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学資保険の受取人は誰にするべき?保険金を受け取る際の税金や課税額を軽減する方法を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 学資保険の受取人は誰にするべきか知りたい
  • 受取人によって保険金にかかる税金がどれくらい違うのかわからない
  • 学資保険の受取人を途中で変更できるか知りたい

学資保険は、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることが出来る貯蓄型の保険である。

学資保険の契約者は親になる事が大半だが、保険金の受取人は誰にするべきか、悩んでいる人はいないだろうか。

受取人の設定を誤ると、余分に税金がかかってしまう可能性がある。

正しい設定方法を理解して、学資保険の利用時に損しないようにしてほしい。

本記事では、学資保険の受取人を誰にするべきか、また受取人によって保険金にかかる税金がどう変わるのかについて解説する。

また、途中で学資保険の受取人を変更する方法についても説明する。

学資保険の受取人を決めかねているという人には、ぜひ参考にしてほしい。

目次

学資保険の受取人は誰にするべきか

学資保険の受取人は誰にすべきか 生命保険ナビ

ここでは、学資保険が「どのような保障を受けられるのか」を丁寧に紹介し、「学資保険の受取人を誰にすべきか?」というポイントも説明していく。

また、少し難しく感じる「契約者」「被保険者」「受取人」の意味も解説していくので、保険について知っていこう。

学資保険は、子どもの将来を支える味方

学資保険とは、将来子どもが 進学するときのために、早い段階からお金を準備しておく保険のことを指す。

そのため、子供の将来を支える味方だと言えるだろう。

だが、「進学といっても、どれくらいのお金が必要になるのかな?」とイメージしにくいかもしれない。

下記では、高校進学と大学進学時にかかる費用を紹介するので、具体的に考えていこう。

高校へ入学するタイミング

子どもが学べるよう、「高等学校等就学支援金制度(通称:高校無償化制度)」という制度で国がサポートをしていることを知っているだろうか。

高等学校等就学支援金制度とは、条件を満たしていると実質無料で高校に通える制度のことを指す。

だが、入学金・教科書代・通学定期代・制服などの衣類代は対象外になるため、まとまった金額が必要になる。

では、どれくらいの金額が必要になるのだろうか。

参考例(目安)

必要なもの金額
入学金(公立)5,550円/5,650円
※都道府県によって異なる
入学金(私立)平均約160万円
教材平均約4万1千円
通学関連費
※定期代・制服やバッグなど
平均約8万円
参考:TOPΣ「公立高校の入学金はいくら必要?費用の内訳や給付金制度も解説 – 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導」

他にも、学校納付金・遠足や修学旅行の積立金・教科外活動費などの費用を用意しなければらならないのだ。

そのた高校(公立)の入学時に必要な費用をすべて足すと、平均約280,000円になる。

大学へ入学するタイミング

り込まれる。そのため、入学金などの費用は、親が一時的に立て替えるなどのサポートが必要だ。

では、大学へ入学するとなると、初年度はどれくらいの費用が必要になるのか確認していこう。

大学進学時の初年度費用(目安)

入学先初年度費用
国立大学約80万円~100万円
私立大学(文系)平均約120万円
私立大学(理系)平均約160万円
私立大学(医歯系)平均約490万円
※私立大学:授業料・入学金・施設備費
参考:マネープラザ ONLINE「大学の学費はどのくらいかかる? 金額の目安や資金を確保する方法」

進学先によっては、下宿のための引越し費用や、家賃(敷金礼金・仲介手数料など)、冷蔵庫などの家電購入費が必要になるため、さらに多くのお金が必要になると予測できる。

子どもの未来を心から応援するためにも、学資保険のサポートは必要だと言えるだろう。

学資保険の契約者・被保険者・受取人

学資保険のことを調べたり、パンフレットを確認していると「被保険者って誰を指しているんだろう?」と、頭の中で整理ができないこともあるだろう。

ここでは、言葉の意味を丁寧に説明していくので、保険を選ぶ際にしっかりと内容を読み取ろう。

  1. 契約者=保険料を支払う人

学資保険を契約する人のことを指し、一般的には両親のどちらかであり、父親が多い傾向にある。また、さまざまな事情から、祖父母のどちらかが契約者になるケースもあるため、年齢制限がある。

