- 学資保険の必要性がわからない
- 加入する学資保険を決めるための基準が知りたい
- 学資保険の効果的な活用法が知りたい
現代の日本では、子ども一人あたりにかける教育費が年々増加傾向にある。
そのため、多くの親が教育資金の効果的な貯蓄方法について関心をよせていることだろう。
そこで出てくる選択肢の一つが、学資保険である。
ただ、その必要性については懐疑的な人もいるのではないだろうか。
そこで本記事では、学資保険の必要性と賢い活用法を徹底解説し、家計に与える影響を明らかにする。
本記事を読めば、学資保険の必要性について理解し、有効活用することができるだろう。
学資保険は必要か?家計に与える影響とは
学資保険は子どもの教育費を準備する手段として多く活用されている。
しかし「本当に入る必要があるのだろうか」と考える方も少なくはないだろう。
学資保険への加入を迷っているのなら、まず必要な教育費の金額を明らかにして学資保険の概要を知る必要がある。
そこでここからは下記の3点について解説していく。
- 将来必要な教育費の目安となる金額
- 学資保険を利用する必要性
- 学資保険の基本的な仕組み
ぜひ参考にしてほしい。
将来必要な教育費の目安となる金額
文部科学省によると、子ども1人にたいし大学卒業までにかかる教育費は、下宿費や住居費を除いて国公立で約800万円、すべて私立だと約2,200万もかかるといわれている。
どの進学先を選ぶかで、必要な教育費に大きな差が出ることがわかるだろう。
詳しい金額は下記の表を参照してほしい。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | 大学 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
すべて公立 | 662,340 | 1,821,397 | 1,379,518 | 1,175,267 | 2,697,200 | 7,735,722 |
すべて私立 | 1,610,918 | 8,810,687 | 3,839,621 | 2,755,243 | 5,267,200 | 22,283,669 |
高校まで公立・大学のみ国立 | 662,340 | 1,821,397 | 1,379,518 | 1,175,267 | 2,626,400 | 7,664,922 |
学資保険を利用する必要性
子どもの教育費として使える貯金がすでにある方は、学資保険を利用する必要性は低いだろう。
しかし、これから子どもの教育費を準備するのであれば、学資保険の必要性は高いと言える。
学資保険は設定した受け取り時期まで引き出すことはできないため、確実に教育費の積み立てができるからだ。
貯金が苦手な方でも、強制的に引き落としがかかる学資保険であれば、無理なく貯金ができるだろう。
また、学資保険には保障性があるため、自分に万が一のことがあっても、子どもは確実にお金を受け取ることができるのは大きな安心だ。
学資保険の基本的な仕組み
学資保険とは子どもの教育費を計画的に準備するための貯蓄性の高い保険だ。
各保険会社からさまざまな商品が販売されており、子育て世代に根強い人気を誇っている。
一定の保険料を納め、入学や進学のタイミングに合わせて祝い金や満期金が受け取ることが可能だ。
また、保障も兼ね備えているため、契約者に万が一のことが起きても確実に教育費を準備できるのが大きな特徴である。
学資保険の特徴から必要性を判断しよう
必要な教育費の金額や学資保険の概要を理解したところで、つづいては学資保険の詳しい特徴について解説していく。
また、加入前に検討すべきポイントや、学資保険以外の貯蓄手段との比較も紹介する。
学資保険を検討している方は、必ず確認して参考にしてほしい。
学資保険には貯蓄性がある
学資保険のメリットは、支払い総額よりも多くの保険金を受け取れる点だ。
そのため、お得に子どもの教育費を準備することが可能である。
「学資保険ではなく銀行預金でも良いのでは?」と思う方もいるかもしれないが、昨今は低金利が続いているため、銀行預金を利用しても利息がほとんどつかない状態だ。
学資保険は途中解約しない限り、銀行預金を利用するよりも多くの学資金が準備できる。
「昔ほどお得ではない」という声もあるが、学資保険の貯蓄性はやはり魅力だ。
学資保険には保障機能もある
学資保険は貯蓄性の他に、保障があるのがメリットだ。
お祝い金や満期金を受け取る以外に、死亡保障や払込免除といった保険の役割も担っている。
支払い途中に契約者に万一のことがあった場合は、保険料の払込みは免除されるが、満期保険金が受け取れるため、子どもの教育費を確実に準備することが可能だ。
