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がん保険は必要?後悔しない生命保険選びのポイント

この記事で解決できるお悩み
  • がん保険がどういうものか知りたい
  • 他の生命保険に加入していてもがん保険が必要なのか知りたい
  • 保険の加入前に知っておくべきポイントを把握したい

さまざまな生命保険の中に、医療保険とがん保険があるが、これらの違いを正しく理解していない方も多いのではないだろうか。

本記事では、医療保険とがん保険の違いや、自分や家族に最適な保険の選び方、保険加入前に知っておくべきポイントを解説する。

医療保険は自分がケガや病気になったときに医療費を保障してくれるが、この中でがんに特化した保障をもつものが、がん保険だ。

がんは日本人の死亡原因第1位の病気であり治療には多額の費用がかかるため、がんになったときへの備えは重要だ。

これから保険の加入や保険の見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてほしい。

目次

生命保険としてのがん保険は必要か?

がん保険は必要か? 生命保険ナビ

がんは「悪性新生物」とも呼ばれ、体内の正常細胞や組織を、壊しながら広がり続ける病気だ。

がん細胞は発症した場所から他の場所に転移・増殖し続けるため、患部を取り除いても、再発・転移のリスクはなくならない。

このため医師から、がんを宣告されると亡くなるリスクだけではなく、長期間の療養生活に向かい合わなければならなくなる。

日本人の死亡率第1位の病気であることから、近年がん保険への関心が高まっている。

ここでは、がんの発症確立や発症しやすい人、がん治療に必要な費用やそれをまかなう「がん保険」について解説する。

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がんのリスク

厚生労働省の発表によれば、日本人の死亡原因の上位4位は以下の通りだ。

死因1位死因2位死因3位死因4位
がん(24.6%)心疾患(14.8%)老衰(11.4%)脳血管疾患(6.8%)
※出典:厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
P10 図5「主な死因の構成割合(令和4年(2022))」より引用

さらに別の調査結果として、日本人が一生のうちに、がんと診断される確率も発表されている。

男性女性
65.5%51.2%
※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「最新がん統計」

がんは日本人の死亡原因のトップであり、一生のうちに2人に1人以上が、この病気の診断を受けていることになる。

死亡率と発症率の高い「がん」に対し、日本人の誰もが、その備えをもっておく必要があるだろう。

がんになりやすい人とは?

国立がん研究センターでは科学的手法で分析を重ねた結果、以下の生活習慣が、がんの原因として重要であるといっている。

がんになりやすい人の生活習慣
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 肥満
  • 身体活動量が少ない(運動が少ない)
  • バランスの悪い食事

同センターでは、上記5項目のうち1項目だけ生活習慣を改善した人と、全項目を改善した人とで発病リスクを比較調査した。

生活習慣を1項目だけ改善した人の発病リスクを100とすると、全項目を改善した男性は57、女性では63という結果だった。

これらのことから、上記の5項目に対し当てはまる数の多い方は、がんリスクが高いと意識しておこう。

がんに必要な治療費

万一がんになっても、高額療養費制度を利用すれば、治療費が抑えられる。

しかし実際に、がんの治療にともなう費用のうち、健康保険など公的医療保険の対象外となるものは多い。

公的医療保険の対象外となる費用
  • 先進医療や自由診療での治療費
    • 開発中の試験的治療法や薬、海外では実績があるが日本では未認可の治療法や薬
  • 入院中の諸費用
    • 入院中の食費、差額ベッド代、診断書などの文書料、入院中に使う日用品、家族の交通費・宿泊費、お見舞いのお返し、など
  • 通院・入院時の交通費
  • 生活費
    • 収入が途絶えてしまう入院中の生活保障(個人事業主など)

上記の例として、がんに有効な最先端の治療方法である「重粒子線治療」では、300万円以上の自己負担が必要となる。

この治療方法では、正常な細胞への影響を最小限に抑えながら、がん病巣をピンポイントで狙い撃ちし病巣へダメージを与えられる。

これらのことから、快適かつ確実な治療を受ける場合には、多額な費用が必要となってしまうといえる。

がん保険とは?

