- 男性が医療保険で備えるべきリスクがわからない
- 男性に必要な医療保険の内容が知りたい
- 男性が医療保険を見直す際の注意点が知りたい
家計を支えるために働く男性には、ケガや病気による長期入院などで自身や家族の生活が脅かされてしまう恐れがある。
このようなリスクに備えるために、医療保険への加入を検討している方も多いはずだ。
では、いつから、どのような保障内容を重視して保険に入るべきなのだろうか。
また、既に医療保険へ加入している方であっても、年齢や生活状況の変化と共に、保険内容は見直す必要がある。
そこで本記事では、男性が医療保険で備えるべきリスクと必要な保障、そして保険を選ぶポイントについて解説する。
ぜひ本記事をきっかけに医療保険への理解を深め、賢く活用できるようなってほしい。
男性が医療保険で備えるべきリスクとは
医療保険への加入を検討している場合、まずはどういったリスクに備えるべきかを把握しておく必要がある。
男性が医療保険で備えるべきリスクにはどういったものが存在するのだろうか。
ここでは、公的医療保険制度の保障範囲を踏まえて男性が備えるべきリスクについて解説していく。
公的医療保険制度の保障範囲
民間の医療保険は、公的医療保険制度で保障されない部分を補う役割を担っている。
そのため、まずは公的医療保険制度でどこまでの範囲が保障されるのか把握しておくことが大切である。
公的医療保険制度における主な保障範囲は以下の通りだ。
- ケガや病気の治療にかかる医療費
- 出産・育児に関連する費用
- 入院等で減少する収入
まず、公的医療保険の大きな役割はケガや病気を治療するためにかかる医療費だ。
医療機関の窓口で保険証を提示すると、負担する医療費は原則3割で済む。
さらに1ヶ月の医療費の自己負担が一定額を超えると、超えた部分が還付される「高額療養費制度」も設けられている。
医療費の自己負担が過剰に大きくならないような仕組みとなっているのだ。
また、「出産育児一時金」や「出産手当金」など、出産・育児に関連した保障も設けられている。
出産育児一時金は50万円前後の保障金、出産手当金は働けない期間の収入補填を目的に産休前の給与の約2/3が支給される。
なお、自営業者や個人事業主などの国民健康保険加入者には出産手当金がないため注意が必要だ。
さらに、業務外のケガ・病気による入院等が原因で休業し、収入が減少する場合は「傷病手当金」の給付を受けることもできる。
休業前の給与の約3分の2が支給され、支給開始から通算1年6ヶ月にわたって受けられる。
なお、傷病手当金も自営業者などの国民健康保険者に支給がない点に注意しておこう。
このように、公的医療保険制度でも幅広い保障を受けることができる。
公的制度による保障範囲を把握した上で、どういったリスクに備えるべきか考えよう。
男性が備えるべきリスク
公的医療保険制度の保障範囲を踏まえた上で、男性が備えるべきリスクはどういったものがあるのだろうか。
一般的に男性が備えるべきリスクとしては以下のようなものが挙げられる。
- 長期入院などによって収入が減少する
- 医療費の負担によって住居費や子どもの教育費に影響が出る
- 高額な費用が発生する「先進医療」による治療ができない
まず、ケガや病気による長期入院で収入が減少し、生活に支障をきたしてしまうリスクが想定される。
特に家族がいて自分が家計を支える立場にいる場合、収入減少によるダメージは大きくなるだろう。
公的制度による「傷病手当金」の支給はあるものの、給与の約3分の2の金額までしか支給されない。
また、自営業者や個人事業主には傷病手当金の制度自体がない。生活費の不足分が発生するリスクを想定しておく必要があるだろう。
また、公的医療保険で医療費の自己負担が軽減されるとはいえ、入院や手術で費用が高額になると家計に負担がかかってしまう。
住宅ローンの支払いや子どもの教育費準備などに影響が出るリスクも考えなければならない。
さらに、公的医療保険制度では「先進医療」の技術料は保障の対象外であるため全額自己負担となる。
先進医療の技術料には数十万円以上かかるケースもあり、高額な自己負担になる可能性がある。
貯蓄状況などによっては先進医療による治療をあきらめるケースも出てくるだろう。
公的医療保険制度はすべてをカバーできる仕組みではないため、上記のようなリスクも生じる。
備えるべきリスクを把握した上で、どのように医療保険を活用していくか考えよう。
医療保険に加入するメリット
医療保険に加入するメリットとしては、主に以下の3つの点が挙げられる。
- ニーズに合わせて保障を選択できる
- 給付金の使い道が制限されない
- 税金の控除が受けられる
民間の医療保険では、保険料や保障金額などを自分で自由に設定できる。
さらに特約などもニーズに合わせて選択できるため、自分に合った保険プランをカスタマイズできることが特徴だ。
例えば「先進医療特約」を上乗せしていれば、月数百円程度の保険料で高額な費用が発生する先進医療に備えることができる。
また、医療保険で支給される入院給付金や手術給付金は使い道が制限されていない。
医療費の自己負担額に使ったり、生活費を補填したりなど、自由な使い道を選べる。
生活の状況に合わせて不足分をカバーできる点は医療保険に加入する大きなメリットだ。
さらに、医療保険に支払う保険料は「介護医療保険料控除」の対象となる。
支払う保険料の一部または全部が課税所得から控除されるため、所得税・住民税の負担を軽減できる。
万が一の医療保障を備えつつ、税負担の軽減もできる点は医療保険の魅力と言えるだろう。
上記のメリットを踏まえ、自分自身に必要な医療保険を選択していこう。
男性に必要な医療保険とは
