40代におすすめの医療保険とは?保険選びのポイントも解説

この記事の要点
  1. 40代の医療保険は「不足分」を埋める設計で選ぶのが鉄則です。
  2. 高額療養費や傷病手当金など公的保障を把握すれば、保険で補う範囲が明確になります。
  3. 以下で不足分の見積もり方、比較軸、家族構成別の型、判断フローを整理します。

40代で医療保険を見直そうとして、比較サイトを眺めては迷う——よくある話だ。「どれを選べば後悔しないのか」がわからないまま、結局なにも決められない。

保険料の安さや人気ランキングに惹かれても、本当に自分に合っているかは別問題だ。必要なのは「公的保障と貯蓄で足りない分」を見極め、その不足分だけを保険で埋める設計である。

※本記事の数値情報は2024〜2025年時点の公的資料に基づく。制度改定の可能性があるため、最新情報は厚生労働省や各健保の公式情報で確認されたい。

目次

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40代の医療保険おすすめは不足分で決める

「おすすめ」を探す前に、まず自分の不足分を固定する。ここが出発点だ。不足分とは、入院や手術で発生する自己負担と、働けない期間の収入減を合わせたものから、公的保障と貯蓄でカバーできる額を差し引いた残りだ。

不足分が小さければ医療保険は最小限でいい。逆に大きければ、保障を厚くする意味がある。「おすすめ」は万人共通ではない。自分の数字を当てはめて初めて見えてくるものだ。

以下では、公的保障の範囲、高額療養費の上限、対象外となる費用、傷病手当金の仕組み、そして貯蓄との兼ね合いを順に整理する。

公的医療保険でカバーされる範囲

日本の公的医療保険は、保険診療であれば原則として自己負担が3割(70歳未満の場合)に抑えられる。病院の窓口で支払う額は、医療費全体の一部にすぎない。

ただし、保険診療の対象外となる費用もある。自由診療や、保険適用外の先進医療技術料などは全額自己負担だ。公的医療保険の守備範囲を正しく理解しておかないと、「思ったより出費がかさんだ」となりかねない。

次に見る高額療養費制度は、この「保険診療の自己負担」に上限を設ける仕組みである。まずは自分の所得区分で月の上限がいくらになるかを確認しよう。

高額療養費制度で上限を知る

高額療養費制度とは、ひと月の医療費(保険診療分)が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度だ。40代は「70歳未満」の区分表を見る。

所得区分は、会社員なら「標準報酬月額」で決まる。給与明細や健康保険証の等級欄、または勤務先の人事・総務に確認すれば把握できる。自営業の場合は住民税の課税所得で判断する。

70歳未満の自己負担上限は以下のとおりだ。

所得区分月の自己負担上限多数回該当
区分ア(年収約1,160万円以上)252,600円+(医療費-842,000円)×1%140,100円
区分イ(年収約770万〜約1,160万円)167,400円+(医療費-558,000円)×1%93,000円
区分ウ(年収約370万〜約770万円)80,100円+(医療費-267,000円)×1%44,400円
区分エ(年収約370万円以下)57,600円44,400円
区分オ(住民税非課税)35,400円24,600円

「多数回該当」とは、直近12か月で3回以上高額療養費の対象になった場合に、4回目以降の上限がさらに下がる仕組みだ。長期入院や継続治療では、この多数回該当が適用される可能性がある。

また、同一世帯で同じ健康保険に加入している家族がいれば、世帯合算で上限を計算できるケースもある。詳細は加入している健保組合や協会けんぽで確認できる。

なお、高額療養費制度は見直しの議論が進んでいる。厚生労働省から改定案が公表されているため、最新の上限額は公式資料で確認する習慣をつけておきたい。

差額ベッド代など対象外の費用

高額療養費で月の上限が決まっても、それだけで入院費用がすべて収まるわけではない。制度の対象外となる費用が上乗せされるからだ。

対象外になる費用の代表例を挙げる。

  • 差額ベッド代(個室や少人数部屋の追加料金)
  • 入院中の食事代の一部
  • 病院までの交通費
  • 入院中の日用品や衣類
  • 家族の見舞い交通費、家事代替費用

生命保険文化センターの調査によると、入院経験者の自己負担は1日あたり平均24,300円1回の入院あたり平均18.7万円という結果が出ている。この数字には高額療養費適用後の治療費だけでなく、差額ベッド代や食事代、交通費なども含まれている。

ただし平均値だけを見ると実態を見誤る。分布を確認すると、1日あたり自己負担は「10,000〜15,000円未満」が21.5%で最多だが、「40,000円以上」も15.1%存在する。1回あたりの自己負担でも「10〜20万円未満」が37.0%と最も多い一方、「50〜100万円未満」が4.9%、「100万円以上」も1.5%ある。

