- 学資保険の申し込みに必要な書類がわからない
- 申し込み時の注意点を理解したい
- 学資保険を選ぶためのポイントが知りたい
大切な子どもの教育資金に備えて、学資保険を検討する人も多い。
学資保険では、申し込み時・加入中・解約時など、そのときどきで必要な手続きがある。
この記事では保険の申し込みを始め、学資保険に必要な手続きや書類、確認すべき点を解説する。
さらに最適な学資保険を選ぶために押さえるべきポイントも述べるので、学資保険をご検討中の方にはぜひ参考にしてほしい。
学資保険申し込み時の必要書類について
学資保険とは、子どもの教育資金を準備するための保険だ。
子どもの成長にともない教育費が増えていくが、この保険では入学や進学に合わせて、祝い金(一時金)や満期保険金が受け取れる。
この保険では、親が亡くなったらその後の保険料の支払いは免除されるが、祝い金や満期保険金は契約通りに受け取れる。
ここでは学資保険の契約から解約までのさまざまな手続きについて解説する。
学資保険を申し込むときに必要な書類
学資保険に加入する場合には、以下の書類が必要となるので、事前に準備しておこう。
- 契約者本人確認書類(写真付き)
- 免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカード、住民基本台帳カードなど
- 保険料を払い込むための情報
- 口座引き落としの場合:銀行の通帳と届出印
- クレジットカード払いの場合:クレジットカード
- 申込書※1
- 告知書※1
- 子どもの存在確認書類※2
- 健康保険証、小児医療証、住民票の写し
- 1:保険会社や代理店のタブレットを使って行う場合もある。インターネットでの申し込みの場合は、画面の指示に沿って必要事項を入力する。
- 2:申し込みの際、子どもが同席していれば不要。
申し込みに必要な書類は、保険会社によって異なる場合もあるので、事前に保険会社や保険代理店に確認しておくとよいだろう。
これら以外にも必要書類ではないが、健康診断結果(直近2年以内)や、お薬手帳などを用意しておくと便利だ。
申し込みの際には、これらの書類の記載内容を確認しながら、告知書に自分(契約者)の健康状況を正確に記入できる。
なお、学資保険の加入条件についてはこちらの記事で解説したので、あわせてチェックしていただくと理解が深まるはずだ。
学資保険加入中の保険料控除に必要な手続き
学資保険は生命保険控除の対象であるため、会社員は年末調整で、個人事業主は確定申告で申告すれば税金が軽減される。
このとき必要となる書類「生命保険料控除証明書」は、毎年10月頃に保険会社から契約者宛てに郵送される。
年末調整では「給与所得者の保険料控除等申告書」に、「生命保険料控除証明書」の記載内容を記入して申告する。
確定申告では、「確定申告書A」の「生命保険控除料控除」欄に必要事項を記入して申告すればよい。
個人事業主は、他の申告事項と併せて、確定申告をするようにしよう。
学資保険の祝い金や満期保険金を受け取るために必要な手続き
祝い金や満期保険金の給付時期が近づくと、保険会社から書類が届くので、同封されている説明書の指示に従って記入する。
必要な書類は、保険会社によって異なるので、説明書の内容を確認して用意しよう。
保険会社によっては、契約者本人の確認書類や、子どもの健康保険証の写しを必要とする場合もある。
書類の記入が終わったら、同封されている保険会社宛ての封筒に書類を入れて、投函すれば手続きは完了する。
記入要領を、保険会社に問い合わせる際には、保険証券に記載されている保険証券番号を尋ねられるので控えておこう。
学資保険を途中解約するときに必要な手続き
契約中の保険を、満期前に解約したい場合は、保険会社や保険代理店に連絡して、必要書類を送ってもらう。
祝い金や満期保険金の受け取りと同様に、解約申請書に必要事項を記入し、保険会社へ発送すれば手続きは完了する。
保険会社が書類を受け取った段階で解約されるため、口頭の申し出や、保険料の払い込みを中止しただけでは解約は完了していない。
ただしインターネットで解約できる場合は、解約申請した当日に解約手続きも完了する。
学資保険を申し込む際に知っておくべきこととは
学資保険を検討される方の中には、すでに生命保険や医療保険など、他の保険に加入している人も多いだろう。
このため多くの人は「これまで加入してきた保険と同様な点に注意すればよい」と思っているかもしれない。
しかし学資保険という保険の性格上、学資保険だからこそ気をつけなければならないことがいくつかある。
