- 全労済の終身医療保障プランの具体的な内容が知りたい
- 全労済の終身医療保障プランのメリットとデメリットが分からない
- 全労済の終身医療保障プランに加入するべきかどうか分からない
全労済とは厚生労働省の認可を受けて設立された、営利を目的とせず、組合員が相互に助け合う事業を行っている機関である。
そんな全労済が終身医療保障のプランを提供しているのは知っているだろうか。
全労済の終身医療保障プランには、安い掛け金でわかりやすい保証内容を備えているという特徴があり、現在人気を集めている。
本記事では、全労済の終身医療保障プランに焦点をあて、商品内容やメリットとデメリット、加入するべきかどうかの判断基準について解説する。
どの医療保険に入るべきかでお悩みの方には、ぜひ参考にしてほしい。
全労済が提供する終身医療保障プランの概要
全労済は、消費生活協同組合法に基づいて設立された、共済事業を行う協同組合である。
正式には「全国労働者共済生活協同組合連合会」と言って、病気や交通事故、火災、災害などのさまざまな危険に対し、組合員相互に助け合うという活動を、保険のしくみを使って確立した保障事業である。
幅広い保険商品を提供しているが、その中でも終身医療保障プランは、長期間にわたり健康な生活を維持するための医療費をサポートするものだ。
加入できるのは、満15才から満80才の人を対象にしていて、一度入ると生涯ずっと保障されるのが特徴となっている。
保障内容によっていくつか分かれ、掛け金も変わってくるが、基本の保障内容として設定されているのが、
- 入院したとき
- 手術したとき
- 放射線治療したとき
の三点で、これをカバーするのが終身医療保障プランの基本であるベーシックタイプ。
それ以外の保障が必要なときは、総合タイプ、三大疾病タイプも選択することができる。
ここではその三種類について、詳しく説明しよう。
掛け金を抑えた医療保障タイプ
掛け金を最小限に抑えながら、必要な医療保障を確保できるのが、「ベーシックタイプ」である。
一回の入院にあたり、連続60日までとするか180日までかで掛け金はかわってくるが、通算日数は1,000日までとなっていて、非常に安くわかりやすい設定となっている。
なお、入院日額は基本的に3,000-10,000円まで設定可能だ。もちろん日帰り入院も保障の対象となる。
このプランは、低コストで基本的な医療保障を受けたい人に向いているといえる。
なお、一定の診療報酬点数が算定された手術や放射線治療等に関して、手術を受けたときと放射線治療を受けたときは、それぞれ5万円を共済金として受け取ることができる。
掛け金を少なく抑えることで、毎月の支出をコントロールしながらも、予期せぬ医療費に備えることができる。
一生涯の医療保障に備えるタイプ
ベーシックタイプに加え、通院時の保障も付いているのが、「総合タイプ」である。
入院前30日までと退院後60日まで、日額1,500円が支給されるもので、通算750日までの保障となっている。
また、先進医療特約が用意されており、この特約をつけておくと、先進医療を受けたときは最高1,000万円までが支払われる(ベーシックタイプも同様)。
近年は、医療技術の進歩により入院期間は短期化しているため、入院時の保障を長くするよりも、通院でかかる医療費の負担を少しでも軽くするような、保障が求められる傾向にある。
その目的に、この総合タイプは合致しているといえるだろう。
三大疾病に備えるタイプ
三大疾病とは、日本人の死因上位のがん(悪性新生物、上皮内新生物)、心疾患、脳血管疾患の3つを指す。
これらは成人病とも呼ばれ、この三大疾病を原因に亡くなる日本人の割合は、厚生労働省の統計によると46.3%であり、ほぼ二人に一人が三大疾病で亡くなっている。
(死因別死亡割合 悪性新生物:24.8%、心疾患:14.8%、脳血管疾患:6.9%)
この三大疾病への備えに特化して保障されているのが、「三大疾病タイプ」である。
三大疾病を原因に入院したときは、入院日数無制限に日額5,000円を保障しているし、手術時は10万円、放射線治療を受けたときも、5万円が支給される。
また、診断一時金や在宅療養(在宅ホスピス)時の一時金も支給される。
三大疾病プランは、特に予防や早期発見が難しい疾患に対する経済的な安心感を求める人々に支持されている。
重大な疾患に備えることで、治療やケアにかかる費用を軽減できるだろう。