つまり、入院費用は人によって大きくばらつく。平均値を「相場」と思い込むのは危険で、上振れリスクをどこまで許容するかが設計のポイントになる。

会社員の傷病手当金を確認する

不足分を考えるとき、医療費だけに目が向きがちだが「収入減」も忘れてはならない。入院や療養で働けなくなれば、その間の給与が減る、あるいはゼロになる可能性がある。

会社員や公務員など健康保険に加入している人には、傷病手当金という所得補償制度がある。業務外の病気やケガで働けない場合に、一定額が支給される仕組みだ。

協会けんぽの場合、1日あたりの支給額は「支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」で計算される。支給期間は支給開始日から最長1年6か月だ。

たとえば標準報酬月額の平均が30万円なら、1日あたり約6,667円が支給される計算になる。月額換算で約20万円。元の給与の約3分の2が補填されるイメージだ。

ただし、加入期間が12か月未満の場合は計算方法が異なり、上限額(2025年4月以降は32万円)が適用される。また、組合健保によっては独自の付加給付がある場合もあるので、勤務先の人事や健保組合に確認しておくといい。

一方、自営業やフリーランスで国民健康保険に加入している人には、傷病手当金の制度が原則としてない。収入減への備えを保険で補うか、貯蓄で持つかは、就労形態によって判断が大きく分かれる。

貯蓄で賄える不足分を見積もる

公的保障の範囲がわかったら、次は「貯蓄でどこまで持てるか」を考える。保険は不足分を埋める手段であり、すべてを保険で賄う必要はない。

不足分の見積もり式は、シンプルに書くとこうなる。

不足分 =(入院時の残る費用)+(収入減)−(高額療養費等の公的補填)−(使える貯蓄)

「入院時の残る費用」は、差額ベッド代や食事代など対象外費用を含めた自己負担。前述の分布データを参考に、自分がどの価格帯を想定するかを決める。

「収入減」は、会社員なら傷病手当金でカバーされる分を差し引いた残り。自営業なら収入がゼロになる期間の生活費そのものだ。

「使える貯蓄」は、生活防衛資金(半年〜1年分の生活費)を除いた、医療費に回せる余裕資金を指す。全財産を医療費に充てる想定は現実的ではない。

この式に自分の数字を当てはめてみると、「保険で埋めるべき金額」が見えてくる。不足分がほぼゼロなら、医療保険は最小限か不要という判断もあり得る。不足分が大きければ、入院給付金や一時金で補う設計を検討する意味がある。

項目公的保障で出るか確認先
保険診療の自己負担高額療養費で上限あり加入健保・協会けんぽ
差額ベッド代対象外(全額自己負担)入院先病院
食事代一部自己負担入院先病院
交通費・日用品対象外
収入減(会社員)傷病手当金で約2/3勤務先・健保組合
収入減(自営業)原則なし国保窓口

不足分が整理できたら、次は医療保険の保障内容をどう比較するかを見ていこう。

医療保険の保障を40代で比較する3軸

医療保険の比較は「入院」「手術」「通院」の3軸に絞ると迷いが減る。商品ごとに細かな違いはあるが、まずはこの3つの保障がどういう条件で支払われるかを押さえれば、自分に合う型が見えてくる。

比較の前に意識しておきたいのは、入院の短期化だ。厚生労働省の病院報告によると、一般病床の平均在院日数は15.5日(2024年)。以前より入院期間は短くなっている。この傾向を前提に、保障設計を考える必要がある。

入院給付金は日額型か一時金型か

入院給付金には大きく「日額型」と「一時金型」がある。日額型は入院1日あたり○円という形で支払われ、一時金型は入院したら○万円がまとめて支払われる。

短期入院が増えている現状では、日額型だと「入院日数が少なくて思ったより受け取れなかった」というケースも出てくる。一方、一時金型は入院すれば一定額がもらえるため、短期入院でもまとまった給付を受けやすい。

ただし、一時金型には「入院○日以上」などの条件が付いていることが多い。日帰り入院や1泊2日では対象外という商品もある。支給条件の確認は欠かせない。

入院の自己負担は1日あたり10,000〜15,000円未満が最多だが、40,000円以上も15.1%いる。1回あたりで見ても10〜20万円未満が中心だが、50万円以上かかるケースも約6%ある。この分布を見ながら、日額型でカバーするか、一時金型でまとめて備えるか、あるいは併用するかを検討するといい。

手術給付金の支払方式を確認する

手術給付金は、手術を受けたときに支払われる保障だ。ただし「どの手術が対象か」「外来手術も含まれるか」は商品によって異なる。

確認すべきポイントは以下のとおり。

  • 対象となる手術の範囲(公的医療保険連動型か、約款所定型か)
  • 外来手術(日帰り手術)が対象かどうか
  • 支払回数の上限や、同一手術の間隔制限
  • 入院を伴わない手術の扱い

