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米ドル建て保険は教育資金の貯蓄に有効なのか?学資保険と比較して解説

この記事で解決できるお悩み
  • 米ドル建て終身保険の特徴やメリット・デメリットが知りたい
  • 米ドル建て終身保険と学資保険を実際に利用したときの貯蓄額の差が知りたい
  • 教育資金を貯蓄する上で気をつけるべき点が知りたい

日本では長く低金利の状態が続いており、学資保険をはじめとする貯蓄型保険を利用しても保険金を急激に増やすことは難しい。

そんな中で、学資保険の代わりとして米ドル建ての終身保険の利用を勧められた、という人はいないだろうか。

教育資金の貯蓄方法として、果たして米ドル建て終身保険はどれくらい有効なものなのか。

そこで本記事ではまず、米ドル建て終身保険の特徴や利用するメリット・デメリットについて説明する。

次に米ドル建て終身保険と学資保険を利用した際の貯蓄額の違いについて解説し、最後に教育資金を貯蓄する上で気をつけるべきポイントを説明する。

ぜひ本記事の内容を理解し、適切な教育資金の貯蓄に役立ててもらいたい。

目次

学資保険と比較する前に!米ドル建て終身保険の特徴

米ドル建て終身保険の特徴や利用するメリット・デメリット 生命保険ナビ

米ドル建て終身保険は保険契約者が死亡したり、高度障害に見舞われたりした際に、残された家族に保険金を支給する保険だ。

日本円で運用する円建ての終身保険と、アメリカやオーストラリアドル建てで運用するドル建て終身の違いは、金利の高さと為替による変動リターン・リスクがある点である。

また保険会社が預かった保険料をドルで運用するため、高めの運用利率が期待できる点だ。

メリットとデメリットをまとめていく。

米ドル建て終身保険のメリット

メリットは為替差益と運用利率の高さだ。

米ドル建て終身は円で保険料を支払い(保険によってはドルの支払も可能)、保険金や解約返戻金は一般的にドルで受け取る。

そのため、保険料支払い時は円高(1ドル120円など)、保険金受取時は円安(1ドル140円など)のような為替相場だった場合に、大きな利益を生む。

かつ保険会社に預けてからの運用利率は、日本円に比べて米ドル建ては高い。

近年の終身保険は解約返戻金が払込保険料総額を超えるまでの期間が長くなったが、そのなかで米ドル建ては円建てよりも期間が短い。

米ドル建て終身の大きなメリットといえるだろう。

米ドル建て終身保険のデメリット

メリットで記載した為替損益は、為替相場が変わるとリスクにもなる。

具体的には保険料支払い時に円安、保険金受取時に円高だと、為替差損が生じる。

為替リスクだけを見れば米ドル建て終身は推奨できないが、保障面などを総合的に勘案し米ドル建て終身への加入を考えるようにしたい。

米ドル建て終身保険の運用利率を高める方法

より米ドル建ての貯蓄性を活用するには、毎月保険料を支払う月払型ではなく、半年に1回支払う半期払いや年払いを活用したい。

申し込み時に余裕がある場合は「一時払い終身」を検討したい。

最も一時払いの米ドル建て終身で人気があるメットライフ生命の一時払いドル建て終身保険は、最低200万円から加入することができる。

米ドルの金利が高い現在では、この一時払いは10年前後加入していれば払込保険料を大きく超える運用益を得られるため、検討したい。

ただ最近ではアメリカのインフレも落ち着きつつあり、FRBが金利を下げる方向に向かうのではないかとも予想されているため、動向を見守る必要がある。

【米ドル建て終身保険と学資保険】両者の貯蓄額の差とは

【米ドル建て終身保険と学資保険】両者の貯蓄額の差とは 生命保険ナビ

実際に米ドル建て終身保険で運用した際の貯蓄額を見ていこう。

比較対象として、子どもの教育費を準備するための学資保険を紹介する。

米ドル建て終身保険

米ドル建て終身保険で人気のあるソニー生命の米ドル建て終身保険の場合は30歳両親と3歳の子どもで検討した際、現在では15年後に解約返戻金が払込保険料を超える。

加入時が円高、解約返戻金の受取時が円安の場合はプラスで為替利益が期待できる。

学資保険

一方の学資保険を見てみよう。

終身保険と同様、30歳両親と3歳の子どもで検討する。受取学資金総額は同条件の200万円とする。

保険料は月払いで23,136円だ。10年間の払い込み終了で15年後の満期保険金は200万円である。

ちなみにソニー銀行の学資保険では、17歳、18歳、19歳、20歳、22歳のときに祝金として40万円が支給される。

高校生以前から大学にかけて教育費がかかるときに対応できるため、比較してパフォーマンスが高いといえるだろう。

米ドル建て終身保険と学資保険と比較する際は自分たちで判断するほか、保険のスペシャリストに相談する選択肢もある。

特に終身保険と学資保険を両方扱っている保険会社の担当者に相談すると、両者の比較ポイントやメリット・デメリットを比べたうえで、相談者のライフプランを照合して最適な保険を提案してもらうことが可能だ。

