- 保険料が安い三大疾病保険が知りたい
- 三大疾病保険でもらえる保険金の金額を具体的に知りたい
- 自分に適した三大疾病保険を選ぶためのポイントを理解したい
年齢を重ねると、人間ドックの結果が思ったよりも悪かったり、日々の偏った食生活や飲酒・喫煙などによって生活習慣病予備軍と診断されたりするなど、健康を意識せざるを得なくなるものだ。
そのなかで、三大疾病に対する備えが必要なのか、保険に加入するとしてもできれば費用は抑えたいと誰もが考えるだろう。
この記事では、三大疾病保険への加入を検討している人に向けて、保険の特徴や保険料の安い商品を項目別で具体的に紹介している。
三大疾病保険の選び方・ポイントもまとめているので、費用を抑えて効率よく三大疾病に備えたい人はぜひ参考にしてほしい。
安い保険料の三大疾病保険で保険金はどれくらいもらえるのか
そもそも三大疾病とは、がん、心疾患、脳血管疾患を指しており、三大疾病保険は、これら3つの病気に対して重点的に備えられる保険商品だ。
厚生労働省がまとめた「人口動態統計の概況」によると、死亡総数に占める割合が高い上位5つの死因は以下のとおりである。
順位 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1位 | がん:27.9% | がん:21.1% |
2位 | 高血圧性を除く心疾患:14.1% | 老衰:16.8% |
3位 | 脳血管疾患:6.7% | 高血圧性を除く心疾患:15.6% |
4位 | 老衰:6.3% | 脳血管疾患:7.1% |
5位 | 肺炎:5.4% | 肺炎:4.0% |
上記は令和4(2022)年の結果であるが、男性の場合は上位3位が三大疾病を占めており、女性の場合は老衰が2番目に多いものの、死因の上位を占める疾病は男女ともに同じであることがわかる。
また、がんに関して男性は一生涯で約60%の人が、女性の場合は約50%が罹患すると言われており、国民病といってもよいだろう。
三大疾病保険は、これらの死因が特に高い病気に対して備えられる保険である。
そして、後述するように治療費は高額になりがちで治療期間も長くなる傾向にあるため、保険で備えておけると安心だ。
三大疾病の治療にかかる治療費
厚生労働省の「患者調査の概況」によると、がん、心疾患、脳血管疾患の入院期間は、下表のとおりであった。
総数(日) | 35〜64歳(日) | 65歳以上(日) | |
---|---|---|---|
がん | 18.2 | 13.3 | 20.6 |
高血圧性のものを除く心疾患 | 24.6 | 12.6 | 27.6 |
脳血管疾患 | 77.4 | 51.8 | 83.6 |
脳血管疾患は入院期間が特に長期化する傾向で、現役世代においても約2ヶ月近くは入院を余儀なくされることがわかる。
実際の治療費についてであるが、高額療養費制度の対象になるケースがほとんどであるため、最終的な自己負担額は月9万円前後になるだろう。
入院が長期化した場合も同様で、高額療養費が多数回(4ヶ月目)に該当すると、自己負担額は約45,000円になる。
ただし、これらには差額のベッド代や入院中の食事代などは適用外になるため、別途負担しなければならない。
病気に罹患すると一人になりたいと思うことも多く、個室を希望すると、差額ベッド代は1日数千円かかるケースが一般的だ。
入院期間が20日と仮定すると、高額療養費以外で15〜20万円ほどかかると考えておいたほうがよいだろう。
さらに、がんの治療に関して先進医療を希望するケースも想定される。
先進医療は全額自己負担となり、陽子線治療などは200〜300万円ほどかかるため、保険に加入していなければ安心して治療を受けるのは難しいだろう。
三大疾病に罹患した場合にどれほどの治療費がかかるかはケースバイケースだが、先進医療を受けなければ、30万円前後を一つの目安として捉えておいてもよさそうだ。
三大疾病保険で保険金が支払われる条件
三大疾病保険で保険金が支払われる条件は保険会社によってさまざまではあるが、概ねの傾向は共通している。
以下、各疾病における支払い条件を紹介しよう。
まず、がんの場合は、悪性新生物か上皮内新生物であるかの違いが大きい。
これをざっくり説明すると、がんが臓器などの表面部分留まっているかそうでないかの違いだが、保険会社によっては上皮内新生物に対しては保障の対象とならない場合がある。
だが、がんであると診断されれば、その時点で給付金の支払い条件を満たすのが一般的だ。
ただし、契約から90日以内にがんと診断された場合も対象外となるケースがほとんどのため、この点は注意が必要だ。
心疾患の場合、前提としてどの傷病名を保障の対象としているかが重要なポイントになる。