支払方式も商品ごとに異なる。入院給付金日額の○倍という定率型もあれば、手術の種類で金額が変わる型もある。どちらを選ぶかで保険料も変わるため、先に「自分が重視する範囲」を決めておくと比較がスムーズだ。

通院保障は入院前後まで見る

通院保障は、入院前後の通院や、退院後の通院治療に対して給付される保障だ。ただし「通院すれば何でも出る」わけではない。

多くの商品では「入院を伴う通院」が条件になっている。入院なしの通院だけでは対象外というケースが一般的だ。また、対象となる通院期間(入院前○日、退院後○日以内)や、対象疾病が限定されている場合もある。

がんなど通院治療が中心になる疾病では、通院保障の有無が給付額に大きく影響する。入院前後の通院まで含むか、退院後○日まで対象か、通院日数の上限はいくらか——これらを比較軸に加えておくといい。

保障日数は短期化に合わせるか

入院給付金の「1入院あたりの支払限度日数」は、30日・60日・120日などの設定がある。平均在院日数が15.5日(一般病床)という現状を踏まえると、60日型で足りるケースが多い。

ただし、精神疾患や脳血管疾患など、長期入院になりやすい疾病もある。統計の平均値は「自分が長期入院しない保証」ではない。長期入院リスクをどこまで備えるかは、保険料とのトレードオフで判断することになる。

保障日数を厚くすれば保険料は上がる。家計の予算枠を先に決めてから、日数と保険料のバランスを見るのが現実的だ。

給付の対象外条件を先に確認する

比較で見落としがちなのが「対象外条件」だ。免責期間(契約後○日間は保障対象外)、既往症の扱い、精神疾患の扱いなどは商品によって異なる。

確認する順番としては、まず「契約概要」や「注意喚起情報」に目を通す。ここに重要な免責事項や制限が記載されている。その上で、詳細を知りたければ約款を確認する流れがいい。

対象外条件を見落とすと「保険料が安い」と思って契約したのに、いざというとき給付されない——という事態になりかねない。安さの理由が対象外条件にあるケースは多い。比較の初期段階でチェックしておきたい。

比較項目日額型一時金型
短期入院への適合日数が少ないと給付も少ない条件を満たせばまとまった額
長期入院への適合日数に応じて積み上がる追加給付の有無を確認
支給条件入院日数×日額「○日以上入院」など条件あり
保険料への影響日額設定で変動一時金額で変動

保障の型が固まったら、次は「いつまで保障が必要か」を考える。終身型と定期型の選び方を見ていこう。

40代の医療保険は終身?定期?

終身型か定期型かは「保障が必要な期間」から逆算して決める。どちらが正解というわけではない。自分のライフプランに合う方を選べばいい。

40代は、子どもの教育費がピークに向かう時期でもあり、住宅ローンを抱えている人も多い。一方で、老後の生活設計も視野に入ってくる。今後20〜30年のライフイベントを見据えて、保障期間と払込期間を設計したい。

終身型が向く40代の条件

終身型は、保障が一生涯続くタイプだ。保険料は契約時に固定され、更新による値上がりがない。老後も保障を維持したい人、更新のたびに見直すのが面倒な人に向いている。

終身型が合う人の条件を整理しておこう。

  • 老後も医療保障を手厚く持ちたい
  • 退職後に保険料が上がるのを避けたい
  • 健康なうちに加入して、将来の告知リスクを回避したい
  • 保険の見直しに時間をかけたくない

ただし、終身型は定期型に比べて保険料が高めになる傾向がある。家計に無理のない範囲で払い続けられるかどうかが、継続のカギだ。民保の解約・失効経験率は3年間で9.9%というデータもあり、途中でやめてしまうと意味がない。

定期型が向く40代の条件

定期型は、一定期間(10年、20年など)だけ保障されるタイプだ。終身型より保険料が安く、必要な期間だけ確保したい人に向いている。

定期型が合う条件としては、以下が考えられる。

  • 子どもが独立するまでの期間だけ備えたい
  • 住宅ローン完済までの期間に合わせたい
  • 将来、保障内容を見直す前提で加入したい
  • 当面の保険料を抑えたい

ただし、定期型には「更新型」と「全期型」がある。更新型は満期ごとに自動更新されるが、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、更新のたびに値上がりする。全期型は契約時に保険料が固定されるが、その分、初期の保険料はやや高めだ。

