- 学資保険の解約返戻金がどのように計算されるのか知りたい
- 学資保険を解約した時のデメリットが知りたい
- 学資保険の解約を回避する方法が知りたい
学資保険とは、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることが出来る、貯蓄型の保険のことである。
学資保険を利用している人の中には、保険料が負担になり、やむを得ず解約しようとしている人もいるだろう。
その際発生する解約返戻金はどのように計算されているのか、知っているだろうか。
結論から書くと、今まで支払った保険料が全て、もしくは一部返還される。
そのため、場合によっては損をする恐れがある。
そこで本記事では、学資保険の解約返戻金の計算方法や解約時のデメリット、さらに解約を防ぐ方法について解説する。
学資保険を解約すべきか、悩んでいるという方には、ぜひ参考にしてほしい。
学資保険の解約返戻金の計算方法
学資保険は、教育資金を準備する目的で契約する商品だが、そもそもどのような商品特徴があるのか確認する。
また、解約返戻金や保険金はどのように計算されているのか確認していく。
解約返戻金や基本的な学資保険の特徴を把握するための参考にしてほしい。
学資保険の特徴
学資保険は、子どもが一定の年齢に達するまで保険料を積み立てて、満期になったら満期金を支払う保険である。
基本的には、満期金が積み立てた保険料の総額を上回る設計になっている。
また、満期金はある一定の年齢に達した際まとめて支給するパターンと、分割で支払うパターンに分かれる。
両者を混合させている商品もあり、どのようなパターンに該当するかは、保険会社の商品によって異なる。
まとまて支払うパターンの場合、子どもの年齢が18歳から22歳になるまでのどこかのタイミングで一時金が支給される。
契約時点から支給時期までの期間が長い方が満期金は増えるので、学資保険を準備する場合は、できるだけ早いタイミングで契約しておきたい。
一方分割して支給する場合は、18歳から22歳までの5年間に分割して支払われ、一時金と比較すると支給総額が増えることが多い。
また、分割して支給する保険商品の中には、15歳の時点で一部支給し、再度18歳以降に分割支給するというケースもある。
また、保険というだけあって、保障機能もある。
保険料の支払期間中に契約者が亡くなった場合、以後の保険料の積み立てが不要になる。
もし保険料の積み立てが不要になったとしても、満期のタイミングで満期金が支払われる点がメリットである。
以上から、学資保険は保険料の支払期間中に契約者が亡くなると、以後の保険料の支払いが不要になるが、満期金は予定していた金額を支払われる商品となっている。
また、満期金の受け取りパターンは商品ごとに異なるので、保険会社の商品ごとに比較しながら検討する必要があるだろう。
学資保険の解約返戻金とは
解約返戻金は、契約している保険商品を途中で解約した場合に、契約者に支払われるお金を意味する。
一般的に、掛け捨てとされる保険には解約返戻金がない。
学資保険をはじめとする積み立て型の保険商品は、解約すると返戻金がある。
基本的に、解約返戻金は保険商品ごとにいくら戻ってくるかは異なる。
共通している項目としては、一般的に保険料を支払っている期間中に解約した場合、元本を欠損する可能性が高い。
そのため、原則は途中で保険は解約しないほうが得策といえるだろう。
解約返戻金を、保険料の支払総額で割った割合を「解約返戻率」という。
解約返戻率は、契約年数が伸びると、割合も徐々に増える。
ただし、保険料の支払い期間中の解約返戻率が抑えられる「低解約返戻型」の商品の場合は、どれだけ高くても解約返戻率は7割程度に抑えられてしまう。
以上から、学資保険を途中で解約すると総支払額よりも少ない金額しか戻ってこないので、無理のない範囲で準備すると良いだろう。
学資保険の解約返戻金の計算方法
学資保険の解約返戻金は、保険会社の商品ごとに異なるので、すべてが同じ金額にはならない。
一般的に、解約返戻金の計算方法は、次の方法で導き出すことができる。
たとえば、解約時における保険料の支払総額が120万円で、解約返戻率が65%の場合、解約返戻金は次の通りになる。
保険料の支払総額を大きく下回っているので、保険料を支払っている間の解約には注意したい。
また、契約している商品によっては保険料を支払い終えて、満期金の支払いを待つ場合もある。
たとえば、以下のような商品だ。
- 保険料の支払期間:10歳
- 満期金の支払い時期:18歳
上記のケースでは、保険料を子どもが10歳になるまで支払い、その後8年経過したタイミングで満期金が支払われる。
この場合は、10歳から18歳までの期間で、保険料の総支払額より解約返戻金が高くなる場合がある。
解約時における保険料の支払総額が120万円で、解約返戻率が101%の場合、解約返戻金は以下の通りになる。
上記のように、保険料を支払い終えて、一定の待ち期間がある場合は、解約返戻率が100%を超えて、解約返戻金が保険料の総支払額よりも高くなる場合がある。
とはいえ、基本的には解約返戻金が上回ることはほとんどないので、基本的には元本を欠損するリスクがあることを踏まえておこう。
では、学資保険の解約をする場合のデメリットを、この機会に確認しておこう。
学資保険を解約するデメリットとは
学資保険は、将来的に子どもの教育資金が大きくかかるタイミングに資金を用意できるように、前もって準備しておく目的で契約する商品である。
そのため、学資保険を解約する場合は、将来的に必要になる子どもの教育資金の準備を破棄したことにつながる。
