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住宅ローンと学資保険のどちらを優先すべき?保険を見直すポイントを解説  

この記事で解決できるお悩み
  • 住宅ローンの繰上げ返済と学資保険の積立のどちらを優先すべきかわからない
  • 住宅ローンを組んだ後の学資保険の取り扱いがわからない
  • 住宅ローンを組んだ時の保険の見直し方法が知りたい

学資保険は、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることが出来る貯蓄型の保険である。

そんな学資保険を積み立てる間に住宅を購入しローンを組む人や、ローン返済中に新たに学資保険への加入を検討する人もいるだろう。

この場合、返済と積立のどちらを優先すべきか、悩む人も多いはずだ。

結論から言うと、住宅ローンの繰上げ返済を優先した方が良い。本記事ではその理由について説明していく。

また、住宅ローンを組んだ後の学資保険の取り扱いや、住宅ローンを滞納してしまいそうな場合の対処法について解説する。

住宅ローンと学資保険のどちらを優先すべきか悩んでいる人には、ぜひ参考にしてほしい。

目次

住宅ローンの返済と学資保険による積立はどちらを優先するべきか

住宅ローンの返済と学資保険による積立のどちらを優先すべきか 生命保険ナビ

住宅ローンの返済と学資保険による積立。それぞれ目的は違うが、家計を考えるうえでは、どちらも大切な支出といえるだろう。

このため、「どちらを優先するべきなのか」と悩んでいる方も多いのではないだろうか。

ここでは、住宅ローンの返済と学資保険による積立のどちらを優先するべきかについて、具体的な比較を交えて解説していこう。

シチュエーション別のシミュレーション

学資保険の新規加入と住宅ローン返済のどちらを優先するべきか?

結論をいえば、住宅ローンの返済を優先した方がよい。

なぜなのか。「学資保険に加入しながら住宅ローンを返済する場合」と「学資保険に加入せず住宅ローンを返済した場合」を比較して解説しよう。

学資保険に加入しながら住宅ローンを返済する場合

学資保険に加入しながらローンを返済する場合は、住宅ローンの返済額に変更がない。したがって、どれくらい得になるかは単純に学資保険による資産の増加分となる。

例えば、一般的な10年払済の学資保険の場合、返戻率は平均で105%程度だ。

仮に、払込保険料が総額で200万円だった場合、総受取額は210万円となり資産が10万円増加することになる。

学資保険に加入せず住宅ローンを返済した場合

学資保険に加入せず、10年間蓄えた資金200万円で住宅ローンを繰上げ返済した場合を想定してみよう。

住宅ローンの返済条件
  • 元金3,000万円、金利2.0%、期間30年
  • 10年後に蓄えた資金200万円で繰上げ返済をする

この場合、繰上げ返済によって返済総額は877,635円減少する。

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返済総額差額
繰上げ返済なし39,918,769円
繰上げ返済あり39,041,134円▲877,635円

つまり、住宅ローンを繰上げ返済した方が学資保険よりも777,635円お得ということになる。

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内訳差額
学資保険へ加入資産10万円増加
住宅ローンを繰上げ返済負債877,635円減少777,635円得になる

学資保険や住宅ローンの諸条件によって異なるが、住宅ローンを繰上げ返済した方が明らかに得という結果になる。

既に加入している学資保険の保険料を支払うよりもローン返済を優先するべき

続いて、既に加入している学資保険を中途解約し、その保険料を住宅ローンの返済に充てた場合を想定してみよう。

結論からいえば、この場合も学資保険の保険料を支払うよりも住宅ローンの返済を優先すべきである。

例えば、次の条件でA社の学資保険を中途解約したと仮定する。

学資保険の条件
  • 学資保険受取開始年齢 : 18歳
  • 保険料払込期間 : 10年
  • 満期時の受取金額総額 : 210万円
  • 加入から5年後に中途解約する

この学資保険の場合、5年間の払込保険料は総額で約99万2,000円(月額約1万6,500円)、解約返戻金は約94万6,000円(解約返戻率約95%)となる。

その後、学資保険の保険料と同額を5年間貯めて合計100万円とし、住宅ローンの繰上げ返済に充てた場合を想定してみよう。

住宅ローンの返済条件
  • 元金3,000万円、金利2.0%、期間30年
  • 5年後に蓄えた資金100万円で繰上げ返済をする
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返済総額差額
繰上げ返済なし39,918,769円
繰上げ返済あり39,457,210円▲461,559円

この場合、繰上げ返済によって返済総額は461,559円に減少する。

学資保険の中途解約により、実質的に約46,000円の元本割れが生じるが、住宅ローンの返済を優先した方がよいことは明らかだ。

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内訳差額
学資保険を中途解約実質的に46,000円マイナス
住宅ローンを繰上げ返済負債が461,559円減少約415,000円得になる

【結論】学資保険よりも住宅ローンの返済を優先するべき

これらのシミュレーションから、「学資保険に加入しながら住宅ローンを返済する場合」と「学資保険に加入せず住宅ローンを返済した場合」どちらの場合も住宅ローンを優先した方がよいという結果になった。