払込期間は老後負担で決める

終身型を選ぶ場合、払込期間の設定も重要だ。「60歳払済」「65歳払済」「終身払い」などの選択肢がある。

60歳や65歳で払込を終えれば、退職後に保険料の負担がなくなる。年金生活に入ってから毎月の出費が減るのはメリットだ。ただし、払込期間を短くするほど月々の保険料は高くなる。

終身払いは月々の保険料が安く済むが、老後も払い続ける必要がある。年金収入だけで払い続けられるか、シミュレーションしておきたい。

解約・失効の経験率を見ると、40〜44歳で6.7%、45〜49歳で9.3%という数字がある。途中でやめる人は一定数いる。継続できる保険料設定を優先した方が、結果的に損をしにくい。

更新型は保険料上昇に注意する

更新型の定期保険は、更新のたびに保険料が上がる。40代で加入して10年後に更新すると、50代の保険料が適用される。さらに10年後には60代の保険料だ。

更新型で注意すべき点は以下のとおり。

  • 更新後の保険料がいくらになるか(試算を確認)
  • 更新できる上限年齢(80歳、90歳など)
  • 更新時に保障内容を変更できるか
  • 健康状態による更新拒否があるか(通常はない)

「更新型=悪い」というわけではない。短期間だけ保障を確保したい場合には合理的な選択だ。ただし、長期で持つ前提なら、更新後の保険料を把握した上で判断する必要がある。

タイプ保障期間保険料の変動向いている人
終身型一生涯固定老後も保障を維持したい人
定期型(全期)契約期間のみ固定必要期間が明確な人
定期型(更新)更新ごとに継続更新時に上昇当面の保険料を抑えたい人

保障期間が決まったら、次は特約の選び方を見ていこう。

40代の医療保険に付けたい特約

特約は「目的に必要な分だけ」に絞るのが基本だ。あれもこれもと付けると保険料が膨らむし、既存の保険や公的保障と重複するリスクもある。

特約を検討する際は、「何のリスクに備えるのか」を明確にしておきたい。医療費の上振れに備えるのか、収入減に備えるのか、特定の疾病に備えるのか——目的によって選ぶ特約は変わる。

先進医療特約は対象と上限を見る

先進医療特約は、厚生労働省が定める「先進医療」を受けた場合に技術料を保障するものだ。先進医療は保険診療と併用できるが、技術料は全額自己負担になる。高額になるケースもあるため、特約で備える人は多い。

ただし、先進医療の対象となる技術は随時見直されている。以前は先進医療だったものが保険適用になったり、逆に対象から外れたりする。「今ある先進医療」がずっと対象とは限らない点は理解しておきたい。

確認すべき点は以下のとおり。

  • 保障の上限額(通算で2,000万円など)
  • 技術料以外(交通費・宿泊費)の補填があるか
  • 特約の更新条件や保険料の変動

先進医療特約は月々の保険料が100〜200円程度と安いことが多い。費用対効果で考えると付けておいて損はないが、「先進医療を受ける確率」自体は高くないことも念頭に置いておくといい。

がん特約は通院治療を想定する

がん保険・がん特約の加入率は、民保加入世帯ベースで40〜44歳が70.9%、45〜49歳が74.8%と高い。40代はがんのリスクが意識され始める年代であり、備えを検討する人が多い。

がん治療は入院から通院へシフトしている。抗がん剤治療や放射線治療は外来で行われることが増えており、入院給付金だけでは保障が手薄になる可能性がある。がん特約を検討するなら、通院給付や診断一時金の有無をチェックしたい。

がん保険・がん特約の入院給付金日額は、世帯主で平均12.0千円。40代に限ると、40〜44歳で12.0千円、45〜49歳で12.4千円という調査結果がある。分布を見ると「1万〜1万5千円未満」が38.4%と最多だ。

がん特約を付けるか、別途がん保険に加入するかは、既存の保障との兼ね合いで決める。医療保険のがん特約は保障範囲が限定的な場合もあるため、条件を細かく比較することが重要だ。

三大疾病は保障の重複を確認する

三大疾病特約は、がん・心疾患・脳血管疾患を対象に、一時金や保険料払込免除などの保障を追加するものだ。

ここで注意したいのが、がん保険やがん特約との重複だ。がん部分が二重になっていないか、給付条件の違いはあるかを確認する必要がある。

また、三大疾病特約の給付条件は商品によって異なる。「がんと診断されたら」「心筋梗塞で入院したら」「脳卒中で後遺症が残ったら」など、疾病ごとに条件が違うケースもある。細かい条件を見ずに加入すると、想定と違う結果になりかねない。