一般的な三大疾病保険の場合、心疾患のなかで「急性心筋梗塞」に罹患した際に保障の対象になり得る旨を規定しているため、病名を入念に確認しておこう。
そのうえで、急性心筋梗塞と診断され、60日以上の労働制限を必要とする状態が続いたと診断されなければ、給付金は支給されないことが多い。
つまり、診断されただけでは保険金が出ないため、この点は覚えておこう。
脳血管疾患の場合も心疾患と同様で、「脳出血」「くも膜下出血」「脳梗塞」の発病が基本的な条件となっていることが多い。
そのうえで、診断を受けた日から60日以上、所定の後遺症が継続したと医師から診断されなければ給付金は支給されないケースが一般的だ。
これらの条件は保険会社によって異なるため、三大疾病保険を契約する際は、日数の制限や給付の条件は細かく比較検討しよう。
三大疾病保険で支払われる保険金額
三大疾病保険では、基本的に一時金として50万円前後が支払われるのが通常である。
支給条件の違いは先ほど解説したとおりなので、各社のWebサイトなどから確認してほしい。
そのほかにも、先進医療特約をつけた場合には通算2,000万円まで保障されるケースが多い。
特約によっては入院や通院時に日額5,000円の給付を受けられたり、収入の減少を保障するための給付が10〜20万円程度の範囲で受けられたりする。
三大疾病に関する特定の手術を受けた際の給付金などもあり、種類はさまざまだ。
どこまでの保障を求めるかは各リスクに対する許容度によって異なるため、各特約の有無によってどの程度保険料が異なるか、一つずつシミュレーションするとよいだろう。
保険料が安い三大疾病保険を紹介
ここでは、45歳男性を例に、以下の3つの観点で比較した際に安価な保険料で加入できる三大疾病保険を紹介しよう。
- 給付金額の種類が豊富な三大疾病保険
- 保険金を受け取れる上限回数が多い
- 保険金を受け取れる頻度が短い
以下の保険商品を参考にしつつ、備えたいニーズや保険金額などを踏まえて最適な保険を探してみてほしい。
給付金額の種類が豊富な三大疾病保険
給付金額の種類の豊富さを基準で三大疾病保険を比較すると、チューリッヒ生命の「3大疾病保険プレミアムZ」がおすすめだ。
この保険は、診断時の給付金はもちろん、特約によっては以下の給付金を受けられる。
- 三大疾病先進医療給付金
- 三大疾病先進医療支援給付金
- 三大疾病通院給付金
- 三大疾病手術給付金
- 三大疾病特定手術給付金 など
この保険は、主契約はがんを保障するもので、特約として三大疾病特約を付すことで充実した保障を受けられる。
三大疾病の診断時・手術時・通院時など、あらゆる段階においても給付金を受け取ることも可能だ。
45歳男性の場合、三大疾病給付金50万円、通算2,000万円までの先進医療給付と支援給付金20万円、入院・通院日額5,000円の特約をつけた状態で、月々の保険料は5,120円だ。
また、保険料払込免除特約をつけた場合は6,323円であり、保障内容に対するコストパフォーマンスはかなり高いだろう。
カスタマイズ性も豊富であるが、それぞれの特約を自分のニーズに最適化させるのが簡単ではないため、理解するのに時間がかかる点はネックといえる。
保険金を受け取れる上限回数が多い
保険金を受け取れる回数を基準にした場合は、はなさく生命の「はなさく一時金」がおすすめだ。
「特定疾病一時給付保険」とも呼ばれており、保障範囲は「3大疾病Ⅰ型」「3大疾病Ⅲ型」だけでなく、特定8疾病などの合計4つの型から選択できる。
三大疾病に罹患した際、支払い回数は無制限で、それぞれ1年に1回給付を受けることが可能だ。
支給条件に該当すれば何度でも支払われるため、安心感も大きいだろう。
45歳男性の場合、お手頃プランで特定疾病一時給付金額が50万円の契約にした場合、月々の保険料は2,335円とされている。
なお、保険料払込免除特約をつけた場合で月々の保険料は4,015円だ。
保険金の支払い事由に関して、がんの場合に初回は診断確定時に給付金が支払われるが、2回目以降は1日以上の入院または所定の通院が条件とされる点は注意が必要だ。
保険金を受け取れる頻度が短い
保険金を受け取れる頻度で比較すると、なないろ生命の「なないろスリー」がおすすめだ。
この保険も、三大疾病になった際に一時金が支払われるものだ。
がんの場合は診断確定時、心疾患及び脳血管疾患については治療のため1日以上入院したときまたは手術を受けた際に一時金が支払われるため、支給条件は比較的クリアしやすいだろう。
そして、一時金は180日に1回を限度に何度でも受け取れる。
要するに、前回の支払い事由に該当して半年が経過すれば、再度診断・入院などすれば一時金を受け取れるのだ。
これが何度も受け取れるため、再発時の不安も軽減させられるだろう。
