- 生命保険の見直しをする際のポイントを知りたい
- 保険を見直すことのメリットを理解したい
- 生命保険を見直すべきタイミングがわからない
生命保険は、もしものときに自分や家族の生活を守る大切なツールである。
しかし、ライフステージの移り変わりや年齢を重ねたことによる健康リスクの高まりなどから、必要な保障は変化するものである。
そのため、加入した生命保険は放置するのではなく、定期的に見直すことをおすすめする。
では、生命保険の見直しはいつ・何を基準に考えるべきなのだろうか。
本記事では、生命保険の見直しを行うべきタイミングや、見直す際のポイントについて解説していく。
ぜひ参考にして生命保険を賢く活用できるようになってほしい。
「そのまま」は要注意!生命保険は定期的に見直そう!
保険を見直すとどのような効果があるのだろうか。
この章では見直しの必要性とメリットについて解説する。また、見直しをする際の注意点も挙げる。
生命保険を見直す必要性
生命保険の見直しとは、現在契約中の保険について保障内容や契約条件を確認し、必要に応じて最適な保障に変更することを指す。
見直す内容としては、主に次のようなものが挙げられる。
- 保障内容
- 保障金額
- 保険期間
- 保険料払込方法
- 保険金の受取人
これらの項目をより現在のニーズに合ったものにするには、①保険の内容を変更する、②特約を追加する、③契約を解約して新たに保険に入り直すなどの選択肢がある。
保険は、年月が経つと現在の保障が自分に合ったものではなくなることがある。
当初納得して入った保険であっても、ライフステージ、収入、家族構成の変化によって必要な保障は変化するからだ。
例えば、独身の時に入った保険を結婚後もそのままにしている場合、万一のときの家族への保障はなく、生活費をカバーできない可能性が生じる。
また、子どもが独立しているにも関わらず、死亡保障だけを重点的に備えたままだと、老後の入院・手術代を十分に用意できないことがある。
万一の時に想定していた保障を受けられないと、せっかく加入した保険が役立たなくなってしまう。
このように、保険は一度入って終わりではなく、必ず定期的にメンテナンスが必要となるのだ。
生命保険を見直すメリット
生命保険を見直すと、次のようなメリットがある。
ライフステージに合った保障を備えることができる
結婚・出産・住宅購入・子どもの進学・退職など、さまざまなライフステージの変化により最適な保険は変わってくる。
保険を定期的に見直すことで、自身や家族の状況に合わせた保障を備えることができる。
また、現状にあわせた保障内容を取捨選択することで保険料の負担を最低限に抑え、コスト効率の良い保険を準備できるだろう。
保険料を安く抑えることができる
保険料は、保障内容や保障金額、被保険者の年齢、健康状態によって決まるが、その基準は保険会社によってさまざまだ。
保険を見直す機会を持つことで、より割安なプランや他社の商品を見つけ、保険料を削減できる可能性がある。
また、現在加入している保険の不要な保障や特約を外し、必要なものに絞り込むことで、無駄な保険料を抑えることができる。
最新の保障内容で契約できる
保険商品は日々開発され、新しいプランが販売されている。
例えば、近年がんの治療は入院日数が減り通院治療が増えている。
以前は入院に対して手厚い保障を備える保険が多かったが、近年がん保障においては通院に対する備えが重視されるようになった。
また、生命保険は死亡時に一時金を支払うタイプから、定期的に一定額を支払う収入保障保険が増えている。
公的保険制度の内容や医療技術など、保険を取り巻く外部の環境も年々変化し、これに応じて必要な保障や金額も変わる。
保険を定期的に見直すことで、時代の情勢に合った保障が用意でき、将来のリスクに対処できるようになるのだ。
生命保険を見直す際の注意点
保険の見直しには多くのメリットがあるが、一方で注意しなければならない点もある。
解約返戻金が少なくなることがある
貯蓄性のある生命保険の場合、満期時に解約返戻金が支払われるものがある。
返戻金は契約期間が長いほど多くなり、反対に途中解約の場合には返戻金が減ってしまう。
解約する時期によっては、返戻金が支払い済みの保険料総額を下回り、元本割れになるケースもある。
予定利率が下がってしまうことがある
予定利率とは、契約時に定められた生命保険の運用利回りのことだ。
予定利率が高いほど、将来受け取れる返戻金も多くなる。
過去販売されていた生命保険の中には、今では考えられない程高い予定利率の商品もある。
しかし昨今の金利情勢から、そのような保険を解約をしてしまうと同程度の利率が適用された保険に入ることはほぼできないと言って良いだろう。
新たに生命保険を検討する際は、現在加入の生命保険の予定利率と比較しながら慎重に選ぶ必要がある。
健康状態によっては乗り換えができない
見直しの結果、保険を他の商品に変えようとしたものの希望通りの契約ができないこともある。
過去に加入することができても、その後の病歴や現在の健康状態によって新たに保険に加入できないことがある。
また、年齢を重ねたことで保険料が高くなったり、既往歴によって保障内容が限定されるなど、不利な契約内容になることもある。
生命保険は見直しのタイミングにも要注意!