既存の保険で三大疾病の保障がある場合は、棚卸しをしてから特約の追加を検討した方がいい。

女性疾病特約は対象疾病を確認する

女性疾病特約は、乳がん・子宮がん・子宮筋腫など、女性特有の疾病に対して上乗せ保障を行うものだ。

ただし、対象となる疾病の範囲は商品によって異なる。「女性特有」の定義が広い商品もあれば、限定的な商品もある。上皮内新生物(初期のがん)が対象に含まれるかどうかも確認ポイントだ。

女性疾病特約を付けるかどうかは、基本保障で十分カバーできるかを見た上で判断する。基本保障が手厚ければ、特約なしでも問題ないケースもある。

就業不能保障は医療保険と分けて考える

就業不能保障は、病気やケガで働けなくなったときの収入減を補うものだ。医療保険の特約として付けられる商品もあれば、単独の就業不能保険として加入する方法もある。

会社員の場合、まず傷病手当金の存在を確認しておきたい。標準報酬月額の約2/3が最長1年6か月支給されるため、この範囲で生活費がまかなえるなら、就業不能保障の優先度は下がる。

一方、自営業やフリーランスには傷病手当金がない。収入が途絶えるリスクには、就業不能保障や所得補償保険で備える手がある。

就業不能保障を医療保険の特約で持つか、別の保険で持つかは、保障内容と保険料を比較して決める。医療費の保障と収入減の保障は目的が異なるため、分けて設計した方が整理しやすい。

特約備えるリスク確認ポイント
先進医療高額な技術料上限額、対象技術の変動
がんがん治療費(通院含む)通院給付、診断一時金の条件
三大疾病がん・心疾患・脳血管疾患がん保険との重複、給付条件
女性疾病女性特有の疾病対象疾病の範囲
就業不能収入減傷病手当金との兼ね合い

特約の選び方がわかったところで、次は家族構成別に「どんな型がおすすめか」を整理しよう。

家族構成別:40代の医療保険おすすめ

「おすすめ」は家族構成と収入源の数で変わる。独身、子育て世帯、共働き、自営業——それぞれでリスクの大きさと備え方が異なるからだ。

以下では4つのケースに分けて、保障設計の考え方を整理する。商品名の推奨ではなく「どういう型を選ぶとよいか」の目安として参考にしてほしい。

独身の40代に医療保険おすすめ型

独身で扶養家族がいない場合、守るべきは自分自身の生活費だ。入院中の収入減と医療費をどこまで自分でカバーできるかが判断基準になる。

会社員で傷病手当金がある場合、収入減は約2/3がカバーされる。残りの3分の1と医療費の自己負担を、貯蓄で持てるなら医療保険は最小限でいい。

おすすめの型としては、入院一時金型か、日額を抑えた日額型がある。入院1回あたりの自己負担は10〜20万円が最多だが、上振れリスクを許容できるなら、一時金10〜20万円程度の保障で足りるケースも多い。

特約は先進医療のみ、またはがん特約を追加する程度に絞ると、保険料を抑えやすい。

子育て世帯の医療保険おすすめ型

子育て世帯では、自分が入院した場合の「家計への波及」を考える必要がある。収入減に加えて、家事・育児の代替費用が発生する可能性がある。

片働きで主たる収入源が一人の場合、その人が働けなくなるリスクは大きい。傷病手当金でカバーできる範囲を確認した上で、不足があれば就業不能保障を検討する価値がある。

おすすめの型としては、入院給付金(日額または一時金)に加えて、通院保障やがん特約を付けるパターンが考えられる。教育費がピークに向かう時期は、家計の余裕が少なくなりがちなので、保険料とのバランスも重要だ。

共働き世帯の医療保険おすすめ型

共働きで収入源が2本ある場合、片方が働けなくなっても家計が即座に破綻するリスクは相対的に低い。その分、医療保険は薄めに設計して、余裕を貯蓄や投資に回す選択もある。

ただし、収入の比率によっては注意が必要だ。一方の収入に大きく依存している場合、その人の保障を厚くする方がリスク分散になる。

おすすめの型としては、夫婦それぞれが最低限の入院保障(一時金または低めの日額)を持ち、特約は必要に応じて追加するパターンだ。二人とも傷病手当金がある場合、就業不能保障の優先度は下がる。

自営業の40代に医療保険おすすめ型

自営業やフリーランスには傷病手当金がない。働けなくなった場合の収入減は、すべて自分で備える必要がある。

この場合、医療費の保障と収入減の保障を分けて考えた方がいい。医療保険で入院・手術をカバーしつつ、就業不能保険や所得補償保険で収入減に備える——という二段構えだ。

おすすめの型としては、入院給付金は日額型でやや厚めに設定し、長期入院にも対応できる60日以上の保障日数を確保する。加えて、就業不能保障を別途検討する。

国民健康保険組合によっては傷病見舞金制度がある場合もあるので、加入している組合に確認しておくといい。

ケース重視するポイントおすすめ型の目安
独身・会社員医療費の自己負担一時金型 or 低日額+先進医療
子育て・片働き収入減+家事代替日額 or 一時金+通院+がん特約
共働きリスク分散夫婦それぞれ最小限+必要特約
自営業収入減(公的補償なし)日額厚め+就業不能保障(別枠)

