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高齢でも遅くない!70代・80代からの死亡保険の選び方

この記事で解決できるお悩み
  • 高齢者が死亡保険に加入する際の主な条件や制限は何か?
  • 高齢者に適した死亡保険の種類や特徴は何か?
  • 高齢者が死亡保険を選ぶ際に考慮すべきポイントは何か?

生命保険に未加入の方、有期の生命保険が終了してしまった方、または保障を追加したいと考えている方など、新規の保険加入に興味を持っている方は少なくないだろう。

年齢を重ねたタイミングで保険を検討する場合、多くの人が「もう保険に加入するのは遅いのでは?」と考えがちだ。

しかし、65歳以上であっても、70代、80代であっても、選び方によっては、自分やご家族に適した死亡保険に加入することは十分可能である。

この記事では、シニア世代、高齢者の方、そしてご家族に向けて、高齢者が死亡保険とどのように付き合うべきかについて詳しく解説する。

死亡保険の概要や直面するであろう問題、加入のメリットについて整理し、検討すべき保険商品も紹介した。

わかりやすい説明を心がけたので、ぜひ最後までお読みいただき、自分に合った保険選びの参考にして欲しい。

目次

高齢者と死亡保険の関係

ここではまず、死亡保険について概観し、高齢者が死亡保険に加入する際に直面する問題、および高齢者が死亡保険に加入したときに得られるメリットについて整理する。

死亡保険には80歳すぎでも加入できるものがある

そもそも死亡保険は、シニア・高齢層でも加入できるものなのだろうか。

結論から言えば、高齢になってからでも死亡保険に加入することは十分に可能だ。

そもそも死亡保険とはどんな保険なのか?

死亡保険は加入者が亡くなった場合に保険金が支払われる生命保険の一種である。

たとえば医療保険は「病気やケガ」に対して保障するものだが、死亡保険は「死亡」に対して保障するものだ。医療保険の給付金の受取人は通常本人だが、死亡保険の場合、受取人は遺族や指定された第三者となる。

死亡保険には「定期保険」と「終身保険」がある

死亡保険には、定期保険と終身保険がある。定期保険の保険期間は「10年」や「80歳まで」など一定で、終身保険は保障は一生涯続く。

この違いは保険料に反映される。保険期間が一定の定期保険は割安で、一生涯続く終身保険は割高である。

高齢者が死亡保険に加入する際に直面する問題

高齢者が保険加入する際に直面する可能性のある問題には、以下のようなものがある。

加入年齢に制限がある場合

高齢者は、加入できる保険プランが年齢によって制限されることが多い。

一部の保険商品は、加入年齢に上限を設けているためだ。

選択肢が狭まる場合、結果として十分な保障期間や保障金額が確保できなくなる可能性がある。

高額な保険料

高齢者は、一般的に若い世代よりも保険料が高く設定される。

これは、高齢者の死亡リスクが統計上高いことが反映されるからである。

つまり同じ保障内容であっても、高齢での加入は費用が高くなる。

健康診断のハードル

特定の年齢を超えると、保険会社はより厳格な健康診断を求めるのが一般的だ。

これは、高齢者の様々な健康リスクを評価するために行われる。

健康診断の結果によっては、加入が難しくなる、または特定の条件が付加される可能性がある。

キャッシュフローのリスク

高齢になると、資金の自由が制限されることは大きな問題だ。

保険でカバーされていない問題が発生した場合で、急に現金が必要になったときも、基本的に支払った保険料の現金化はできない。

高齢者はとくに、自由に使える資金を確保したうえで、支払保険料を設定することが重要だ。

高齢者に死亡保険は必要か?得られるメリットは?

