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従業員の福利厚生で医療保険を活用する時に知っておきたいこと!注意点や活用法を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 福利厚生として利用できる法人向け医療保険について理解したい
  • 適切な法人向け医療保険の選び方が知りたい
  • 法人向け医療保険を選ぶ際に注意するべきことを知りたい

従業員が働きやすい環境を用意する福利厚生の一環として、法人が医療保険に加入することがある。

しかし、会社が従業員向け医療保険で保障するべき内容や利用する際の注意点がわからないという方も多いのではないだろうか。

本記事では法人向け医療保険の概要や選び方のポイント、注意点について解説する。

従業員向け医療保険を導入したい、または会社が導入しているという方は、参考にしてもらいたい。

目次

法人向け医療保険の概要

法人向け医療保険の概要 生命保険ナビ

医療保険には個人向けだけでなく法人向けの商品も存在する。

企業が従業員の福利厚生として医療保険を導入する際に知っておきたいポイントを紹介するのでぜひ参考にしてみてほしい。

法人向け医療保険とは

法人向け医療保険とは、企業が従業員に対して提供する医療保険の一種のことだ。

経営者や従業員の健康維持や医療費の負担軽減を目的として導入されることが多く、法人向け医療保険は、個人向け医療保険とは異なる特徴やメリットを持っている。

従業員が個別に保険契約をする個人向け医療保険とは異なり、企業がまとめて契約を行うのも大きな特徴である。

法人向け医療保険は大きく分けて経営者や役員向けの保険と従業員向けの保険がある。

経営者や役員向けの保険は経営陣の退職時に支払う退職金がわりとして高額な解約返戻金を設定したタイプの生命保険や養老保険等が選ばれることが多い。

一方で従業員向けの法人保険は従業員を被保険者とした保険だ。

医療保険の場合は病気やケガをしたときに、公的医療保険に上乗せできる自社独自のサポート内容として活用できる。

それぞれ被保険者や活用方法が異なるが、今回は従業員向けの医療保険について解説する。

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法人向け医療保険の役割

法人向け医療保険は主に下記のような役割を求められると考えられる。

  • 従業員の健康状態を維持し、生産性の向上を図る
  • 医療費負担を軽減し、従業員の経済的負担を抑制する
  • 他社よりも充実した福利厚生制度を提供することで、従業員の満足度やモチベーションを向上させる。

医療保険を活用することで従業員は定期的な健康診断や予防接種などのサービスを従来よりも積極的に受けることが可能となる。

これによって予防医療の促進が進むだけでなく、万一病気やけがとなった場合も早期発見が可能となり、健康状態の維持や疾病のリスク軽減が図られる。

法人向け医療保険がなくても、日本は国民皆保険制度が導入されているため、公的医療制度によって例えば病院等での窓口負担は原則3割程度に抑えられる。

そのうえで公的医療制度とは別に法人向け医療保険に加入することで充実した保障を受けられるようになり、従業員の医療費負担がさらに軽減されるメリットがある。

他社よりも充実した福利厚生制度を用意することは優秀な人材確保にもつながる可能性があり、各社の競争力を高めるためには非常に重要な要素となる。

従業員が優れた福利厚生制度を享受できることは、彼らの満足度や忠誠心を高め、離職率の低下やモチベーションの向上につながることが期待される。

医療保険を導入する企業側と従業員側のメリット

法人向け医療保険を導入すると企業側の経済的負担が増えるが、それでも導入するメリットはあるのだろうか。

企業側と従業員側に分けて解説する。

企業側のメリット
  • 健康な従業員の確保と定着率の向上
  • 給与以外の手当としての利用で競争力の強化
  • 経費削減や税制上の優遇

会社として医療保険を提供することで従業員の健康状態を確認、維持向上を図ることはもちろん、病気やけがによる長期休職や離職を減らすことも期待される。

長期休職や離職する従業員が減少すると、企業側は新たに人材を募集して教育する時間や手間を省くことができ、結果的に企業全体のコストや労務管理の効率化ができる可能性がある。

給与収入とは別で優れた福利厚生制度を提供することで、優秀な人材の確保や定着率の向上にも寄与し、企業自体の競争力強化にも期待できる。

従業員側のメリット
  • 医療費の負担軽減
  • 健康管理の手段が充実する

医療保険によって、従業員は病院や医療機関での医療費を保険でカバーすることができる。

これにより、公的医療制度だけでは賄いきれない想定外の医療費の支払いによる経済的な負担を軽減することが可能となる。

医療保険には定期的な健康診断や予防接種などのサービスが含まれることがあり、従業員は健康管理を充実させることが可能となる。

健康管理を従業員のみに任せると、日々の仕事やプライベート等の多忙さからどうしても定期健康診断を受ける機会が限られることも考えられる。

そのため半ば強制的に会社が健康状態の確認や定期健康診断の受診を促進することで、予防医療につながるだけでなく、病気やけがをしても早期発見で被害拡大を食い止めることにもつながる。


法人向け医療保険の選び方

法人向け医療保険の選び方 生命保険ナビ

法人向け医療保険は総合的に保障するタイプのものだけでなく、がんや脳卒中、急性心筋梗塞など特定の病気に備えるタイプの保険も存在する。

ここでは法人向け医療保険を選ぶ際の判断基準や注意点を解説する。

終身タイプと定期タイプを選択する

法人向け医療保険は大きく分けて終身タイプと定期タイプが存在する。

終身タイプは保障が一生涯にわたって続くため、長期的なサポートを重視したい場合に適している一方で、一般的に「掛け捨て」と呼ばれることも多い定期タイプは特定の期間のみ保障が行われるため、予算や将来の予定に合わせてカスタマイズできるのも大きな特徴である。

