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三大疾病保険には入るべき?必要性と加入の判断基準を解説!

この記事で解決できるお悩み
  • 三大疾病保険の基本的な特徴を理解したい
  • 自分が三大疾病保険に入るべきなのかが分からない
  • 三大疾病保険の必要性を判断する基準が知りたい

「医療保険に加入しているけど、三大疾病に対する上乗せ保障は準備した方がいい?」

「具体的に医療保険やがん保険との違いが知りたい」

このように、三大疾病保険への疑問を抱えている方も多いのではないだろうか。

そこで本記事では、三大疾病保険の特徴から加入するメリット、必要性を判断するための基準について詳しく解説していく。

三大疾病保険に加入すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてほしい。

目次

三大疾病保険とは

ここでは、三大疾病の概要や三大疾病保険の特徴、そして三大疾病保険と医療保険・がん保険との違いについて解説していく。

三大疾病の概要

三大疾病とは、以下3つの疾病のことをいう。

  • がん(悪性新生物)
  • 心疾患
  • 脳血管疾患

がん(悪性新生物)とは、正常な遺伝子が何らかの原因によって異常をきたし、体に害を与える細胞が増殖する病気をいう。

一生涯のうちに2人に1人は罹患するといわれているほど、罹患率が高い病気だ。

続いて心疾患とは、心臓に発生する病気のことをいう。

血液の流れが悪くなることによって発症する病気で、急性心筋梗塞や狭心症などがそれにあたる。

脳血管疾患とは、脳にある血管が破裂したり、詰まったりすることで発生する病気だ。

具体的には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが含まれ、これらを総称して「脳卒中」と呼ぶ。

いずれの病気においても、命に直結する重大な病気だ。

三大疾病保険の特徴

三大疾病保険の特徴としては、主に2つある。

  • 支払事由に定められた状態となったときに一時金が受け取れる
  • 特約を付加することで先進医療や抗がん剤治療に備えられる

三大疾病保険の最大の特徴は「がん・心疾患・脳血管疾患」を原因として、支払事由に定められた状態となったときに一時金が受け取れる点である。

がんにおいては、がんと診断されたときに一時金の受け取りが可能だ。

一方で、心疾患や脳血管疾患においては、入院や手術などの要件を満たしたときに一時金が受け取れる。

ただ、三大疾病保険に加入するにあたって確認すべきポイントがいくつかある。

それは以下の2点だ。

  • 上皮内がんも含まれているか
  • 急性心筋梗塞、脳卒中以外も保障の対象となっているか

上皮内がんとは、がん(悪性新生物)に進行する前の初期状態ともいえる。

現在は検査技術の向上などにより、上皮内がんで発見されることも多い。

しかし、商品によっては上皮内がんを保障の対象外としているケースがある。

上皮内がんであっても治療費が必要なことに変わりはないため、保障の対象となっているか加入前にしっかり確認しておこう。

また、支払いの対象となる心疾患・脳血管疾患は「急性心筋梗塞・脳卒中」のみである場合も多い。

保障範囲は商品によって異なるため、あらかじめチェックしよう。

三大疾病保険と同様に、三大疾病に罹患した際に役立つのが「三大疾病保険料払込免除特約」だ。

三大疾病保険料払込免除特約とは、三大疾病を原因として所定の状態となったときに、保険料の払い込みが免除される特約をいう。

商品によって多少の違いはあるものの、所定の状態とは一般的に以下の状態を指す。

保険料の払い込みが免除となる所定の状態
がん・がん(悪性新生物)と診断されたとき
心疾患・急性心筋梗塞によって入院や手術をしたとき
・急性心筋梗塞以外の心疾患の場合は、20日程度の労働制限状態が継続したとき
脳血管疾患・脳卒中によって入院や手術をしたとき
・脳卒中以外の脳血管疾患の場合は、20日程度の労働制限状態が継続したとき

この特約においては、上皮内がんの診断で保険料の払い込みが免除されることは少ない点には注意が必要だ。

治療によって、今までのように働けなくなり収入が落ちてしまうケースもあるだろう。

収入がないにもかかわらず、治療費の負担だけではなく保険料の負担も必要となると、家計に大きなダメージを与えることとなる。

そのようなときに備えて「三大疾病保険料払込免除特約」を付加しておくと安心だ。

しかし、この特約は無料で付加できるものではない。保障内容と保険料のバランスを見ながら検討しよう。

三大疾病保険と医療保険・がん保険の違いを比較

三大疾病保険と医療保険・がん保険の間には、具体的にどのような違いがあるのか気になる方もいるだろう。

それぞれの保険において「保障範囲」「保険料」「がんによる免責期間の有無」について比較してみた。

三大疾病保険医療保険がん保険
保障範囲がん
心疾患
脳血管疾患
全ての病気やケガがん
保険料がん保険より高く医療保険より安い最も高い最も安い
がんによる免責期間ありなしあり