ただし、住宅ローンを組んだ後の学資保険の取扱い点には注意すべき点もあるので、続いて紹介する。

住宅ローンを組んだ後の学資保険の取り扱いに関する注意点

住宅ローンを組んだ後の学資保険取り扱いに関する注意点 生命保険ナビ

住宅ローンを組み、学資保険を中途解約する場合には、次の2つの点に注意すべきだ。

  • 教育資金を用意できない可能性がある
  • 中途解約により学資保険が元本割れになる可能性がある

これらについて詳しくみていこう。

教育資金を学資保険で用意できない可能性がある

学資保険は、教育資金確保のために積み立てる貯蓄型の保険である。

中途解約すると、十分な貯蓄がない場合は教育資金を用意できない点に注意すべきだろう。

日本政策金融公庫が2019年にまとめた「教育費負担の実態調査」によると、大学卒業まで子供1人にかかる教育費用の平均は939万1,000円だ。

つまり、学資保険や貯蓄などで1,000万円近い教育費を用意しなくてはならない。

また、学資保険に「保険料払込免除特約」を付加している場合はさらに注意が必要だ。

「保険料払込免除特約」とは保険期間中、契約者に万が一のことがあった場合に、以降の保険料が免除される特約である。

学資保険の中途解約によって、万が一の場合の保障がなくなってしまう点も考慮すべきであろう。

中途解約により学資保険が元本割れになる可能性がある

学資保険を中途解約した場合、解約返戻率が100%を下回り、実質的に元本割れする可能性が高いため注意が必要だ。

解約返戻率は商品によって異なるが、保険料の払込が完了するか、保険期間の3分の2を経過しないと、ほとんどの場合で解約返戻率は100%を下回る。

特に、加入から短期間で解約した場合は、解約返戻率が70%〜80%程度となる場合もあるため注意しよう。

また、「保険料払込免除特約」や「医療保険特約」などの特約が付いている場合は、保険料の掛け捨て部分があるため、解約返戻率が思った以上に上がりにくいので注意すべきだ。

経過年数に応じた解約返戻率と返戻金の額は、保険の設計書で確認するか、詳しく知りたい場合は保険会社に問い合わせて確認することも可能である。

住宅ローンを滞納してしまいそうな場合はどうするか

住宅ローンを滞納してしまいそうな場合はどうするか 生命保険ナビ

学資保険の保険料支払いと住宅ローン返済のどちらも厳しいという場合もあるだろう。

では、住宅ローンを滞納するとどうなるのだろうか。

住宅ローンを滞納し、おおむね半年以上経過すると不動産が差し押さえになる可能性が高い。このため、何らかの方法で返済を続ける必要がある。

もっとも効果的で、メリットが大きいのは住宅ローンの借り換えである。

ただし、住宅ローンの借り換えができない場合は、学資保険の契約者貸付を利用するか、一部解約を検討するのがよいだろう。

住宅ローンの借り換えを利用する

住宅ローンの借り換えとは、金利の低い住宅ローンを借りて、現在の住宅ローンを完済することである。

つまり、比較的住宅ローンの金利が高い場合に有効な方法だ。

一般的に住宅ローンの借り換えは、次の条件すべてに該当する場合に効果的といわれている。

  • 住宅ローン残高が1,000万円以上ある
  • 返済期間が10年以上残っている
  • 金利差が1%以上ある

また、借り換えの際に、住宅ローンの返済期間を長く組み替えれば、さらに毎月の返済額を減らすことも可能となる。

例えば金利2.0%、残高2,000万円、返済期間20年の住宅ローンがあった場合、返済期間を5年延長すると、毎月の返済額を約16,000円減らすことが可能だ。

住宅ローン支払い期間の延長例

残高2,000万円、金利2.0%、返済期間20年→25年に延長する

返済期間毎月の支払額差額
20年101,176円
25年84,770円▲16,406円

このように、住宅ローン借り換え時に返済期間を延長すると、毎月の返済額を大きく減らすことができる。

ただし、住宅ローンの借り換えには保証料や登記費用などの諸費用がかかるほか、新たに住宅ローンの審査が必要となる点に注意が必要だ。

もし、住宅ローンの借り換えが難しい場合は、やはり学資保険の契約者貸付を利用するか、一部解約が現実的な選択肢となるだろう。

学資保険の契約者貸付を利用する

契約者貸付とは、契約している保険の解約返戻金の一定範囲内で、借入れができる制度だ。

保険会社や商品によって異なるが、解約返戻金の70%〜90%程度を借入れできることが一般的である。

契約者貸付は保険会社所定の利息が発生するが、金利は2%〜数%程度と低い。

また、審査不要で借入れできるほか、保険契約を継続できる点が特徴といえる。

ただし、契約者貸付は借入金額が保険料から相殺され、返済できない場合は保険が失効する可能性もあるので注意すべきだ。

また、利息は1年ごとの複利で計算されるため、返済までの期間が長くなるほど利息負担が大きくなる。

このため、長期間返済できない可能性がある場合は、学資保険の一部解約を検討するのもよいだろう。

学資保険を一部解約する

学資保険は保険料を減額し、一部解約することも可能だ。

一部解約した場合、解約した部分については解約返戻金が支払われるため、住宅ローンの繰上げ返済に利用することもできる。

また、毎月の保険料を減らしながら、契約を継続できる点もメリットだ。

ただし、解約した部分については、実質的に元本割れとなる可能性があるほか、将来受け取る保険金額が減ってしまい、十分な教育資金を準備できなくなる可能性もある。

学資保険の一部解約と同時に家計を見直すことも大切といえるだろう。

学資保険よりも住宅ローンの返済を優先しよう!

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、住宅ローンと学資保険のどちらを優先すべきか、またローンを組んだ後の学資保険の取り扱いと住宅ローンを滞納してしまいそうな場合の対応法についても解説を行った。

住宅ローンを組んだ後は、学資保険で払う予定だった保険料をローン返済に回した方がお得になる可能性が高い。

ただ、ローン返済後に教育資金を子どもにすぐ渡したいなど事情がある場合は、学資保険を解約せずに保険料を下げておくなどの調整が必要になる。

一人でこれらの判断をすることが不安だという人は、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、学資保険の管理と運用を適切に行うことができるはずだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。

そんな時はマッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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