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30代におすすめの個人年金保険とは?選び方のポイントやおすすめの商品を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 30代におすすめの個人年金保険が知りたい
  • 個人年金保険と公的年金の適切な組み合わせ方が知りたい
  • 自分に合った保険の選び方を学びたい

少子高齢化と経済の低成長により、わが国の公的年金の給付水準は今後、徐々に低下することが予想されている。

つまり、公的年金だけでは経済的に安定した老後生活を送ることが難しくなってきていると言える。

そこで注目されているのが個人年金保険である。

30代は、家族を持ったり、キャリア形成の転換期であったりと、人生の中でも重要な時期となりやすい。

そんな中で、自身や家族の将来に備えるために個人年金保険に加入したいと考えている方も多いのではないか。

本記事では、個人年金と公的年金の組み合わせ方や自分に適切な個人年金保険選びのポイントについて、特に30代の方を対象にして解説する。

個人年金保険の利用方法に悩んでいる方は、参考にしてほしい。

目次

なぜ30代に個人年金保険がおすすめなのか

個人年金保険と公的年金のバランス 生命保険ナビ

まずは、公的年金制度の概要と問題点を解説し、30代における個人年金保険の必要性について説明する。

30代が知るべき公的年金の現状と将来

日本の公的年金制度の財政は、現在の国民年金や厚生年金の加入者から徴収した保険料を主な財源として、現在の年金受給者へ給付を行うという仕組みを採用している。

公的年金の給付に占める財源の構成は次のようになっている。

公的年金の給付に占める財源の構成
  • 加入者からの保険料
    • 年金給付財源の約7割を占めている
  • 国庫負担
    • 国が徴収した税金を財源とし、国の支出として負担しているもの
    • 年金給付財源の約2割にあたる
  • 年金積立金
    • 公的年金の加入者から徴収した保険料の一部を積み立て、市場で運用しているもの
    • 保険料や国庫負担では財源が足りないときに、積立金を取崩して補てんする
    • 年金給付財源の約1割にあたる

以上のように年金給付財源の大半は加入者が支払った保険料が占めている。

現代の日本で問題となっている少子化と高齢化により、保険料を支払う人の数が少なくなる一方で、給付を受ける高齢者の数は多くなる。

そのため保険料収入と年金給付のバランスが崩れ、将来的には公的年金制度を適切に運営することが難しくなるのではないかと懸念されている。

その対策としては保険料を上げることや、国からの歳出を増やすことが考えられるが、それだけではなく年金給付額を減らすという手段が取られることも予想される。

現在30代の人は、今の年金受給世代と比べ、受け取る年金が大きく減少する可能性があるのだ。

30代における個人年金保険の必要性

2019年に金融庁が公表した「高齢社会における資産形成・管理」というタイトルのレポートでは、公的年金だけでは毎月約55,000円の生活費が不足すると指摘している。

日本人の平均寿命を参考に定年退職後の平均余命を30年とすると、約2,000万円(55,000円×12か月×30年=1,980万円)が不足することになる。

いわゆる老後資金2000万円問題であり、この不足分は自分で確保しなければならない。

では、老後の資産形成はどのようなものが良いのだろうか。

考えられるのは次の3つの方法だ。

  • 現在の支出を減らす

日々の支出を切り詰め、余剰分をコツコツ貯める方法。

しかし30代は子育ての時期や仕事のスキルアップの時期とも重なり、お金をかけなければならない時期でもあるためこれだけでは難しい。

  • 資産運用

今ある資金で株式投資や投資信託への投資を行う。銘柄が多く自由に資産配分が決められ自分のニーズに応じた資産形成ができる。

大きく利益を得られる可能性がある反面、元本割れし将来の資金が十分確保できない可能性もある。

  • 個人年金

公的年金に上乗せするかたちで民間の保険会社の商品を自身で購入する方法。

60歳や65歳といった一定の年齢まで保険料を積み立て、その後は積立金をもとに年金を受け取る。

老後資金の準備には、個人年金を活用する人が増えている。

生命保険文化センターの調査によると30代男性の22.9%、女性の23%が個人年金に加入している。

個人年金の購入は、資産運用ほどリスクは高くなく安定的に資産形成ができることから、長期的に老後資産を積み立てるためには早めに準備すると良いだろう。

30代におすすめしたいバランスの良い組み合わせ例

個人年金保険にはさまざまなタイプがあり、自身のニーズや将来のライフプランに応じてバランスを取る必要がある。

例えば次のような違いがある。

運用方針の違い
  • 定額型:将来受け取れる金額が確定している。安全性が高く老後の生活設計がしやすい。
  • 変額型:支払った保険料が市場で運用され、運用実績によって年金額が変動する。運用実績が良ければ、多くの受け取りも期待できる。
運用通貨の違い
  • 円建て:保険料が日本円で運用される。為替変動の影響を受けないので、払い込む保険料や受け取る年金額が安定している。
  • 外貨建て:米ドルや豪ドル、ユーロなど外国の通貨で運用される。運用成果が高くなることが多く、特に長期運用の個人年金の場合は、少しの利回りの差が受取額に大きな影響を与えることもある。
受け取り方の違い
  • 一括受け取り:あらかじめ決められた時期に一時金としてまとめて受けとる
  • 年金形式受け取り:決められた時期より毎年や毎月一定額を定期的に受け取る
受け取り期間の違い
  • 終身年金:亡くなるまで一生涯受け取れる
  • 確定年金:10年、15年、20年など契約時に決められた期間のみ受け取る