ここまで、保険を見直す重要性やメリットについて解説してきた。
それでは、見直しはどんなときに行えば良いのだろうか。この章では、正しい保険見直しのタイミングについて説明する。
ライフステージが変化したとき
保険を見直すタイミングは、ライフステージが変化したときが最適だ。
結婚や出産、転職などがあると保険のニーズにも変化があるため、加入している保険を洗い出し組み替える必要が生じる。
保険見直しをするべき具体的なライフイベントについてみていこう。
結婚したとき
結婚すると2人で生活を支えていくことになる。自分に万一のことがあった場合に、パートナーが生活に困らないよう保険を用意しておくことが重要だ。
死亡保障の金額を上げる、医療保険で入院通院の保障を手厚くするなどが考えられる。
子どもが生まれたとき
子どもが生まれると生活費や教育費の増加が見込まれる。
そのため収入保障保険を用意するなど、より保障を手厚くする対応が必要だ。また学費を貯めるための学資保険も検討すると良い。
住宅を購入したとき
住宅購入時は、住宅ローンを組むことが多い。
多くの金融機関では住宅ローンを契約する時に「団体信用生命保険」が用意されている。
団体信用保険とは住宅ローン契約者が死亡もしくは高度後遺障害の場合、保険金が支払われ住宅ローンを完済できる保険だ。
団体信用保険に加入する場合、生命保険の保障に住宅ローンの支払分を含める必要はない。
死亡保障に家賃分を計上していた場合は、金額を減らすなどして保険の見直しを行うと良い。
退職や子どもが独立したとき
退職後は退職金や年金で生活をしていく。死亡時の保障は少なくし、病気や怪我のリスクに備えた医療保険を充実させるのが良いだろう。
また、子どもが独立すれば、その分の生活費はかからなくなる。収入保障保険は外す、もしくは夫婦2人だけが生活できる金額に見直すといった対応も必要になるだろう。
ライフステージ以外の見直しのタイミング
ライフステージの変化以外でも、保険を見直すべき機会がある。具体的な事例は次のとおりだ。
更新時期
保険の更新時は、その時点での年齢で保険料が再計算される。
一般的に年齢が上がれば保険料は高くなるため、更新するたびに負担額は増えていく。
高くなった保険料を負担に感じたり、保障が不要になっていたりすれば、更新のタイミングで変更や解約を検討したい。
家計を見直したい
仕事を続けている中で収入が変化したり、持病などで長期間仕事ができなくなったりすることも考えられる。
経済状況が悪くなり家計の支出を減らしたいときは、小さな節約より大きな固定費を見直す方が効果的だ。
固定費の1つである保険は、内容を変えることで大きな節約ができる可能性が高い。
誕生日前
生命保険は年齢が上がると保険料も上がるため、誕生日を迎える前に保険の乗り換えをした方が保険料を抑えられる。
特に終身保険の場合、加入すれば保険料は一生涯上がらない。月額ではわずかな金額の差であっても一生涯の払い込み保険料は大きく異なってくる。
見直しは、誕生日の1か月〜2か月前に余裕を持って行うのがおすすめだ。
定期的な見直しも視野に入れる
ライフステージの変化やその他の見直すタイミングがない場合でも、定期的な保険内容の確認は行いたい。
見直しは頻度が高いほど細やかな調整ができ、ニーズに合った保険を調達できるが、毎年となると試算や手続きなど手間がかかり面倒だ。
そのため、頻度としては最低でも5年に1度は見直す機会をもったほうが良いだろう。
新規加入や前回の見直しから5年経過すれば、収入にも変化があり、家計の状況も変わることがある。
また、子どもがいる場合は、進学・就職・習いごとの変更などで教育費が変化していることも考えられる。
さらに、保険商品も世の中の情勢に合わせ保障内容が変更され、新商品が発売される可能性もある。
以上を踏まえ、保険見直しのタイミングについてまとめると、次の1〜3の優先順で取り組むのが適切だと言える。
- ライフステージに変化があったときが最優先
- 更新時期・家計の変化・誕生日前も適切な時期
- 5年に1度は加入の保険と現状に剥離がないか確認
この3つの時期に気を付ければ、常に自分に最適な保障内容、適切な保険料で保険を用意できるはずだ。
生命保険の見直しをする際の注意点
保険を見直すときはどんなことに気をつければ良いのだろうか。
ここでは3つのポイントを解説する。
- 必要な保障内容を備えているかどうかを見極める
- 契約と解約のタイミングに注意する
- 保険料だけで判断しない
