- 新生児に医療保険が必要なのかわからない
- 新生児向けの医療保険をどのように選べばいいのか知りたい
- 新生児を医療保険に加入させる方法や手続きが分からない
新生児の誕生は親にとって大きな喜びだが、同時に様々な心配事や問題が生じる。
特に、怪我や病気については大きな心配事となりうるだろう。
そんな新生児の健康を守るためには、医療保険の選択が大切となる。
しかし、何を基準にどの保険を選べばよいのか、どんな手続きが必要になるのかなどと迷っている人も多いのではないだろうか。
そこで本記事では、新生児の医療保険の必要性と選ぶ際の注意点、実際の加入方法や手続きについて解説する。
新生児が間もなく生まれるという方、また生まれたばかりという方にはぜひ参考にしてほしい。
新生児の医療保険の役割
まずは、公的保険でカバーされる子どもの医療費について解説する。
そのうえで、民間の医療保険で補うべき部分はどこかを確認しながら検討しよう。
子ども医療費助成制度とは
新生児の医療費にはさまざまな公的制度があり、家計の負担が重くならないよう整備されている。
公的支援の1つである子ども医療助成制度とは、子どもの通院費や入院費の自己負担を軽くするため都道府県と市町村が実施している制度だ。
助成額は自治体によって異なるが、乳児、幼児の間は、無料や数百円程度で治療を受けられるところもある。
対象年齢や所得制限も地域によってさまざまで、中学生以降は対象外、一定の所得以上の世帯は利用できないなど、居住する自治体によって大きな差がある。
例として東京都の場合をみてみよう。
東京都は、年齢によって乳幼児医療費助成、義務教育就学児医療費助成の2つに分かれている。乳幼児医療費助成はマル乳と呼ばれ、新生児から6歳までの幼児が対象だ。
自己負担分は全額支給され医療は実質無料で受けられる。検診や予防接種は対象外だ。
義務教育就学児医療費助成はマル子と呼ばれ、小学校就学の児童から15歳までが対象となっている。入院は全額助成され、通院は1回につき200円の自己負担で受診できる。
このように、子どもの医療費については、ちょっとした風邪やケガであれば、大きな負担にはならないと考えてよいだろう。
病院での治療費や検査費用の補填
では、子どもが大きなケガや病気で入院した場合の費用負担はどうなのか考えてみよう。
入院費自体は子ども医療助成制度で、自己負担分の多くはカバーできる。しかし、入院時は治療費以外にも出費せざるを得ないものが多い。
例えば、付き添いとなる親の食事代や日用品代、交通費が必要だ。
病院によっては、親が付き添い入院をする場合のベッドレンタル代を求められることもある。その他にも、入院中の子どもが快適に過ごせるよう、絵本やおもちゃの用意が必要なこともあるだろう。
兄弟がいる場合は、親が不在中の預け先の確保やベビーシッターの手配、家事代行への依頼などが発生し、費用がかさむ場合もある。
これらは、すべて保険の対象外となり、全額自己負担となってしまう。
数日の入院であれば、なんとか手持ちの資金でやりくりすることができる。しかし、入院が長期化すると、想定外の費用がかさみ、家計を圧迫しかねない。
入院時の大きな自己負担分を補うには、民間の医療保険が解決策となる。
民間の医療保険は、公的保険のように対象範囲を判断せず、給付を受けられる。
入院をすると一時金として大きな額をまとめて受け取れるものもあるので、入院に関わるさまざまな費用を丸ごとカバーできる。
自己負担となる細かい費用の補填にそれぞれ充てることができるのだ。
未来の健康状態への備え
新生児の保険を選ぶ際は、その子が成長してからも役立つ保険であるかという視点も含めて検討してほしい。
東京都の場合、子ども医療助成の対象年齢は15歳までだが、自治体によっては、中学生や高校生になると子ども医療助成から外れ、大人と同じ窓口負担となってしまうこともある。
中学生や高校生の病気のリスクは全くないわけではないが、全年代と比べて極めて低い。
しかし、ケガについては部活動や課外活動など行動範囲が広がることから、スポーツでの事故や交通事故など遭遇するケースも多い。
そのため医療の保障と同時にケガの治療や入院に手厚くカバーできるものを用意しておくのも良いだろう。
万一の後遺障害に手厚い支援がある保険も積極的に検討するのがおすすめだ。
また、他人と交流する中で、ケガをさせてしまったり、トラブルを起こしてしまったりすることも考えられる。