リスクを取ってでも多く年金を受け取りたい場合は、外貨建ての変額保険が選択肢となり、安定的な貯蓄性を重視するなら、円建ての定額保険などが候補となる。

自分にとっての最適な商品は、どのような運用成果を目指すかや、資産形成への考え方によって異なる。

30代で個人年金保険選びをする際のポイント

30代で個人年金保険選びをする際のポイント 生命保険ナビ

30代は仕事が充実したり、仕事と家庭のバランスを取ったり、子育てに専念したりと忙しい時期だ。

人生はまだまだ長いことから今どのような保険を選ぶべきなのか。

ポイントを3つ紹介する。

  • 個人年金保険に加入する目的を整理する
  • 家計に対して保険料が適切か確認する。また、商品の返戻率を確認する。
  • 必要に応じて特約を付加する

それぞれ順にみていこう。

個人年金保険に加入する目的を整理する

保険になぜ入るのか、どんな商品が必要なのかを明確にしよう。

保険の必要性は家族構成や収入、将来希望するライフスタイルによってひとり一人異なる。「ただ何となく」「みんなが入ってるから」という理由では、自分にとってどの保険が最適か見えてこない。

口コミも主観が入り混じっているため、多くの人が支持する保険が必ずしも自分にとってベストとは限らない。

自分にとってどんな保険が必要かは、具体的に次の方法で整理してみよう。

  • ライフプランを策定し、いつどのぐらいの資金が必要か把握する
  • 公的年金制度を理解する
  • 公的年金で補えない部分を年金保険の受取額として設計する
  • その他の特約が必要ないか検討する

どの保険を組み合わせれば良いかわからない。そんな時は保険のプロに相談する方法もある。

保険のプロは保険やお金の知識を豊富に持ち、ライフプランに合わせて保険商品を紹介している。

直接相談しながら説明を受けられるので、比較検討が容易にでき、最適な商品を効率よく選び出すことができる。

家計に対して個人年金保険の保険料や返戻率が適切かを確認する

将来にしっかり備えたいがあまり、保険をかけすぎてしまうケースに注意したい。

保険は、将来の安心のために備えるものだ。したがって、家計を圧迫し今の生活が不安定になるほどの保険は必要ない。

今の生活も大切にしつつ、適切な保険料を支払うことを重視してほしい。既に加入している保険と重複する部分はないか確認し、保険料は無駄のないようにしておこう。

また、保険を選ぶ際は返戻率に注目してほしい。

返戻率とは、払い込み保険料に対して受け取り年金総額がどのぐらいかを表す指標だ。

返戻率が高いほど、払った保険料よりたくさん年金を受け取れるパフォーマンスの良い商品といえる。

返戻率は払い込み期間や受け取り待機期間によって異なるが、一般的には、長期で払い込み受け取りまでの期間が長いほど上がる。

また一時払いをすると分割保険料より安くなるので、払い込み保険料が減り、返戻率が上がる。

このように年齢が若いうちに契約を開始し、早期に払い込みを行うと返戻率は上昇するので、なるべく早く加入することをおすすめする。

なお、変額保険や外貨建ての保険は運用成果や為替の影響を受ける。示されている返戻率は現時点での想定であり、確定ではないため注意してほしい。

必要に応じて特約を付加する

個人年金保険には特約が用意されているものもあり、個々の事情に応じて付け足しを検討すると良い。

個人年金保険の主な特約を紹介しよう。

税制適格特約

生命保険や年金保険の保険料は、年末調整や確定申告で控除対象となっている。個人年金保険は通常「一般生命保険料控除」の枠になるが、この特約を付加しておくと、「個人年金保険料控除」の枠を利用できる。

生命保険に加入済みで「生命保険料控除枠」を限度額いっぱい使っている場合、別枠で「個人年金保険料控除」を利用すれば控除の合計金額が増える。控除額が増えれば、税金の対象になる所得が減り、納税額を軽減できる。

