- 養老保険のプランを比較したい
- 養老保険のメリットを理解したい
- 年齢や将来計画に合った保険を選びたい
養老保険を比較する際に、注目すべきポイントについて正確に説明できるだろうか。
この保険は販売されている会社が限定されており、見るべきポイントも限定的となっている。
自分に最適な保険を確実に選べるようにしておきたいところだ。
そこで本記事では、養老保険の魅力や選ぶ際のポイントを解説する。
また、後半では別種類の保険との違いを比較しながら説明する。
養老保険の基本的な知識を身につけたいと考えている人は、ぜひ参考にしてもらいたい。
比較する前に知っておきたい養老保険の魅力
- 養老保険の基本的な機能と加入するメリット
- 主な保険種類とその特徴
- 養老保険の上手な活用法
この段落では、養老保険へ加入するメリットや有効活用法などを解説する。
養老保険の魅力がどんな点になるのか、分かりやすく説明するので加入すべきか検討する際の参考にしてほしい。
養老保険のメリット
まず、養老保険の仕組みやメリットについて考えてみよう。
養老保険は、以下の図のような仕組みになっている。
契約時に定められた保険期間の間に保険料を支払い、満期を迎えれば満期保険金を受け取ることができる。
途中で被保険者が死亡もしくは高度障害になった場合は、満期保険金と同額の死亡(高度障害)保険金が受取人に支払われる仕組みだ。
また、保険期間中に養老保険を解約した場合は、解約返戻金を受け取ることができる。
ただし、支払われる金額は保険料合計より少ない場合が多い。
上記の仕組みを踏まえて、養老保険へ加入するメリットとしては、以下のようなものが挙げられる。
死亡保険と貯蓄保険の両立ができる
養老保険は、基本的に将来必要な費用を貯めるために加入するものだ。
加えて、被保険者に万が一の事態があった場合でも、満期保険金と同額の死亡保険金を受け取ることができる。
2種類の保障を1つの保険で受けることができるのは、養老保険ならではのメリットと言える。
保険金を自分が欲しいと思うタイミングで受け取れる
養老保険では必ず保険期間が定められ、期間終了時に満期保険金を受け取ることになる。
つまり、自分のライフイベントに合わせて満期を設定することも可能なのだ。
後の段落でも解説するが、必要な金額の目安がわかっていれば確実に資金を残せるため、有効活用しやすい。
満期保険金を据え置きで運用してリターンを得られることがある
一部の養老保険では、先に保険料を全て支払って満期保険金を運用し、リターンを出すことができる。
これは有価証券で資産運用を始めることと同じようなもので、ただ貯金するよりも資産を増やせる可能性がある。
これは非常に大きなメリットと言えるだろう。
養老保険の種類
養老保険には様々な種類が存在している。
主な養老保険について、それぞれの特徴をまとめたので参考にしてほしい。
一時払養老保険 | 保険料を最初の段階でまとめて払って加入する養老保険。 満期まで待つ、もしくはある程度の期間経過後に解約することで、支払った保険料よりも高額な保険金・解約返戻金が受け取れる可能性が高い。 ただ、低利率が続く現在では販売休止されているものも多い。 |
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外貨建て 養老保険 | 保険料を円ではなくドルやユーロなどの外貨で支払い、外貨で受け取りが行える養老保険。 通常の養老保険よりも利率が高く、リターンが狙いやすいのがメリット。 為替レートの変動次第では保険金が大きく下がってしまうリスクもあるため、加入すべきかは慎重に検討する必要がある。 |
利差配当付 養老保険 | 保険の運用実績が良ければ、配当金を受け取ることができる養老保険。 受け取れるタイミングは、毎年・3年毎・5年毎の3タイプがあり、養老保険では5年毎のタイプのものが多い。 集められた保険料が少なかったり、保険の運用コスト(人件費など)が多いと、配当金が出ない可能性もある。 |
また、上記種類の保険がどの保険会社でも必ず販売されているわけではないことも覚えておこう。
契約前に公式サイトを確認する・担当者に電話で聞いてみるなど事前の準備をしっかりと行うようにしてもらいたい。
養老保険を有効活用するには