型の目安がわかったところで、次は保険料の決め方を見ていこう。

40代の医療保険料の目安と決め方

保険料は「最安を探す」より「予算枠を先に決める」方がうまくいく。保障を決めた後で保険料を見て驚くのではなく、払い続けられる予算の中でどこまで保障を確保できるかを考える順番にする。

40代は住宅ローンや教育費など、固定費が重なりやすい時期だ。ここに保険料が上乗せされると家計を圧迫しかねない。途中で払えなくなって解約するのが最も損な結果になる。

保険料が決まる要素を押さえる

医療保険の保険料は、主に以下の要素で決まる。

  • 加入時の年齢(年齢が上がるほど高い)
  • 性別(疾病リスクの違いで男女差がある)
  • 保障内容(入院日額、保障日数、特約の有無)
  • 保険期間(終身か定期か)
  • 払込期間(60歳払済、終身払いなど)

同じ保障内容でも、40歳で加入するのと45歳で加入するのでは保険料が変わる。加入を検討しているなら、早めに比較を始めた方が選択肢は広がる。

相場は平均より目的で見る

「40代の医療保険料の平均はいくら?」と気になる人は多いだろう。だが、平均値を基準にすると判断を誤りやすい。

医療保険・医療特約の加入率は、民保加入世帯ベースで40〜44歳が94.3%、45〜49歳が97.0%と高い。多くの人が加入しているのは事実だが、「みんなが入っているから自分も入るべき」という理由は根拠として弱い。

重要なのは「自分の不足分を埋めるために、いくらの保障が必要か」だ。平均値はあくまで参考情報であり、自分の状況に合った設計をした結果、平均より高くても安くても問題はない。

家計を圧迫しない予算の作り方

保険料の予算は、以下の順番で考えるといい。

  1. 月々の固定費(住居費、ローン、教育費、通信費など)を書き出す
  2. 変動費(食費、日用品、娯楽など)の平均を把握する
  3. 貯蓄に回したい金額を決める
  4. 残りの中から、保険料に充てられる上限を設定する

この上限を超えない範囲で、保障内容を調整する。保障を厚くしたいなら、特約を減らす、日額を下げる、保障日数を短くするなどの調整が必要だ。

民保の解約・失効経験率は3年間で9.9%というデータがある。約10人に1人が途中でやめている計算だ。継続できる保険料設定を優先した方が、結果的に損をしにくい。

保険料を抑える優先順位の付け方

保険料を抑えたい場合、どこを削るかの優先順位は以下のとおり。

  1. 特約を減らす(必要性の低いものから外す)
  2. 保障日数を短くする(120日→60日など)
  3. 入院日額を下げる(1万円→5,000円など)
  4. 保険期間を定期にする(終身→定期)

特約は「あったら安心」で付けがちだが、本当に必要かを見直すと保険料が下がることが多い。先進医療特約は保険料が安いので残し、それ以外の特約を精査するのが現実的だ。

保障を削りすぎると本末転倒になるため、不足分の見積もりに立ち返りながら調整するといい。

予算と保障のバランスが見えてきたら、次はチェックリストで候補を絞り込もう。

チェックリストで選ぶ40代の医療保険

迷いを減らすには、チェック項目を順番に潰していくのが効率的だ。以下の4つのチェックを経れば、候補を2〜3に絞り込める。

チェック1 公的保障と貯蓄を整理する

最初に、公的保障でカバーされる範囲と、貯蓄で持てる範囲を整理する。

確認項目は以下のとおり。

  • 高額療養費の自分の所得区分と月上限(区分ウなら80,100円+α)
  • 傷病手当金の有無と支給額の目安(会社員なら標準報酬月額×2/3)
  • 医療費に回せる貯蓄額(生活防衛資金を除いた余裕分)

これで「不足分」が見積もれる。不足分が小さければ保障は最小限に、大きければ厚めに設計する。

チェック2 入院・通院・一時金を選ぶ

次に、入院保障の型を決める。

  • 短期入院を前提にするなら → 一時金型 or 日額+一時金併用
  • 長期入院リスクも備えたいなら → 日額型で保障日数を60日以上
  • がんなど通院治療が気になるなら → 通院保障 or がん特約を追加