ただし、この特約を付けるには年金受取人や保険料払い込み期間に要件がある。

保険料払込免除特約

3大疾病や高度障害など保険会社が定める所定の状態となったとき、以降の保険料の払込みが免除される特約。

払い込みがなくとも、保障は続き年金の受け取りはできる。被保険者にもしものことがあっても計画通り資金の準備ができる。

30代におすすめの個人年金保険とは

30代におすすめの個人年金保険とは 生命保険ナビ

個人年金保険は各保険会社から販売されているが、30代に特におすすめしたい商品を3つ紹介する。

「いつ個人年金保険に加入するか」によって最適な商品は変わる。

各年代ごとにおすすめの個人年金保険については以下の記事でまとめたので、比較してみるとより理解を深めることができるはずだ。

あわせて読みたい

30代におすすめの個人年金保険①明治安田生命 年金かけはし

明治安田生命の年金かけはしは、若い時の死亡保障を抑えることで、将来受け取る年金額を多くしているのが特徴だ。

保険料の払込期間中の死亡保障は払い込み保険料相当額と少なめになり、その分積み立て金額を多くすることができる。

契約年齢範囲は、20歳から55歳、保険料払込期間は20年から40年で設定できる。

払い込み完了後の据え置き期間も、1年から5年の間で決めることもでき、自身のリタイアや年金が必要な時期に合わせて受け取りのプランを立てられる。

受け取り期間は5年か10年の選択制である確定年金で、一括受け取りも可能だ。

リタイア後の5年間や10年間にお金をかけて生活することもできるし、年金をまとめて受け取って自宅のリフォームに充てるといった使い方もできる。

万一被保険者が死亡しても、残りの期間は遺族が年金として受け取れるため老後の生活も安心だ。また、死亡保障がつきながらも健康状態の告知や医師の診断は不要だ。

健康に不安があり、医療保険に入れなかった人でも、年金かけはしであれば無条件で加入できる。

30代におすすめの個人年金保険②住友生命 たのしみ未来

たのしみ未来は、住友生命の個人年金保険で主に金融機関で取り扱っている商品である。

円建ての商品であることから、積み立てる金額や基本の年金額は確定し、見通しのある資金づくりができる。

受け取り期間は5年、10年、15年から選択できる確定年金で、一時払いとしてまとめて年金を受け取ることもできる。

払い込み期間や受け取り据え置き期間も、決められた範囲内で選択できる。

受け取り据え置き期間は長めに設定すると、受取額が増えることから、自身のライフプランに応じたアレンジも可能だ。

たのしみ未来は、ひとり一人に合った商品設計ができ、個人年金保険の中でも比較的自由度の高い商品といえる。

保険料の払込期間中の死亡保障は、受け取れる金額を既払い保険料に抑えることで、将来の受取額を増やす仕組みとなっている。

万一の保障は、他の生命保険で備えているなら、個人年金の死亡保障が最低限に設計された商品を選ぶのも良いだろう。

さらに、住友生命独自のたのしみランクという保険料割引制度がある。

これは、月払い(年払いの場合は月払いに換算した金額)が15,000円以上の場合に適用される。

30代におすすめの個人年金保険③マニュライフ生命 こだわり個人年金

こだわり年金保険は、外資系保険会社であるマニュライフ生命が扱っている。

外貨建ての保険であり、日本円で保険料を払い込み、米ドルや豪ドルで運用する商品である。

外貨での運用は高い利回りが期待されるため、将来の資産をできるだけ増やしておきたい人におすすめだ。

積み立て利率は、市場の影響を受けて毎月変動するため、将来の受取額は不確定でリスクはある。しかし、こだわり個人年金には最低1.5%の積立利率が保障されている。

高い運用成果を目指しつつ、大きな損失は生まないよう上手くコントロールされているのだ。

外貨での運用は、インフレに強いというメリットもある。

円建ての年金保険は受取額は確定しているが、物価の上昇などで20年後30年後その金額が現在と同じ価値を持っているとは限らない。

外貨建ての資産を増やすことで国内のインフレに備えられるため、長期運用の個人年金では有力な選択肢となる。

ただし、外貨建て保険には為替のリスクがあり、受け取り時の元本保証はないことを理解した上で選択してほしい。また、契約後の内容変更も柔軟に行えるのが特徴だ。

一般的な保険でも保険料の増額や減額はできるが、こだわり個人年金の場合、保険料払込の停止・再開や保険料払込期間の延長も行える。

住宅ローンや教育費の支払いで家計が苦しいときに払い込みを一時的に止めたり、もう少し長く働けるようになったときに払込期間を延長したりと、柔軟な積み立てができる。

30代におすすめな個人年金保険のポイントをおさえて適切に選ぼう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、個人年金保険と公的年金の組み合わせ方をどうするべきかや自分に適切な個人年金保険選びのポイントについて、特に30代の方を対象にして解説した。

30代は個人年金保険への加入率が低く、実際に入るべきか悩んでいる方も多いだろう。

本記事の内容を少しでも、個人年金保険を選ぶ際の参考にしてもらいたいと思う。

しかし、個々のライフスタイルや将来設計は多様であり、一概にこれがベストだとは言えない。一人で悩み続けると時間がかかってしまうこともある。

そんな時は保険のプロに相談することも検討しよう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、短時間で的確に必要な保険を選択することができる。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることは難しい。

マッチングサイトである「生命保険ナビ」を使うことで、自身の条件に合った保険のプロを見つけ、適切な相談ができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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