45歳男性で、疾病一時金50万円、180日に1回を限度に何度でも受け取れるベースプランに加入した場合の保険料は4,194円だ。
そして、保険料払込免除特約をつけた場合は6,681円である。
「なないろスリー」では、健康状態が所定の基準を満たすと優良区分料率が適用されて割安になるが、満たしていない場合は保険料が割高になる可能性もあるため注意が必要だ。
保険料が安い三大疾病保険を選ぶポイント
三大疾病保険は生命保険各社から展開されているため、先ほど紹介した商品を基準に、ほかの保険を比較検討するとよいだろう。
最適な保険を選ぶにあたって、安さが正義というわけではなく、保険料が安価であるかどうか以外にも重視すべきポイントがいくつかある。
なかでも、以下の3点は特に重要だ。
- 保険金を受け取れる回数
- 保険金の支給条件
- 他の生命保険の保障内容と重複していないか
三大疾病保険を選ぶ際は、以下のポイントも踏まえて、さまざまな角度から商品を検討しよう。
保険金を受け取れる回数
三大疾病保険を選ぶ際は、保険金を受け取れる回数や上限数などを必ず確認してみてほしい。
保険会社によっては、支払い回数を一度だけと定めている場合もあれば、複数回支払う旨を規定していることもある。
そのため、支払い回数が一度だけの保険商品を契約した場合、一度でも給付金を受け取れば、再発や転移が見つかった際は給付金が支払われない。
回数が無制限の保険商品もあったり、通算の支払い限度額が設定されていたりすることもある。
これらの保障が充実している商品はどうしても保険料が高くなるため、最終的には保険料と保障内容のバランスで検討する必要があるだろう。
がんの場合は再発や転移のリスクに備えたほうがベターであるし、脳卒中などの脳血管疾患の場合は入院期間の長期化に備えられる保障が必要だ。
保険金を受け取れるのが一度でよいのか、複数回のほうがよいのかは、三大疾病保険を選ぶうえで非常に重要な検討事項になるだろう。
保険金の支給条件
実際に罹患した際に保険金が支給されるのか、支給条件も細かく確認する必要がある。
記事前半でも紹介したように、がん・心疾患・脳血管疾患では以下のように条件が異なるのが一般的だ。
- がんの場合
- 上皮内新生物(皮膚のがん)も対象になるかどうか、保険の契約から何日間までの診断確定が支払い事由の対象外になるのか
- 心疾患の場合
- 対象となる傷病は何か、診断から何日間の病状の継続が条件なのか、手術を目的とした入院なら対象になるのか
- 脳血管疾患の場合
- 対象となる傷病名、後遺症の継続期間で条件が異なるのか など
上記はあくまで一例だが、支給対象となる期間や、適用となる傷病名の範囲は特に注意が必要だ。
特に、心疾患と脳血管疾患は罹患しただけで支給対象になるわけではないため、支給条件を細かくチェックしておこう。
他の生命保険の保障内容と重複していないか
生命保険料を抑えるには、必要な保障を漏れなくダブりなくカバーすることが大切である。
三大疾病保険に関しては、既に医療保険に加入している場合、保障内容が重複してどちらか一方の保険しか適用されない事態が起きかねない。
仮に、A社の医療保険に加入し、B社の三大疾病保険に加入していた場合、がんに罹患したため保険金を請求したとしても、A社からしか保険金を受け取れない場合もあるため注意が必要だ。
契約書の内容次第だが、保障内容の重複は保険料の支払い損になる可能性が高い。
既に医療保険に加入している場合は、現時点の契約内容と保障の範囲を必ず確認しよう。
そのうえで、場合によっては特約で三大疾病の保障をつけてもよいだろう。
医療保険に加入していない人の場合、三大疾病保険ではなく、保障内容が充実した医療保険でカバーできるケースも想定される。
人によって状況が異なるため一概には言えないが、保障内容の重複はしないようにするのがベターだ。
コスパよく健康リスクに備える保険料が安い三大疾病保険を検討しよう
本記事では、三大疾病保険で支給される保険金の金額や、特徴別で保険料が割安な保険商品を具体的に紹介した。
あわせて、最適な三大疾病保険の選び方も解説した。
三大疾病保険に加入することで、日本人の主な死因である、がん・心疾患・脳血管疾患に備えられる。
これらの治療費は高額になるケースも多いため、適切な保険に加入して、もしもの事態に備えることが大切だ。
保険金の受け取り回数や支給条件、既に加入している医療保険との重複がないかなどを比較して、保険料だけで安直に決めないようにしよう。
保険選びにはさまざまな視点が必要で、自分のニーズに最適な保険を選ぶのは簡単ではない。
もし、保険選びに自信がなくて不安な場合は、保険のプロに相談するのがおすすめだ。
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