なおこのタイプは、あくまで三大疾病を原因としたものに特化した保険であるため、交通事故や不慮の事故の場合には、対象外となってしまうことには注意が必要だ。
全労済の終身医療保障プランのメリットとデメリット
終身医療保障プランは、多くの人々にとって健康と将来の不安を軽減する重要な保険といえる。
このプランにはメリットとデメリットがあり、それぞれを理解することが重要だ。
終身医療保障プランのメリット
メリットは、掛け金が安いことと、一度加入したら保障が一生涯続くことだろう。
ここではその詳細を説明しよう。
- 掛け金が安い
終身医療保障プランの最大のメリットは、その掛け金の安さである。
通常、このプランの掛け金は他の医療保険に比べて非常にリーズナブルであり、多くの家計に適しているだろう。
これにより、予算を節約しながら、医療費に備えることができる。
- 保障が一生涯続く
終身医療保障プランは、その名前の通り、一生涯の保障を提供してくれる。
高齢になってからも医療費を気にせずに暮らすことができるという点で非常に重要だ。
他の医療保険は一定の期間で保障が終了することがあるため、終身医療保障プランはその点で安心感を提供してくれる。
終身医療保障プランのメリットにはこれらの要素が含まれており、これにより健康と将来に対する不安を軽減することができる。
しかし、一方でデメリットも存在し、それについても考える必要があるだろう。
終身医療保障プランのデメリット
デメリットは、細かく自分流のカスタマイズはできないことと、貯蓄性がないことだ。
この詳細についても解説する。
- 保障内容をカスタマイズできない
終身医療保障プランは、保障内容が固定されており、一部分をカスタマイズしたいという要望には応えることはほぼできない。
これは、保障内容を固定にしてコストを抑え掛け金を安くしているのが、一番の理由だ。
他の医療保険では、特定の病気や状態に対する保障を追加したり、入院や通院の日額支給を増やしたりすることができるが、全労済の終身医療保障プランではできない。
そのため、特定の健康リスクに対処したい場合には、他の医療保険を検討したほうがいいだろう。
- 貯蓄性がない
終身医療保障プランは、主に医療費の保障を提供するものであり、貯蓄性はない。
つまり、掛け金を支払って保険を維持する間、お金を積み立てたり投資したりすることはできない。
一方で、他のタイプの保険、たとえば終身保険など、貯蓄要素を持つプランは、将来のニーズに備えるために資産を築く手段として利用することができる。
終身医療保障プランを選ぶ際には、貯蓄性の有無を考慮することが重要だ。
保険選択の際には、自身や家族の具体的なニーズに合わせて検討し、最適なプランを見つけることが大切だ。
終身医療保障プランを利用するべき人とは
若いときに加入すると、その掛け金が一生涯続くのがこの終身医療保障プランのメリットである。
それを考慮して、まだ収入の少ない20代のときに、2,000-3,000円程度の掛け金で加入しておけば、病気になる確率が格段に上がってくる50-60代になると非常に意味があるものとなってくるだろう。
また、若いときも30-40代にも、医療保険は持っていなかったという人も多いかもしれない。
50代になり、子どもは独立して大きな死亡保障は不要となる代わりに、入院リスクがこの年代から一気に高くなってくるので、コストの安い終身医療保障プランを検討してみてもいい。
50代でも4,000-5,000円程度と比較的安いまま、一生涯の保障を得られるというのは安心材料となるだろう。
全労済の終身医療保障プランに加入する判断基準
終身医療保障プランに加入する際、以下の基準を考慮することが大切である。
これらの基準を詳細に説明しよう。
自分のライフステージと合っているか
終身医療保障プランを選ぶ際、自分のライフステージ、ライフプランに合わせることが肝要となる。
具体的には以下のポイントだ。
家庭の状況
独身、結婚、子供の有無など、家庭の状況はプラン選択の判断に影響を与えるだろう。
家族を養っていると、自分だけでなく配偶者や子どもの医療保険についても考えなくてはならない。
終身医療保障プランは個人用だけで、家族を対象にしたプランは設定されていないため、家族用の医療保障を検討する必要がある。
年齢
年齢に応じて医療ニーズは変化するものだ。
現在の年齢と保障の必要性を考慮しよう。