自分で調べられる部分を調べたうえで(これをしなければどこがわからないのかすら見えず、質問することができない)、専門家に任せたい。

なお、学資保険の活用法については以下の記事でまとめたので、相談する前の情報収集や判断材料として適宜役立ててほしい。

あわせて読みたい

米ドル建て終身保険で教育資金を貯蓄する上で気をつけるべきポイントとは

教育資金を貯蓄する上で気をつけるべきポイントとは 生命保険ナビ

米ドル建て終身保険で教育費を準備する際は、どのような点に気をつけるとよいのだろうか。

米ドル建て終身保険の解約時期の返戻金をあらかじめ確認する

学資保険は子どもが大学生にる頃の、最も教育費が必要になるタイミングで満期保険金が設定されている。

一方の終身保険は、保険の運用利率と申込のタイミングによって十分な解約返戻金のタイミングが異なる。

教育資金の確保として終身保険に申し込む際は、教育費がかかるタイミングで効果的な終身保険の設計になっているかを確認したい。

為替の影響は読むことができないが、解約返戻金は終身保険の申込時に運用利率が分かるためだ。

そのため、将来の返戻率が変動する設計の変額保険は、教育資金としては相応しくないといえるだろう。

変額保険は運用によって損益が変動するため、実際に解約して返戻金を受け取る時期には、運用益が低下している可能性がある。

申込時に解約するタイミングによって受取額が想定できる終身保険をお勧めする。

米ドル建て終身保険の最新の利率をチェックする

いずれ終身保険を活用したいときは、ある程度加入する可能性のある商品を絞っておき、運用利率の最新の利率をチェックしたい。

商品にもよるが、米ドル建て終身保険は半月や1カ月に1回、適用金利が発表される。

これは終身保険に申込をしていない人でも、ホームページから確認することができる。

専門家の意見を聞きながら、最も適用利率が高いタイミングで加入するとよい。

なお同時にチェックしたいものが最新の為替だ。「眠らない市場」と呼ばれるように常に世界のどこかで市場が開いているため、為替は常に変動している。

米ドル建て終身保険を申し込む際は、可能な限り円高のときに申込をしたい。

2023年11月現在、日本は円安が進んでいる。現時点で1ドル140円と聞くと円安と感じる人が多いが、もしかしたら今後は1ドル160円の時代が到来するかもしれない(日本円が弱くなるという意味なので歓迎はできない)

そうなると1ドル160円で申し込む米ドル建て終身よりも、140円で申し込む方が為替リターンは期待できる。

米ドル建て終身保険と学資保険を組み合わせるのも選択肢

終身保険と学資保険は、必ずどちらか一方を選ばなくてはならないものではない。

終身保険と学資保険の両方に加入する人もいる。

学資保険の持つ、万が一親が死亡したり、高度障害となったりしたときに以後の保険料を支払わずに済む仕組みや、祝金の仕組みなどは終身保険にない。

両者のメリットを上手に組み合わせ、自分にとって最適の保険ポートフォリオを組んでいきたい。

学資保険と預貯金やNISAも組み合わせたい

学資保険のほかにも、預貯金やNISAと終身保険を上手に組み合わせたい。

それぞれを学資保険と比べたときの特徴を見ていこう。

まず預貯金は元本割れする懸念がない。預金すればするだけ、積み重なって貯まっていくものであるためだ。

一方でインフレリスクがあることがデメリットである。

NISA口座で株式や投資信託を購入し、運用をして得た利益を教育費に回すことができる。

NISA口座内で株式や投資信託を運用することによって、配当金や売買益に本来の20.315%の配当所得が課税されないのは大きなメリットだ。

一方で終身保険が有する保障機能が無いことがデメリットといえるだろう。

教育費を貯めている途中で死亡・高度障害のような万が一の事態になっても、株式や投資信託から一時金が支給されるものではない。

また学資保険のように、以後の運用が約束されるものではない。

預金・NISA・終身保険を上手に組み合わせて最適のポートフォリオを組むことが推奨される理由だ。

学資保険と米ドル建て終身保険の特徴を生かして、効率的に教育資金を貯蓄しよう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、米ドル建て終身保険の特徴やメリット・デメリットを解説した。

また、米ドル建て終身保険と学資保険を利用した際の貯蓄額の違いや教育資金の貯蓄方法についても説明を行った。

米ドル建て終身保険は、高い利率や為替相場の動き次第で大きく保険金を増やすこともできるが、元の値段より下がる可能性もあるハイリスク・ハイリターンの保険となっている。

一方学資保険は、返戻率がそこまで高くないので大きく保険金を増やすことはできないが、確実に必要な額の教育資金を貯めることができる保険となっている。

よって、教育資金を準備する際には両者の特徴を生かし、複数の保険を組み合わせて利用することをおすすめする。

もし一人で検討するのが難しいと感じた場合には、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたにあった保険を的確に選ぶことができるはずだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。

そんな時はマッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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