- 積立保険のメリットやデメリットを知りたい
- 実際に人気がある積立保険の商品を知りたい
- 積立保険を選ぶ時に注意すべきことが分からない
積立保険とは、生命保険の中でも貯蓄機能を備えた保険のことを指す。
将来に備えた資産形成の方法として、積立保険の概要について知っておきたいという人も増えているのではないだろうか。
また、保険会社ごとに様々な種類の積立保険があるため、人気の積立保険を知りたいと考える人もいるだろう。
本記事では、積立保険のメリット・デメリットや実際に選ばれている人気の積立保険、さらに積立保険を選ぶ際に注意すべき点について解説する。
積立保険への加入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてほしい。
積立保険のメリットとデメリット
ここでは、積立保険の概要からメリット・デメリット、積立保険への加入が向いている人について解説していく。
そもそも積立保険とは
積立保険とは、保険料を支払うことで保障が準備できると同時に、解約時に解約返戻金が受け取れたり、満期まで生存していた場合に満期保険金が受け取れたりする保険のことをいう。
貯蓄性のある保険であるため、資産形成を目的として加入するケースも多い。
積立保険と呼ばれるものには、主に以下の4種類がある。それぞれ特徴を見ていこう。
特徴 | |
終身保険 | ・メインの保障は死亡保障 ・解約しない限り保障は一生涯続く ・解約すると解約返戻金が受け取れる |
養老保険 | ・万が一のことがあった際には死亡保険金が、満期まで生存していた際には死亡保険金額と同額の満期保険金が受け取れる ・保険期間は定期で、必ず満期が訪れる ・解約すると解約返戻金が受け取れる |
個人年金保険 | ・契約時に決めた年齢(65歳など)まで保険料を払い込むと、一定期間にわたって年金が受け取れる ・年金の受け取り期間は5年・10年・15年が一般的 ・保険料の払込期間中に亡くなった場合は、保険料払込相当額が受け取れる |
学資保険 | ・親が契約者、子どもが被保険者となって加入する、子どもの教育費を準備するための保険 ・子どもが一定年齢に達するたびに一時金が受け取れる ・契約者に万が一のことがあった際には、保険料の支払いが免除される |
保険料をただ積み立てるだけでなく、死亡時の保障など他の保障も用意できるものとなっている。
また、これら以外にも米ドルや豪ドルで積み立てる「外貨建て保険」や運用実績によって保険金額が変動する「変額保険」などがある。
ただ、それぞれの保険にもメリットデメリットがあるため、リスク等をしっかり把握した上で加入を検討しよう。
メリットとデメリット
まず、積立保険に加入するメリットとしては、以下の3つが挙げられる。
- 資産形成だけでなく、死亡保障などもあわせて準備できる
- 払い込んだ保険料総額よりも受け取る金額が大きくなる可能性がある
- 契約者貸付が利用できる
積立保険に加入することで、資産形成と保障を一度に準備できる点が大きなメリットだ。
また、払い込んだ保険料は保険会社によって運用されるため、解約などをした際に受け取れる金額は、払い込んだ保険料の総額よりも多くなる可能性がある。
一方で、返戻率や受取率が100%を超えたとしても、実際に受け取るときにインフレ※となっていた場合は注意が必要だ。
※モノの値段が上昇し、通貨の価値が下がること
例えば、卵1パックの値段が200円のときに積み立て保険に加入したとしよう。
その保険に払い込んだ保険料が100万円、返戻率が105%だった場合は、受け取れる金額は105万円になる。
しかし、受取時の卵1パックの値段がインフレによって300円になっていたらどうだろうか。
加入時よりも円の価値が下がっているため、損失となる場合もある点には注意しよう。
さらに、多くの積立保険では契約者貸付が利用できる。
契約者貸付とは、加入している保険の解約返戻金額の一定の範囲内で、お金が借りられる制度をいう。
ただ、この契約者貸付を利用する際に気をつけなければならないのが、返済が必要という点だ。
貸付金には利息がつくため、返済せずにいると返済額がどんどん膨れ上がってしまう。
保険期間が満了する際に貸付金が残っている場合は、保険金と相殺されることとなる。
仮に利息を含めた貸付金額が保険金額を上回ってしまうと「オーバーローン」となり、契約が失効※してしまうこともある点には注意しよう。
※契約の効力がなくなり、保障が受けられなくなること
続いて、積立保険のデメリットとしては以下の2つが挙げられる。
- 掛け捨て型の保険と比較して保険料が高い
- 契約してから短期で解約するとマイナスになる可能性がある
先述したように、積立保険は貯蓄機能と保障を兼ね備えているため、貯蓄機能がない掛け捨て型の保険※よりも保険料が割高になる点はデメリットといえる。