ここでは、学資保険を申し込む際に知っておくべき「三つの注意点」を解説する。
学資保険の告知書には親子の情報を正確に記入する
学資保険を申し込む際に提出する告知書には、親子それぞれに告知事項があり、正しく正確に記入しなければならない。
- 保険契約者(親)/被保険者(子ども)それぞれの基本情報
- 氏名、性別、生年月日・年齢、身長・体重、など
- 保険契約者(親)/被保険者(子ども)それぞれの健康状態と過去の病歴
- 視力・聴力・言語などの障害有無
- 過去3ヶ月以内での医師による診察・治療の有無
- 過去2年以内での健康診断・人間ドックの結果による異常指摘の有無
- 所定のケガ・病気に対し、過去5年以内での医師による診察・治療の有無
- 被保険者(子ども)の在胎時や出生時の情報
- 在胎週数、出生時の身長・体重、など
※被保険者:保険の対象者
誤った内容や嘘の申告をして、それが後で判明した場合は、保険会社から「告知義務違反」と認定される場合がある。
告知義務違反に認定されると、保険の契約日から2年以内であれば、保険会社は契約した保険を一方的に解約できる。
健康状態が悪くても、保険料の割り増しや保障内容の変更により加入できる場合もあるので、告知書は正しく正確に記入しよう。
仮に保険会社の基準に抵触した場合でも、再検査を行い、健康状態に問題がない結果を得られれば加入できる。
学資保険に加入する際には法定代理人の同意や同席が必要な場合もある
学資保険の場合、法定代理人は、未成年の子に代わって契約の手続きを行う親になる。
親が子どものために学資保険に加入する場合は、被保険者の子どもは同席しなくとも、問題はない。
これは、子どもの法定代理人である親本人が、加入手続きをしているからだ。
しかし祖父母が孫のために学資保険を契約する場合には、孫の法定代理人である親の同意が必要となる。
このとき保険会社によっては、被保険者の法定代理人(親)の同席が求められる場合もある。
学資保険の被保険者となる子どもには年齢制限がある
学資保険に加入できる子どもには、年齢制限があるので注意しよう。
加入可能な年齢は、保険会社によって異なるが一般的には0歳〜6歳、上限年齢は最高でも12歳であることが多い。
このため学資保険を一旦解約すると、子どもの年齢によっては再加入できなくなる場合がある。
この場合、子どもの教育資金を準備する手段は、学資保険以外の方法を考えなければならない。
学資保険の必要書類を確認したら!最適な保険選びのポイントとは?
さまざまな保険会社が学資保険を販売しており、それぞれの保険商品の保障内容も多彩なため、保険選びに悩まれる方もいるだろう。
家族のライフプランに沿って設定した保険の目的に合い、家計に対し過度な負担にならない保険を選びたい。
加入した保険が自分たちに合っていない場合や、経済的負担が大きいために、保険を早期解約することになると意味がない。
また祝い金や満期保険金を受け取る際には税金がかかるが、保険金受取人を誰にするかによって、税金の内容も変わってくる。
ここではこれらのことを踏まえて、家族に最適な保険選びのポイントを解説する。
お金がどのタイミングで必要なのかを決めておく
学資保険の満期を、子どもが高校卒業する18歳や、大学卒業の22歳にする保険商品が多い。
この時期に受け取れる満期保険金以外にも、小学校・中学校・高校に進学する際に、祝い金が受け取れる保険商品もある。
これらの祝い金や満期保険金を受け取るタイミングと利用目的を整理すると、以下の三つの受取パターンになる。
- 満期を18歳/22歳にし、満期保険金を受け取るパターン
- 満期保険金:大学進学資金や就職準備費用に充てる
- 満期時を22歳にし、大学入学後に年1回の祝い金と満期保険金を受け取るパターン
- 毎年の祝い金:大学授業料に充てる
- 満期保険金:就職準備費用に充てる
- 満期を18歳/22歳に設定し、各進学時に祝い金と満期保険金を受け取るパターン
- 各進学時の祝い金:小学校・中学校・高校に進学時の制服・教材費用、私立校の入学費に充てる
- 満期保険金:大学進学資金や就職準備費用に充てる
子どもが独立するまでの間さまざまな費用が発生するが、どの費用に学資保険を使うかによって受取パターンが決まってくる。
言い換えれば、どの費用のため(何のため)に学資保険を行うのか、学資保険の目的を事前に明確にしておくべきだ。
学資保険を使う対象を決めておく
別の観点で、保険目的を事前に明確にする必要性を説明するため、ここで子どもの教育費用についての調査データを紹介する。
