- 専業主婦に生命保険が必要か知りたい
- 自分に合った生命保険の選び方がわからない
- 50代の専業主婦にふさわしい生命保険を具体的に知りたい
50代の専業主婦にとっては、子どもの独立や夫の退職など、生活環境が大きく変わる年代である。
そのため、自身の将来について考える機会も増えるのではないだろうか。
また、高血圧の薬を飲み始めるなど、体調面にも変化が見えることで、もしものときに備えて生命保険への加入を検討する女性は増える傾向にある。
しかし、保険料の支払いによって家計を圧迫することのないよう、特に専業主婦の方は生命保険の必要性を慎重に判断したいという方が多いはずだ。
そこで本記事では、未来を見据えたリスクへの備えとして、生命保険の必要性やおすすめの商品について解説する。
50代女性特有のリスクや疾患、それに対する保険のカバー範囲なども深掘りするので、ぜひ参考にして最適な保険を見つけてほしい。
50代専業主婦に生命保険は必要なのか?
収入のない専業主婦は、生命保険に加入する必要があるのか疑問に思う方もいるだろう。
ここでは、生命保険の概要に触れつつ、50代の女性が抱える健康リスクについて解説し、生命保険で備えるべき保障内容や生命保険の必要性が高い人・低い人の特徴を紹介していく。
生命保険の概要
生命保険は、契約者同士が保険料を出し合い、契約者の誰かが病気やけがをしたり、万が一のことが起きてしまったりした際に、集まった保険料から保険金を支払う「相互扶助の精神」で成り立っている。
そのため、契約者間は公平でなければならず、年齢を重ねている方や持病がある方などの保険金を支払う可能性が高い人に対しては、保険料が高く設定される。
一方で、年齢が若い方や持病がない方は、保険料が割安になる仕組みだ。
生命保険の種類には、主に以下の7つがある。
特徴 | |
---|---|
死亡保険 | ・万が一のことが起きたときや高度障害状態になったときに保険金が受け取れる ・満期まで生存していたときに死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れる「養老保険」もある |
医療保険 | ・病気やけがで入院したり、手術を受けたりしたときに給付金が受け取れる ・保障をさらに充実させられる「特約」のラインナップも豊富 |
がん保険 | ・がんで入院、手術、放射線治療、抗がん剤治療をしたときに給付金が受け取れる ・がんと診断されたときに一時金が受け取れる商品が多い |
就業不能保険 | ・病気やけがによって働けなくなってしまったときの給与補填を目的とした保険 ・保険会社が定める状態となった場合に年金もしくは一時金が受け取れる |
介護保険 | ・要介護状態となったときに保険金が受け取れる ・介護費用が高額になりがちな認知症の保障に特化した介護保険もある |
個人年金保険 | ・老後資金に備えるための保険 ・契約時に設定した年齢から10年や15年など一定期間にわたって年金が受け取れる |
学資保険 | ・子どもの教育資金を準備するための保険で、一定期間ごとにお祝金が受け取れる ・契約者(親)に万が一のことがあった際には、保険料の払い込みが免除される商品が多い |
上記は、それぞれの保険に対する一般的な特徴である。保険会社によって保障内容が多少異なる場合もあるため、加入前にしっかりと確認してほしい。
50代女性が抱える健康リスクや備えるべき保障内容
まず、50代の女性はどのような病気で入院する確率が高いのかを見ていきたい。
50-54歳 | 55-59歳 | |
---|---|---|
精神及び行動の障害 | 167 | 218 |
新生物<腫瘍> | 62 | 79 |
神経系の疾患 | 38 | 49 |
循環器系の疾患 | 30 | 47 |
筋骨格系及び結合組織の疾患 | 21 | 40 |
この表は、50代女性の人口10万人あたりの入院受療率を表したものだ。精神疾患で入院する確率が最も高いことがわかる。
そのほかにも、子宮筋腫などの良性腫瘍(新生物<腫瘍>)やアルツハイマー型認知症(神経系の疾患)、高血圧(循環器系の疾患)、骨粗しょう症(筋骨格系及び結合組織の疾患)での入院も増える。
加えて、女性特有のがんの罹患者数を年代別に見てみよう。
乳房 | 子宮頸部 | 子宮体部 | 卵巣 | |
---|---|---|---|---|
