- 医療保険の掛け捨て型と貯蓄型の違いが知りたい
- 2種類の医療保険を利用するメリットとデメリットが知りたい
- どちらの医療保険を選ぶべきか、判断基準がわからない
医療保険は、病気やケガなどのもしもの時に自分や家族の生活を助ける重要なツールである。
そんな医療保険は特徴ごとにいくつかの種類に分けることができるが、中でも「掛け捨て型」と「貯蓄型」のどちらを選ぶべきかで悩む人は多いだろう。
そこで本記事では、「掛け捨て型」と「貯蓄型」の違いを徹底的に解説していく。
それぞれの特徴やメリットとデメリットへの理解を深めて、自分に合った保険を考えよう。
ぜひこの記事を参考にして、保険の加入や見直しを検討してほしい。
「掛け捨て型」と「貯蓄型」の医療保険とは
各保険会社から販売されている医療保険は、大きく「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2種類に分かれる。
掛け捨て型の方が販売されている数は多い傾向にあるが、具体的にどういった点が違うのだろうか。
そこで本章では、2種類の医療保険の特徴や違いについて解説する。
掛け捨て型医療保険の特徴
まず、掛け捨て型の医療保険について解説しよう。
掛け捨て型の医療保険とは、保険期間が満了する際に支払ってきた保険料が戻ってこないタイプの医療保険のことを指す。
代わりに保険料が安くなっていて、気軽に加入や解約が可能になっている。
掛け捨て型の保険には、終身型と定期型の2種類が存在する。
終身型は保険の保障期間が生涯にわたって続き、定期型は5年・10年など保障期間が定められている。
保障期間が長期になる分、同条件で加入した場合の月額保険料は終身型>定期型となる。
ただ、定期型の保険に加入し続ける場合は、契約の更新が必要だ。
その場合、月額保険料は更新時の年齢を元に計算され、若い時より高額になる。
例えば、アクサダイレクト生命には「定期医療」と「終身医療」の2種類の医療保険がある。
30代男性が加入した場合、「定期医療」は月額840円、「終身医療」は月額1,155円の保険料となる。
「定期医療」の保険期間は10年のため、40歳で再契約した場合は月額960円、50歳で再契約した場合は月額1,480円と保険料が上がっていくのだ。
自分が求める保障内容にもよるが、20年以上の長期間利用することを想定すれば、終身型を利用した方がお得に利用できると言える。
貯蓄型医療保険の特徴
続いて、貯蓄型の医療保険について説明しよう。
貯蓄型の医療保険は①保険料返還型②お祝い金型③解約返戻金型の大きく3種類に分かれる。
それぞれの特徴について以下の表でまとめた。
①保険料返還型 | 加入後に給付金の支払いがなく、一定の年齢に達すると、支払った保険料が戻ってくる保険。 保険料が戻ってきても、保険期間が続いていれば継続して保障を受けることができる。 |
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②お祝い金型 | 加入後に給付金の支払いがなく、一定期間(3年や5年に設定されることが多い)が経過するとお祝い金がもらえる保険。条件さえ満たせば、何回でも費用をもらうことが可能。 |
③解約返戻金型 | 解約時に返戻金がもらえる保険。 保険料を支払った期間が短いと、返戻金が受け取れない場合もある。 |
なお、商品によっては①〜③の特徴を兼ね備えた医療保険もある。
メディケア生命の終身医療保険「新メディフィットリターン」は①と③の特徴を併せ持っている。
加入時にあらかじめ「健康還付給付金支払年齢」を決めておき、決めた年齢になると支払った保険料が全額もしくは5%増しで返還される。
給付金を受け取っている場合は、返還額から給付金の額が引かれることになる。
また、保険料が戻ってきても保障は一生涯続くため、安心して利用できる保険と言えるだろう。