- すべて公立校の場合:574万円
- すべて私立校の場合:1,838万円
- 出典:文部科学省「令和4年12月31日報道発表」 P2 「(参考)令和3年度における幼稚園3歳から高等学校第3学年までの 15 年間の学習費総額」より引用
- 国公立大学:481.2万円
- 私立大学(文系):689.8万円
- 私立大学(理系):821.6万円
※上記費用には、一人暮らしにともなう、親からの仕送りは含まない。
- 出典:日本政策金融公庫「令和3年度「教育費負担の実態調査結果」」P7「図-6 入学先別の高校入学から大学卒業までにかける費用」より引用
上記の通り、子どもが大学を卒業するまでには多額の費用がかかり、これをすべて学資保険でまかなうことは困難だ。
漠然と「子どものための学資保険」と考えるのではなく、例えば「子どもの大学入学金のため」などと目的を絞り込むべきだ。
それ以外は費用項目ごとに、貯蓄や奨学金など他の手段を検討しなければならない。
学資保険の保険契約者を決める
保険料を負担する保険契約者は、被保険者(子ども)の親がなることが一般的だが、父母のいずれでもよいわけではない。
家族に合った最適な保険契約者を設定するために、保険契約者を決めるポイントを以下に説明する。
- 共働きの場合は、収入の多い方を保険契約者にする
- 保険料払込免除特約により、保険料の払い込みが免除されるが、祝い金や満期保険金は予定通り受け取れる。収入の多い方が亡くなった場合は、家計に及ぼす影響は大きいが、保険の負担はなくなる。
- 健康な方を保険契約者にする
- 健康状態が良くない人を保険契約者にすると、保険料が割高になる場合や、保険に加入できないこともある。
- 若い方を保険契約者にする
- 年齢が若いほど死亡リスクは下がり、保険料も安くなる。
- 妻を保険契約者にする
- 父母が同じ年齢であっても、平均寿命の長い女性の方が死亡リスクも低いため、保険料も安くなる。
- 死亡保険や養老保険の保険契約者ではない方を、保険契約者にする
- 学資保険は、一般生命保険料控除の対象であり、所得税や住民税の計算上の課税所得からそれぞれ控除される。しかし死亡保険や養老保険も対象であるため、これらの保険料を払い込んでいれば、控除限度額の上限に達している可能性がある。この場合は、これらの保険に加入していない者(控除枠に余裕がある者)が保険契約者になれば、節税メリットを得られる。
これらのことを家族で相談して、最適な保険契約者を設定すべきだ。
学資保険の保険金受取人を決める
保険金受取人を保険契約者と同じにするか、それ以外の人にするかで課税される税金が変わる。
特別な理由がなければ、「保険金受取人は保険契約者と同じ人」にすべきだ。
この場合では所得税と住民税が課税されるが、受け取った金額と、払い込んだ保険料(必要経費)との“差額”にだけ課税される。
さらに、祝い金と満期保険金に、それぞれに非課税枠がある。
- 祝い金
- 雑所得として扱われる
- 「差額」のうち20万円までは非課税となる(ただし会社員など給与所得者のみ)
- 満期保険金
- 一時所得として扱われる
- 「差額」から、さらに50万円(特別控除額)が差し引かれた金額に課税される
一方で、保険金受取人を保険契約者以外にすると、受け取った祝い金や満期保険金の“金額全体”に贈与税が課税される。
学資保険の保険料は無理のない範囲で設定する
学資保険に加入する場合には、すでに加入中の保険の保険料と合算して、家計への負担を考えなければならない。
将来子どもの成長とともに、食費や衣料費などの出費も増えていくだろう。
出費の増加にともない、継続的に払い込む保険料の負担に耐え切れず、保険契約を途中で解約しては意味がない。
無理のない保険料を設定するために、保険加入したのちの5年後・10年後・15年後の支出を、シミュレーションするとよいだろう。
学資保険に加入する際の必要書類は不備のないようにしよう!
学資保険の申し込みには、さまざまな書類の提出が求められるが、確認すべきポイントを踏まえ、不備がないように準備しよう。
また保険を申し込む前までに、受け取れる保険金や払い込む保険料、受け取り時期や受取人などを家族と決めておくとよい。
保険商品選びから申し込みまで、学資保険について困ったときには、保険のプロに相談することも考えてみよう。
「生命保険ナビ」に任せれば、全国にいる保険のプロの中から、あなたの条件や意向に合ったアドバイザーを選んでくれる。
まずは気軽に相談してみてほしい。