※解約時に戻ってくるお金がほとんどない保険のこと
さらに、契約してから短期で解約すると、払い込んだ金額よりも少ない金額しか戻ってこない可能性がある点もデメリットの一つだ。
保険は、契約にあたって様々なコストがかかる。そのため、契約してからすぐに解約した場合、保険料の払い込み総額からコストが差し引かれることとなり、結果的にマイナスとなってしまうのだ。
積立保険は貯蓄機能を有する便利な保険であるが、メリットとデメリットを把握した上で加入することが大切である。
どんな人に向いている保険なのか
積立保険が向いているのは、以下にあてはまる人だ。
- 保障だけでなく資産形成もしたい
- 貯金が苦手
- 掛け捨て保険が嫌
繰り返しになるが、積立保険は資産形成の機能を有する一方で、死亡時などの保障も兼ね備えている。
万が一のときの保障を準備しつつ、資産形成を行いたい人にはうってつけの保険だ。
また、貯金が苦手な人にも積立保険が向いているだろう。積立保険であれば、毎月決まった日に口座振替などによって自動的に引き落とされる。
つまり、「強制的に貯金させられる」といった状況が作り出せるのだ。自分では貯金が苦手な人でも、積立保険に加入すれば貯金ができるのである。
さらに、掛け捨て保険が嫌な人にも積立保険の加入が向いているといえる。
例えば、掛け捨て型の医療保険に加入したとしよう。
医療保険に加入したからといって、必ずしも保険金が受け取れるとは限らない。
しかし積立保険の場合は、どのような形であれ必ず保険金が受け取れる。
「必ず保険金が受け取れる保険に加入したい」という人は積立保険への加入がおすすめだ。
人気の積立保険商品を紹介
ここでは、人気のある以下3つの積立保険について紹介する。
- 明治安田生命じぶんの積立
- SOMPOひまわり生命 女性のための医療保険フェミニーヌ
- 三井住友銀行 プラスつみたて終身保険
それぞれ詳しく見ていこう。
明治安田生命じぶんの積立
1つ目が明治安田生命が販売する「明治安田生命じぶんの積立」だ。
この商品の特徴としては主に以下の5つが挙げられる。
- 毎月5,000円から加入が可能
- 病気などでの死亡時には払い込んだ保険料分、災害(事故など)での死亡時には払い込んだ保険料の1.1倍が受け取れる
- いつでも100%以上手元に戻ってくる
- 満期保険金は払い込み総額に対して103%受け取れる
- 保険期間は10年間で保険料の払い込みは5年で終了
毎月5,000円から契約できるため、気軽に加入できるのが特徴だ。
死亡保障も兼ね備えており、死亡時には払い込んだ保険料分、事故などの災害によって死亡した際には払い込んだ保険料の1.1倍の金額が受け取れる。
また、早期に解約したとしても払い込んだ保険料分に対して100%以上の金額が戻ってくるため、損失を被ることもない。満期時には満期保険金が受け取れ、その金額は払い込み保険料総額に対して103%だ。
ここで、解約時の返戻金等の推移について見てみよう。
経過年数 | 3年 | 5年 | 7年 | 10年満期 |
払込保険料累計 | 180,000円 | 300,000円 | 300,000円 | 300,000円 |
解約時の返戻金・満期時の満期保険金(返戻率・受取率) | 180,000円(100.0%) | 300,000円(100.0%) | 304,140円(101.3%) | 309,000円(103.0%) |
出典:明治安田生命「明治安田生命じぶんの積立」
このように、早期解約の場合はマイナスとなる商品が多いが、「明治安田生命じぶんの積立」であれば損失を被ることなく気軽に加入できるのが人気が高い理由だといえる。
SOMPOひまわり生命 女性のための医療保険フェミニーヌ
2つ目は、SOMPOひまわり生命が販売している「女性のための医療保険フェミニーヌ」だ。
この商品の特徴としては、以下の4点が挙げられる。
- 医療保障+死亡保障が準備できる
- 女性特有の疾病(子宮筋腫や乳がん、帝王切開など)で入院した場合には入院給付金が上乗せされる
- 「がん(上皮内がん含む)」「心疾患」「脳血管疾患」で入院した場合は入院日数無制限で保障
- 3年ごとに生存給付金が受け取れる
この保険の最大の特徴は、なんといっても医療保障が準備できる点だろう。
病気やケガによって入院・手術をした際に給付金が受け取れる。
また、女性特有の疾病に対して手厚い保障が準備できる点も魅力の一つだ。
そして、この保険で注目すべきは「生存給付金」だ。
契約内容によるが、3年ごとに最大で150,000円受け取れる。保険期間は15年であるため、合計750,000円の受け取りが可能だ。
ここまで見ると「保障が充実しているから保険料が高いのでは?」と気になる人もいるだろう。
プラン1※を選択した場合の具体的な保険料は以下のとおりだ。
※プラン1の保障内容