ただ、30歳男性が加入する場合の月額保険料は3,430円と少々高額な点には注意が必要だ。
それぞれの医療保険の違いとは
ここまで2種類の医療保険について説明をしてきたが、それぞれの違いはどのような点にあるのだろうか。
大きく違う点として挙げられるのは、保険料と保険期間になるだろう。
貯蓄型の医療保険は、支払った費用を積み立てて返還するという特徴から、保険料が高額になりやすい。
貯蓄できるということは、積み立てられるだけの資金が必要になるのだ。
一方、掛け捨て型の医療保険は、貯蓄型と比べて保険料は安くなる。
ただ、お祝い金や途中解約時の返戻金は存在しない。どちらの型も一長一短と言える。
保険期間について、掛け捨て型には定期保険もあるが、貯蓄型は基本的に終身保険しかない。
掛け捨て型は、返還する費用がない分保険期間も自由に決めやすい。
対して貯蓄型は、お祝い金や保険料返還など長期間加入することを前提とした制度が多い。
そのため、終身型でないと支払金が用意できない保険が大半である。
加入する医療保険を考える際は、上記の違いがあることを認識しておくと選びやすくなるだろう。
「掛け捨て型」と「貯蓄型」のメリットとデメリット
前章までの説明で、「掛け捨て型」と「貯蓄型」の医療保険の違いが理解できたと思う。
続けて本章では、2種類の保険を利用するメリットとデメリットを解説する。
掛け捨て型の医療保険を利用するメリット
まず、掛け捨て型の医療保険を利用するメリットについて考えてみよう。
「保険料が安く、見直しがしやすい」「選べる保険の種類が多い」の2点が挙げられる。
自分に必要な保障内容は、生活環境の変化や年齢の上昇に伴って移り変わるものだ。
医療保険を切り替えたいと思った際に、返戻金がなく解約時に損するか考慮しなくていいのは、掛け捨て型を利用する大きなメリットと言える。
また、再加入時の保険料も安いため、気軽に新しい保険を選ぶことができるのも良い点だ。
また、掛け捨て型の医療保険は各保険会社から様々な種類が販売されている。
例えば、オリックス生命が提供する掛け捨て型の医療保険は、がん保険を含めて4種類もある。
自分に必要な保障内容のものがどれなのか、じっくり考えて決めることが出来るだろう。
貯蓄型の医療保険を利用するメリット
次に、貯蓄型の医療保険を利用するメリットを理解しておこう。
「健康でいれば、怪我をしたり病気にならなくとも給付金を受け取ることができる」「貯蓄と保障を両立できる」という2点が挙げられる。
本来、医療保険は疾病による入院時の費用を保障するものだ。
しかし、貯蓄型であれば条件次第で給付金を受け取ることが可能だ。
前述した通り、中には支払った保険料以上の金額が返ってくる場合もある。保険料を無駄にしたくない、と考える人にとってはおすすめの保険だと言えるだろう。
さらに、保障を備えながら、貯金代わりとしても利用することができる。支払った保険料については、解約するか条件を満たさなければ戻ってくることはない。
半強制的に貯金ができるため、貯蓄が苦手な人にとってはメリットになりうるだろう。
それぞれの医療保険を利用するデメリットとは
2種類の医療保険を利用するデメリットについても確認しておこう。
掛け捨て型のデメリットは「支払った保険料が無駄になる可能性がある」という点になるだろう。
保険に加入していても健康である限り、掛け捨て型の医療保険で給付を受けることは難しい。
将来のリスクに備えるために保険料を払うのが勿体無い、と考える人が利用するには適さないと言えるだろう。
一方貯蓄型のデメリットとしては「保険料が高額になる」「選べる保険の種類が少ない」の2点が挙げられる。
出来る限り保険料を抑えたい、もしくは様々な種類の保険を比較・検討したいと考えている人には、貯蓄型医療保険への加入はおすすめできないだろう。
掛け捨て型と貯蓄型、どちらの医療保険を選ぶべき?