養老保険の上手な活用法としては、①住宅のリフォーム費用にする②老後資金の一部とすることが考えられる。
指定した金額の保険金をほぼ確実に好きなタイミングで受け取ることができる、というのが養老保険の大きなメリットになる。
つまり、明確な目的を持って契約すれば、有効活用できる可能性も高まるのだ。
保険金の活用法の一つとして、住宅のリフォーム費用が考えられる。
国土交通省の調査によれば、令和4年度のリフォーム資金平均額は206万円であった。
これには一戸建て住宅とマンションタイプの物件の両方が含まれている。
両者を比較すると、一戸建ての方が床面積が大きい傾向にあり、リフォームが必要な場所も広くなりやすい。
その分、費用も高額になりがちなことは注意しておこう。
ただ、200万円という高額資金を自分の口座への貯金だけで用意するのは大変だ。
養老保険を利用すれば、貯めている途中で引き出してしまうこともないので、上手に貯めやすい。
夢のマイホーム、もしくはマンションを購入した人は利用することを検討しても良いだろう。
もう一つ考えられるのが、老後資金の一部として取り扱うというものだ。
近年の日本では、公的年金だけで生活するのが難しくなっており、退職した後の生活資金をそれ以外の方法で準備しておく必要がある。
その一つの手段として考えられるのが、養老保険である。
実際に養老保険で用意すべき金額はどれくらいなのだろうか。
まず、用意すべき老後資金の目安を総務省統計局の調査を元に考えてみよう。
65歳以上の高齢者無職単身世帯の平均収入月額は12万2,559円(税金や社会保険料を差し引いた額)で、平均支出月額は14万3,139円となる。
計算すると、毎月2万580円の赤字だ。
また、高齢者夫婦世帯でも平均収入月額が21万4,426円、平均支出月額が23万6,696円となって2万2,270円の赤字になっている。
仮に80歳まで生きると仮定すると、単身世帯は2万580円×12ヶ月×15年=370万4,400円、夫婦世帯は400万8,600円を用意しなくてはならない。
基本的に高齢世帯の収入は年金のみの場合が多い。
そのため、金額を劇的に増やすことは難しいので、先に貯めておく・資産運用などで増やすなどの手段を考える必要がある。
20〜30代の内に養老保険へ加入することで、保険料の額を調整しながら300〜400万円を貯蓄することも可能になる。
老後資金に少しでも不安があれば、検討してみよう。
- 参考:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」2024年3月調査
- 参考:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」2024年3月調査
- 参考:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況 令和4年度」2024年3月調査
養老保険のプランを比較する方法
ここまでの解説で、養老保険の基本的な情報については理解できたと思う。
実際に申し込みをしたいと考え始めた人もいるのではないか。
そこでここからは、養老保険を比較する際に見るべきポイントを3点説明する。
養老保険を比較するポイント①保険料
一つ目のポイントは、保険料だ。
養老保険の保険料は高額になりがちなため、優先して確認する必要がある。
公式サイトに掲載されている実際の商品を元に、保険料を比較してみよう。
明治安田生命の養老保険へ30歳男性が30年満期で加入し、500万円を満期保険金とした時の保険料は1万5,810円になる。
一方で、ソニー生命の養老保険(無配当)に35歳男性が25年満期で加入し、1,000万円を満期保険金とした時の保険料は3万6,450円だ。
保険金を500万円にして、単純に保険料が半分になったと考えると、1万8,225円になる。
これが30歳から加入することになれば、更に金額は下がることが予測できる。
保険料の感覚は人それぞれのため、一概には言えないがなるべく1万円以内には抑えたいと思う人が多いのではないか。
保険料を抑えるには、早めの段階で加入する・保険金額を低めにするなど工夫をする必要がある。
自分が無理なく払える金額の保険料になるよう、事前の調整をしっかり行ってもらいたい。
