- 学資保険を乗り換えるデメリットが知りたい
- 学資保険の乗り換えをする際の注意点が知りたい
- 学資保険の乗り換えをせずに保険料を抑える方法が知りたい
学資保険は、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝金として受け取ることができる貯蓄型の保険である。
学資保険に加入している人の中には、保険料の高さや返戻率の低さから乗り換えを検討する人もいるだろう。
ただ、結論から言うと学資保険の乗り換えは損をする可能性が高い。
そこで本記事では、学資保険を乗り換えるデメリットやどうしても乗り換える際の注意点について解説する。
また、乗り換えせずに学資保険の返戻率や保険料を調整する方法についても解説する。
学資保険を上手に活用したいという人は、ぜひ参考にしてほしい。
学資保険を乗り換える際の注意点
学資保険は基本的に乗り換えをするケースが少なく、乗り換えることによるデメリットも多い。
どういった点がデメリットになるのかを把握した上で、本当に乗り換えるべきかを判断しよう。
ここでは、学資保険の基本的な特徴や乗り換えによるデメリットなどを解説していく。
学資保険とは
学資保険とは、将来必要となる子どもの教育資金を計画的に準備するための保険商品だ。
払込期間中に保険料を支払い、中学・高校などの入学の節目で祝金を受け取ったり、保険期間の満期時に満期保険金を受け取ったりする仕組みとなっている。
子どもの教育費はまとまった金額が必要となるケースが多く、特に大学進学のタイミングでは4年間で数百万円の出費となる。
計画的に準備していく必要があるが、貯蓄が苦手な方には難しいケースもあるだろう。
学資保険であれば保険料が引かれ、自動で積み立ててくれるため計画的に準備ができる。
コツコツと貯金するのが苦手な方に向いている商品だ。
また、学資保険の大きな特徴として「もしものときに保険料払込免除が受けられる」という点が挙げられる。
契約者である親・保護者が万が一死亡してしまった場合、以降の保険料払込が免除される。
祝金や満期保険金は予定通り支払われるため、万が一のときにもしっかりと教育資金を残せる点も魅力と言えるだろう。
このように万が一の保障を備えつつ、計画的に教育資金を準備できるのが学資保険の基本的な特徴である。
学資保険の乗り換えによる注意点
最初に契約した学資保険の内容を見直し、ほかの商品に乗り換えたいと考える方も多いだろう。
しかし学資保険の乗り換えにはデメリットが多く、失敗してしまうリスクが高い。
学資保険を乗り換える際の注意点は主に以下の3点だ。
- 途中解約をすると元本割れを起こす可能性が高い
- 返戻率が低くなる可能性が高い
- 新規契約できない場合がある
保険の乗り換えを行う場合、現在契約している学資保険を解約することとなる。
解約すると解約返戻金を受け取れるが、返戻金は基本的に支払った保険料総額を下回る可能性が高く、元本割れとなってしまうリスクが高いため注意が必要だ。
また、学資保険の返戻率は年齢が若い方が高くなる傾向にある。乗り換えを行う場合、現在加入中の商品を契約したときよりも年齢が高くなっているため、返戻率の高さは期待できない。
乗り換え前の商品よりも返戻率が下がってしまうリスクがあることも頭に入れておこう。
そして、年齢を重ねて健康状態が悪化している場合、学資保険の新規契約を断られる可能性もある。
希望の乗り換え先商品に加入できないリスクがある点にも注意が必要だ。
学資保険の乗り換えは基本的におすすめしない
前述した3つのデメリットを踏まえると、基本的に学資保険の乗り換えはおすすめできない。
新規で契約する商品が現在加入中の商品よりも有利な条件となるケースがほとんどないためだ。
一般的に生命保険などの保険商品の乗り換えは、既存の契約よりも保険料が下がったり、より魅力的な保障内容の商品に変更できたりなど、有利な条件となることが前提で行われる。
しかし学資保険は返戻率が下がる可能性が高く、同じ保険金額を用意する場合の保険料は高くなってしまう。
また、健康状態によっては乗り換え先の学資保険に加入できないリスクもある。
乗り換え先の選択肢が限られていたり、希望の商品を利用できなかったりなど、思うように乗り換えられない可能性がある点も視野に入れる必要があるだろう。
さらに、現在契約中の学資保険を途中で解約すると元本割れを起こしてしまうリスクがある。
仮に返戻率が高い商品に乗り換えられたとしても、元本割れで損をした分を差し引くとトータルでマイナスになる可能性が高い。
こうした内容を総合的に考えると、やはり学資保険の乗り換えは基本的におすすめしない。