0-4歳 | 0 | 0 | 0 | 5 |
5-9歳 | 0 | 0 | 0 | 22 |
10-14歳 | 2 | 0 | 0 | 29 |
15-19歳 | 7 | 0 | 5 | 95 |
20-24歳 | 42 | 11 | 15 | 188 |
25-29歳 | 217 | 160 | 72 | 226 |
30-34歳 | 933 | 534 | 191 | 335 |
35-39歳 | 2,455 | 995 | 457 | 488 |
40-44歳 | 6,406 | 1,195 | 896 | 838 |
45-49歳 | 11,287 | 1,347 | 1,831 | 1,422 |
50-54歳 | 9,571 | 1,108 | 2,652 | 1,599 |
55-59歳 | 8,777 | 926 | 2,726 | 1,372 |
60-64歳 | 9,407 | 797 | 1,985 | 1,323 |
65-69歳 | 11,767 | 961 | 2,027 | 1,493 |
70-74歳 | 12,052 | 919 | 1,854 | 1,299 |
75-79歳 | 9,795 | 721 | 1,418 | 1,018 |
80-84歳 | 6,888 | 544 | 928 | 740 |
85歳以上 | 7,536 | 661 | 823 | 896 |
この表を見ると、若い年代に比べて、50代になると女性特有のがんに罹患する人が多くなることがわかるだろう。
上記を踏まえ、50代女性が加入すべきなのは以下の3つの保険だ。
- 医療保険
- がん保険
- 介護保険
入院するリスクが高くなる50代以降は、病気やけが全般に対して保障が受けられる医療保険への加入が必要だ。
特に、女性特有の病気に対して上乗せ保障が準備できる女性向け医療保険に加入することが望ましいだろう。
また、女性特有のがんに罹患する人も増えていく。がんの治療は長引くケースが多いため、入院に対する保障だけでなく、通院に対する保障も重点的に準備できるがん保険が良い。
加えて、将来を見据えて介護保険に加入することも検討しよう。
その際には、将来自宅介護を望むのか、施設介護を望むのかを明確にしておくことがおすすめだ。
それぞれの生命保険について、おすすめな商品については後述する。
50代専業主婦で生命保険が必要な人・不要な人の特徴
まず、生命保険が必要な人の特徴は、以下の2つに当てはまる人だ。
- 子どもが独立していない
- 預貯金があまりない
子どもが独立していなかったり、預貯金があまりなかったりする場合は、もし病気やけがで入院などをすると、治療費が家計に大きな負担をかけることになる。
それだけでなく、家事代行サービスなどの外部業者を利用することで、さらに出費が増える恐れもある。
反対に、すでに子どもが独立していたり、預貯金が十分にある方にとっては、生命保険の必要性は高くないといえる。
家族の資産状況を鑑みて、生命保険への加入の必要性を判断しよう。
【50代専業主婦向け】おすすめの生命保険を紹介
ここでは、50代の専業主婦が加入すべき医療保険、がん保険、介護保険のそれぞれにおいて、おすすめな商品について紹介していく。
【全ての病気やけがをカバー】オリックス生命「女性向け医療保険 CURE Lady Next」
医療保険でおすすめなのは、オリックス生命が販売している「女性向け医療保険 CURE Lady Next」だ。
特徴としては、以下の2つが挙げられる。
- 女性特有の病気だけでなく、全てのがんに対する上乗せ保障がある
- 特約を付加することで、七大生活習慣病※による長期入院に備えられる
※がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎臓病
「女性向け医療保険 CURE Lady Next」の最大の特徴は、女性特有の病気に加えて、全てのがんに対して上乗せ保障がある点だ。
加えて、「七大生活習慣病入院給付特約」を付加することによって、長引く入院に対しても保障が準備できる。
この特則は、「三大疾病無制限型」と「七大疾病無制限型」から選択可能だ。
「三大疾病無制限型」を付加すると、以下4つの病気で入院した場合は主契約の入院限度日数(60日)にプラスして60日、合計120日の保障が受けられることとなる。
- 糖尿病
- 高血圧性疾患
- 肝硬変