その結果、ライフプランにも大きな支障をきたす可能性が高い。
大枠でのデメリットは上記の通りだが、それ以外のデメリットについてもそれぞれ確認しておく。
学資保険を解約するデメリットは、以下の3つだ。
- 元本割れをする
- 契約していた保障は元に戻せない
- 保障が受けられない
それぞれのデメリットについて解説する。
元本割れをする
学資保険を途中で解約すると、元本割れして損失する可能性がある。
一般的に、解約返戻金がある保険商品は、保険料の支払期間中や、満期よりも前に解約すると、解約返戻金は保険料の支払総額よりもマイナスになる可能性が高い。
そのため、結果的に契約者にとってデメリットにつながる。
やむを得ない事情がある限りは、基本的に保険の途中解約は避けておくほうが望ましいだろう。
契約していた保障は元に戻せない
契約していた保障が元に戻せない点もデメリットである。
保険会社が解約請求書などを受理して処理をした場合、解約された商品を元に戻すことはできない。
解約後に新たに契約を希望する場合は、再度新たに契約手続きを行う必要がある。
子どもの年齢や契約者の年齢が、契約時点での年齢で計算されるので、場合によっては保険商品に加入できないリスクもある。
さらに、新たに契約する場合は健康状態の告知もする必要があるため、健康状態によっては再び加入できない可能性がある。
そのため、基本的には解約は避けるべきだが、もし何らかの事情で解約せざるを得ない場合でも、こうしたリスクがある点を把握したうえで解約する必要があるだろう。
保障がなくなる
学資保険は、契約者が万が一保険料の支払期間中に亡くなっても保険料の支払いが不要になり、かつ子どもが一定の年齢に達すると満期金が受け取れる保険としての機能が備わっている。
もし保険を解約した場合、こうした保障機能も失われるため、契約者が亡くなっても子どもの教育資金を別の手段で確保しなければならない。
学資保険は契約者がなくなっても生存していても満期金が受け取れる仕組みである。
そのため、学資保険を解約する場合は、契約者が生存している場合、なくなった場合のそれぞれに備えて子どもの教育資金を用意しておく必要があると言える。
なお、学資保険で受け取る保険金の使い道に制限はないため、この点からも解約はできるだけ避けるべきだと言える。
学資保険の解約を回避する方法とは
上記で解説した通り、学資保険の解約にはデメリットが多数生じるため、解約は避けた方が良い。
ただし、経済的な事情によって保険料の捻出ができない場合もあるだろう。その場合、学資保険の解約を回避する方法について解説する。
もし解約の必要性が生じた場合は、いったん以下の方法を取り入れてみると良いだろう。
- 自動振替貸付
- 払い済み保険
- 減額
それぞれの方法について解説しよう。
自動振替貸付
自動振替貸付は、解約返戻金の範囲内で保険会社が契約者に一時的に資金を貸し付ける制度である。
自動振替貸付を利用すれば、学資保険を解約せず資金を受け取れる。
そのため、もし急な資金が必要な場合は自動振替貸付の利用を検討しよう。
ただし、契約してまだ浅い場合や、商品によってはそもそも自動振替貸付を利用できないケースがある。
そのため、学資保険を検討している場合は、契約後にこうした制度を利用できるのかも確認しておくと良いだろう。
払い済み保険
払い済み保険は、解約返戻金を元に残りの保険期間の保険料に充当し、今後の保険料を支払うことなく保障を残す方法である。
途中で保険料を支払うのをストップするため、保障面や満期金は少なくなってしまう点に注意が必要だ。
さらに、解約返戻金を元手にするので、場合によっては満期金がほとんどないケースもある。
あくまでも教育資金の準備として加入する保険なので、満期金が少なくなれば、教育資金として利用できない場合があるため、払い済みにするべきかよく検討しておく必要があるだろう。
また、保険商品によっては払い済みにできない場合もあるので、利用する場合は確認しておくと良い。
減額
減額は、契約当初の保障額よりも少ない保障額に減らす手続きである。
満期金が少なくなるデメリットはあるものの、保険料も低く抑えられるので、保険料が高くて払えないケースなら、検討してみるのも良いだろう。
ただし、最低保障額を下回って減額ができないので、減額できるかどうかは保険会社に確認しておく必要がある。
また、学資保険の解約にあたっては保険の専門家に相談して、どのような方法を選ぶべきなのかアドバイスをもらっておくのも手だ。
学資保険はできる限り解約しないように!解約に迷ったら解約返戻金を計算してみよう
本記事では、学資保険の解約返戻金の計算方法や解約時のデメリット、さらに解約を防ぐ方法について解説を行った。
学資保険の解約返戻金は、支払った保険料が全額もしくは一部戻ってくる形になる。
ただ、特に早期解約の場合は支払った保険料よりも解約返戻金の金額が少ない学資保険が多い。
保険料の支払いが厳しいので解約したい、ということであれば特約を外すなどで保険料を抑えることも可能だ。
できる限り学資保険は途中解約しないことをおすすめする。
もし、保険料を抑える方法を詳しく知りたいという方がいれば、保険のプロに相談すると良いだろう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、学資保険の解約に関する疑問が解消され、手続きなども安心して進めることができるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。
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