  1. 被保険者=子ども

学資保険の保障を受ける人のことを指す。

  1. 受取人=保険金を受け取る人

学資保険からもらえる、祝金・満期保険金を受け取れる人のことを指す。

「学資保険の契約者=受取人」がおすすめ

契約者・被保険者・受取人の意味がわかると、「契約者と受取人は別の方がいいのかな?」と悩んでしまう人もいるだろう。このポイントは非常に重要なので、慎重に決めるといい。

おすすめは、「学資保険の契約者=受取人」である。

なぜなら、税金がかかる金額を多く減らせるためだ。「契約者が受取人かどうか」というポイントが違うだけで、受け取れる金額が変わってくる。

まずは、下記の表から、学資保険の課税方法を確認していこう。

税金の種類

一時金として受け取る
※契約者と受取人が同じ
年金形式で受け取る
※契約者と受取人が同じ
契約者と受取人が別
保険料を払う人父親父親父親
保障を受ける人子ども子ども子ども
保険金を受け取る人父親父親母親
課税方法①一時所得②雑所得③贈与税

課税方法によって、保険金から控除できる金額も変わるため、税金が発生する金額が異なる。

そのため、少しでも多くの保険金を受け取りたい場合は、契約者と受取人を同じにするといい。

※控除=満期保険金から引いてもいい金額のこと

しかし、離婚をきっかけに保険料は父親が払い、満期保険金は母親が受け取るということに決めたなどの場合は、無理に同じにしない方がいいケースもある。

そのため、すべておすすめできる訳ではないので注意しよう。

受取人によって学資保険にかかる税金はどれくらい変わるのか

受取人によってかかる税金がどれくらい変わるのか 生命保険ナビ

【おすすめは「学資保険の契約者=受取人」】で解説した通り、受け取り方が違うだけで、税金の種類が変わるのだ。

では、具体的にどれくらいの金額が違うのかを紹介していくので、参考にしてみてはいかがだろうか。

〈一時金〉で受け取る場合

一時所得とは、学資保険の契約者が、保険金を保険会社から受け取った場合に〈一時的な所得〉としてみなされる所得を指す。

契約者が保険料を払って受け取っているため、「契約者の所得」になるのだ。

「満期保険金を100万円受け取ったら、100万円に税金がかかるんじゃないの?」と思ってしまうが、上記で解説した通り〈控除〉や〈保険料〉を引けるため、税金の対象になる金額を減らせるのだ。

一時所得の計算式

満期保険金などの保険金額-保険会社に支払った保険料-特別控除(最高50万円)

参考①
  • 満期保険金:200万円
  • 保険会社に支払った保険料:180万円
  • 計算式:200万円-180万円-最高50万円=0
  • 一時所得:0円
参考②
  • 所得税が控除額の50万円を超えた場合、所得税はさらに半分の金額になる。
  • 満期保険金と保険料の差額:60万円
  • 一時所得:10万円×1/2=5万円

〈年金形式〉で受け取る場合

年金のように、毎年祝金を受け取る選択をすると、一時所得ではなく、年金と同じ〈雑所得〉になるのだ。

雑所得の計算式

年金年額×(払込保険料総額÷総支給見込額)=払込保険料

年金額-払込保険料 

参考
  • 保険金:50万円 × 4回 = 200万円
  • 保険会社に支払った保険料:180万円
  • 計算式:50万円 ×(180万円÷200万円)=45万円
    • 50万円-45万円=5万円
  • 雑所得:5万円

