- 65歳以上が加入できる県民共済保険について知りたい
- 共済と保険の違いを把握して自分に適した保障内容を選択したい
- 県民共済保険のメリット・デメリットを把握したい
各自治体が取り扱う県民共済には、65歳以上の方でも加入できる「熟年型」プランがある。
定年退職とセカンドライフのスタートで大きな節目を迎えるタイミングで、これからの生涯を健やかに過ごすために、保険を見直したり、新たに必要な保障を備えた保険に加入することを検討している方も多いだろう。
年齢と共に高まる健康リスクに備えるためにも、自身のライフステージに合った保障内容を備えることが大切なのだ。
そこで本記事では、生命保険と共済の違いやそれぞれのメリット・デメリット、さらに自分に適した保障内容を選択するためのポイントについて解説していく。
ぜひ最後まで読んで参考にしてほしい。
65歳以上が加入できる「熟年型県民共済」
県民共済は医療保険と性質の似ているものだ。広く提供されている医療保険と比較すると、シンプルな保障内容で安い保険料で提供されている。
スーパーやコンビニのラックにあるチラシや、CMで共済の名前を聞いたことのある人も多いだろう。
各都道府県にある都道府県民共済
まず共済の仕組みについて解説する。共済は全国生活協同組合連合会(全国生協連)が各都道府県ごとに展開している共済事業だ。
共済は特定の自治体や企業、労働組合や学校など特定の団体、もしくは1000人以下を相手方として行う保険事業に類似した保障事業だ。
日本国内における生命保険は、申込上限数を定めてはいない。
生命保険の申込が多ければ多いほど保険会社の収益になる一方、保険会社として人件費や広告宣伝費が必要となる。
共済はスケールを限定的にすることにより、生命保険よりも手軽に加入できる保障サービスといえるだろう。
県民共済の特徴
都道府県民共済の1つである都民共済の提供商品から、共済の特徴を見ていこう。
都民共済は、0歳から85歳まで保障が続く。被保険者の年齢により子ども型、現役向け、高齢者向けに分かれている。
こども1型 | こども2型 | |
---|---|---|
入院給付金 | 1日あたり5,000円 | 1日あたり10,000円 |
ケガの通院 | 1日あたり2,000円 | 1日あたり4,000円 |
月掛金 | 1,000円 | 2,000円 |
子ども型の特徴は、入院またはケガによる通院に対し、1日目から保障対象となっている。
また手術や先進医療の保障もついている点は安心だ。過失による第三者の損害賠償に対しても対応している。
こども型は自治体の医療保障を補完する
昨今、地方自治体が子どもの医療費を負担する行政施策が広がっている。15歳ないしは18歳の子どもに対し、公的医療分の医療費を自治体が支援するものだ。
自治体の財源状態によっては、1日500円と設定されている場合がある。
子育て世代にとって自治体の施策は有難いものだが、公的医療の対象外となる先進医療などは含まれていない。
この部分を先進医療保障がある子ども型でカバーすることができる
現役世代への都民共済
18歳から64歳までが加入できる現役世代向けの都民共済についても解説する。
総合保障1型 | 総合保障2型 | 総合保障4型 | |
---|---|---|---|
入院給付金 | 1日あたり2,550円 | 1日あたり4,500円 | 1日あたり9,000円 |
病気死亡 | 200万円 | 400万円 | 800万円 |
月掛金 | 1,000円 | 2,000円 | 4,000円 |
現役向けは1日目からの入院保障に加え、死亡保障が含まれている。
コースによっては入院給付も死亡保険金も金額が低いが、何かしらの保障に入っておくという需要に対しては、効果的だろう。
熟年型の都民共済について
本記事にてお勧めしたいのが、熟年型の都民共済だ。
満65歳から満69歳までの健康な方が申し込むことができる。
熟年2型 | 熟年4型 | |
---|---|---|
入院給付金 | 1日あたり2,500円 | 1日あたり5,000円 |
病気死亡 | 100万円 | 200万円 |
月掛金 | 2,000円 | 4,000円 |
子ども型や現役向けと同じく入院1日目から保障する熟年型は、最長85歳まで保障が継続する保険だ。
申込に際し告知は必要だが、医師による診査は必要ない。
熟年型にプラスして、入院保障を上乗せした熟年入院型もある。
熟年入院2型 | |
---|---|
入院給付金 | 1日あたり5,000円 |
手術 | 手術内容により1万円、2万円、4万円 |
先進医療 | 1万円から75万円 |
月掛金 | 2,000円 |
熟年入院型は生命保険会社の医療保険と比較すると、引けをとらないだろう。
通院保障や三大疾病保障は含まれていないが、年齢的にそこまでの保障まで求めていない、最低限の入院・手術保障を求めるニーズならぜひ検討したい保障内容だ。
また熟年型と熟年入院型を組み合わせた、熟年2型+熟年入院2型も設けられている。
熟年2型+熟年入院2型 | |
---|---|
入院給付金 | 1日あたり7,500円 |
病気による重度障害 | 105万円 |