養老保険を比較するポイント②保険期間
養老保険には必ず保険期間が定められている。
いつ保険金を受け取りたいのかによって、保険期間を適切に設定する必要があるのだ。
例えば、先述した住宅のリフォーム費用として使いたいのであれば、住宅購入時にいつリフォームするのかを決めておこう。
大体の時期と目安の金額が分かれば、最適な保険期間を見極めることができる。
また、養老保険の保険期間とは別に「保険料払込期間」が定められていることも念頭に置いておこう。
これは、保険料をいつまでに支払い終えるのか、を表したものだ。
支払い方法には①分割払い②一括払いの2種類があり、定められた期間内で分けて払うか契約した時点でまとめて払うかの違いがある。
さらに、一括払いは一時払いと全期前納払いの2つに分けられる。
前者は保険料を全額まとめて払うもので、後者は保険会社へ保険料全額を預けて分割で充当してもらうものだ。
どちらの支払い方法を選ぶべきか迷った場合は、以下の観点で考えてみよう。
もし資金に余力がある場合は、一括払い・特に一時払いを選ぶと保険料を抑えることができるため、検討しても良いだろう。
分割払いや全期前納払いは最終的に支払う費用は一時払いの方が抑えられるのだ。
ただ、一時払いの場合は、生命保険料控除が利用できなくなるのはデメリットとなる。
生命保険料控除とは、払った保険料を年末調整や確定申告することで課税収入から控除してもらえる制度のことだ。
生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3種類で制度が利用可能であり、最大12万円まで控除を受けられる。
詳細はこちらを参照してもらいたい。
自分がどの保険料払込期間にするべきか、メリットやデメリットを正確に把握して決めるようにしてもらいたい。
養老保険を比較するポイント③各種保険金の金額
最後のチェックポイントとしては、受け取れる保険金がいくらになるのか、という点になる。
養老保険では、以下の3種類の保険金を受け取ることが可能だ。
満期保険金 | 保険が満期を迎えた際、契約時に定めた金額の保険金を受け取れる。 保険金の額が支払った保険料総額を下回る(元本割れ)可能性もある。 |
---|---|
死亡保険金 (高度障害保険金) | 被保険者が死亡もしくは高度障害になった場合に、受取人へ支払われる保険金。 満期保険金と同額を受け取ることができる。 |
解約返戻金 | 契約期間中に養老保険を解約した場合に、受け取れる返戻金。 早期解約の場合は元本割れすることも多い。 |
気づいた人もいるかもしれないが、養老保険は元本割れを引き起こす可能性が高い。
利率の高いものを選べなければ、損してしまうことも十分にあり得る保険なのだ。
元本割れリスクを抑えるには、外貨建て養老保険を利用することも検討しよう。
この保険は、外貨で保険料を支払って外貨で保険金を受け取ることができるものだ。
加入するメリットとして、通常の養老保険と比較して利率が高いことが挙げられる。
例えば、明治安田生命では円建て保険に適用される予定利率が0.91%(76歳以上は0.87%)となる。
これは、非常に低い数値と言わざるを得ない。
一方、ドル建て保険の利率は4.40%であり、4倍以上も高い数値になっているのだ。(2024年3月18日時点)
ただ、外貨建て保険も万能のものではない。
為替変動が起きた場合は円建て保険よりも損する場合もあり得るため、その点は注意が必要だ。
自分が養老保険でどのくらいの資金を確保しておきたいのか、加入目的を改めて考えるようにしてほしい。
養老保険とその他の保険との比較
この記事の最後では、養老保険と別種類の保険にどんな違いがあるのか解説する。
相違点を正確に理解できれば、より効果的に養老保険を活用することに繋げられるはずだ。
養老保険と3種類の保険を比較していくので、参考にしてほしい。
養老保険と終身保険との比較
まず初めに養老保険と終身保険の違いから見てみよう。
それぞれの違いを表にまとめたので、確認してほしい。
養老保険 | 終身保険 | |
---|---|---|
満期保険金の有無 | あり | なし |
解約返戻金の有無 | あり | あり |
保険期間 | 満期あり(継続更新不可) | 満期なし |