このように高額な治療費のかかる恐れがある、がんの治療費を保障する保険が、がん保険だ。

がん保険は医療保険の一種だが、がんの保障に特化した保険となる。

医療保険では、さまざまな病気やケガの手術・入院にかかる費用を保障するが、がん保険は手術・入院以外の保障もする。

保険会社によって保障内容は異なるが、がんになった場合には、主に以下の給付金が受け取れる。

がん保険の給付金
  • がん診断給付金
    • がんと診断されたらもらえる一時金。治療前でも診断されたら受け取れる。
  • 通院給付金
    • 通院治療の際に受け取れる給付金。入院前後や入院しない場合など、給付にはさまざまなタイプがある。
  • 抗がん剤治療給付金
    • 所定の抗がん剤治療を受けた場合に受け取れる給付金。
  • 放射線治療給付金
    • がんの放射線治療を受けた場合に受け取れる給付金。
  • がん先進医療給付金
    • 最新の医療機器や薬を使った治療方法で、技術料が公的医療保険の対象外になっている治療を受けた場合に受け取れる給付金。
  • 入院給付金
    • がん治療のため入院したときに受け取れる給付金。
  • がん手術給付金
    • がんの手術をした場合に受け取れる給付金。

上記の給付金のうち①〜⑤は、がん保険固有の給付金だ。

医療保険に加入している場合もがん保険は必要?

医療保険に加入している場合は? 生命保険ナビ

読者の方の中には「さまざまな病気を保障する医療保険だけに加入しておけばよいのでは?」と思う人もいるのではないだろうか。

医療保険では、病気やケガによる手術・入院の際に、給付金が受け取れる。

がん治療の場合には、放射線治療・抗がん剤治療などで通院治療が多くなるが、医療保険の多くは通院治療への保障がない。

では両方に加入すればよいかというと、保険料の負担など、いくつかの注意すべき点がある。

ここでは医療保険の概要、がん保険との違い、そして両方の保険に加入する場合の注意点を解説する。

医療保険の概要

病気やケガをした場合には、健康保険など公的医療保険により医療費が軽減されるが、自己負担は必要になる。

手術や入院が必要になると医療費は大きくなり、自己負担分も高額になるため、医療保険が助けてくれる。

先に述べたように、医療保険は主に病気やケガによる手術・入院に対してのみ保障されるのは、このような理由からだ。

医療保険は、がん治療の保障のみに特化するがん保険と比べて、保障範囲とする病気やケガの範囲が広いため保険料は割高だ。

しかし医療保険は、がん保険とおなじく介護医療保険料控除の対象となり、節税効果もある。

医療保険とがん保険の違いについて

医療保険とがん保険は、ともに被保険者(保険対象者)の医療費を負担してくれる保険であるため、似通った部分も多い。

このため下記の対比表を用いて、二つの保険の違いを明らかにする。

スクロールできます
 医療保険がん保険
保障対象すべての病気とケガがんのみ
主な給付金手術給付金
入院給付金
など
がん診断給付金
通院給付金
抗がん剤治療給付金
がん先進医療給付金
入院給付金
がん手術給付金
など
1回あたりの
入院日数の上限
30日・60日・120日などの上限がある多くの場合、制限なし
通算入院日数の上限1,000日・1,095日などの上限がある多くの場合、制限なし
免責期間多くの場合、90日間なし

