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がん保険に入るのはもったいない?必要性や選ぶ基準について徹底検証

この記事で解決できるお悩み
  • がん保険がもったいないと言われる理由がわからない
  • がん保険の保障内容や保険料の目安が知りたい
  • 自分に適したがん保険の選び方が知りたい

がんは私たち日本人にとって身近な病気の一つであり、がん保険は万が一に備えるための重要な役割を果たす。

しかし、中には「自分には本当に必要なのか」「保険料が負担になるため加入するのはもったいないのではないか」と悩む人も少なくないだろう。

そこでこの記事では、加入を検討している方に向けて「がん保険の必要性」を解説する。

解説時には、がん保険がもったいないと言われる理由やがん保険の保障内容、保険料の目安についても触れる。

また、自分にあったがん保険を選ぶポイントについても述べるので、がん保険への理解を深め、より良い選択をしてほしい。

目次

がん保険がもったいないと言われるのはなぜか

がん保険がもったいないと言われるのはなぜか 生命保険ナビ

日本人の2人に1人がかかると言われるがんは、私たちにとって最も身近なリスクの一つである。

ただ、がん保険に入るのはもったいない、という声を聞いたことがある人もいるだろう。なぜこのような意見が出てくるのだろうか。

そこで本章では、「がん保険に入ることはもったいないことなのか?」という問いに対して解説を行う。

がん保険がもったいないと言われる理由

がん保険がもったいないと言われるのには、2つの理由が考えられる。

がんにならなければ入る意味がないから

公的医療保険や民間の医療保険があれば十分だから、の2点である。

①は、おそらく若い世代からの意見であろう。

がん保険の多くは、支払った保険料が戻ってこない掛け捨て型の保険である。そのため、がんに罹患しなかった場合は保険料が無駄になってしまう。

では若い人ががんを発症する確率はどの程度なのだろうか。

厚生労働省が発表した「全国がん登録 罹患数・率 報告」によれば、がんに罹患した人の中で、45歳以下の人の割合は4.2%であった。データで見ても、若い人ががんにかかる確率は低いと言える。

②の公的医療保険に関する制度としては、主に高額療養費制度や傷病手当金が該当するだろう。

高額療養費制度とは、年収に応じて1ヶ月に支払う医療費の金額上限が決められ、超えた場合に補助金が支給される制度だ。

70歳未満の方に適用される年収と自己負担限度額は、以下の通りになっている。

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年収医療費の自己負担上限額
(1ヶ月ごと)
1,160万円以上25万2,600円+(1ヶ月の医療費総額-84万2,000円)×1%
770万〜1,160万円16万7,400円+(1ヶ月の医療費総額-55万8,000円)×1%
370万〜770万円80,100円+(1ヶ月の医療費総額-26万7,000円)×1%
370万円以下57,600円
住民税非課税世帯24,600円もしくは15,000円
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆様へ」

また、傷病手当金は怪我や病気で働けなくなった際に会社から受け取れなかった分の給与を保障する制度だ。

会社を3日連続で休んだ翌日の、4日目から金額が計算される。

また、民間の医療保険には元々がんを対象としているものや、がんに関する保障を特約で追加できるものが多い。

このように、医療費を賄う手段が多数あるため、がん保険に入るのはもったいないと考える人が出てくるのだろう。

がん保険は本当にもったいないのか?

たしかに、がん保険以外にもがんに備える方法はいくつか存在する。では、がん保険を利用する必要性はないと言えるだろうか。

前述のとおり、公的医療保険制度によって医療費の自己負担額は抑えられている。

ただし、中には制度の対象外の費用もある。

以下が代表例だ。

  • 差額ベッド代・・・大部屋から個室へ移動した際の追加料金
  • 先進医療費・・・厚生労働省が定める高度な技術が必要な手術の費用
  • 食事代
  • 日用品費
  • お見舞い時の家族の交通費

特に差額ベッド代と先進医療費は高額になりやすい。

これらは全額自己負担となってしまうため、対策が必要になるだろう。

また、民間の医療保険とがん保険を比較すると、がん保険でのみ保障対象となる費用がある。

以下でまとめた。

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比較項目がん保険医療保険
保障対象がん・上皮内新生物がんを含む病気・怪我
保障内容診断一時金や入院給付金がん治療の苦痛を和らげる緩和ケアなど入院給付金や手術給付金など
参考:生命保険文化センター「がん保険」、 生命保険文化センター「医療保険」