三大疾病保険およびがん保険では、保障の対象としている病気を限定している。

その一方で、医療保険は全ての病気やケガに対して保障を受けることが可能だ。

また、保険料は全ての病気やケガを保障する医療保険が最も高く、がんのみしか保障されないがん保険が最も安くなる。

ただ、三大疾病保険においては、設定する保険金額によっては医療保険よりも保険料が高くなるケースもある。

加えて、がんによる免責期間については、三大疾病保険およびがん保険については設けられているものの、医療保険では設けられていない。

がんの中には、皮膚がんや乳がんなど、自覚症状が現れやすいものもある。

すでに自覚症状のある方が、がんなどに特化した保障に加入し、加入後すぐに保険金を受け取ることとなると、健康な状態で加入した方と公平ではなくなってしまう。

契約者同士の公平性を保つためにも、三大疾病保険やがん保険にはがんによる免責期間を設けおり、多くの商品で「90日」となっている。

なお、これらの医療保険やがん保険を含む生命保険の概要については以下の記事でまとめたので、よければあわせてチェックしてみてほしい。

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三大疾病保険のメリットを解説

ここでは、以下3点について解説していく。

  • 日本人の死因や三大疾病の入院・通院患者数
  • 三大疾病の入院日数やかかる医療費
  • 三大疾病保険に加入するメリット

それぞれ見ていこう。

日本人の死因や三大疾病の入院・通院患者数

日本人における死因トップ5は以下のとおりだ。

男性女性
1位悪性新生物
<腫瘍>
悪性新生物
<腫瘍>
2位心疾患老衰
3位脳血管疾患心疾患
4位老衰脳血管疾患
5位肺炎肺炎
出典:厚生労働省「2022(令和4)年 人口動態統計 第6表 性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合」

男女ともに三大疾病がランクインしていることがわかる。

なお、死因第1位は、1981年以降40年以上にわたって変化していない

また、三大疾病での入院・通院患者数についても見ていきたい。

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入院通院
割合割合
悪性新生物
<腫瘍>
112,900人9.3%182,200人2.6%
心疾患
(高血圧性のものを除く)
58,400人4.8%129,600人1.8%
脳血管疾患123,300人10.2%74,200人1.0%
※総患者数をもとに算出
出典:厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況 推計患者数」

「悪性新生物<腫瘍>」および「心疾患(高血圧性のものを除く)」については、入院患者数よりも通院患者数の方が多くなっている。

入院・通院での治療における費用に備えるためにも、まとまった一時金が受け取り可能な三大疾病保険に加入しておくと安心だ。

三大疾病の入院日数やかかる医療費

三大疾病における入院日数の平均は以下のとおりだ。

悪性新生物<腫瘍>19.6日
心疾患(高血圧性のものを除く)24.6日
脳血管疾患77.4日
出典:厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況 退院患者の平均在院日数等」

脳血管疾患においては、2ヶ月を超える長期入院になる可能性が高いことがわかる。

また、三大疾病は医療費も高額になるケースが多い。実際に、以下の病気による入院・通院での医療費を見てみよう。

入院通院
胃がん668,000円44,000円
虚血性心疾患
(急性心筋梗塞など)
817,000円17,000円
脳梗塞699,000円16,000円
※百の位を四捨五入
出典:厚生労働省「令和3年度 医療給付実態調査 疾病分類別、診療種類別、制度別 件数・日数(回数)・点数(金額)