- 慢性腎臓病
「七大疾病無制限型」を付加したときは、七大疾病全ての入院が無制限で保障されるが、保障範囲が広い分、「七大疾病無制限型」の方が保険料が高くなる点には注意してほしい。
この商品は終身タイプの医療保険であるため、将来起こり得る病気やけがのリスクに一生涯備えることが可能だ。
女性特有の病気や全てのがんに対する上乗せ保障もあるため、手厚い保障を準備したい方にはおすすめの保険だといえる。
【がんに対する重点保障】ネオファースト生命「ネオdeがんちりょう」
がん保険の中でおすすめなのは、ネオファースト生命が販売する「ネオdeがんちりょう」だ。
特徴は3つある。
- 主契約は3つの保障の中から選択できる
- 喫煙者でない場合は保険料が安くなる
- 女性特有のがんで手術を受けた場合に給付金が受け取れる特約がある
まず、主契約は以下の3つから選択可能だ。
保障内容 | ||
---|---|---|
1 | がん治療給付金 | ・手術、放射線治療、抗がん剤治療を受けた月ごとに給付金が受け取れる ・何度でも受取可能 |
2 | がん放射線治療・抗がん剤治療給付金 | ・放射線治療、抗がん剤治療を受けた月ごとに給付金が受け取れる ・何度でも受取可能 |
3 | がん診断給付金 | ・がん(上皮内がんを含む)と診断された際に給付金が受け取れる ・1年に1回限度で、何度でも受取可能 ・2回目以降の給付金は、がんによる入院、通院をした際に受け取れる |
それぞれのニーズに応じて主契約を選択できる点は大きな特徴といえる。
1もしくは2を主契約とした場合は「自費診療上乗せ給付特約」を付加でき、それぞれの主契約の保障内容に応じた自費診療※を受けた場合は、主契約の給付金の1倍または2倍が上乗せして受け取れる。
※先進医療、患者申出療養、自由診療
また、主契約は組み合わせも可能だ。ただ、1〜3全ての組み合わせたり、1と2だけを組み合わせたりすることは不可能であるため注意しなければならない。
さらに、1年以内にタバコを吸っていない場合は、喫煙者よりも割安となった保険料で加入できるのも特徴の一つである。喫煙者でないことを証明するために、告知の際に検査が求められるケースがある点は覚えておこう。
加えて、この商品にはさまざまな特約が付加できるが、中でも女性特有のがんに対する手術を受けた場合に、給付金が受け取れる特約があるのは嬉しいポイントだ。
しかし、対象となる手術は、乳房や子宮、卵巣、卵管に対する手術や、乳房再建術などに限られている。
手術の内容によって、受け取れる給付金の割合が変動する点にも気をつけなければならない。
医療保険でもがんに対する保障は準備可能なものの、通院治療に対する保障をしっかり準備したいのであれば、がん保険もあわせて加入することがおすすめだ。
【将来の介護に備えて】東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護」
介護保険でおすすめなのは、東京海上日動あんしん生命が販売する「あんしんねんきん介護」だ。
特徴としては、以下の3つが挙げられる。
- 3つの告知に当てはまらなければ申込可能
- 所定の介護状態に該当したときに介護年金が受け取れる
- 「健康祝金特則」を付加することで、5年ごとにお祝金が受け取れる
「あんしんねんきん介護」における具体的な告知内容は以下のとおりだ。
- 過去1年以内に、病気やケガで、入院をしたこと、または手術を受けたことがありますか。
- 過去5年以内に、以下のいずれかの病気で、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。
がん、肝硬変、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、脳しゅよう、心筋梗塞、心筋症、心不全、心房細動、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、アルコール依存症、パーキンソン病、アルツハイマー病、レビー小体病、前頭側頭葉変性症・ピック病 |
- 以下(1)〜(3)のいずれかに該当しますか。
(1)現在、以下①〜⑦の日常生活の動作のいずれかにおいて、他の方の介助または補助具を必要とする。
①歩行 ②食事 ③排せつ ④入浴 ⑤衣服の着替え ⑥店での買い物 ⑦公共の交通機関の利用 |
