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個人年金保険とiDeCoの違いとは?自分に合ったやり方を見つけよう

この記事で解決できるお悩み
  • 個人年金保険とiDeCoの特徴やメリットを理解したい
  • どちらがお得なのかわからない
  • 自分に合った資産形成の方法を知りたい

高齢化社会と老後生活の長期化に伴い、公的年金だけでは経済的に安定したセカンドライフを送ることは難しくなってきている。

そこで注目されているのが個人年金保険である。

ただ、近年ではiDeCoなど別の資産形成方法も登場しており、どれを活用するべきかわからないという人もいるだろう。

そこで本記事では、個人年金保険とiDeCoに着目して、それぞれの制度概要を踏まえ、自分に合った資産形成方法の見つけ方について解説していく。

将来に向けた資産形成について考え始めたという人には、ぜひ参考にしてほしい。

目次

個人年金保険とiDeCoの概要

個人年金保険とiDeCoの概要 生命保険ナビ

個人年金保険とiDeCoの概要はどちらも老後の資産形成、資金確保を目的とする制度や商品だ。

しかし仕組みや強みは異なる。まずは、個人年金保険とiDeCoについて、それぞれの特徴やメリットを解説する。

個人年金保険の特徴

個人年金保険とは、老後に受け取る公的年金に上乗せする保険のことだ。

各保険会社で販売され、自分で選び契約する。

「保険」という名のとおり保障が付き、保険料の払い込み期間中に被保険者が死亡した場合は、死亡給付金が相続人に支払われる。資産形成と保障をあわせ持つ商品であることが大きな特徴だ。

あらかじめ決められた保険料を払い込み、一定期間になると年金のように定期的に受け取るか、一括で給付を受け取るかを選択できる。

受け取り期間に関しては、次の3つのタイプに分けられる。

  • 終身年金
    • 被保険者が生存している限り受け取ることができる。
  • 確定年金
    • 年金を受け取る期間が5年・10年などと契約時に定められている。被保険者が死亡した場合は、相続人が引き続き年金を受け取るか、一時金として一括で受け取るかを選ぶことができる。
  • 有期年金
    • 受け取る期間が定められており、被保険者が死亡すると支払いは終了する。一部、遺族が引き続き給付を受けられる保証期間付きのものもある。

さらに、支払った保険料は、年末調整や確定申告の時に控除される。「個人年金保険料控除」もしくは「一般生命保険料控除」が適用され、控除された分だけ所得税、住民税の負担を軽減できる。