子ども自身の健康への備えだけではなく、損害賠償に対応した保険や特約を付けておくと安心だ。
子どもの保障に特化した保険であれば、このような賠償責任に手厚い商品も多数販売されている。
新生児が入るべき医療保険の選び方
次に、新生児に必要な保険と選定する際のポイントを紹介する。
「どんな人が医療保険に加入するのか」によって最適な保険商品は変わる。
属性別におすすめの医療保険についてまとめた記事もあるので、あわせてチェックしていただくとより理解が深まるはずだ。
保険の適用範囲や条項の理解
子どもの医療保険とひとくちにいっても商品形態や保障内容はさまざまだ。
加入の際は、保障される範囲や支払われ方をよく確認してほしい。
ここでは子どもの医療費を保障する保険を選ぶ際に選択肢となる3つを紹介する。
保障期間は主に2つのタイプに分けられ、ニーズに合わせて選ぶと良い。
- 終身保険
- 保障が一生涯続き保険料が変わらない。一般的な終身タイプの医療保険に子どもの頃から加入すると保険料を安く抑えることができる。子どもが自立するまでは親が保険料を負担し、その後支払いを子ども自身に引き継がせることも可能。返戻金があるタイプであれば、将来の子どもへのプレゼントとして準備することもできる。
- 定期保険
- 契約時に定めた期間のみ保障がある。満期後は更新できるものもあり、その際は保険料が上がることが多い。保険料を安く抑えることができ、更新の度に保険内容を最新のものにアップデートすることができる。
子どもの教育資金を貯める学資保険に、医療保障の特約をつけることもできる。
資金を積み立てながら、万一の場合に備えられるので有力な選択肢となろう。しかし、治療や入院の保障が、通常の医療保険と比べ弱いこともある。
また、学資保険の満了と同時に医療の特約部分も消滅してしまうので注意が必要だ。
生命保険や医療保険の中には、家族の医療保障をセットできるものもある。
改めて契約する手間が省け保険の管理もしやすい。
ただし、子どもが経済的に独立した後は保障の対象外となってしまうため、改めて保険を探し加入し直す必要がある。
保険料と保障内容のバランス
保険選びのときは、保障の手厚さを重視することも多いだろう。子どもにかける保険となるとより良い内容を求めるのも無理はない。
しかし、保障範囲をむやみに広げたり保険金の給付額を多く設定したりすると、保険料も高額化する。
より手厚い保障を求めるがあまり、高い保険料を払ってしまっているケースも散見される。
保険とは、将来の安心や安定のために備えるものだ。
子どもをはじめとする家族のために備えたものが、日々の家計を圧迫し生活を不安定にさせてはいけない。
検討している商品は、必要以上の保険料を払うことにならないかを確認し、本当に必要な保障を厳選しなければならない。
最適な商品の選定にあたっては、保険のプロに相談することもできる。
保険を専門に扱う担当者なら、保険商品知識を豊富に持ち、保険会社をまたいだ組み合わせの提案が可能だ。
複雑な子どもの医療保険の内容や保障範囲の確認を全て任せられ、一度に比較しながら選ぶことができる。
担当者と話す中で自分では気づかなかったニーズや思いが明確になり、最適なプランが見つかるだろう。
長期的な視点からの選択
子どもの保険は、子どもの成長を見越して選ぶ必要がある。
医療保険と併せて検討しておきたいのは、学資保険と生命保険だ。それぞれの特徴を理解し、子どもにとって最適な組み合わせを選定してほしい。
学資保険は毎月保険料を払い教育資金が必要なタイミングで保険金を受け取る商品だ。子どもの進学時に必要な教育資金の積み立てとして活用できる。
支払われる保険金の使い道は自由で、下宿の仕送り代や留学費用、結婚資金など幅広く利用できる。
契約者は父や母となり、契約者が亡くなったり高度障害となったりした場合は、その後の保険料の払い込みは免除される。
早く払い込むほど余裕をもって資金を貯められるため、新生児の段階で検討する人が多い。
一方で生命保険は、加入者本人に万一のことがあったときに、残された家族の収入を保障するものだ。そのため収入がない赤ちゃんや子どもには必要ないという見解が多い。
しかし、生命保険の終身タイプは若いほど保険料が安くなり、低年齢のうちに加入した方がお得だ。
