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養老保険と個人年金の選び方と活用の仕方

この記事で解決できるお悩み
  • 養老保険と個人年金のどちらを選ぶべきかわからない
  • 養老保険と個人年金の違いがわからない
  • 養老保険と個人年金のそれぞれの役割を理解したい

将来の安定した生活のために、養老保険や個人年金に興味を持っている人は多い。

しかし、「どちらを選べばよいのか」また「どのように活用すればよいのか」がわからない、という人も少なくないだろう。

そこでこの記事では、そんな悩みを解決するために、養老保険と個人年金の特徴、選び方、そして活用法について詳しく解説する。

この記事を参考に、養老保険や年金への理解を深め、安心できる生活を手にしてほしい。

目次

養老保険と個人年金の特徴

養老保険と個人年金の特徴 生命保険ナビ

まずは、養老保険と個人年金のそれぞれの特徴や仕組みについて確認していく。

なお、「個人年金」には個人型確定拠出年金(iDeCo)などの私的年金制度全体を指す場合もあるが、本記事では一般的に保険会社で取り扱われている「個人年金保険」のことを指すものとする。

どちらも、将来の生活に備えるための保険商品ではあるものの、それぞれ具体的な特徴や加入目的が異なるため、しっかりと違いを理解していこう。

養老保険の基本的な特徴

養老保険とは、保険期間中に被保険者が死亡した場合は死亡保険金が支払われ、満期を迎えた場合は満期保険金が支払われる保険のことだ。

保険期間は契約時に決められ、「○年間」のように期間が設定される年満了と、「○歳まで」と年齢で区切られる歳満了の2種類がある。

死亡保険金と満期保険金は同額に設定されていて、加入直後に死亡した場合も満額の保険金を受け取れる。

ただし、貯蓄機能を持つ分、掛け捨てタイプの生命保険などに比べると保険料が割高に設定されやすいという点には注意が必要だ。

「保障」と「貯蓄」の両方の機能を併せ持つ保険として、将来に向けてコツコツお金を貯めながら、万が一の事態に備えたいという人に人気のある保険だ。

個人年金の基本的な特徴

個人年金とは、将来必要となる生活資金などに対して、国民年金や厚生年金に上乗せする目的で準備する私的年金のことだ。

国民年金や厚生年金と異なり、民間の保険会社が取り扱っている保険商品で、任意加入となっている。

個人年金保険は、主に貯蓄のために加入する保険商品で、一般的な生命保険などに比べて持病などがあっても加入しやすいのが特徴だ。

積み立てまたは一時払いなどで保険料を払い込み、一定期間運用した後、所定の年齢になってから年金として受け取れる。

契約者が積立期間中に死亡した場合は、それまでの積立保険料が死亡保険金として遺族に支払われる。

保障機能よりも貯蓄機能を重視した商品となっていて、将来受け取れる年金に上乗せする目的や個人年金保険料控除の目的で契約する人が多い保険だ。

養老保険と個人年金の違い

養老保険と個人保険はどちらも貯蓄性を持つ保険商品だ。

老後の生活や将来かかるお金の準備のために加入するという点では似ているが、異なる部分もいくつかある。

まず、大きく異なるのは被保険者が死亡した際に受け取れるお金についてだ。

養老保険の場合は、加入後いつ死亡したとしても、契約時に定めた死亡保険金が満額支払われる。

一方、個人年金保険の場合は、積立期間中に死亡すると、それまで積み立てた保険料分相当の金額が保険金として支払われる。

そのため、加入直後に亡くなった場合は、それほど大きな金額を受け取れない。

万が一の際の保障に備えやすいという点では、養老保険の方が優れているかもしれない。また、保険料控除についても違いが存在する。

養老保険の場合は、生命保険料控除の対象となるが、個人年金保険は生命保険料控除または個人年金保険料控除のどちらかの対象となる。

養老保険と個人年金の選び方

養老保険と個人年金の選び方 生命保険ナビ

養老保険と個人年金保険は、どちらも貯蓄機能を重視した保険商品だ。

保険を利用して将来のお金を準備するのに適した商品だが、それぞれメリット・デメリットが存在する。

どちらの方が良い・悪いかで判断するのではなく、自分のライフスタイルや家族構成、保険に加入する目的からどちらが適しているかを検討するのが重要だ。

ここでは、養老保険と個人年金保険それぞれの選び方について解説した上で、保険選びのコツについても紹介する。

養老保険の選び方

養老保険を選ぶ際は、保険期間や保険金の金額、支払う保険料についてチェックしよう。

保険期間や保険金を決める際は、保険に加入する目的を考慮するのが重要だ。

何のために保険に加入するかによって求める保険金額や保険期間が変わってくる。

死亡保障を重視するのであれば、万が一の際に家族にどのくらいの金額を残したいのかを考える必要があるし、子供の結婚資金や住宅購入資金など将来のライフイベントのために満期保険金を準備するのが目的であれば、それまでの期間と必要なお金を逆算する必要がある。