「自分に万一のことがあったときの子供の教育費が心配」という方にはおすすめである。
また、死亡保障だけでなく、高度障害状態になったときや大きな病気を患ったときに払込が免除されるものもある。
その分保障に払い込む保険料の割合は増えるが、保障も手厚くつけたい方にはおすすめだ。
各保険会社、各商品で払込免除の対象になる条件が異なるので加入前に必ず確認しよう。
学資保険に加入すると控除が受けられる
学資保険は生命保険に分類されるため、最大で所得税40,000円、住民税28,000円の控除が受けられる。
教育費を準備しつつ、税金の負担を軽減できるのだ。会社員の方は年末調整、自営業や個人事業主の方は確定申告で忘れずに申告しよう。
平成24年1月1日以降の契約での控除額は下記のとおりなので確認してほしい。
所得税の控除
1年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の金額 |
20,000円超40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
住民税の控除
1年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
12,000円以下 | 支払保険料等の金額 |
12,000円超32,000円以下 | 支払保険料等×1/2+6,000円 |
32,000円超56,000円以下 | 支払保険料等×1/4+14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
学資保険を途中解約するとほとんどの場合で元本割れする
学資保険のデメリットと言えば、途中解約すると高い確率で元本割れすることだ。
どんなに返戻率の高い学資保険であっても、払込満了時までに契約を続けられない場合は払い込んだ総額のほうが多くなる可能性が高いので注意しよう。
どうしても支払いが困難になった場合は、下記の方法で解約を回避できないか検討してほしい。
- 払済保険へ変更
- 貸付制度の利用
- 特約を外す
- 保険金額の減額
解約を決める前に必ず保険会社や代理店、FPなど保険のプロに相談するようにしよう。
学資保険は必要?加入前の検討ポイント
学資保険に加入する前にどのようなポイントを押さえるべきなのかを解説していく。
学資保険の契約者の決め方
よく見落としがちなのが契約者を誰にするか、という点だ。
学資保険は保障性があるため、契約者を父親にするか母親にするかでも保険料やメリット、デメリットが変わってくる。
たとえば父親を契約者にする場合、女性である母親が契約者になるよりも保険料が高くなるのが一般的だ。
しかし死亡保障や保険料払込免除の観点から考えると、収入が高いほうが契約者になるべきと言える。
どちらが契約者になったほうが、よりリスクなく子どもの教育費を確保できるか、加入前によく検討すべきだ。
学資保険の保険料の払い方と金額
学資保険に加入する際は、受け取る保険金額も大事だが、支払う保険料についても着目しなければならない。
学資保険は数十年といった長い期間契約を続けるからこそ、意味のあるものだからだ。
途中で支払いが困難にならないように、保険料の金額や払い方を決めることが重要である。
現在の経済状況や将来設計を行い、慎重に検討してほしい。
学資保険は必要?他の貯蓄手段と学資保険と比較
学資保険の他にも貯蓄性のある商品や貯蓄手段はいくつかある。
学資保険に加入する前にそれぞれの手段の概要を理解し、比較するのもおすすめだ。
- 銀行預金
- 個人年金保険
- 外貨建て保険
- 終身保険
- 投資信託
上記の5つの概要を解説していく。どれが自分に合っているか、考えるきっかけとなれば幸いだ。
銀行預金
説明するまでもないが、銀行預金でコツコツ貯めていく方法だ。
低金利のため増えはしないが、その代わりに元本割れするリスクもほぼゼロだ。
貯蓄が好きな方や絶対に元本割れのリスクを避けたい方には向いていると言えるだろう。
個人年金保険
個人年金保険とは一定の金額を支払い、老後の生活資金として年金方式で保険金を受け取る保険だ。
学資保険同様貯蓄性があるため、一定期間を過ぎると払い込んだ保険料よりも多くの保険金が受け取れるのが魅力である。
しかし子ども用の商品ではないため、教育費が必要なタイミングで受け取ることが難しい場合もあるだろう。
外貨建て保険
外貨建て保険は保険料の支払いや保険金の受け取りなどを、日本円ではなく外貨で取り扱う保険である。
金利の高い外貨で運用するため、保険料も安いのが特徴だ。
また解約するタイミングによっては払い込んだ保険料よりも解約返戻金が大幅に多くなることが魅力である。