iDeCoの特徴

iDeCoとは、公的年金に付け加えられる私的年金制度のことだ。

自分で設定した掛け金で投資信託などを運用し、60歳になれば掛け金と運用益を受け取ることができる。

老後の資産形成に活用する目的で始まった制度で、20歳から65歳の人が月額5,000円から利用できる。

上限額は自営業やサラリーマン、主婦など属性によって異なる。

iDeCoは長期運用を前提としており、原則途中解約はできず、受け取れるのは60歳からと定められている。

運用する投資信託には、国内外の株式・債券などが組み込まれている。

値動きのある商品なので、資産が目減りし、元本割れするリスクもある点に注意しなければならない。

なお、iDeCoには次の3つの税制優遇がある。

  • 払込時の掛金が所得控除の対象
  • 運用中に発生した運用益や利息が非課税
  • 受取時の給付金が非課税、または一定額まで税控除の対象

掛金を出す・運用益が発生する・受け取るという3つのタイミングで税の負担を軽くできるのだ。

iDeCoの制度は2022年に法改正があり、それまで対象外だった企業型DC(企業型確定拠出年金制度)に加入している人でも、条件を満たせば加入できるようになった。

年々利用しやすい制度に段階的に改定されつつあることから、加入者は現在300万人を超えている。

老後の資金不足や人生100年時代に備える資産形成の制度として、年々注目が高まっていると言える。

個人年金保険とiDeCoのメリットとは

個人年金保険とiDeCoは、老後の資金を「自分で準備」するための仕組みである。

どちらにも特徴的なメリットがあるため整理しよう。

個人年金保険は、将来受け取れる金額が想定しやすい。

定額型を選べば受取額はほぼ確定するため、計画的にライフプランを立てられる。

変額型であっても、資産が目減りするリスクはあるものの、変動幅が小さい商品を選ぶといった対応で成果のふり幅を安定させることはできる。

また、払い込み途中で解約することも可能だ。預金ほど簡単には引きだせないが、手続きを踏めば解約返戻金を受け取ることが可能だ。

一方iDeCoは、選ぶ商品の幅が広く、自分自身のニーズに合った個別最適な運用ができる点が魅力だろう。

個人年金保険に比べると利回りも良く、資産を増やせる可能性がある。

また、決まった時期まで引きだせないという強制力があるため、将来への資金を使い込む心配はなく、確実に資産形成ができる。

加えて、運用中に配分割合の変更や商品、掛金の変更なども可能だ。掛け金の支払いが難しい場合、一時的に拠出を止めることもできる。

現在の貯蓄事情や将来設計に合わせて、自由度が高く利用できる制度と言えるだろう。

個人年金保険とiDeCoの比較

個人年金保険とiDeCoの比較 生命保険ナビ

それぞれの制度の特徴やメリットが整理できたところで、続くこの章では、個人年金保険とiDeCoを比較していく。

その上でどんな人におすすめなのか、についても解説する。

個人年金保険とiDeCo、どちらの制度がお得なのか

 個人年金保険とiDeCoそれぞれの制度について、税制面・運用面・流動性の3つの項目を元に比較してみよう。

税制面

iDeCoは積立・運用・受取の3つのタイミングで、非課税や控除などの税制優遇を受けられる。特に、積立時の控除は上限がない点は魅力的だ。

一方個人年金保険は、払い込んだ保険料のみが控除の対象となり、控除額にも上限がある。また、受け取り時の優遇措置はない。

このように、iDeCoは他の運用制度や商品に比べて非課税や控除の対象が広い。税制面ではiDeCoの方が高い効果が期待でき、有利と言えるだろう。

運用のしやすさ

払い込める金額の限度は、個人年金保険については上限がない。

個人年金保険は、民間の保険会社が販売している商品の1つだ。そのため限度は設けられていない。

一方iDeCoは、国民年金の加入区分によって年間利用できる金額に制限がある。

運用後の商品の変更についても確認しておこう。個人年金保険は運用後の商品の変更については対応していない。変更したければ、原則解約し再加入となる。一方iDeCoは商品や運用バランスの組み換えなどがいつでもでき、状況に応じた対応が可能だ。