学資保険の契約者と別の人が受け取る場合

契約者と別の人が受け取る場合は、保険料の負担がないまま保険金を受け取ることになるため、贈与税に該当する。

贈与税の計算式

(贈与された金額-基礎控除110万円)×税率 ※基礎控除110万円/年

参考
  • 満期保険金:200万円
  • 計算式:200万円-110万円×10%=9万円
  • 所得税:9万円

このように、保険料を支払っていないためその分を引くことはできない。

そのため、1番多くの金額を貰えるのは、①一時金として契約者が受け取る方法だと言える。

しかし、ケースによっては、②・③の方法が最適なこともあるため、慎重に選ぶのが理想的だ。

また、贈与税の税率は金額によって変わってくるため、実際に計算してみたい人は国税庁のサイトから調べてみるといいだろう。

今回は、2023年10月時点の計算式を紹介したが、改定により計算式が変わる可能性があるので注意してほしい。

下記URLから詳細を確認できるので、実際に選ぶ際に参考にしてみてはいかがだろうか。

学資保険の契約中に受取人を変更する方法とは

学資保険の契約中に受取人を変更する方法とは 生命保険ナビ

ここでは、学資保険の契約中に受取人を変更する方がいいケースや、その理由を中心に解説していく。

もしものときに冷静に対処するためにも、予備知識として知っておくと役に立つはずだ。

学資保険の契約中に、受取人を変更する方がいいケース

学資保険の契約中に、受取人を変更する方がいいケースがある。

それは、離婚するタイミングと契約者(親)が亡くなったタイミングだ。

このタイミングで変更しておかなければ、余計な税金を支払う・トラブルに巻き込まれるなどのアクシデントが発生する可能性がある。

では、なぜ受取人を変更しなければならないか、理由を紹介していこう。

離婚

学資保険は、契約者が父親に設定されていることが多い。

そのため、離婚後の親権が母親にある場合は注意が必要である。

なぜなら、契約者である父親が勝手に学資保険を解約したり、満期を迎えた時に連絡が取れなくなる…などのトラブルが発生する可能性が0ではないためだ。

そのようなトラブルに巻き込まれてしまうと、子どもが進みたい道に進めないなどの悲しい結果につながるケースも否めない。

保険に関する変更は、契約者のみが変更できるようになっているので、最悪のケースを防ぐためにも忘れずに変更する必要があるのだ。

契約者(親)が死亡

万が一契約者が死亡した場合、受取人の変更をしなければ、受取人は子どもになってしまう。では、子どもが受取人だとどのようなデメリットがあるのか確認していこう。

  1. 満期保険金と支払った保険料の差額が38万円以上
    • 子どもが親の扶養控除から外れる
  2. 満期保険金と支払った保険料の差額が50万円以上
    • 一時所得として、子どもが所得税を支払わなければならない

親の扶養控除から外れてしまうと、「母子家庭の優遇処置」などが受けられなくなり、母親の控除額が減るため、所得税が高くなるなどの金銭的負担が大きくなる。

家族が亡くなると、慌ただしくなり、保険にまで手をつけられない状況になるかもしれない。

だが、子どもの将来のためにも、なるべく早く保険会社に連絡する方が安心して過ごせるだろう。

学資保険の受取人を変更するときに必要な書類

学資保険の受取人を変更するときに、必要な書類の代表例を紹介するので、変更が必要になったらスムーズに進められるよう忘れずに用意しよう。

  1. 保険証書
  2. 学資保険任意継続申込書
  3. 戸籍謄本
  4. 身分証明書(運転免許証など)
  5. 新しく変更する人名義の口座情報
  6. 印鑑

契約者と受取人を父親として設定しており、離婚後の親権が母親になるケースの場合は、このタイミングで契約者も変更しておくといいだろう。

なぜなら、「受取人によってかかる税金がどれくらい変わるのか」で説明した通り、契約者と受取人が異なると、贈与税になってしまうためだ。

また、紹介した書類は代表例になるため、保険会社に確認し、変更手続きを進めていくと心配ないだろう。

学資保険の受取人を変更する方法

どのような流れで、学資保険の受取人を変更すればいいのだろうか。

実際に変更する際に焦ってしまわないために、流れを紹介するので、もしものときは参考にしてほしい。

受取人の変更方法

STEP
保険会社に連絡する
  • カスタマーセンター(保険会社)に電話で連絡する
  • 保険会社の窓口で受取人の変更を相談する
  • 学資保険の担当者に相談する など
STEP
保険会社から、記入すべき書類などが送られてくる
STEP
必要書類の準備や、書類へ情報を記入する
STEP
準備した書類を保険会社へ提出する

書類でどう記入すればいいかわからないなどの不明点が出てきたら、保険会社に確認しながら進めていくと何度もやり直すことがないのでスムーズに進められるだろう。

学資保険の受取人は、契約者と同一にして税制上の有利な扱いを受けよう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、学資保険の受取人を誰にすべきか、また受取人によって保険金にかかる税金がどう変わるかについて解説した。

さらに、途中で学資保険の受取人を変更する方法についても説明を行った。

学資保険の受取人は、契約者と同一にしておくことで税制上有利な扱いを受けることができる。

ただ、保険金を一括で受け取るか、年金形式で受け取るかによってもかかる税金は変わってくるため、どちらが有利か計算して把握しておこう。

実際に自分がどう保険金を受け取るべきか、本記事の理解だけで判断できる自信がないという人は、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、学資保険にかかる税金についての理解を深め、適切に管理できるようになるはずだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。

そんな時はマッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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