次に、保険料については現在の支出と照らし合わせて無理なく支払える範囲であるかも考えてみよう。

養老保険では、満期保険金や解約返戻金は支払った保険料の総額を下回りやすいということを考慮しつつ、毎月余裕を持って保険料を支払えるか検討するのが重要だ。

また、養老保険によっては特約をつけられる商品も存在する。特約によって死亡保障を手厚くしたり、所定の時期に終身保険に変更したりできるものもあるため、加入の際は保険の専門家に相談しながら決めるのをおすすめする。

米ドル建てや豪ドル建ての外貨建て養老保険もあり、外貨で運用する分、円よりも高い利率を期待しやすい一方、為替リスクを負うという点には注意が必要だ。

個人年金の選び方

個人年金は、年金の受取方法の違いによって以下の3種類に分類できる。

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 確定年金有期年金終身年金
年金受取期間固定固定一生涯
被保険者が死亡した場合遺族が一時金もしくは年金を受け取れる遺族は受け取れない
(保障期間の定めがあるものもある)
遺族は受け取れない
(保障期間の定めがあるものもある)

確定年金は、契約時に決めた年金受取期間中、被保険者の生死にかかわらず年金が支給されるのが特徴だ。

年金受取期間中に被保険者が死亡した場合は、遺族が残りの年金を受け取る。

有期年金は、被保険者が生きている間、あらかじめ定めた期間に年金を受け取れる仕組みだ。

被保険者が年金受取期間中に死亡した場合は、その時点で年金の支払いは終了するため、遺族は年金を受け取れない。

終身年金は、被保険者が生きている間、一生涯年金を受け取り続けられる。

被保険者が死亡した時点で年金の支給がストップするため、遺族は年金を受け取れない。

ただし、有期年金や終身年金の中には生死にかかわらず年金を受け取れる保障期間を定めておけるものもある。

保証期間の間に被保険者が死亡した場合は、確定年金と同様に遺族が残りの年金もしくは一時金を受け取れる。

勤め先を退職してから公的年金の支給が始まるまでの生活費として個人年金を準備したいという場合は、一定期間年金を受け取れる確定年金や保障期間がついた有期年金が適しているだろう。

公的年金だけでは老後の生活費に足りないため、不足分を個人年金で補いたいという場合は、終身年金が適している。

どんな目的のために個人年金に加入するかによって個人年金の受取方法を選ぶとよいだろう。

個人年金は、運用方法によって分類することも可能だ。運用実績に基づいて年金額や解約返戻金が増減する「変額年金」と契約時点で将来の年金額が決まる「定額年金」の2種類に分けられる。

変額年金は運用パフォーマンスによって年金額が変動するため、運用がうまくいけば定額年金よりも大きい金額を受け取れる可能性があるが、運用がうまくいかなかった場合は逆に年金額が小さくなる場合もある。

定額年金は、契約時に定めた予定利率で運用されるため、年金額が確定するという安心感がある一方、契約時期によっては低い利率での運用となる可能性もある。

養老保険?個人年金保険?自分に合った保険選びのコツ

保険を選ぶ際は「保険に加入する目的」をはっきりさせておこう。

貯蓄のために加入するという方でも、老後の生活資金に備えるためや、相続税などの納税資金に備えるため、子供の教育資金を蓄えるためなど、加入目的はさまざまだ。

例えば、老後の生活資金に備えるためであれば、自分が将来もらえる年金額を想定した上で足りない金額をシミュレーションしてみることをおすすめする。

また、相続税や教育資金など、将来に必要なお金を準備する目的であれば、いつそのお金が必要になりそうかやどのくらい準備しておけば十分かを検討した上で保険金額と保険期間を決めるのが大事だ。

保険を選ぶときは、どうしても保障内容が手厚い保険や万が一の際に多くの金額を受け取れる保険が魅力的に感じてしまうが、自分のライフスタイルや家族構成に適した保障内容となっているかどうかが重要だ。