平均在院日数は15.5日(一般病床)だが、自分がその平均に収まる保証はない。上振れリスクをどこまで許容するかで選ぶ。

チェック3 終身/定期と払込を決める

保障期間と払込期間を決める。

  • 老後も保障を維持したいなら → 終身型
  • 子どもの独立や住宅ローン完済まででよいなら → 定期型
  • 退職後の保険料負担を避けたいなら → 60歳・65歳払済
  • 月々の保険料を抑えたいなら → 終身払い or 定期型

解約・失効を避けるため、継続できる保険料設定を優先する。

チェック4 特約の要否を決める

特約は目的別に要否を判断する。

  • 先進医療特約 → 保険料が安いので付けてもよい
  • がん特約 → がん保険に入っていなければ検討
  • 三大疾病特約 → がん保険との重複を確認
  • 女性疾病特約 → 基本保障で足りるなら不要
  • 就業不能保障 → 自営業なら優先、会社員は傷病手当金と比較

判断フローで候補を2〜3に絞る

最後に、以下のフローで候補を絞り込む。

公的保障で不足が小さい場合
  • 医療保険は最小限(一時金型 or 低日額)
  • 特約は先進医療のみ
  • 対象外条件だけ厳密に確認
収入減リスクが大きい場合
  • 就業不能保障を別枠で検討
  • 医療保険は入院・手術をカバーする設計に
入院短期化を前提にする場合
  • 一時金型を優先
  • 通院保障の条件を比較
  • 日額型なら保障日数は60日で足りるか検討

ここまで絞り込んだら、2〜3の候補について「対象外条件」を最終確認する。免責や既往症の扱いで給付されないケースがないか、契約概要と注意喚起情報で確認してから申し込む。

候補が絞れたら、見直し時の注意点も押さえておこう。

見直し前に知る40代の医療保険注意点

見直しで失敗するパターンは「告知」「重複」「解約」の3つに集約できる。これらを事前に潰しておけば、後悔する確率は下がる。

告知と健康状態で落ちやすい点

医療保険に加入する際は、健康状態の告知が必要だ。告知内容によっては、加入できない、または条件付きになる場合がある。

40代は健康診断で何かしら指摘を受ける人が増える時期だ。事前に以下を確認しておくといい。

  • 過去5年以内の入院・手術歴
  • 現在治療中・投薬中の病気
  • 健康診断での要再検査・要精密検査の項目
  • 過去3か月以内の通院歴

告知は正確に行う必要がある。虚偽の告知は告知義務違反となり、給付金が支払われない原因になる。

持病がある40代の選択肢と注意

持病や既往症がある場合でも、加入できる医療保険はある。選択肢としては以下の3段階だ。

  1. 一般の医療保険(告知でOKが出れば加入可能)
  2. 引受基準緩和型(告知項目が少なく、加入しやすい)
  3. 無選択型(告知なしで加入可能だが、保険料は高め)

引受基準緩和型や無選択型は、一般型より保険料が高く、保障に制限がある場合が多い。まずは一般型で申し込み、難しければ緩和型を検討するのが基本的な流れだ。

加入直後に一定期間の免責(保障対象外期間)が設けられている商品もあるため、条件をよく確認する必要がある。

保障の重複を棚卸しする

新しい保険に加入する前に、既存の保障を棚卸ししておきたい。気づかないうちに同じ保障を二重に持っているケースがある。

確認すべき保障は以下のとおり。

  • 勤務先の団体保険(福利厚生で加入している場合)
  • 共済(都道府県民共済、こくみん共済など)
  • クレジットカード付帯の保険
  • 住宅ローンの団体信用生命保険(三大疾病特約付きなど)
  • 過去に加入した保険で継続中のもの

重複があれば、どちらかを解約する、あるいは新規加入を見送るという選択肢も出てくる。

解約・乗り換え前に確認すること

既存の保険を解約して新しい保険に乗り換える場合、順番を間違えると無保険期間が生じる。

原則は「新契約の成立を確認してから、旧契約を解約する」だ。新契約の申し込み→審査→成立→保障開始を確認した後で、旧契約を解約する流れにする。

また、以下の点も確認しておく。

  • 新契約の免責期間(加入直後は保障対象外の場合がある)
  • 旧契約の解約返戻金(ある場合)
  • 旧契約で継続したい特約がないか

解約・失効の経験率は3年間で9.9%。乗り換えのつもりが無保険になった、という事態は避けたい。

ランキング記事の見方を決める

医療保険のランキング記事は、参考にはなるが鵜呑みにはしない方がいい。

確認すべき点は以下のとおり。

  • 評価軸は何か(保険料の安さか、保障の充実度か、口コミか)
  • 広告・PRの表記があるか
  • 記事の更新日はいつか(古い情報は商品内容が変わっている可能性)
  • 複数のランキング記事を比較して、順位のばらつきを見る

ランキングはあくまで「誰かの評価軸」に基づいた順位だ。自分の評価軸(不足分・予算・家族構成)を先に固定してから、参考情報として使うのがいい。

40代の医療保険のよくある質問

40代で医療保険はいらない?