がん保険には、がん治療時の肉体的・精神的苦痛に対する治療を行う緩和ケアへの保障が含まれているものがある。

また、がんと診断された際すぐに給付金が支給される診断一時金という給付金も存在する。

これらは、医療保険との大きな違いだ。

がん保険によって、医療費の自己負担金額やがん治療独自の費用を賄うことが可能になる。

上記結果からも、がん保険を利用する必要性は明確に存在すると言えるだろう。

がん保険が必要な人と不要な人

がん保険の必要性を踏まえて、必要な人と不要な人の特徴を考えてみよう。

がん保険が必要な人は、先進医療や緩和ケアなどがんに特化した医療を受けたい人となるだろう。

自己負担となってしまう費用を保障してもらうことで、安心して治療に専念できる。

また、自己負担費用を払える貯蓄がないという人も、がん保険を利用すべきと言える。

一方、不要な人は貯蓄が十分にある、または別の医療保険に加入していて十分な保障を備えていると考えている人になるだろう。

保険料が支払きれなくなって保険を解約することになってしまっては、それこそもったいないことだろう。

なお、がん保険のメリット・デメリットについて、こちらの記事で詳しくまとめているので、必要かどうかの判断に迷った際にはぜひ活用してほしい。

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もったいないと考える前にがん保険について詳しく知ろう

がん保険について詳しく知ろう 生命保険ナビ

ここまでがん保険の必要性について説明してきた。では、がん保険に加入する前に知っておくべき事項にはどんなことがあるのだろうか。

本章では、「知って得する、がん保険に関する知識」について説明していく。

がん保険の保障内容を解説

がん保険は、診断・治療・入院の3種類の給付金を主な保障内容としているものが多い。

前述した通り、診断給付金はがんと診断をされた際に支給される。

受け取れる回数が1回のものと複数回のものがあり、保険会社ごとに基準が異なっている。

治療給付金は抗がん剤や放射線など、特定の治療を受けるたびに支給される給付金だ。

受けたい治療が決まっている場合は、重視すべきと言えるだろう。

そして、がんによって入院した際に定められた日数分の給付金として支払われるのが入院給付金である。

医療保険でも利用されているものだが、大きな違いとしては支払限度日数に制限がないものが多い、という点がある。

支払限度日数とは、入院給付金が支払われる限度の日数を示したものだ。

がんは再発や転移がしやすく、複数回入院が必要な場合が多い。

限度日数が決められていると十分な保障を受けられないことも想定されるため、限度日数が無制限のものが多いのだ。

また、それ以外にも手術給付金や先進医療給付金など医療行為ごとに保険金が支払われるものもある。

自分に必要な給付金がどれなのか、加入前に考えておくとスムーズに入るがん保険を選択できるだろう。

がん保険の保険料目安はどのくらいなのか

がん保険に支払う保険料は、どれくらいにすれば良いのだろうか。実際に複数社の保険を比較して考えてみよう。

例えば、アフラックの『「生きる」を創るがん保険 WINGS』に30歳男性が加入する場合の月額保険料は3,949円、ライフネット生命の「ダブルエール」であれば2,341円、太陽生命の「がん保険」であれば1,370円だ。

上記を参考にすると、1,000円〜4,000円の間で保険料を設定するのが良いだろう。

ただし、3社の保障内容は異なり、アフラックは給付金の種類が豊富で金額も高額になっている。

保険料が高額ながん保険は、充実した保障を受けられる可能性が高い。

複数社の保険内容を比較することを忘れないようにしよう。

がん保険を利用する際の注意点

がん保険を利用する際には、気をつけるべき事項が何点か存在する。

まず、がん保険では、基本的にがん以外の疾患は保障対象外となる。

太陽生命の「がん保険」のように、心筋梗塞や脳卒中など重大疾患に対する保障を備えているものも稀に存在する。

ただ、がん保険のみで医療保険の保障を賄うことは難しいので、予め認識しておこう。

また、免責期間についても注意が必要だ。免責期間とは、保険に加入してから保障が開始されるまでの期間のことを指し、90日程度に設定される場合が多い。

では、なぜ免責期間を設ける必要があるのだろうか。

それは、がんの特徴が関係している。がんは多くの場合自覚症状がないまま進行する。そのため、がんに気づかずがん保険へ加入し、直後にがんが発覚するというケースがあるのだ。

もし免責期間がないと、上記の状況になった場合に保険金の支払いをしなければならず、他の加入者と公平性を保てなくなる。こういった事態を防ぐために、免責期間が設けられているのだ。

免責期間中にがんを発症した場合、保障は受けられず、保険の契約も無効になってしまう。健康状態には十分注意しよう。

もったいないと思わずにがん保険の必要性を見極めよう

がん保険の必要性を見極めよう 生命保険ナビ

多くの人にとってがん保険の必要性は高いと言える。

しかしながら、保険料を負担して加入する以上、「自分にも必要のある保険だ」と納得して入りたいという方も多いだろう。

そこで最後の章では、自分にがん保険が必要なのか、を判断するポイントについて解説を行う。 

がん保険への加入率が高い属性とは

がん保険の加入率がとくに高い人には特徴があるのだろうか。

年齢やライフステージ別などに確認してみよう。

生命保険文化センターの調査によれば、男女4,844人中でがん保険へ加入している人の割合は、39.1%となった。

およそ5人に2人はがん保険へ加入している計算となる。

また、属性ごとに加入率が高いものをまとめたのが、以下の表になる。

対象項目加入率が最も高かった項目加入率
年齢別40歳代48.8%
年収別700〜1,000万円未満57.8%
住居種類別持ち家・ローンあり50.3%
ライフステージ別既婚・末子小学生53.9%
参考:生命保険文化センター「2022年度生活保障に関する調査 ガン保険・ガン特約、特定疾病保障保険・特定疾病保障特約の加入率」