がん保険の免責期間中(契約開始日から90日間)は、がんと診断されても保障されないので、注意しておこう。

さらにこの期間中に、がんと診断された場合には、加入した保険の契約は無効となる。

両方の保険に加入するメリット・デメリット

保障範囲の広い医療保険、がん治療に手厚いがん保険、いずれか一つを選択するのが難しいため両方の保険に加入する人もいる。

両方の保険に加入しておけば医療保障に死角はないが、保険料の負担が大きくなる。

いずれの保険でも、介護医療保険料控除を受けることができるが、両方の保険に加入する場合には注意も必要だ。

両方の保険料の合計額が一定額を超えると、控除額も一律となるため、 それ以上の節税効果はなくなってしまう。

所得税(国税)住民税(地方税)
年間の払込保険料控除額年間の払込保険料控除額
80,000円超一律40,000円56,000円超一律28,000円

がん保険・医療保険を選択する際のポイント

保険を選択する際のポイント 生命保険ナビ

医療保険とがん保険、いずれか一つに加入するか、両方に加入するかはライフスタイルによって判断が分かれるところだ。

この判断を行ううえでは、加入目的を明確にし、家計に無理な負担をかけないように努める必要がある。

そうしなければ、自分が求める保障を得ることも、保険契約を続けることも困難になるだろう。

また保険を組み合わせる場合には、保障が重複しないように注意しなければならない。

ここでは最適な医療保障を継続的に持ち続けるために、よりよい保険を選ぶポイントを解説する。

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加入目的を明確にする

保険に加入する際には保障内容を検討するが、そのためには加入目的を明確にしなければならない。

がんの保険に加入する人の加入目的例を、以下に紹介するので、これを参考に自分にとっての加入目的を考えてほしい。

  • 治療費がかかる、がんの保障に備える
    • 入院・通院が長引いた場合の保障を手厚くする
    • 入院前の費用や収入減少に備えて一時金の保障を手厚くする
    • 効果があると思われる治療は積極的に受けられるように、抗がん剤治療や先進医療への保障を手厚くする
  • がん以外の死亡率が高い疾病にも備える
    • がんに次いで死亡率が高い、心疾患、脳血管疾患への保障も手厚くする
  • 女性に寄り添った保障を充実させる
    • 乳がんや子宮体がんなど女性特有の病気への保障を手厚くする
    • 手術・治療後の保障も手厚くする
      • 乳がんでの摘出手術後の乳房再建術への保障
      • 抗がん剤治療の副作用により脱毛した場合の医療用ウイッグなどの外見ケア
  • 費用を抑えながら、がんの保障を備える
    • すでに加入中の保険(生命保険や医療保険)に、がん特約を加える

加入目的を明確にしたうえで、保険商品を選ぶことが大切だ。

無理のない保険料で保険を検討する

新たに保険加入する場合や特約を加える場合には、すでに加入中の保険の保険料と合算して、家計への負担を考えなければならない。

継続的に払い込む保険料の負担に耐え切れず、契約を途中で解約しては意味がない。

以下に、生命保険文化センターの調査報告による、世帯年収別の払込保険料の調査結果を紹介する。

このデータを参考に、無理のない保険料での保険選びを行ってほしい。

世帯年収年間払込保険料の
平均額※1
年収に占める
保険料の割合※2
200万円未満20.5万円11.7%
200~300万円未満28.0万円11.6%
300~400万円未満31.5万円9.0%
400~500万円未満30.6万円6.8%
500~600万円未満31.9万円5.8%
600~700万円未満32.9万円5.1%
700~1,000万円未満43.4万円5.2%
1,000万円以上57.9万円4.2%
出典:公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」
※1:P40「〈図表Ⅰ−54〉 世帯年間払込保険料(世帯年収別)」
全生保データより引用
※2:P42「〈図表Ⅰ−57〉 世帯年間払込保険料対世帯年収比率(世帯年収別)」
全生保データより引用

複数の保険との組み合わせは要検討

複数の保険を組み合わせる場合、保障内容が重複していないか注意しなければならない。

すでに加入している生命保険の医療保険特約やがん保険特約、医療保険のがん保険特約などの保障内容を確認してほしい。

生命保険や医療保険での、がん特約では入院や通院の保障日数に上限があるものや、先進医療の保障がないものもある。

過度な保障内容になっている場合は、保険料を抑えるために、保障内容が劣っているものを解約しよう。

がん保険に悩んだら「生命保険ナビ」へ

まとめ:がん保険に悩んだら“生命保険ナビ”へ 生命保険ナビ

本記事では、がん保険の必要性や他の保険との組み合わせ、保険選びのポイントについて解説してきた。

現在加入中の保険に加えて、がん保険に加入する場合には、保険料の負担や保障内容の重複にも注意しよう。

自分の判断に不安がある時は、保険のプロからアドバイスを受けることで、自分自身に合った選択ができるようになるだろう。

「生命保険ナビ」では、全国にいる保険のプロの中から、あなたの条件や意向にあったアドバイザーが選べる。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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