一度加入した学資保険はよほどの事情がない限り、そのまま契約しておく方が良いだろう。
どうしても学資保険を乗り換えたい時の方法と注意点
前述の通り、学資保険の乗り換えは基本的におすすめしていない。
しかし保険金額の不足を感じたり、他社で魅力的な商品を見つけたりなど、どうしても乗り換えたいというケースもあるだろう。
ここでは、やむを得ず学資保険を乗り換える場合の方法と注意点をご紹介する。
学資保険の契約内容だけを変更できないか確かめる
もし現在加入中の学資保険の保障内容に不足があったり、保険料の負担が大きかったりする場合、契約内容だけを変更できないか確かめてみよう。
わざわざ保険を解約しなくても、必要な保障内容に変更できる場合があるためだ。
例えば現在契約中の学資保険に特約を上乗せしている場合、特約のみを解約することもできる。
子どもが入院・手術となった場合の医療保障や死亡してしまった時の死亡保障などの特約を解約することで、保険料を抑えることが可能だ。
前述の通り、学資保険を解約して新規の商品に乗り換えることにはデメリットが多い。
現在加入中の学資保険の契約内容変更で対応できるのであれば、乗り換える必要はないだろう。
まずは乗り換えずに済む方法がないかを確かめることをおすすめする。
学資保険を払い済み保険にする
他社で魅力的な学資保険を見つけた場合、契約中の保険を払い済みにするという方法もある。
払い済みとは、保険契約は継続しながら以降の保険料払込をストップさせるという方法だ。
払い済みにすると、契約当初に予定されていた満期保険金よりも受け取れる金額は減ってしまうが、満期のタイミングで保険金を受け取れる。
解約するよりも受け取れる金額は多くなり、元本割れのリスクを抑えることができる。
この方法を採用すれば、大きな損をすることなく新しい学資保険に乗り換えることが可能だ。
どうしても他社の学資保険を契約したいと考えている場合は、払い済みにするという方法を検討しよう。
なお、払い済みにした場合は当初予定していた満期まで保険金を受け取ることはできない。
まとまった現金を受け取って新規契約する学資保険の保険料に充てるといったことはできないため注意が必要だ。
まとまった金額を受け取って新規の保険に活用したい場合は、元本割れのリスクを覚悟して途中解約した方が良いだろう。
次の学資保険に加入できるかを確認する
加入中の保険の契約内容変更や払い済みにするといった方法を選択せず、完全に契約中の保険を解約して乗り換える場合は、次の保険に加入できる見込みがあるか確認しておこう。
先に契約中の保険を解約し、次の保険で加入を断られてしまった場合に無保険状態となってしまうリスクがあるためだ。
学資保険に加入できるかどうかは「子どもの年齢」と「契約者の年齢・健康状態」の2つを考慮しなければならない。
乗り換え先の保険加入にあたり、2つの条件が問題にならないかを確かめよう。
子どもの年齢条件は「3歳まで」「6歳まで」「11歳まで」など上限となる年齢が商品によって異なる。乗り換え先の商品の年齢条件をチェックしておこう。
また、契約者の年齢については「55歳〜60歳程度」が上限となるケースが多い。加えて健康状態に問題があると、加入を断られてしまうリスクがある。
こうした加入条件を踏まえ、次の保険に問題なく加入できるのか、保険会社や代理店、FPなど保険のプロに相談の上確認してから解約手続きを進めるようにしよう。
乗り換え以外で学資保険の保険料を調整する方法
契約している学資保険の保険料負担が重く、どうにかして負担を軽減したいと考えている場合は以下の4つの方法がおすすめだ。
- 特約を解約する
- 支払い方法を変更する
- 一部解約する
- 契約者貸付制度を利用する
それぞれの内容をご紹介するので、保険料の負担が厳しい場合は上記4つの方法を検討してみよう。
学資保険の特約を解約する
加入中の学資保険で医療保障や死亡保障などの特約を契約している場合、解約することで保険料を抑えることができる。
一度保障内容を見直し、不要な特約を解約できないか検討してみよう。
学資保険の主な特約として以下のものが挙げられる。
- 契約者が死亡した場合の保険料払込免除
- 契約者が死亡した場合の育英年金
- 子どもが入院・手術した場合の医療保障
- 子どもが死亡した場合の死亡保障
特に子どもに対する医療保障や死亡保障は、医療保険や死亡保険の保障内容と重複している。
すでに医療保険・死亡保険に加入している場合は、わざわざ学資保険の特約で契約する必要性は低いだろう。
学資保険はあくまでも教育資金を準備する目的で加入する商品だ。