上記表から、子どもがいて、ある程度年収に余裕のある40代の加入率が高い、ということが読み取れる。自分の状況と比較して、加入の参考とすると良いだろう。

がん保険に入るべきか判断するには

がん保険に加入する人の傾向は理解できたが、自分が入るべきか決める判断基準がわからない、という人もいるだろう。

加入を迷う場合は、がんの治療費と保険に入ることで支払われる保険金の金額を比較すると分かりやすくなる。

また、自分の収入やライフステージから必要性を考えてみるのも1つの選択肢となるだろう。

例えばメットライフ生命「ガン保険 ガードエックス」に40歳男性が加入した場合を考えてみよう。

給付金の条件をがん治療給付金50万円、入院給付金日額5,000円、通院給付金日額5,000円で設定すると、月額保険料は4,404円だ。

仮に90歳まで加入すると考えると、約260万円が必要になる。

ただ、この保険はがんと診断された場合、保険料支払いが免除になる。

また、治療を受けるたびに50万円、15日間ずつの入院と通院時には15万円が支給される。

そのため、結果的にがん保険に入った方が将来かかる費用が少なくなる可能性があるのだ。

このように、支払う保険料と受け取る保険金のバランスを考えることが一つ目の判断基準となる。

また、年収に余裕があり、子どもがいる家庭のがん保険加入率が高いことは、前段で説明した通りだ。

がん保険の保障範囲が限定的であることから、医療保険と比べて加入の優先度はどうしても低くなりがちだ。

ただ、家族の生活を守るという意味では、保障内容が手厚いがん保険が必要になるケースも多い。

子どもがいる場合は、よりその傾向が高まる。このように、自分の生活状況から加入の判断をすることも大切である。

自分に適したがん保険を選ぶには

がん保険に入る決断をしたら、自分に最適なものを選べるようにしておこう。

選ぶポイントとしては、①保険金を受け取れるタイミングを確認する保険期間や保険料の支払い方法を確認する、の2点となる。

①について、がん保険の保険金が支給されるタイミングには以下のような場合が考えられる。

  • がんと診断を受けた時
  • 入院する時
  • 特定の手術を受けた時
  • 通院した時

なお、振り込まれるタイミングはがん保険の保障内容によっても異なる。

自分がいつ保険金を必要としているのか、考えることで必要ながん保険も選べるだろう。

②については、保障期間がどれくらい必要か、また保険料の支払いにどれくらい余裕があるのか、を考える必要がある。

がん保険の保険期間には、生涯保障の終身型と期間限定保障の定期型の2種類が存在する。

定期型の方が、期間が短い分保険料は安くなる。長期間保障がほしい場合は終身型、保険料負担を抑えたい場合は定期型と使い分けると良いだろう。

また、がん保険の保険料の支払い方法としては、期間中保険料を払い続ける終身払いが一般的だ。

ただ、契約時に一回で保険料を支払い終える一時払いや満期までの保険料を保険会社に一括で預ける全期前納払いなど、一度に支払いを終える方法もある。

最終的に支払う保険料は、一度で支払いを終える方が安くなる。

会社の手続きが少なく、手数料が節約できるからだ。

ただし、その分まとまった金額を用意する必要があるため、自分の経済状況に合わせて選択するべきだろう。

自分に最適ながん保険が選択できれば、加入してからもったいない、と後悔することもなくなるだろう。

本記事を参考にして、賢くがん保険を活用できるようにしてほしい。

がん保険がもったいないと考える人ももう一度検討しなおしてみよう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、がん保険の保障内容や保険料、またがん治療にかかる費用などをもとに「がん保険の必要性」について解説した。

万が一のリスクに備え、がん保険には多くの人が加入している。

その一方で、保険料負担とがんへの罹患確率を比較すると、コスパが悪くてもったいないという声もあり、これらはがん保険のデメリットと言えるだろう。

しかし、何より重要なことは、がん保険の特徴を理解し、また自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮してがん保険の必要性を判断することだ。

また、一口にがん保険と言っても商品ごとに特徴が異なり、数ある中から自分にあった保険を選ぶことも忘れてはならない。

そのため、がん保険の必要性や商品の選択に疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、保険の必要性やあなたに合ったがん保険を見つけることができるはずだ。

また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。

そんな時はマッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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