- 10年更新型生命保険について更新の必要性を知りたい
- 更新時期を利用して保険の見直しを行いたい
- 10年更新型に加入するメリット・デメリットを把握したい
保険の契約時には、保険期間(更新時期)を設定する必要がある。
また、実際に保険の更新時期が近づき、更新か解約か悩んでいる方も多いのではないだろうか。
本記事では、10年更新型保険の特徴や、更新の必要性や10年更新型の保険を契約するメリット・デメリットについても解説していく。
また、保険の更新や見直し時のポイントについても解説する。
生命保険への加入を検討している方や、既に契約している保険の見直しをしたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてほしい。
【10年更新生命保険】更新型保険について理解しよう
10年や20年といったように保障期間が定められている定期保険や医療保険には「更新型」タイプの保険が存在する。
まずは、更新型保険の概要やメリット・デメリットなどについて確認していこう。
保険を更新する際の注意点も紹介するため、すでに更新型保険を契約している人もチェックしてみてほしい。
更新型保険の概要と特徴
契約してから10年や20年などの一定期間が経過するたびに更新を繰り返すタイプの保険を「更新型保険」という。
保険期間が満期を迎えるたびに更新を行い、そのタイミングでの年齢や保険料率に基づいて再度保険料が決められる。
原則として健康状態に関わらずそれまでの同じ保障内容や保障期間、保障額で契約が継続されるため、保険料以外の内容は大きく変わらない。
通常、満期のタイミングになったら自動的に契約が更新されるが、80歳までといったように更新の年齢にも限度が設けられているため、事前にいつまで自動更新されるかについても確認しておくのをおすすめする。
更新の都度保険料が決め直される更新型保険に対して、加入から満期までずっと同じ保険料で契約できる保険を全期型保険と呼ぶ。
全期型保険は、更新型保険よりも当初の保険料は高くなりやすいが、年齢が高くなっても一定金額となるため、長期間加入を続けた場合の保険料払込総額は更新型よりも安くなるのが一般的だ。
更新型保険のメリット・デメリット
更新型保険を全期型保険と比較した際の、メリットおよびデメリットをそれぞれ確認していこう。
まず、メリットは下記の通りだ。
- 加入当初の保険料を安く抑えやすい
- 保険の見直しがしやすい
- 怪我や病気になった場合も更新できる
更新型保険は、加入当初の保険料が安く設定されているのが特徴だ。
保険料がずっと一定で変わらない全期型保険よりも安い保険料からスタートして、年齢が上がるにつれて保険料負担が増えていくのが一般的だ。
それほど収入の高くない若い年代でも、保険料負担を安く抑えつつ、万が一の際の保障を確保できるというメリットがある。
また、10年や15年など当初の保険期間が終了するタイミングでは、保険の切り替えもしやすい。
ライフステージの変化や年齢に合わせて保障内容の見直しを柔軟に行いたいという方にとっては、メリットが大きい保険と言えるだろう。
また、一般的な定期保険で、保険期間終了後に新しい保険に入り直す場合は、再度告知や診査の内容に基づいて保険契約の審査がされる。
過去に怪我や病気で入院・通院歴などがある人は、内容によっては加入を断られたり、保障内容に一部制限をかけられたりする可能性がある。
更新型保険は、保険期間の途中で病気になってしまった場合も、健康状態に関係なく更新する前と同じ保障を継続することも可能だ。
一方、デメリットとしては、下記のような点が挙げられる。
- 更新のたびに保険料が上がる
- 一定年齢以上になると更新できなくなる
- 健康状態によっては他の保険への見直しができない
更新型保険は、所定の保険期間が終了すると、自動的に再度保険契約が継続されていく保険だ。
更新時の年齢や保険料率によって保険料が改めて設定されるため、原則として更新前よりも保険料が高くなる。更新のたびに保険料が高くなるのは負担に感じる人もいるだろう。
また、更新型の保険には、一般的に更新年齢の上限が定められている。80歳や90歳など所定の年齢に達したら保険契約を更新できなくなる点もデメリットと言えるだろう。
定期的に新しい保険に見直したいと考えている人は更新型保険が選択肢に入ると考えられるが、その時の健康状態によっては他の保険へ加入できない場合もある点には注意しておこう。
保険を更新するときの注意点
基本的に、契約者からの申し出がない限りは保険契約が自動で更新されるため、他の保険に加入したい場合や保険への加入をやめたい場合、保険金額を減らしたい場合などは、更新前に申し出る必要がある。
更新の2ヶ月前など期限は保険会社によって異なるため、保険の見直しを考える場合はなるべく早めに確認しておこう。
また、医療保険や医療関係の特約がついた保険で支払われる入院給付金には、1回の入院あたりの支払い限度日数や、保険期間を通じての通算支払い限度日数が設けられている。
この通算支払い日数は、更新型保険を更新してもそのままリセットされずに継続される。
例えば、10年で満期を迎える保険で、入院給付金の通算支払い限度日数が1,095日だったとする。
更新前にすでに100日間の入院日数分の給付金を受け取っていた場合、更新後の通算支払い限度日数は残り995日となる。
【更新型生命保険】「10年」「20年」「30年」保険期間はどうする?