終身保険は契約時に保険料が確定すればそこから一生涯上がることがないため、できるだけ早めに準備をしたほうが良いという考え方もある。
また、解約返戻金があり、払い込んだ保険料の一部が戻ってくるため、貯蓄性も考慮して選択しても良いだろう。
新生児が入る医療保険の加入方法・手続き
新生児をはじめとする子どもの保険加入に関しては、特別な手続き方法や申込書の書き方がある。
それらを理解し、スムーズに加入ができるよう準備しておこう。
医療保険の申し込み方法
医療保険の申し込みは、保険会社や保険担当者を通じて行う。
子どもが保障の対象である被保険者となる場合、契約者は子どもを扶養する親となり、代わりに手続きができる。
なお、子どもの保険には「出生前加入特則」を設けている商品もある。
これは、子どもが生まれる140日前から保険の加入手続きが行える制度で、主に学資保険が対象となっている。
妊娠中、母子ともに健康であれば、出産前後の慌ただしい時期を避けてゆとりをもって保険の検討や手続きが行えるのだ。
出生前加入の場合、契約書は子どもの名前と生年月日を空欄にした状態で申し込みを行う。
子どもが生まれた時点で保険会社へ報告を行い、氏名、性別、生年月日が確認できる書類を送付すれば、保障が開始される。
なお、出生前加入の条件は保険会社によって異なるため、確認が必要だ。
必要な書類や手続きの流れ
保険加入の手続きは、書面やネットを通じて行う。
申し込みには、主に以下4つの書類への記入捺印が必要だ。
- 申込書
- 契約者と被保険者の署名が必要だが、被保険者が子どもの場合は契約者が記入しても構わない。
- 意向確認書
- 申し込み者のニーズや保険料の希望と合致しているか確認する書類。申し込み者と保険取扱者の署名が必要。
- 告知書
- 現在の健康状態や過去の病歴を申告するもの。子どもの医療保険の場合、契約者である親と、保障の対象となる子どもの告知書が必要となる。
- 口座振替依頼書
- 子ども名義の口座である必要はなく、契約者である親の口座を指定しても構わない。
その他提出する書類として
- 本人確認書類
- 印鑑
などが必要なので準備しておきたい。
これらの保険会社へ書類を提出すると、不備確認や審査が行われる。
審査が完了すると引受可能の通知があり、保険証券が発行される。
その後、初回の保険料を払い込めば保障が開始される。
手続き上の注意点
子どもの保険を申し込む前は、プランや保障内容を理解しよう。
契約前に保険会社から契約概要・注意喚起情報・ご契約のしおり・約款などが提供されるため、熟読し確認しておきたい。
内容に疑問がある、正しく理解できているか不安なときは、保険会社へ問い合わせれば回答してもらえる。
もしくは、保険の担当者がいれば、対面で直接説明を受けながら都度疑問点を解消していくことができる。
こども保険の契約者は原則として親となるが、どちらを契約者とするのか慎重に検討したい。
子どもの保険は契約者に万一のことがあった場合に、その後の保険料を免除する制度がある。そのため、収入の高い方を契約者とすることが多い。
出産前や出産直後は慌ただしい。出生届や健康保険の届け出など手続きも複数ある。出産前後で時間がない、効率よく保険を選び手続きしたい場合は、保険のプロに頼る方法もある。
知識豊富な専門家に頼れば、短期間で最適な保険が分かる。
手続きも関しても一貫してサポートを受けられるため、子育てに直面している夫婦はぜひ利用を検討してほしい。
まとめ
本記事では、新生児の医療保険の必要性と選ぶ際の注意点、実際の加入方法や手続きについて解説した。
新生児の医療保険は、治療や検査等の費用負担を軽減するだけでなく、未来の健康にも繋がる。
しかし、新生児が入るべき医療保険を選ぶには、自分の子どもにとって必要な保障内容なのかを個別に判断する必要があり、本記事を理解したとしても、夫婦だけで決めていいのかわからないという意見もあるはずだ。
そんな時は保険のプロに相談することも検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、短時間で的確に新生児が必要な保険を選択することができる。
ただ、保険のプロは数多く存在し、家族にとって最適な担当なのかを見極めることは難しい。
マッチングサイトである「生命保険ナビ」を使うことで、家族の条件に合った保険のプロを見つけ、適切な相談ができる。無料で利用できるので、是非活用してほしい。