病気による死亡 | 105万円 |
月掛金 | 4,000円 |
熟年2型+熟年入院2型になると、月掛金4,000円で入院給付7,500円と、とても手厚い印象を受ける。
死亡保障のついている医療保障型としては検討する価値があるものだろう。
ただシンプルな作りとなっており、主契約には三大疾病や通院給付などはない。このあたりをどう判断するかではないだろうか。
都民共済以外の各種共済についても、保障内容は大きく変わらないだろう。
ただ都民共済は都道府県共済のなかでもスケールが大きい方なので、自治体によっては保障内容が変わる可能性もある。
自分の居住地だったらどのような保障になるのか、資料を取り寄せたうえで生命保険と比較したい。
65歳以上の方必見!保険と共済、シニア世代はどちらを選ぶべきか
共済の提供する保障の解説をしたが、シニア世代は生命保険と共済のどちらを選ぶべきだろうか。
60歳代も保障は必要
生命保険文化センターによると、60歳代になって会社の定年を迎えても、生命保険の加入率は著しく下がることはない。
医療保険には病気・ケガにかかる医療費の保障が目的のため、在職中かどうかはあまり関係ないといえるだろう。
会社の退職後も医療保険への加入は継続する人が多い。
シニア世代は保険と共済のどちらを選ぶべきか
都民共済の保障内容から読み取れるように、生命保険と共済の保障内容の違いは三大疾病などの特定の保障と通院保障だ。シニア家計として、何かあったときに医療費に充当できる預貯金があれば、熟年向けの共済に加入したうえで現預金と合わせてリスク管理する方法がいいだろう。
あまり現預金が余裕がないのであれば、保障が厚い医療保険を選びたい。
60歳時点で退職金や確定拠出年金などを受け取っている家計であれば現預金の余裕があるため、共済で最低限の保障を選択するケースも多いのではないだろうか。
【65歳以上の方向け】自分に適した保険選びのポイント
65歳以上の方で考えたい、自分に適した保険選びのポイントを解説する。
65歳以上でもライフプランの作成は大切
医療保険を選ぶ際は、ライフプランを設計したうえで適切な保険商品・共済を選びたい。
ライフプランと聞くと現役世代のみ必要な作業と思われることも多いが、今は人生100年時代だ。
65歳以降に30年以上の時間があると考えると、65歳を超えてからのライフプラン作成も重要なものであることがわかる。
年金の受取や遺族年金、在職老齢年金など、65歳を超えてはじめて当事者となるものもある。
ライフプラン作成を通じて、専門家とのネットワークを構築したい。
保障期間がいつまでなのかに注意する
熟年型の都民共済のように、満69歳で保障期間が終了してしまう保障もある。
この場合、70歳になってから病気に罹患した際に、保障の対象外となるリスクは避けたい。
共済は保険料が安い分、基本的に一生涯保障は設定されていないため、保障期間の終了後にどうするかをあらかじめ考える必要がある。
60歳になる前に医療保険に入り、65歳前後で払込期間を終了して一生涯の保障を享受するか、共済で当面の保険料を安くして、共済の保障期間終了後に70歳向けの医療保険や少短を検討するかという選択肢になるだろう。
定期的に保険のスペシャリストに相談したい
このように保険と共済のどちらを選ぶかの判断は、現時点のメリットと、その選択をすることによって先にどのようなリスクがあるかを可視化することが大切だ。
また75歳を迎えると後期高齢者医療制度が開始されるため、公的保障も内容も変化する。
その時々に応じて勉強をしたいが、公的保障や民間保険の分野はとても複雑だ。
そのため各種の理解には、専門家の力を借りたいところだ。
保険のスペシャリストである募集人は保険の知識のみならず、公的保障や高年齢層のリスクにも精通している。
存分に活用していきたい。
県民共済には65歳以上の方でも加入できる「熟年型」プランがある
本記事では、生命保険と共済の違いやそれぞれのメリット・デメリット、さらに自分に適した保障内容を選択するためのポイントについて解説した。
一口に生命保険と言っても数多くの保険会社やプランが存在する。
また、各自治体が取り扱う県民共済にも、65歳以上の方でも加入できる「熟年型」プランが導入されている。
その中で、年齢だけでなく、それぞれのライフステージに合わせて自分が求める保障内容を備えた保険に入ることが求められるのだ。
今回紹介した保険選びのポイントを参考に、あなたに合った保険を見つけてほしい。
このように、何より重要なことは、保険の特徴を理解し、また自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮して保険を選ぶことだ。
そのため、どの保険に入るべきかの判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な保険を的確に選択することができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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