一概には言えない。公的保障と貯蓄で不足分をカバーできるなら、医療保険は不要という判断もある。

判断基準は、高額療養費で月の上限がいくらか、傷病手当金で収入減がどこまで補填されるか、貯蓄でどこまで持てるか——この3点を整理することだ。不足分が小さければ最小限の保障でいいし、大きければ備える意味がある。

「いらない」と断定するのも「絶対必要」と断定するのも適切ではない。自分の数字を当てはめて判断するのが正解だ。

医療保険は掛け捨てがいい?

医療保険は掛け捨て型が主流だ。貯蓄型(満期返戻金や解約返戻金があるタイプ)もあるが、その分、保険料が高くなる。

保険に貯蓄機能を求めるかどうかは、他の資産運用とのバランスで考えるといい。保険料を抑えて、差額を貯蓄や投資に回す方が効率的という考え方もある。

掛け捨てに抵抗があるなら、「保険は保障を買うもの」と割り切れるかどうかを考えてみるといい。

入院日額はいくらが目安?

一概には言えないが、入院1日あたりの自己負担は10,000〜15,000円未満が最多という調査結果がある。日額5,000〜10,000円で設定する人が多い。

ただし、40,000円以上かかるケースも15.1%存在する。上振れリスクをどこまで保険でカバーするかは、貯蓄とのバランスで決めることになる。

高い日額を設定すれば安心感は増すが、保険料も上がる。継続できる保険料の範囲で設定するのが現実的だ。

先進医療特約は必要?

先進医療特約は、月々100〜200円程度で付けられることが多い。費用対効果で考えると、付けておいて損はないといえる。

ただし、先進医療を受ける確率自体は高くない。また、対象となる技術は随時見直されるため、「今ある先進医療がずっと対象」とは限らない。

過度に不安視する必要はないが、保険料が安いので付けておくのが一般的な選択だ。

女性疾病特約は付けるべき?

女性疾病特約は、乳がんや子宮がんなど女性特有の疾病に対する上乗せ保障だ。基本保障でカバーできる範囲を確認した上で、判断するのがいい。

基本保障が手厚い商品であれば、女性疾病特約なしでも十分なケースがある。特約を付けることで保険料がどれだけ上がるかを見て、費用対効果で判断するといい。

持病があっても加入できる?

持病や既往症があっても、加入できる医療保険はある。まずは一般の医療保険に申し込み、告知で加入可否を確認するのが第一歩だ。

一般型が難しければ、引受基準緩和型や無選択型を検討する。ただし、保険料は高めで、保障に制限がある場合が多い。

告知は正確に行うことが大前提だ。虚偽告知は給付金が支払われない原因になる。

共済と医療保険はどちらが良い?

共済(都道府県民共済、こくみん共済など)は、保険料(掛金)が安く、加入しやすいのがメリットだ。ただし、保障内容は民間の医療保険より限定的な場合がある。

また、共済は一定年齢で保障内容が変わる(薄くなる)ケースがある。終身で同じ保障を維持したい場合は、民間の終身医療保険の方が合っているかもしれない。

どちらが優れているという話ではない。自分の不足分と予算に合う方を選べばいい。

まとめ

40代の医療保険選びは、「不足分を見積もる→比較軸を固定する→自分に合う型を選ぶ→チェックリストで絞り込む」という流れで進めるとスムーズだ。おすすめは万人共通ではなく、公的保障と貯蓄で足りない分を保険で埋める設計にすることで、初めて「自分に合った保険」が見えてくる。

高額療養費の上限、傷病手当金の有無、差額ベッド代などの対象外費用——これらを整理すれば、保険で備えるべき金額が明確になる。その上で、入院保障の型、終身か定期か、特約の要否を順番に決めていく。

保険料は「最安」ではなく「継続できる予算」から逆算する。途中で解約するのが最も損な結果になる。

判断に迷ったら、見積もりを複数取って比較し、契約概要と注意喚起情報で対象外条件を確認する。それでも迷うなら、ファイナンシャルプランナーや保険相談窓口に相談してみてもいい。

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執筆者

生命保険ナビ編集部は、「保障を無駄なく、安心を最大化する保険選び」を目的として、保険相談のおすすめ先保険相談のキャンペーンを紹介。読者がライフステージに応じて最適な保険設計ができるよう、公平かつ分かりやすい情報発信を心がけている。運営元のアドバイザーナビ株式会社は、IFAや保険代理店のアドバイザーと生活者をつなぐマッチングサービス「生命保険ナビ」を展開中。