しかし為替リスクがあるため、この先円高になった場合には、解約返戻金が減る可能性もある。
リスクも大きいので慎重に判断すべきだ。
終身保険
終身保険は貯蓄性と保障の2つの特性をもつ保険だ。
万が一のときは死亡保険金、まとまった資金が必要なときは解約すれば解約返戻金を受け取ることができる。
しかし早期の解約は元本割れするため、解約のタイミングは考える必要があるだろう。
また、被保険者の年齢が高い場合は保険料が高額になる可能性もあるため、事前によく検討しよう。
投資信託
お金の知識がある方は投資信託を活用する方法もある。
うまく運用できれば資産を増やすことができるが、リスクがあるので注意が必要だ。
学資保険の必要性を感じたら!家計への負担を軽減する学資保険の効果的な活用法
ここからは学資保険を賢く有効に活用するための方法を紹介していく。
後悔しないために、加入前に必ず抑えておきたいポイントだ。ぜひ参考にしてほしい。
学資保険の適切な加入時期と保険プランの選び方
学資保険には被保険者(子ども)に年齢制限があり、6〜7歳までとしている商品が多い。
学資保険に加入する時期として一番おすすめしたいのは、やはり子どもが0歳のうちである。
0歳で加入すると保険料も割安になり、さまざまなプランを見てから決める余裕もあるだろう。
学資保険には、中学、高校、大学それぞれの入学時に保険金が受け取れるプランや、大学入学時に一括で受け取るプラン、大学4年間にわたって受け取るプランなどがある。
子どもが生まれたタイミングで進学先を決めることや将来を設計するのは難しいかもしれない。
しかし、どのタイミングでお金が必要になるかある程度予測して、適切なプランを選ぶよう意識することが重要だ。
学資保険の満期時の取り扱い
学資保険の満期時は加入するときに自分で決めることが可能だ。
早生まれの子どもに対応できるように17歳、21歳満期にする人もいるが、18歳、22歳で満期金を設定するのが一般的である。
教育資金として有効に学資保険を活用するためには、満期の時期は慎重に判断すべきだ。
18歳満期と22歳満期について詳しく解説していくのでぜひ参考にしてほしい。
18歳満期
18歳満期とは、子どもの大学進学時に重点を置くタイプである。
大学進学前に満期金を一括で受け取り、入学金や新生活の準備資金として活用するのが一般的だ。
一括で受け取るため、分割で受け取るよりも返戻率はやや下がるが、税金がかかりにくいこととまとまった教育資金を受け取れることがメリットと言えるだろう。
22歳満期
22歳満期は、18歳から22歳まで分割で受け取る方法だ。
一度に受け取る金額は18歳満期よりも少なくなるが、一括で受け取るよりも返戻率が高くなるのが一般的である。
毎年決まった祝い金が受け取れるので、授業料として活用できるだろう。
必要となるタイミングに満期を揃えることで、より効果的に学資保険を活用できるだろう。
学資保険を活用した家計管理のコツ
「子どもの教育資金を確保したいけど家計が苦しい」「家計管理のコツが知りたい」と思う方もいるだろう。
また数十年間支払い続けるとなるとプレッシャーを感じる方も多いのではないだろうか。
家計になるべく負担をかけずに学資保険を活用する方法を紹介するのでぜひ参考にしてほしい。
児童扶養手当の範囲で保険料を定める
家計のなかから保険料を捻出することが難しい場合は、国から支給される児童扶養手当を学資保険の保険料に充てるのがおすすめだ。
児童扶養手当は年齢によって金額が変わり、高校生については支給されないが、十数年は保険料を賄うことが可能だ。
児童扶養手当の範囲内で保険料を設定することによって、家計に負担をかけずに長期間支払うことができるだろう。
年払いにしてボーナスで支払う
月々の家計から新たな固定費が増えるのを防ぎたい方は、学資保険を年払いにしてボーナスで支払うという手段もある。
まとまった収入が入ったときに1年分の保険料を支払うことで、毎月のやりくりを考える必要がなくなるだろう。
学資保険の必要性を理解して賢く活用しよう
本記事では、学資保険の必要性や加入の判断基準、効果的な活用法について解説した。
将来必要な教育費の金額によって異なるが、学資保険を利用すべき必要性が高いことがわかった。
しかし学資保険にもメリットとデメリットがあるため、どちらもよく理解したうえで判断することが必要だ。
子どもの将来を予測し、自分の経済状況を考慮して選ぶことが重要である。
できる限り早めに加入し、学資保険を有効に利用しよう。
また、保険のプロに相談することで、自分に最適な学資保険を見つけることができる。
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