それぞれ順に確認していこう。
必要な保障内容を備えているかどうかを見極める
今の自分の状況と保険内容を一致させ、契約内容の変更もしくは特約の追加・解約をしていこう。検討すべき項目は次のとおりだ。
保険の種類
終身保険の場合は、引き続き今と同じ保険料を支払い続けることができるのかを確認する。
定期保険の場合は、保障が必要な時期と保障期間にズレがないか、また更新後の保険料の上昇も視野に入れ、支払えそうかを検討する。
負担が大きい場合、選択肢は解約だけではない。特約や保障金額の調整で保険料を抑えることも可能だ。
保障内容
死亡時の保険金の支払われ方は、一括で払われる死亡保障タイプ、もしくは生活費として定期的に給付金を受け取れる収入保障タイプのものがある。
どちらの方法が良いのか、もしくは新たな保障を追加するのか、家族と相談しながら状況に応じて選択したい。
保障額
死亡時に残された家族が必要になる生活費を改めて算出し、これに対し保険金額に不足があれば増額し、過剰分は減らそう。
万一の保障には公的制度もあり、厚生年金や共済年金、国民年金などの公的年金に加入していれば、遺族年金の支給がある。会社員の場合は、死亡退職金などの会社からの給付が出ることもある。公的保障や制度の最新の情報を加味したうえで、足りない部分を保険で備えるようにしたい。
解約返戻金
保険を解約する際は、現時点では返戻金はいくらになるのか、満期まで契約した場合の金額はどうなるのかを把握し、比較したうえで判断しよう。
契約と解約のタイミングに注意する
現在の保険を解約し、新しい保険に加入するときは無保険期間が生じないように気を付けなければならない。
無保険期間とは、保険に入っていない期間のことだ。新たに契約した保険の保障が始まる前に今の保険を解約してしまうと、無保険期間が生じる。
この期間の病気や死亡時は、保障が一切なく万一のことがあっても給付金を受け取れない。
生命保険の新規契約には次の3つの手続きがあり、以下のような理由で保障開始までに期間を要することがある。
- 契約申し込み:不備や誤りがあれば保険会社間で書類のやりとりが複数回生じる。
- 告知・検査:健康状態を確認する検査は医療機関へかかる必要がある。予約が取りづらい、結果までに時間がかかることがある。
- 第1回目の保険料の払い込み:1回目の保険料の支払いが確認されて初めて保障が開始される。引き落とし手続きに不備がある、残高不足などの場合、支払いが翌月になることがある。
これらの手続きでトラブルがあったときは。保障が後伸ばしになる。
乗り換えの手順としては、必ず新しい保険の保障開始が確認できたのち、古い保険の解約を行うようにしてほしい。
また、がんの保障には契約後90日間は対象外とする免責期間がある。
がん特約を付け替えるもしくは、がん保険を新たに加入するときは注意したい。
保険料だけで判断しない
保険を見直すと、保険料を下げることを重視してしまいがちだ。
価格がもっとも見比べしやすく、より安い保険を選びたくなる。
しかし、安さだけを目的に保険を選ぶと、危険であることを忘れないでほしい。
本当に必要な保障を外してしまうと、いざというときに資金が足りない、生活費が足りないことがある。
いくら費用を抑えられたとしても、役に立たない保険に保険料を払い続けるのは、返って無駄払いになってしまう。
生命保険の目的は、主に次の3つである。
- 死亡時の生活費の保障
- 病気やケガによる経済的損失への備え
- 老後資金の積み立て
現在の状況と照らし合わせ、自分が保険に求めている保障が満たせているか確認し、適切な保険を選ぶようにしよう。
生命保険の見直しを行う際の注意点を押さえてライフステージに合った保障を備えよう
本記事では、生命保険の見直しを行う際のメリットや注意点、そして見直しのタイミングについて解説した。
また、保険を見直す際のポイントも解説したので、参考にしてほしい。
生命保険の見直し時には、保障内容や自分のライフスタイルの変化を考慮することが重要だ。
しかし、そのためには保険期間や保障内容、保険料などの保険の商品性をしっかりと理解する必要があり、専門的な知識が必要となる。
また、保険には膨大な数の商品があり、一人で自分に合った保険を選ぶことは難しいかもしれない。
そんなときは保険のプロに相談することをおすすめする。
また、自分に合った保険のプロ自体探すことが難しいときもある。
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