(2)今までに、ご自身に関して、公的介護保険の要介護・要支援の認定申請をしたことがある。
(3)今までに、認知症、軽度認知障害(MCI)またはそれらの疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがある。
3つの告知に当てはまらなければ申し込めるため、持病がある方にとっても加入しやすい介護保険であるといえる。
また、「公的介護保険制度にもとづく要介護2以上の状態」もしくは「会社が定める状態」に該当すると介護年金が受け取れる。
受取期間は5年・10年・終身から選択でき、いつまで続くかわからない介護に対して、終身で備えることも可能な点は嬉しいポイントだ。
さらに、「健康祝金特約」を付加することで、健康であれば5年ごとに年金額の10%が受け取れるのも特徴の一つである。
受け取ったお祝金は老後資金としても役立てられるだろう。
人生100年時代といわれる現代は、老後に対する備えは必須だ。
特に、介護状態となると家のリフォームをしたり、デイサービスの利用料等を支払ったり、継続的な出費が発生する。
介護保険に加入しておくことで、お金に対する心配を減らせるはずだ。
このように、「いつ保険に加入するか」で最適なプランは異なる。さらに同じ50代であっても、性別や独身・既婚などのステイタスによってその最適解は変わってくる。
年齢別におすすめの保険や50代におすすめの保険をまとめたこちらの記事も参考にしていただくと、50代専業主婦が保険選びで気をつけるべきポイントへの理解も深まるだろう。
【50代専業主婦向け】自分に合った生命保険の選び方
自分に合った生命保険を選ぶためには、以下の3つのポイントを意識する必要がある。
- ライフプランを考える
- 加入している保険の内容を確認する
- 無理のない範囲で保険料を設定する
それぞれ見ていこう。
ライフプランを考える
ライフプランや家族構成によって、必要となる保険は人それぞれ異なる。
子どもが独立するのは何年後か。また、自分が将来病気になったとしても治療費を支払えるだけの十分な貯蓄があるか。
改めてライフプランを考えることで、選ぶべき保険が見えてくるはずだ。
加入している保険の内容を確認する
すでに保険に加入している方は、現在の契約内容を確認することも重要だ。
子どもが独立するまでの間は、自身に万が一のことがあった場合を考慮して、死亡保障に重点を置きがちになる。
しかし、50代になると病気になるリスクは格段に上がる。そのため、病気になったときの保障を手厚くすることを優先しよう。
また、不要な保障を解約したり減額したりすることで、保険料の節約にも繋げることが可能だ。
無理のない範囲で保険料を設定する
保険料は継続的に支払わなければならないため、現時点の収入状況で保険料を判断することは望ましくない。
今後、配偶者の退職などによって収入が減ることも考えられることから、将来の公的年金などによる収入状況を考慮しながら、無理なく払い続けられる保険料で加入するようにしよう。
50代専業主婦の方は自分の状況を考慮して生命保険の必要性を判断しよう
本記事では、50代専業主婦の方向けに、生命保険の必要性やおすすめの商品について解説した。
年齢を重ねると保険料が高くなるが、病気になるリスクも上昇するため、もしものときのために備える生命保険が果たす役割は大きい。
今回紹介した商品の特徴や保険選びのポイントを参考に、自分にとって最適な生命保険を見つけるようにしてほしい。
そして何より重要なことは、保険の特徴を理解し、自分自身の状況を考慮して生命保険の必要性を判断することだ。
もし商品の選択や生命保険の必要性に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも検討しよう。
一人一人の状況に合わせたアドバイスをもらうことで、保険の必要性やあなたに合った生命保険を見つけることができるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在するため、その中から自分に最適な担当者を見つけるのは難しいだろう。
その際には、個人と保険のプロをマッチングさせるサイトである「生命保険ナビ」を活用することで、自身の希望に沿った保険のプロを簡単に見つけられる。
無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。