高齢者が死亡保険に加入している場合に得られるメリットを整理する。

遺族の生活保障

死亡保険金は、遺族に対する経済的な負担を軽減する役割を果たす。

具体的には、遺族の日々の生活費、および住宅ローンや教育費などに充てることができる。

資産のスムーズな継承

死亡保険は資産の承継計画にも有用だ。

保険金の受取人を明確に指定することで、その資金がスムーズに遺族や指定された第三者に渡るように設計できる。

これにより、遺産分割やその他の承継に関する手続きが簡素化され、遺族間でのトラブルを防ぐことが可能となる。

口座凍結に備える

人が亡くなると、その人の金融機関の口座が凍結される場合がある。

たとえば、葬儀費用や病院への支払いなど、緊急で必要な支出がある場合、口座凍結は遺族を困窮させる可能性をはらむ。

一方、死亡保険金は受取人が事前に指定されているため、口座凍結の影響を受けず、速やかに支払いが行われる。

没後すぐに発生する支払いに対応するうえでも、保険による資金準備は有用である。

税制優遇を受ける

一般的に、金融資産で遺産を相続する場合、基礎控除を超えた部分は課税対象となる。

しかし、生命保険は「遺族の生活保障」を目的としているため、死亡保険金には特定の条件を満たすと税制上の優遇措置が適用される。  

この優遇措置により、遺族が受け取る金額の減少リスクを回避し、より多くの資金を確保することが可能となる。

非課税額は、法定相続人の人数に応じて、次のように計算される。

【死亡保険金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数】

例えば、資産の一部を終身保険やその他の死亡保険に投資し、自身が亡くなった際に遺族に死亡保険金を残す場合、この非課税枠が適用され、相続税の負担を軽減することができる。

仮に遺産を相続する人が配偶者と子供2人であれば、最大1,500万円までの保険金が相続税から非課税となる。

※この説明は2023年10月執筆時点の国税庁『No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金』の記述に基づく。

高齢者が加入を検討するべき死亡保険とは

ここでは、高齢者が検討するべき死亡保険について整理する。

死亡保険の「定期保険」と「終身保険」についての特徴を整理したのち、健康状態に不安のある方向けの「引受基準緩和型/限定告知型の死亡保険」や告知なしで加入したい方向けの「無選択型終身保険」について紹介する。

定期保険と終身保険のどちらを選ぶべきか

まず、高齢者が保険に加入を検討する際の観点で、「定期保険」と「終身保険」の特性を整理する。

【定期保険】特定のニーズに割安な保険料で対応する

定期保険は、設定された保険期間内での死亡リスクに対し、保障を提供するタイプの保険商品だ。

払込期間は「10年」「20年」など年満了のほか、「65歳まで」などの歳満了がある。

かつては65歳満了が一般的だったが、最近は「80歳まで」「90歳まで」といった商品も登場している。

定期保険の保険料は、基本的に「掛け捨て型」である。

つまり、保険期間が満了しても、何らかの事故や病気があっても、払い込んだ保険料は戻ってこない。

保障が一定期間で終了することや、「貯蓄」機能をもたないことを反映し、月々の保険料は割安である。

最近は特定の目的、たとえば「葬儀費用を確保したい」などのニーズに応える「葬儀保険」や「終活保険」などの商品も登場している。

ただし、保険期間が終了すると、新たな保険契約や更新が困難になる点には、注意が必要である。

【終身保険】一生涯の安心を提供する

終身保険は、保険期間が一生涯となっており、中途解約しない限りは永続的な保障が得られる保険商品だ。

定期保険とは異なり、終身保険は「必ず」保険金の支払いが生じる。

このため、保険会社はこの支払いに備えてお金をプールしておく必要がある。これを反映して終身保険の保険料は、一般的に割高である。

解約した場合はお金が戻ってくるが(解約返戻金)、高齢で加入すると払込期間が短くなるため、返戻金の額は少なくなることが多い。

高齢者が終身保険を選ぶ際には、高額な保険料と「一生涯の安心」がバランスしているかを見極めることが重要だ。

特定の保障が限定できる場合(例:「80歳まで」や「葬儀費用のみ」)には、定期保険の商品を組み合わせる選択も検討した方が良いだろう。

【健康に不安のある方】引受基準緩和型/限定告知型の死亡保険

引受基準緩和型または限定告知型の死亡保険とは、健康状態や既往症などの告知項目を限定することで、加入条件を緩和した死亡保険である。

通常の死亡保険では、加入時に健康状態や既往症などの告知項目に対して、正確な告知が求められる。

一方、引受基準緩和型/限定告知型の死亡保険では、告知項目を限定することで、告知の負担を軽減している。

そのため、健康状態に不安がある人や、既往症がある人でも、比較的簡単に加入することができる。

  • 引受基準緩和型

持病や既往症がある人でも加入しやすいように設計された保険商品。告知事項が一般的な保険よりも少ないほか、その内容も緩和されている。

  • 限定告知型

加入者が回答する必要のある告知事項が3〜5項目程度に限られているタイプの保険。この制限された告知事項に対してすべて「いいえ」と回答できれば、保険に加入することが可能となる。