10年更新型、20年更新型、30年更新型について、それぞれの特徴や費用、保障内容や加入していることで得られるメリット・デメリットについて解説する。
各タイプを比較するにあたっては、以下の条件で契約したと仮定する。
- 30歳男性
- 死亡保険金2,000万円の定期死亡保険(解約返戻金なし)
- 20歳から60年間契約(10年更新・20年更新・30年更新)
なお、保険料の算出にあたってはライフネット生命の見積もりを利用しているが、実際の契約では下記の数値と異なる場合もあるため注意してほしい。
10年更新型の場合
10年で更新される保険の場合、更新のたびに保険料は下記のように上がっていく。
保険期間 | 月額保険料 | 払込保険料の合計 |
---|---|---|
20歳から10年間 | 1,590円 | 190,800円 |
30歳から10年間 | 1,886円 | 226,320円 |
40歳から10年間 | 3,600円 | 432,000円 |
50歳から10年間 | 8,184円 | 982,080円 |
60歳から10年間 | 19,230円 | 2,307,600円 |
70歳から10年間 | 51,418円 | 6,170,160円 |
合計 | ― | 10,308,960円 |
契約当初の保険料は、月1,590円と安く抑えられているが、更新のたびにどんどん月額保険料の負担が上昇していく。
特に、50代以降では毎回の更新で急激に保険料がアップするため、負担が大きくなる。
70歳からの10年間では毎月の保険料は51,418円となり、年間での保険料支払いは600万円を超える。
20歳から10年ごとに更新を続けた場合、払込保険料の総額は1,000万円にも達する。
しかし、上記の試算はあくまでも同じ保障金額で保険を継続した場合のシミュレーションだ。
老後になってからは子供も独立しているケースが多く、高額な死亡保障は必要ない場合も多い。
万が一の際に家族の生活を守る必要がある30代〜40代頃までは更新型保険に入って保険料負担を抑え、50代や60代になって大きな保障が必要なくなったタイミングで保険を見直すという考え方も良いだろう。
ライフステージの変化に合わせて柔軟に保障内容を見直したいという場合は、10年という短めのスパンでの更新型保険が適していると考えられる。
20年更新型の場合
20年ごとに更新される保険の場合、更新のタイミングは40歳と60歳の2回となる。
保険期間 | 月額保険料 | 払込保険料の合計 |
---|---|---|
20歳から20年間 | 1,712円 | 410,880円 |
40歳から20年間 | 5,460円 | 1,310,400円 |
60歳から20年間 | 31,304円 | 7,512,960円 |
合計 | ― | 9,234,240円 |
20歳からの20年間は、10年更新型とそれほど保険料は変わらない。
更新のタイミングでは保険料が大幅にアップするが、60年間トータルの支払い保険料は10年更新型よりも小さくなる。
60歳で保険の更新をストップした場合も、10年更新型の総払込保険料は1,831,200円なのに対して、20年更新型は1,721,280円と若干安い。
60歳まで、というようにある程度先までは保険に加入し続けたいと考えている場合は、長めの期間での更新型保険が適しているかもしれない。
30年更新型の場合
30年ごとに更新される保険の場合、更新のタイミングは50歳の1回だ。
保険期間 | 月額保険料 | 払込保険料の合計 |
---|---|---|
20歳から30年間 | 2,130円 | 766,800円 |
50歳から30年間 | 20,050円 | 7,218,000円 |
合計 | ― | 7,984,800円 |
20歳からの30年間は月額2,130円と安い保険料で30年保険料が一定だが、50歳からの30年間は月額20,050円と一気に跳ね上がる。
老後にそれほど大きな保障がいらないという方は、このタイミングで保障金額や保証期間を見直すのも良いだろう。
仮に80歳まで加入を続けたとすると、30年更新型のタイプが最も払込保険料の総額が小さくなる。
ただし、30年更新型の場合、基本的に1回目の契約が満期を迎えるのは契約から30年後となる。
それまでに金利環境が変わって他にもっと有利な保険が登場したり、自分のライフスタイルが変わって異なる保険に興味を持ったりした場合は、途中解約の必要性が生じてしまう点に注意しよう。
【10年更新生命保険】保険を見直す際のポイント
保険の更新のタイミングでは、現在加入している保険を見直す人が多いだろう。
保険の見直しにあたって重要なポイントは以下の3つだ。
- 保険に加入する目的を明確にする
- ライフプランから必要な保険金額や保険期間を検討する
- ライフステージの変化によって保険を見直す