保険料は一生涯保障が続く終身保険ほど高く、保険期間があらかじめ決まっている定期保険は割安になる傾向がある。

そのため被保険者である従業員が多い場合は、保険料負担を軽減しやすい定期タイプを選択するのも1つの考え方である。

もちろん終身タイプを選ぶと絶対的に損するわけではない。

自社が抱える従業員数や法人向け医療保険にかけられるコストとの関係で選択することが重要だ。

法人向け医療保険の保障が充実すればするほど従業員に与える恩恵は大きくなると考えられるが、負担する保険料に見合うメリットがあるのか見極める必要がある。

企業側にとっては法人保険料をどこまで経費にできるのかは見逃せないポイントだが、2019年には法改正により法人保険の損金取り扱いルールが変更された。

定期保険は原則全額損金として計上できる一方で、一般的に終身保険の短期払いを行う場合は、1人あたりの被保険者につき年間で支払う保険料合計金額が30万円以下の場合は、保険料の全額を損金とすることができる。

このように法人向け医療保険は場合によっては経費処理も複雑となりやすく、保険加入状況や法人向け保険をめぐる法制度は定期的に変更されることもある。

常に最新情報を確認し、必要に応じて運用体制を変更することも必要だ。

緊急時に対応できる体制は整っているのか、どのくらいの人数で対応するのか、担当者の人的リソースは足りているのか、随時見直すことも重要だろう。

付帯サービスの内容を確認する

法人向け医療保険には例えば健康診断の費用補助や医療相談サービスなど、さまざまな付帯サービスが付属していることがある。

従業員が求めるサービスや特典に応じて、内容をつけるかどうか考えよう。

従業員が求めている保険の内容を理解する

法人向け医療保険を導入するにあたって、従業員が求めている保険の内容を理解することが重要だ。

万一従業員が全く求めていない法人向けの医療保険に加入すると、加入者は企業側が想定する数ほど伸びず、経費負担ばかり増えてしまうおそれがある。

定期的に従業員向けのアンケートや意見交換の場を設け、彼らのニーズや要望を集めてそれに合った保険商品を選ぶことが重要だ。

法人向け医療保険を利用する際に気をつけるべきこと

法人向け医療保険を利用する際に気をつけるべきこと 生命保険ナビ

ここからは法人向け医療保険を利用する際に気をつけたいポイントを解説する。

いざというときに自社独自のサポート内容を従業員に確実に届けるためにも下記のような内容は必ず確認することをおすすめする。

対象となる従業員を確認する

全従業員に対して導入するのか、一部の従業員に限定するのかを決定し、その範囲を明示することが重要だ。

ひとくちに従業員といっても下記のように様々な雇用契約で勤務していることも少なくない。

  • 派遣社員
  • 契約社員
  • 地域限定社員(転勤を伴わない)
  • 出向社員(親会社などから異動してきた者)
  • 総合職正社員(転勤の可能性がある)

想定外のトラブルを防止するためにも、導入する法人向け医療保険はどの社員が加入対象となるのか等を理由も含めて事前に明確に提示しよう。

もし提示しなければ「自分は派遣社員、契約社員だが対象とならないのはなぜか、正社員と全く同じ業務を担当しているにもかかわらず差をつけられるのは納得できない」と不満につながるおそれもある。

規定を定めるようにする

法人向け医療保険を導入する際には明確に規定を定めることをおすすめする。

福利厚生に関する規定だけでなく退職金や見舞金等の規定にも不備がないか確認しよう。

いざというときは一般的にあらかじめ定められた規定に沿って保険金や給付金が支給されるため「受け取れると思っていたのにもらえなかった」等のトラブルが発生すると、法人向け医療保険だけでなく企業への信用を損なうおそれがある。

トラブルを防止するためにも加入条件や保険金支給の基準などを従業員に対して明示し、一貫性と公平性を保つ必要がある。

雇用契約書や就業規則と同様に詳細を規定して運用すると良いだろう。

法人向け医療保険の担当者はさまざまな規程を理解し、従業員からの疑問や質問、請求事由等が発生した場合は速やかに保険会社に報告、連絡、相談できる体制を整えておくことが重要だ。

いざというときは速やかに対応して保険金や給付金が従業員や家族等に届けられると、加入者や関係者の生活基盤が安定するだけでなく、平時も安心感を従業員に与えられるのは大きい。

従業員の健康状態に合わせた保険を導入する

従業員の健康状態に合わせた保険を導入することも重要だ。従業員の年齢や性別、病歴などの傾向は各社異なる。

それぞれの状況や傾向を分析し、考えられるリスクや備えるべき内容をカバーできる保険に加入して商品プランも適切にカスタマイズする必要があるだろう。

従業員が病気やけがをした際の対応だけでなく、日常的に定期的な健康診断の受診を呼びかけ、健康促進プログラムの提供など、予防的な取り組みも重要である。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では従業員が加入できる法人向け医療保険の概要や選び方のポイント、注意点について解説した。

医療保険を福利厚生として活用することで、従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保につながる可能性がある。

また、より有効な手段にするためには、従業員の健康状態を確認しておくなど、事前の準備を徹底しておくと良いだろう。

しかし、法人向け医療保険を選ぶ際には保険期間や付帯サービスの有無などを総合的に判断する必要がある。

そのため、会社に最適な法人向け医療保険の判断に迷った時には、保険のプロに相談することも検討しよう。

会社毎に合ったアドバイスをもらうことで、的確に必要な法人向け医療保険を選択することができるはずだ。

また、全国の保険のプロの中から、会社にとって最適な担当なのかを見極めるには、マッチングサイト「生命保険ナビ」がおすすめだ。

「生命保険ナビ」を使うことで、会社が求める保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で相談もできるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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