これまでの説明で、医療保険についてかなり詳しくなったのではないだろうか。
しかし、自分がどちらに加入するべきか、その判断までは難しいと感じている人もいるだろう。
そこで最後の章では、それぞれの医療保険がおすすめな人の特徴を解説する。
その後、どの保険に加入するか悩んだ場合に重視するべきポイントを説明する。自分に適した医療保険を選ぶための参考としてもらいたい。
掛け捨て型の医療保険がおすすめな人
掛け捨て型の医療保険がおすすめな人は「保険料を抑えつつ、ライフステージの変化に合わせて保障内容を見直したい人」だと言える。
また、「保険と貯蓄を分けて考えている人」も利用に向いている。
掛け捨て型医療保険であれば、安価な保険料で疾病への保障を備えることが可能だ。
また、解約返戻金がない分、保険を切り替えも柔軟にできる。
医療保険で備えたい保障内容は、自身の健康状態や家族の生活状況によって変化する。
定期的に保険の内容を見直したい人は、掛け捨て型医療保険を利用すべきと言えるだろう。
また、資産運用に自信があり、保険以外のことに資金を使いたい人も、掛け捨て型が向いている。
保険にかける費用を安くすることで、投資や貯金に使う費用を増やすことができるようになるからだ。
自身の資産について、細かく管理したいという人は掛け捨て型を利用すると良いだろう。
貯蓄型の医療保険がおすすめな人
貯蓄型の医療保険がおすすめなのは「高額な保険料を支払う余力があり、手厚い保障を準備したい人」になる。
また、「ライフプランがある程度定まっていて、解約の心配がない人」も利用すべきと言える。
貯蓄型の医療保険は、支払った保険料を積み立てていくことができる。ただ、その分保険料は高額になりやすい。
そのため、ある程度収入があり、長期間の保障を備えたいという人であれば最大限活用できるだろう。
また、保険料は半強制的に貯蓄に回るため、自分で貯金をするのが苦手な人にもおすすめだ。
万が一の際の保障と貯蓄が両立できる貯蓄型は、掛け捨て型では物足りないと考える人に向いているのだ。
また、貯蓄型の医療保険で返ってくる費用は、ある一定の年数を迎えるともらえるものがほとんどだ。
解約返戻金があるものもあるが、支払い年数が十分でないと、払い込んだ保険料より金額が少なくなることが多い。
つまり、保険料が支払えなくなって解約すると、損をする可能性が高いと言えるのだ。
人生の見通しが立っていて、収入が大幅に減ることはないと考える人であれば、安心して貯蓄型保険を利用することができる。
どの医療保険に加入するか迷った時は
それぞれの医療保険がおすすめな人の特徴を理解しても、尚どの保険に加入すべきか悩むという場合は、保険の保障内容を複数社で比較するようにしよう。
医療保険に加入する目的は、「疾病に対する保障を得ること」である。
これは、掛け捨て型・貯蓄型どちらにも共通している。
そのため最終的には、自分が医療保険でどの疾病に備えたいのか、ということを意識する必要がある。
また、複数の保険会社で内容を比較することも重要だ。
例えば、女性特有の疾患に備えたいのであれば、女性向けの医療保険へ加入すべきである。
女性特有の疾患には子宮頸がんの他、帝王切開など妊娠・出産に関する事項まで含まれる。
また、各保険会社毎に保障内容も異なる。
例えばライフネット生命の終身医療保険「じぶんへの保険③レディース」は、3大生活習慣病への保障を含む「おすすめコース」と、入院や手術に備える「エコノミーコース」の2種類からニーズに合わせて保険を選ぶことができる。
また、アフラックの医療保険「女性のための医療保険 EVERシンプル」では、入院給付金の金額を増やす女性疾病入院特約、または乳房、子宮、卵巣の手術を受けた際に給付金が受け取れる女性特定手術特約のどちらかを選択する形となっている。
特に、特定手術を受けた際の給付金は最大50万円と高額になっている。
さらに、高度な技術を必要とする先進医療を受けたい場合は、先進医療特約を付加できる医療保険を選ぶべきだ。
月に払う保険料は増加するが、全額自己負担となる先進医療の費用を賄ってくれる。
先進医療特約の費用は保険会社毎に異なるため、複数の会社を比較すると良いだろう。
掛け捨て型・貯蓄型の医療保険がおすすめの人は、はっきり分かれている。
本記事を読み返してどちらの医療保険に加入すべきか、判断できるようにしてほしい。
まとめ
本記事では、「掛け捨て型」と「貯蓄型」の医療保険の違いについて解説した。
「掛け捨て型」は、保険料が安く、選べる保険の種類も多い。ただ、解約返戻金が出ないデメリットもある。
一方、「貯蓄型」は条件を満たすことで、解約返戻金やお祝い金がもらえるが、その分保険料は高くなりやすい。
どちらの医療保険を選ぶか悩んだ際は、保障と貯蓄を両立したいか、保険料を抑えたいかといった目線で判断するようにしよう。
もし、自分だけで決めるのが不安な場合は、保険のプロに相談することをおすすめする。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、自分に最適な保険を的確に選びとることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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