オプションとして契約できる特約よりも、本来の目的である教育資金準備の方が優先順位が高いはずである。
不要な特約は解約し、保険料の負担を抑えることを視野に入れよう。
学資保険の支払い方法を変更する
学資保険の保険料は「月払い」「年払い」「一括払い」などさまざまな支払い方法があり、それぞれ負担する保険料の総額が異なる。
もし保険料の負担を抑えたいのであれば、支払い方法の変更を検討してみるのも良いだろう。
基本的に保険料は、払込回数が少ない方がトータルの負担が抑えられる。
つまり月払いよりも年払い、年払いよりも一括払いの方が支払う保険料の総額は少なくなるということだ。
したがってトータルの保険料負担を抑えたいのであれば、月払いから年払いや一括払いに変更することをおすすめする。
一回あたりの保険料は大きくなるものの、トータルで見た保険料は減らすことができる。
一方、一回あたりの保険料負担を抑えたいのであれば月払いに変更しよう。
毎月支払う必要がある上に保険料総額も大きくなってしまうが、一度に引かれる金額は小さくなる。家計にかかる負担を軽減できるだろう。
家計の状況に合わせ、無理なく支払っていける支払い方法に変更しよう。
学資保険の保障を一部解約する
学資保険の保障を一部解約し、保険料を下げる方法も検討してみよう。
将来受け取れる保険金額は減ってしまうものの、家計への負担も軽減できるため無理なく保険契約を継続できる。
一部解約の場合でも、解約した部分の解約返戻金を受け取ることは可能だ。
手元の資金を確保でき、今後の保険料負担も抑えられるというのは比較的メリットが多いと言えるだろう。
繰り返しになるが、契約中の保険を完全に解約してしまうと元本割れとなる可能性が高く、せっかく支払った保険料がもったいない。
保険料が少し安くなれば契約を継続できるのであれば、完全に解約せずに一部のみを解約した方が良いだろう。
ただし満期保険金が減ってしまうため、契約当初予定していた計画のままだと教育資金が不足してしまうリスクがある。
一部解約をする際は、同時に不足分をどのように補うのかという点も考慮しておこう。
学資保険の契約者貸付制度を利用する
保険料の支払いが厳しく、家計が苦しい場合は契約者貸付制度の利用も視野に入れよう。
契約者貸付制度とは、利用時点での解約返戻金の範囲内で融資を受けられる制度のことだ。
学資保険に支払った保険料は、一部を満期保険金や解約返戻金のために貯蓄している。
契約者貸付では解約返戻金のために貯蓄している分を担保にすることで、一定の範囲内でお金を借りられる仕組みとなっているのだ。
通常、銀行で融資を受けたり、カードローンを契約したりする場合、収入や勤務先の情報をもとにした審査が行われる。
審査に落ちてお金を借りられなかったり、お金を借りるまでに時間がかかってしまったりする場合がある。
しかし、契約者貸付は解約返戻金を担保にして借り入れることから審査が必要ない。
比較的スピーディーに融資を受けることができ、ほかでお金を借りられない人でも利用可能だ。
どうしても保険料の支払いが厳しい場合は、契約者貸付制度を使ってお金を借りることも検討してみよう。
ただし、資金を借り入れることになるため利息が発生する。
また、契約者貸付の返済が済んでいない状態で満期を迎えた場合、受け取れる返戻金は借入額とその利息が引かれた分しか支給されないため注意が必要だ。
学資保険を乗り換える前に注意点をよく理解しておこう
本記事では、学資保険を乗り換えるデメリットやどうしても乗り換える際の注意点について解説した。
また、乗り換えせずに学資保険の返戻率や保険料を調整する方法についても解説を行った。
学資保険を途中で乗り換えようとすると、基本的に解約返戻金は支払った保険料の合計を下回り、元本割れを引き起こす。
損をしないために、保険料を抑えたい場合は一部解約を行うようにしよう。
また、返戻率を高めたい場合には、保険料の支払い方法を変更することで対策が可能になる。
ただ、学資保険の内容を見直すには多数の項目を見ていく必要があり、一人では難しいと考える人もいるかもしれない。
そんな時は、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、学資保険の見直しを安心して進めることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけることは難しいだろう。
マッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。
無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。