先進医療を受けた場合は、治療費がさらに高額になる。

先進医療とは、特定の大学病院などで研究・開発された難病などの新しい治療や手術などで、ある程度実績を積んで確立されると、厚生労働省に「先進医療」として認められる。

先進医療は、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術などだ。

そのため、健康保険が適用されず、技術料は全額自己負担となる。

適切な三大疾病保険に加入すれば、治療における金銭的な不安を解消できるはずだ。

三大疾病保険に加入するメリット

三大疾病保険に加入するメリットとしては、以下の2つが挙げられる。

三大疾病保険に加入するメリット
  • 三大疾病に対して重点的に保障が準備できる
  • 死亡や高度障害状態も保障の対象となる

最大のメリットは「がん・心疾患・脳血管疾患」に対して重点的に保障が準備できる点だ。

一時金が何度でも受け取れる商品に加入できれば、長引く治療に対しても十分な備えができるだろう。

先述したとおり、三大疾病は日本人の死因の上位を占めているだけでなく、医療費が高額になるケースも多い。

三大疾病保険に加入することで、罹患するリスクが高い三大疾病に対する手厚い保障を得ることが可能だ。

また、死亡や高度障害状態も保障の対象となる点もメリットといえるだろう。

万が一事故などでもしものことがあったとしても、死亡保険金や高度障害保険金が受け取れるため安心だ。

ただ、商品によっては三大疾病に対する保障に特化しており、死亡・高度障害時の保障はないものもある点は注意してほしい。

※両眼の失明や両手もしくは両足の欠損の状態などをいう

三大疾病保険の必要性を判断する基準とは

三大疾病保険の必要性を判断する基準としては、以下の3点がある。

  • 死亡保障と三大疾病への保障を同時に備えたいか
  • 公的医療保険で入院費用を賄えるか
  • 十分な貯蓄があるか

それぞれ解説していく。

死亡保障と三大疾病への保障を同時に備えたいか

三大疾病保険は、死亡保障も兼ね備えているものが多い。

そのため、死亡保障と三大疾病に対する保障を一つの商品で準備したい方にとっては、三大疾病保険への加入がおすすめだ。

ただし、三大疾病保険の中には、保険金の支払いが一度だけしかないものも多い。

すなわち、がんと診断されて三大疾病保険金を受け取ると、契約が消滅してしまうということだ。

そうなると、死亡保障も同時になくなってしまう点には注意しなければならない。

三大疾病保険による死亡保障は、あくまでもすでに加入している死亡保険の上乗せ保障と考えておくと良いだろう。

公的医療保険で入院費用を賄えるか

日本においては、公的医療保険制度が充実している。

公的医療保険があることによって、医療機関での自己負担額が原則3割となるのだ。

また、医療費が高額となったときは「高額療養費制度」の利用が可能となる。

高額療養費制度とは、同一月内に医療機関で支払った金額が年齢・収入に応じた自己負担上限額を超えた場合に、超えた分が支給される制度のことをいう。

具体的な自己負担上限額は、以下のもとにして算出される。

70歳以上

適用区分外来ひと月の上限額
(世帯ごと)
年収約1,160万円〜252,600円+(医療費−842,000)×1%
年収約770万円〜約1,160万円167,400円+(医療費−558,000)×1%
年収約370万円〜約770万円80,100円+(医療費−267,000)×1%
年収156万円〜約370万円18,000円(年144,000円)57,600円
Ⅱ 住民税非課税世帯8,000円24,600円
Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
15,000円
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

69歳以下

適用区分ひと月の上限額
年収約1,160万円〜252,600円+(医療費−842,000)×1%
年収約770万円〜約1,160万円167,400円+(医療費−558,000)×1%
年収約370万円〜約770万円80,100円+(医療費−267,000)×1%
〜年収約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

例えば、年収1,000万円の60歳の方が急性心筋梗塞で入院・手術をし、医療費が100万円かかったとしよう。

その場合、窓口での支払額は3割の30万円だ。

しかし、上記の表に則って計算すると、自己負担上限額は171,820円となる。

そのため、差額分である128,180円が高額療養費として受け取れるのだ。

また、1年以内に3回以上自己負担上限額を超えた場合は、「多数回該当」としてさらに自己負担額が軽減される。

年収1,000万円の60歳の方であれば、93,000円まで下がるのだ。

このように、公的医療保険を活用することで、高額な医療費がかかった場合でも負担を抑えることが可能となる。

ただ、以下の費用については公的医療保険が適用されない。

  • 差額ベッド代
  • パジャマなどのレンタル代
  • 入院時の食事代
  • 先進医療

先述したとおり、先進医療は自己負担額が高額になるケースもある。

さらに、先進医療以外の項目においても、入院が長期化すればそれだけ負担も大きくなる。

公的医療保険が適用されない項目もあるという点を踏まえて、三大疾病保険の必要性を判断してほしい。

十分な貯蓄があるか

治療を受けるために十分な貯蓄があるかも、三大疾病保険の必要性の判断基準となる。

脳卒中の場合、手術後等のリハビリによって入院が長期化することも考えられる。

そうなると、働けなくなってしまい収入が大幅に減少してしまう。

それだけでなく、治療による費用負担が大きく、貯蓄を切り崩さなければならなくなるはずだ。

先述したとおり、公的医療保険に加入していることによって、自己負担額を抑えることは可能である。

しかし、自己負担がなくなるわけではない。

また、先進医療などの全額自己負担となる治療を望むのであれば、必要となるお金はさらに高額となる。

治療の選択肢を幅広く持っていたい、現在の収入がなくなると治療費を払っていけるのか不安、という方にとっては、三大疾病保険に加入する必要性が高いといえるだろう。

まとめ

本記事では、三大疾病保険に加入すべきか悩んでいる方に向けて、保険の特徴やメリット、必要性を判断する基準について解説した。

三大疾病とは、日本人の死因上位を占める「がん・心疾患・脳血管疾患」のことを指す。

三大疾病保険に加入することで、これらの疾病に対する重点的な保障の準備が可能だ。

度重なる入院や高額な治療費が必要になることから、まとまった一時金が受け取り可能な三大疾病保険に加入するメリットは大きいといえる。

しかし、自分が三大疾病保険に加入すべきか判断に迷うこともあるだろう。

その際には、死亡保障と三大疾病への保障を同時に備えておきたいか、公的医療保険で治療費を賄えるか、十分に貯蓄があるかを基準として判断しよう。

一方で、一時金を受け取るための要件は、各保険会社・商品によって異なる。

保険に関する専門的な知識がなければ、自分に適切な商品を選択できるのか不安になるはずだ。

そのようなときは、保険のプロへ相談することも検討してほしい。

専門的な知識をもとにした具体的なアドバイスを受けることで、自分に最適な三大疾病保険に加入できるはずだ。

ただ、全国の保険のプロの中から自分にあった担当者を見つけることは難しい。

相談する保険のプロを探す際には、個人と保険のプロをマッチングさせるサービスである「生命保険ナビ」を活用しよう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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