必要以上に大きな保険金額を設定したり、あれもこれもと特約をつけすぎたりしてしまうと、毎月の保険料の金額が膨れ上がって生活を圧迫してしまう可能性がある。

自分の資産や世帯構成と比較して保険金額が適切かや、毎月の収入に対して保険料の金額が高すぎないかをしっかりとチェックしよう。

なお、以下の記事でも養老保険とその他の保険との違いをまとめているので、あわせてチェックしていただきさらに理解を深めてほしい。

あわせて読みたい

養老保険と個人年金の活用方法

養老保険と個人年金の活用法 生命保険ナビ

養老保険と個人年金にはそれぞれメリットや活用するコツがある。

どのように活用すれば養老保険や個人年金保険の良さを活かしやすいか解説していく。

養老保険を活用する方法

養老保険は、死亡や高度障害状態になった場合は死亡保険金や高度障害保険金を受け取れて、無事に満期を迎えた場合は満期保険金を受け取れるという保険商品だ。

最大の特徴は、被保険者が亡くなった場合も、満期を迎えられた場合も、どちらも同額が支払われるという点だ。

「万一の事態に備えたい」「将来に向けて資金を貯めたい」という2つのニーズに同時に応えられる保険として活用されている。

養老保険は、保険期間を自由に設定しやすいため、今後予定しているライフイベントに備えて資金を準備しやすいというのも特徴的だ。

例えば、子どもが18歳になるタイミングに満期を設定することで大学進学のための資金に充てたり、定年退職する年齢に満期を設定することで老後の生活資金に上乗せしたり、といった活用方法が考えられる。

いずれの場合も、保険期間中に被保険者が亡くなった場合は死亡保険金が支払われるため、残された遺族の生活資金をしっかりと確保できるというメリットがある。

小さい子どもがいる世帯や、夫と妻のどちらか片方しか働いていない世帯など、将来に向けて資金を準備しながら、万が一の際は残された家族にお金を残したいと考える家庭に適している。

さらに、養老保険は生命保険の一種であるため、生命保険料控除の対象となる。

所定の手続きを行えば、所得控除によって税金負担が軽減できるというメリットもある。

個人年金を活用する方法

個人年金保険は、老後に支給される年金の上乗せ部分をコツコツ積み立てやすい保険だ。

月払いや年払いなどで積み立てていけば、保険料払込期間までは自動的に引き落とされていくため、自分で貯金を管理する必要がない。

自分でお金を貯めるとつい使ってしまうという人にも適している積み立て方法だ。

養老保険は、将来に向けてお金を積み立てつつ、税制上のメリットも享受しやすいという特徴がある。

個人年金保険も、養老保険と同じく生命保険料控除の対象となるが、保険の種類や特約によって、適用される生命保険料控除の区分が異なる点に注意しよう。

生命保険料控除では、「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」「介護医療保険料控除」の3つの区分が設定されており、加入している生命保険契約の内容に応じて保険料控除が受けられる。

養老保険の場合は、自動的に一般生命保険料控除が適用されるが、個人年金保険の場合は「個人年金保険料税制適格特約」が付加されている場合に、個人年金保険料控除の対象となる。

個人年金保険料控除の対象となると、他の生命保険との併用がしやすくなるというメリットがある。

例えば、掛け捨てタイプの定期保険と税制特約が付加された個人年金保険に加入している場合、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除がそれぞれ適用される。

定期保険+養老保険の場合はどちらも一般生命保険料控除の対象となるため、控除限度額に達してしまいやすい。

控除枠を無駄なく使いたいという場合は、個人年金保険料控除を活用しよう。

なお、個人年金保険料控除が適用されるためには、下記の4つの条件を満たして税制特約を付加する必要がある点に注意しよう。

  • 年金受取人が契約者もしくは配偶者であること
  • 年金受取人は被保険者と同一であること
  • 保険料の払込期間が10年以上であること
  • (確定年金・有期年金の場合)年金受取開始が60歳以降かつ受取期間が10年以上であること

養老保険と個人年金保険、それぞれの具体的な手続きと必要な準備

養老保険や個人年金保険は、どちらも生命保険料控除が適用されるというメリットがある。

養老保険は一般保険料控除の対象、個人年金保険は条件を満たすと個人年金保険料控除の対象となる。

一般生命保険料控除、個人年金保険料控除のどちらであっても、控除が適用されるためには申告手続きが必要だ。

会社員の場合は、年末調整の手続きの際に「給与所得者の保険料控除申告書」を勤め先に提出する。

必要事項を記入し、保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書または個人年金控除証明書と一緒に提出しよう。

控除証明書は、毎年10月頃に保険会社から郵送されてくるため、紛失しないようにきちんと管理しておくよう注意が必要だ。

個人事業主やフリーランスの場合は、確定申告にて手続きを行う。

確定申告書の生命保険料控除欄に1年間で支払った保険料や控除額を記入し、控除証明書を添付して手続きを行う。

養老保険や個人年金保険の特徴を理解してから選択しよう

まとめ 生命保険ナビ

養老保険と個人年金には、それぞれ異なる特徴と活用方法がある。

これを理解し、自分に合った選択をすることが大切である。

しかし、多岐にわたる保険の中から自分にあった選択をすることは難しいだろう。

そのような場合、プロの意見を求めることもひとつの解決策になる。

「生命保険ナビ」なら、全国の保険のプロの中からあなたの条件や意向にあった担当者が見つけられる。

具体的な相談をすることで、自分に最適な保険を見つける手助けとなるだろう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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