ただし、告知項目を限定することで、リスクが高まるため保険料が高くなる傾向にあり、一般的な保険よりも保障範囲が狭くなることが多い。

また、限定告知型であっても、告知が不正確または不完全であると、将来的に保険金が支払われないリスクは当然にある。

告知をせずに加入したい方: 無選択型終身保険

無選択型終身保険は、加入時に健康状態の告知や医師による診査が不要な死亡保険である。

健康状態によって他の終身保険に加入できなかった方でも、審査なしで加入が可能となる。

健康状態や既往症に関する審査が一切不要で、どのような健康状態の方でも加入が可能である点はメリットだ。

しかし、一般的な保険や限定告知型、引受基準緩和型保険に比べて、保険料が高く設定されているデメリットもある。

高い保険料に対して、どれだけの保障が得られるのかを慎重に検討する必要がある。

高齢者が死亡保険を選ぶ際に考慮すべき3つのポイント

高齢者が死亡保険を選ぶ際に考慮すべき3つのポイント 生命保険ナビ

ここでは、高齢者が死亡保険を選ぶ際に考慮すべき点を、3つに絞って整理する。

公的保障制度や既存の生命保険契約

高齢者が保険を選ぶ際に真っ先に考慮すべきは、「公的制度や既に契約している生命保険が、どれだけの保障を提供しているか」という点である。

70歳を過ぎてくると公的保障が手厚くなる。新たに加入を検討している保険がこれらの保障と重複すると、過剰になってしまうことも考えられる。

現在加入中の保険についても、保障内容、保険料、および保証期間を確認し、不足している保障を補完する形で新規加入を検討することが大切だ。

遺族の生活費はどの程度確保すべきか

死亡保険に加入する目的が「遺族の生活を支えること」にあるならば、遺族の生活費を考慮に入れる必要があります。

考慮すべき遺族の生活費は、以下のように計算できる。

{( 生活費 – 年金や給与等の収入)  × 90〜95歳までの年数} + 葬儀等の費用

必要金額の目安が貯蓄額を上回る場合は、その差額を死亡保険金で補うようにする。

葬儀や没後の整理にはどれだけ費用がかかるか

死亡保険に加入する目的が、葬儀や遺産整理等に限られるのであれば、上記のような計算は不要になり、エンディングのための費用のみが、考慮すべき点となる。

以下に、死亡後に発生するであろう費用の目安を紹介する。

項目内容
葬儀費用2022年に鎌倉新書から発表された調査によれば、葬儀費用の平均は約110万円(葬儀費用67.8万円、飲食費20.1万円、返礼品22.8万円)であった。
墓石代墓石代には、墓石の購入費用、永代使用料、および管理料が含まれる。 
一般社団法人 全国優良石材店の会『2023年版お墓購入者アンケート調査』によれば、墓石の平均購入額は170.7万円であった。
遺品整理代遺品整理は家族が行う場合は無料。ただし、家族といえど他者の不用品を片付ける作業は負担が大きいので、この費用も見積もっておくと良いかもしれない。
その他お墓を用意したら墓地の管理料など、継続的な費用の発生も考慮する必要がある。
長期入院が原因で亡くなった場合、入院費用の精算が、また、自動車ローンや教育ローンなどが残っている場合、それらの清算も必要になる。

高齢者も死亡保険への加入が可能!自分の健康状態や将来の生活設計にあった保険を選ぼう

まとめ 生命保険ナビ

この記事では、高齢者と死亡保険との付き合い方について、死亡保険の概要から加入時に直面する問題、加入のメリットなどについて整理した。

また、高齢者のニーズに応える死亡保険についても紹介した。

高齢であっても、しっかりとした準備と知識があれば、自分に適した保険に加入することは十分可能だ。

しかし、そもそも保険選びは専門的な知識が必要であり、誰にとっても難しいものである。

高齢者は特に、健康状態や将来の生活設計など、他の世代とは異なる観点から保険を選ぶ必要がある。

そのため、保険を適切に選び、見直すためには、じっくり慎重に行わなければならない。

保険選びに迷ったときは、ぜひ保険のプロに相談して欲しい。

そして、保険のプロの選定には、マッチングサイト「生命保険ナビ」を使っていただきたい。

あなたの条件や希望に合わせて、適切な保険のプロを無料で推薦する。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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