両者の大きな違いとしては①保険期間が決まっているか②満期保険金があるかの2点となる。
終身保険は保険期間が定められておらず、一度加入すれば生涯にわたって保障が得られる。
一方、養老保険では保険期間が決まっていて、更新して延長することもできない。
そのため、家族の生活を死亡時まで保障したいと思う場合は、終身保険を選ぶべきと言える。
また、終身保険には満期保険金がなく、解約返戻金についてもごく僅かしかもらえない場合が多い。
途中で解約する恐れがある場合には、養老保険を選んでおくとリスクを減らせるため、おすすめだ。
養老保険と個人年金保険との比較
次に、養老保険と個人年金保険の違いを解説する。
将来に向けて保険料を貯蓄しているという意味で両者の特徴は一致している。
果たしてどんな違いがあるのだろうか。
最も大きなものとしては、「保障機能の強さ」が挙げられる。
個人年金保険では、死亡した際に保険金が支払われる。
ただ、この時に受け取れるのは今まで払ってきた保険料の総額であり、養老保険と比べた際に金額は少なくなりがちだ。
ただ、満期保険金については養老保険よりも多くの資金を貯蓄できる可能性を秘めている。
養老保険は、保険期間が終了すれば満期保険金を受け取ることが可能だ。
被保険者に万が一の事態があっても無事過ごしていても、一定の金額が確保できるというのは養老保険ならではのメリットと言える。
ただし、個人年金保険よりも保険料が高額になりがちなのには注意する必要がある。
これらの特徴から、「将来の資産形成と死亡保障を両立させたい人」は養老保険を、「将来の老後資金をできる限り多く準備しておきたい人」は個人年金保険を選ぶと良い。
加入目的を事前に考えておくことで、あまり悩みすぎずに選べるようになるはずだ。
養老保険と学資保険との比較
最後に、養老保険と学資保険の違いを比較する。
両者の違いは主に以下の3点だ。
祝金があるかどうか
学資保険には祝金という制度が存在する。
これは、子どもが高校や大学へ入学する時などの特定の時期に給付金が支払われるものである。
保険金の支払い時期を分けることが出来る点で、選択する人もいる制度であり、死亡時か満期を迎えた際にしか保険金が受け取れない養老保険とは性質が異なるものと言える。
保険期間の長さ
学資保険では、子どもの年齢に合わせて保険期間が決められる場合が多い。
例えば中学卒業時の15歳・大学入学時の18歳満期などがある。
一方で、養老保険では10年満期など、特定の年数を満期に設定する場合が多い。
最大で30年以上の長期間を保険期間にできるのは、学資保険との違いになるだろう。
死亡保険金の有無
学資保険の契約者である親が死亡した場合、特約がついていればそこから保険料支払が免除される。
そして満期を迎えた際に保険金が子どもに支払われるが、親に対する死亡保険金は発生しない。
養老保険であれば、契約者(被保険者)が死亡した場合は満期保険金を受け取ることが可能であり、当然その後の保険料は支払う必要はなくなる。
死亡した直後については、養老保険の方が多くの資金を受け取ることが出来るのだ。
同じ貯蓄型保険でも、それぞれにはっきりとした違いがあることが分かったと思う。
養老保険は、将来確実に保険金を残したい人が加入することで、メリットが大きくなる。
自分が養老保険に加入すべきか、他の種類の保険と比較しながら慎重に検討するようにしてほしい。
養老保険を比較して最適な保険を見つけよう
本記事では、養老保険の魅力や有効活用法、自分に最適なものを選び取る秘訣について解説した。
さらに、学資保険など別種類の保険との違いを比較しながら説明した。
養老保険は死亡保障を備えつつ、将来の資産形成を行うことができる。
ただ、その分保険金の額は控えめになりがちとなるため。自分のライフプランに合わせて加入すべきかを検討しよう。
保険を選ぶ上で最も大切なことは、あなたにとって最適な保険を見つけることだ。
保険選びに少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することをおすすめする。
専門的なアドバイスを受けることで自分に必要な保険を見つけることができるだろう。
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