保険に加入する目的を明確にする
まずは、保険に加入する目的を改めて確認しよう。
「自分に万が一のことがあった際に残された家族にまとまったお金を残したい」「怪我や病気で働けなくなった場合の収入減少に備えたい」「大きな手術の際の費用が心配」など、備えたいリスクや心配事は人によって異なる。
保険によってカバーしたいリスクに対して、必要な保障を考えてみるのが大事だ。
特に、ライフスタイル、家族構成によって求める保障内容は変わってくる。
例えば、独身や共働きで子供がいない世帯にとっては、それほど大きな死亡保障は必要ないだろう。
どちらに万が一のことがあっても、それぞれが仕事に就いているため、自分の生活費を稼いで暮らしていけると考えられるためだ。
ただし、子供が生まれたり、育児のために仕事を辞めたりすると、働き手に対する死亡保障の必要性は大きくなってくる。
また、子供が大きくなってくると教育費の負担も増加する。まとまったお金を準備するために、学資保険などの加入を検討するのも一つの選択肢だ。
子供の成長に伴い、親の年齢が上がることで病気や怪我のリスクも上がっていく場合がある。
健康状態によっては新たな保険加入が難しくなる可能性もあるため、必要な保障については健康なうちに確保しておくのが望ましい。
このように、単純に年齢だけで考えるのではなく、どのような家族構成かや今後どのようなライフイベントが控えているかについても考えるのが大事だ。
ライフプランから必要な保険金額や保険期間を検討する
自分の備えたいリスクから加入したい保険や保障内容を選んだら、必要な保険金額や保険期間について検討しよう。
生命保険文化センターの「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人の死亡保障の平均額は全体で957万円、男性で1,373万円、女性で647万円となっている。
ただし、必要な保障額は被保険者の年齢や家族構成、世帯年収などによっても異なるため、自分や自分の家族にとっていくら準備しておけば良いのかを具体的に考えることが重要だ。
例えば、自分に万一のことがあった際に、残された家族の生活を守るために収入保障保険に加入するのであれば、毎月最低限確保したい収入や現在の収入から、遺族年金の受給額や自分にかかっていた生活費などを差し引き、必要な保障額を算出する。
定年まで働いた場合と同等の保障が必要なのであれば、保険期間は本来定年を迎える年齢に設定するのが良いだろう。
このように、必要な保険金額や保険期間について算出する際は、現在の生活費や収入から大体どのくらい将来必要になるかをイメージするのが重要だ。
毎月の家計の収支をあまり気にしていない、万が一のことがあった際に残された家族にどれくらいお金を残せば良いかわからない、という方は、一度シミュレーションしてみるのをおすすめする。
ライフステージの変化によって保険を見直す
必要な保険の種類や保障金額の大きさや、年代やライフステージによっても変わってくる。
保険の加入時に将来のライフスタイルについてある程度予測を立てたとしても、予定通りにライフイベントが進んでいくとは限らない。
一度保険に加入したらそのままにしておくのではなく、毎年定期的に保障内容をチェックしたり、結婚や出産など大きなライフイベントの際に保障を見直したりするのをおすすめする。
加えて、医療の進歩や世の中の情勢の変化によって、保険商品の保障内容や付加できる特約なども変わってくる。
その時の年齢やニーズに合わせて柔軟に保険を見直したいなら、新しい保険も含めた上で複数の保険の内容やメリット・デメリットを比較するのがよいだろう。
自分だけで保険を見直すのが難しいという場合は、まずは保険のプロに相談してみてはいかがだろうか。
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保障の見直しがしやすいのが10年更新型生命保険のメリット
本記事では、更新型保険の特徴や更新時のポイント、保険期間の選び方について解説した。
また、保険を見直す際のポイントも紹介したのでぜひ参考にしてほしい。
このように更新型保険には、加入当初の保険料が安めであることや、病気になっても更新ができるなどのメリットがある。
しかし、自分に合った保険を選ばないと、更新時には保障内容の過不足が発生する場合もあるので、慎重に選ぶ必要がある。
また、更新の可否についても、自分のライフプランやニーズに適したものかを見極める必要があり、判断が難しいだろう。
そのため、自分一人で判断することに不安を感じた場合は、専門家に相談することをおすすめする。
また、誰に相談すべきかわからない場合は、「生命保険ナビ」で探してみよう。
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