若い段階であれば安い掛け金で加入できるが、医療保障が必要になる機会は当分来ないかもしれない。
中高年になってからの加入だと掛け金は高くなるが、病気になる確率も高くすぐ保障が必要になる可能性もある。
ライフプラン
将来のライフプランを意識しつつ、終身医療保障プランの選択を検討しよう。
何歳で仕事からリタイアするか、資産がどの程度あるか、現在の健康状況も含めて考える必要があるだろう。
費用が適切か考える
終身医療保障プランには、毎月の掛け金が発生する。
家計の状態と合わせて、以下の点を考慮しよう。
予算
毎月支払いが発生するものであり、家計に与える影響は十分考慮しておく必要がある。
万が一に備えた保険なのに、掛け金の支払いが多くなり、家計に負担をかけてしまっては、本末転倒だろう。
また、若いときに加入すれば掛け金は安いままですむし、高齢になるほど高くはなるが、掛け金自体は加入時点のままだ。予算を無理に圧迫しないよう、長期間続けられなければ意味がない。
なお、生涯ずっと掛け金を支払い続ける「終身払」のほか、65歳までで払い終える「短期払」の設定もある。
65歳までに支払い終えればその後の支払いはなくなるが、保障は一生涯続くというものだ。
65歳までの掛け金の負担は増えるが、65歳の定年後に収入が少なくなったときに、掛け金の支払いが不要となるのはメリットは大きいだろう。
保障内容
プランごとに保障の内容が異なる。
保障内容が拡充するほど、掛け金は高くなるのはどの保険もそうだろう。
自身が支払う掛け金と必要とする保障のバランスを考え、最適なプランを選択したい。
シミュレーションを行なってみる
終身医療保障プランを選ぶ前に、全労済のウェブサイトなどでシミュレーションを行うとよいだろう。
シミュレーションを活用することで、具体的なプラン内容や掛け金のイメージを持つことができる。
以下に保険給付の例をあげるので、掛け金や給付額に注意してシミュレーションのイメージを掴んでほしい。
ベーシックタイプの支給例
現在40歳の男性、35歳のときにベーシックタイプ60日型(日額5,000円)に加入し、掛け金は毎月2,360円を支払っていた。
あるときスキーで転倒し右足を複雑骨折してしまった。15日間入院し、一度手術を受けた。
総額 125,000円の支給。
総合タイプの支給例
現在60歳の男性、50歳のときに総合タイプ(日額5,000円)に加入し、掛け金は、毎月5,800円を支払っていた。
脳卒中で緊急搬送されて、頭蓋内手術を受け50日間入院。
無事に退院し、その後10日通院した。
総額 365,000円の支給。
三大疾病タイプの支給例
現在50歳の女性、45歳のときに三大疾病タイプ(日額5,000円)に加入し、掛け金は、毎月3,480円を支払っていた。
胃がんと診断されて、手術を受け30日間入院したあと、無事に退院した。
総額 800,000円の支給。
現在は健康な人でも、いつどんな病気になるかわからないため、どれが正解のプランか決めることはできないが、年齢を重ねるほど、健康リスクは高くなることは間違いない。
リスクに対して、少しでも経済的な負担を減らしたいと思っているなら、終身医療保障プランは第一の選択肢になるのではないだろうか。
全労済のサイトには、簡単な見積もりのシミュレーションが用意されているし、上記の支払い例も参考にしながら、自分なりのベストなプラン選択に役立ててほしい。
まとめ
本記事では、全労済の終身医療保障プランの内容やメリットとデメリット、加入するべきかどうかの判断基準について解説した。
掛け金は抑えつつ、手広く保障を受ける事ができるというのが終身医療保障プランの特徴である。
ただ、必要かどうか判断するには自分の財政状況や今後の人生で起こるライフイベントを考慮する必要があるため、本記事を読んだだけでは、自分に向いているかどうか判断することが難しいかもしれない。
そんな時は保険のプロに相談することも検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、的確に必要な保険を選択することができる。
ただ、生命保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることもまた難しい。
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