・入院‥‥1日につき10,000円(女性特有の疾病の場合は15,000円) ・入院一時金‥‥1回の入院につき10万円 ・手術‥‥手術内容により40・20・10・5万円 ・通院‥‥1日につき10,000円・死亡‥‥300万円 ・高度障害‥‥200万円・生存給付‥‥3年ごとに150,000円 |
保険料(月額)
年齢 | 20歳 | 30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 |
オプション※あり | 8,161円 | 8,547円 | 8,693円 | 10,806円 | 15,276円 |
オプション※なし | 8,074円 | 8,460円 | 8,606円 | 10,719円 | 15,189円 |
出典:SOMPOひまわり生命「女性のための医療保険フェミニーヌ」
20歳でオプションを付けて加入した場合、保険期間15年で支払う保険料の総額は1,468,980円。
生存給付として受け取れる金額は750,000円であるため、単純に返戻率を計算するとおよそ51.1%だ。
しかし、貯蓄機能のみならず、病気やケガに対する保障に加えて死亡時の保障も準備できる。
払い込んだ保険料相当の死亡保障のみが準備できる商品が多い中、上記のような充実した保障が準備できる点が人気のポイントだ。
三井住友銀行プラスつみたて終身保険
3つ目は、三井住友銀行が販売(引受保険会社は住友生命)する「プラスつみたて終身保険」だ。
この商品の特徴としては、主に以下の4つがある。
- 保険料払込期間は5年間でその後は一生涯の死亡保障が準備できる
- 保険料の払い込みが完了すると、解約時の返戻率は100%以上
- 保険料は全期前納での支払いが可能
- 円建てか米ドル建てが選べる
保険料を5年間支払うことで、一生涯の死亡保障が準備できる点が大きな特徴だ。
払込期間中に亡くなった場合は払い込んだ保険料相当額が受け取れ、保険料の払込完了と同時に死亡保険金額が増額する。
また、保険料の払込完了後に解約した場合の返戻率は100%を超える。
死亡保険金額を上限に、払込完了から期間が経過すればするほど返戻率が上がっていくのだ。
さらに、保険料は全期前納での支払いもできる。
全期前納とは一括払いの一種で、契約時に払い込んだ保険料を保険会社が預かり、毎月保険料に充当する方法をいう。
全期前納で支払うと毎月支払うよりも保険料が割安となるため、返戻率が上昇する。
通貨は円もしくは米ドルから選択可能だ。近年、日本は低金利であるため米ドルで積み立てたいと考える人もいるだろう。
ただ、外貨で積み立てるとどうしても為替リスクが付きまとう。
米国の金利上昇により運用がうまくいったとしても、為替の影響で結果的にマイナスとなってしまう可能性がある点には注意してほしい。
積立保険を選ぶ時に注意すべき点
積立保険を選ぶ時に注意すべき点は、以下の3つだ。
- 加入する目的を考える
- 返戻率を確認する
- 適正な保険料か確認する
それぞれ解説する。
加入する目的を考える
積立保険に加入する際には、加入する目的を考えることが最も重要だ。
マイホーム購入のためなのか、子どもの教育費を準備するためなのか、老後の生活資金なのか。
加入する目的によって選ぶべき積立保険や保険期間が異なってくる。
今一度「何のために積立保険に加入しようとしているのか」を振り返った上で検討を進めよう。
返戻率を確認する
返戻率を確認することも忘れてはならない。なぜなら、返戻率は商品によって異なるからだ。
自身が準備したい保障を踏まえながら、なるべく返戻率が高い商品に加入できるよう、複数の商品を比較しよう。
適正な保険料か確認する
積立保険に加入するためには、無理なく払い続けられる保険料である必要がある。
自身の収入状況を鑑み、適正な保険料であるか確認しよう。
積立保険はメリットとデメリットを確認して賢く選択
記事では、積立保険のメリット・デメリットや実際に選ばれている人気の積立保険、積立保険を選ぶ際に注意すべき点について解説した。
積立保険を選ぶ際には、加入目的や返戻率、保険料など複数の要素を総合的に判断する必要がある。
また、保険会社によっても積立保険にはそれぞれ特徴があるため、本記事を読んだだけでは最適な保険を選ぶのは難しいかもしれない。
保険選びに迷ったら、保険のプロへの相談がおすすめだ。
自身の状況にあわせたアドバイスをもらうことで、必要な保険を選択することが可能となる。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当者を見つけるのは難しいだろう。
そのようなときは、保険のプロと個人をマッチングさせるサイトである「生命保険ナビ」を活用しよう。
「生命保険ナビ」を使うことで、自身の希望に沿った保険のプロを簡単に見つけられる。
無料で利用できるので、活用してみよう。