認知症で委任状を記入できない場合は、保険会社に必要な手続きを相談しよう。

また、亡くなった後の受取人を誰にするかというのも、生命保険に関するトラブルとして挙げられる。

保険金受取人の変更は契約変更の手続きが必要だったが、平成22年4月の保険法の改正によって、遺言書による変更が可能になった。

ただし、法改正よりも前にした保険契約については、原則として適用されない。適用できるかどうかについては、保険会社に確認しよう。

遺言も委任状と同様に意思能力が低下した状態では、有効だと認められないケースがある。

認知症になってから焦らないよう、早めに準備しておこう。

認知症の表れを早期発見して予防の対策をとる

認知症になった際には、指定代理請求人や委任状を活用することで保険金を請求できる。

しかし、発症してから動き出すとさまざまなトラブルに遭う恐れがある。

認知症が進行していて意思能力がないと判断されると、保険の請求や解約ができなくなるからだ。

そのため、認知症になる前に委任状を書いてもらったり、指定代理請求人を立てたりしておく必要がある。

しかし、知識のないまま認知症に備えようとすると、対策にはかなりの時間と労力を要する。

保険に関する制度を学んだり、商品の詳細を確認したりして、対策する時間を確保することが難しい人も多いだろう。

そんな人におすすめなのが、保険のプロに相談することだ。

保険のプロとは、保険制度や商品に関する情報量が豊富な人のことを指す。

常に新しい情報を収集しているため、相談に来た顧客に合わせて最適な商品を提案できる。

また、保険契約後のサポートにも注力しているため、万が一の場合に頼ることもできるのだ。

保険の請求に関してわからないことも多いだろうが、保険のプロに頼ることでトラブルを回避できる。

ただ、保険のプロは多く存在しているため、自分に合った担当を見つけるのは難しい。

それぞれ得意なジャンルが異なるため、保険のプロの全員が認知症に関する保険制度に詳しいとは限らないからだ。

トラブルを回避するために相性の良い担当と出会いたい人には、顧客と保険のプロをつなぐマッチングサービスである「生命保険ナビ」がおすすめだ。

希望する条件を入力することで、自分に適切な担当者を見つけることができる。

無料で利用できるので、活用してみてはどうだろうか。

生命保険のトラブルを防ぐためには認知症になる前に対策をすることが重要

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、認知症と生命保険の関連性や起こり得るトラブルについて、そしてトラブルを回避するための対策を解説した。生命保険のトラブルは、早期発見・早期対策が鍵となる。

委任状や遺言の活用が具体的な対策方法だ。しかし、認知症になってしまっては、生命保険に対する対策を打つことは難しい。

かといって、認知症になる前に委任状を書いてもらったり、指定代理請求人を立てたりするには、確実な知識と膨大な時間が必要になる。

どちらにしても、対策を準備するのにはかなりの苦労がかかるのだ。

そんなときは、確実な知識で、迅速に対応するには保険のプロに相談するのも一つの手である。

豊富な経験と知識を活かして、個人に合った保険商品を紹介してもらえる。

また、アフターフォローも充実しているため、認知症になってからも全面的にサポートしてもらえるのだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることは難しい。

マッチングサイトである「生命保険ナビ」では、希望する条件を入力することで、自分に適切な担当者を見つけることができる。

無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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