流動性

個人年金保険は自身の都合に合わせて解約が可能だ。ただし、早期解約の場合、解約返戻金が払い込んだ保険料を下回ることもある。

一方、iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない。

解約し現金化できる手続きの自由度は個人年金保険、商品の多様性や選択の幅広さではiDeCoに軍配が上がるだろう。

個人年金保険とiDeCoのそれぞれがおすすめな人の特徴

ここまでの比較をもとに、個人年金保険とiDeCoそれぞれの制度がおすすめな人の特徴を解説する。

まず、個人年金保険が向いている人は次のとおりだ。

  • 将来の受取額をおおまかに把握しておきたい
  • 万一の病気やケガの死亡に備えたい

個人年金保険は、老後のライフプランが明確で安定的な運用を目指す人におすすめだ。

また、保険料の払い込み期間中に万が一亡くなってしまった際には遺族に保険金が支払われる。

保証期間つきの商品であれば、年金受け取り中に被保険者が亡くなったとしても、遺族に年金の支給や一時金の支払いがある。

保険加入者本人だけではなく、万一のときに家族の生活を支える備えをしたいという目的にも適している。

なお、以下の記事ではおすすめの個人年金保険を紹介しているので、あわせてチェックしていただくとより具体的にイメージすることができるはずだ。

あわせて読みたい

一方、iDeCoが向いている人は次のとおりである。

  • 老後の資金をできるだけ増やしたい
  • お得に資産形成をしたい

iDeCoは老後の資産づくりに特化した制度であることから、将来で多くの資金を準備したい人は積極的に活用するべきだ。

金融商品を自分で選び運用するため、運用の経験を得られ知識も身に付く。

時間の経過とともに適宜ふさわしい商品を選ぶことで、より大きな成果を挙げられるだろう。

また、高い節税効果も見込め、長く運用するほどその恩恵は大きくなる。

個人年金保険とiDeCoを併用することはできるのか

個人年金保険とiDeCoは併せて利用することができる。

個人年金保険の保障性や安定性を確保しながら、iDeCoで積極的な運用をしつつ、税制優遇を受けるということも可能だ。

それぞれのメリットを活かしながら、自分にあった運用方法を選択していくと良いだろう。

ただし、個人年金保険、iDeCoを併用する場合は、掛け金の払いすぎに注意したい。

毎月の費用は数万程度であっても、10年・20年と続くと大きな負担になる。

運用途中で保険の解約や掛け金の減額などをしてしまうと、将来受け取る金額に誤差が生じる。

場合によっては計画通りの受取額を下回る可能性もある。無理のない範囲で設定しておくことが大切だ。

個人年金保険とiDeCo、どちらが自分に合った選択なのか

自分に合った資産形成の方法を見つけるには 生命保険ナビ

ここまで、個人年金保険とiDeCoの特徴やメリットを踏まえ、「どちらがお得か」について解説してきた。

しかし、結局のところ、最適な資産形成の方法は個人の状況によって異なる。

そこで最後の章では、自分に合った資産形成法の見つけ方について、以下3つのポイントで解説する。

  • 貯蓄に回せる金額を考える
  • 何のために資産形成をするのか考える
  • 複数の制度を併用することも検討しよう

それぞれ順にみていこう。

貯蓄に回せる金額を考える

貯蓄とは金融資産全体のことを表す。自分に合った資産形成方法を選択するには、まず日々の生活費や万一の緊急費用を除いた貯蓄に回せる金額を検討しよう。

将来に渡って保険料の払い込みが数十年続く個人年金保険やiDeCoは、その支払いが長期間問題なく行えるか注意する必要がある。

個人年金保険やiDeCoは本来、安心して生活を送るために備えるものだ。

無理をして必要以上の掛け金を設定することのないよう、いくら貯蓄に回せて掛け金を払えるのか正確に判断しよう

適切な掛け金を把握するには、毎月の収支を確認し、貯蓄できる金額を明確にしなければならない。

貯蓄可能額を把握できたうえで、貯蓄に回せる額が十分確保できる場合や、安定的に貯蓄ができそうな場合は、個人年金保険を検討しよう。

個人年金保険は掛金に上限がない。多くの額を長期間安定的に支払うことができれば、着実に資産形成ができる。

貯蓄に回せる額が十分ではない場合、もしくは貯蓄に回せる金額に変更がある可能性が高い場合はiDeCoを選ぶと良い。

iDeCoは掛け金を運用で育てることに秀でており、小さな金額であっても将来資産を大きく増やせる可能性がある。

また、今後ライフスタイルの変化などで、貯蓄できる額が変わる可能性があれば、柔軟に金額を増減できるiDeCoの方が良いだろう。 掛金の変更は年に1回書類を提出すれば実行できる。

何のために資産を増やしたいのか考える

次になぜ資産を増やすのか、資産が必要なのかを明確にし、どちらが自分にとって最適なのか検討してみよう。

資産形成の理由は、家族構成や収入、希望するライフスタイルによってひとり一人異なる。

「ただ何となく」「みんながやっているから」という理由だけでは、自分にとってどの方法が良いのか見えてこない。

ノウハウや商品の口コミも主観が入り混じっている。多くの人が支持する方法であっても必ずしも自分にとってベストとは限らないため、参考程度にしたい。

以下に、個人年金とiDeCoどちらがふさわしいかを資産形成の目的別にまとめた。

個人年金保険を検討すべき人
  • 安定的な老後資金の確保が目的
  • 「将来この費用に充てたい」と用途が明確になっている
  • ある程度確定している金額を受け取りたい
  • 安心のための保険機能もほしい
iDeCoを検討すべき人
  • 老度の資金をできるだけ増やすのが目的
  • 余裕のある資金が欲しい
  • 税制のメリットをできるだけたくさん受けたい

自分にとってどんな資産形成の手段が最適なのかは、目的やニーズを洗い出し考えよう。

個人年金保険とiDeCoを併用することも検討しよう

将来に備える資産形成は、複数の制度や商品を組み合わせるとより効果的に運用できる。

個人年金保険とiDeCoはどちらもあわせて利用できるため、迷った場合は両方を始めてみるのも良いだろう。

2つの制度を利用することで、それぞれの強みを活かしつつ、弱みを補えるため、結果的に資産形成を最適化できる。

個人年金保険・iDeCoは、どちらも税制面でメリットのある制度や商品だ。

別々の税優遇の枠を利用できるので、節税効果の面では併用することがもっとも効果が高い。

長期運用することで、より大きく税の負担を軽減できるため、できるだけ早めに始めてほしい。

ただし、デメリットやリスクを十分理解した上で選択をするべきだ。

毎月数万円のお金を使うことになるので、はじめに疑問点などはないか、支払いにあたって懸念点はないかなど、しっかりと解消した上で取り組みたい。

個人年金保険とiDeCoの制度を理解して自分にあった選択を!

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、個人年金保険とiDeCoの制度概要と制度の比較、自分に合った資産形成方法について解説した。

個人年金保険は確実に決まった額を将来獲得できるというメリットがある。一方、利回りは良くないため、資産を大きく増やすことは難しい。

また、iDeCoは利回りが良いが、途中解約や受取ができないという注意点があるため、自分のライフスタイルに適している方法を選択する、または併用して資産形成していくことが大切になる。

もしこれらの判断にまよったら、保険のプロに相談することも積極的に検討してみるといいだろう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、自分にとって適切な選択をすることができるはずだ。

また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。

「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができるマッチングサービスである。

気になった担当者とは無料相談もできるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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