男性が医療保険で備えるべきリスクや医療保険加入のメリットをご紹介してきたが、具体的にどういった医療保障が必要となるのだろうか。
必要な保障内容はライフスタイルや年齢によっても異なるため、自分に必要な医療保障を考えておく必要がある。
ここでは、独身男性・既婚男性に必要な医療保険の内容や年齢によって変化する医療保障について解説していく。
独身男性に必要な医療保険
独身男性に必要な医療保険の特徴としては、主に以下の2点が挙げられる。
- シンプルな保障内容
- 定期型の商品
独身男性の場合、両親を養っているなどの場合を除いて、自分自身の生活を守れるだけの医療保障があれば十分と言える。
手厚い医療保障を備えるというよりも、シンプルな保障内容で保険料を抑える工夫をした方が良いだろう。
入院中にかかる費用や減少する収入を概算し、不足分をカバーできる最低限の医療保障を備えよう。
また、独身男性には終身型よりも定期型の医療保険をおすすめする。
保険料の負担を安く抑えることができ、保障の見直しも行いやすいためだ。
特に将来的に結婚を考えている場合は、結婚するまでの期間を定期型の商品でカバーし、結婚を機に新商品に見直すという方法が良いだろう。
保険料を抑えて保障を備えつつ、見直しが必要なタイミングで最適な医療保険に乗り換えることができる。
このように、独身男性には「保障の手厚さ」よりも「保険料を抑えること」や「見直しのしやすさ」が重要視される。
上記2つのポイントを押さえて最適な医療保険を選択しよう。
既婚男性に必要な医療保険
既婚男性に必要な医療保険の特徴としては、主に以下の2点が挙げられる。
- 家族を守れるだけの手厚い保障
- 終身型の商品
既婚男性の場合、独身の男性に比べて手厚い保障が必要となる。
特に、妻が専業主婦をしている家庭や子どもがいる家庭の場合、自分がケガや病気で入院したときの生活を守れるようにしておかなければならない。
前述した通り、入院によって働けない期間が生じ、収入が減少した場合には「傷病手当金」が支給される。
しかし給与全額が保障されるわけではないため、家族の生活費や子どもの教育費などに影響が出てしまう可能性がある。
入院給付金を手厚く備え、長期入院による収入の減少や費用の負担に備えておこう。
また、既婚男性であれば終身型の医療保険がおすすめだ。
終身タイプは契約時の保障内容や保険料が一生涯変わらないため、プランの見通しを立てやすい点が特徴となっている。
子どもがいる家庭の場合、子どもの成長に伴って生活費や教育費の負担がかさんでいく。
定期型の医療保険を契約していると、更新のタイミングで保険料も上がってしまい、一気に負担が大きくなってしまうリスクがある。
終身型の医療保険も早めに加入していればそこまで大きな保険料負担とならないため、できる限り早めに契約手続きを進めよう。
必要な医療保険は年齢に応じて変化する
独身から既婚に変わると必要な医療保険が変化することを解説したが、年齢によっても必要な医療保険は変化する。
なぜなら、年齢を重ねることで必要な保障内容が増えていくケースが多いためだ。
一般的に、年齢を重ねるごとに病気のリスクは高くなっていく。
特に、がんや脳卒中、心筋梗塞などの三大疾病は年齢を重ねると罹患するリスクが高くなり、医療保険でカバーしておく必要性も高まる。
特約などを活用し、がんや三大疾病を保障するプランに変更していく必要があるだろう。
また、60代以降になると退職するケースが多く、収入源が公的年金だけになってしまう場合も考えられる。
退職前と同じ保険料を負担すると生活が苦しくなってしまうリスクもあるため、保障内容と保険料のバランスを見極めることが大切だ。
このように、年齢によって保障内容や負担できる保険料の予算が変化していく。
一度加入した医療保険をそのままにしておくのではなく、定期的に保障内容や保険料の見直しを行っていくことをおすすめする。
なお、属性別におすすめの医療保険についてまとめた記事もあるので、ポイントを押さえる際にはぜひ活用してほしい。
男性が医療保険に入る際の注意点
男性が医療保険に加入する際の注意点としては、主に以下の3点が挙げられる。
- 年齢による自身の健康リスクを考慮する
- 必要な保障金額と給付金の受取時期を確認する
- 既に入っている保険との重複を避ける
それぞれの注意点を把握した上で、最適な医療保険を選択しよう。
年齢による自身の健康リスクを考慮する
前述の通り、年齢を重ねると健康上のリスクは高まっていく。
自身の健康リスクを考慮した上で、しっかりとリスクをカバーできる商品を選ぶことが大切だ。
厚生労働省が行った「令和2年(2020)患者調査」によると、年齢階級別にみた人口10万人あたりの受療率※は以下の表(一部抜粋)のような結果になっている。
※受療率:病院及び診療所の患者について、毎年1回行っている「患者調査」から調査日当日受診した患者の全国推計数を求め、これを人口で除して、人口10万対で表したもの。
年齢階級 | 入院 | 外来 |
20〜24歳 | 141 | 2,321 |
25〜29歳 | 198 | 2,692 |
30〜34歳 | 246 | 3,043 |
35〜39歳 | 257 | 3,174 |
40〜44歳 | 273 | 3,480 |
45〜49歳 | 345 | 3,745 |
50〜54歳 | 478 | 4,285 |
55〜59歳 | 664 | 5,113 |
60〜64歳 | 895 | 6,113 |
65〜69歳 | 1,207 | 7,951 |
70〜74歳 | 1,544 | 9,649 |
75〜79歳 | 2,204 | 11,527 |
上記の表からも分かる通り、入院・外来ともに受療率は年齢を重ねるごとに高くなっていく。
若いうちは平気でも将来的に入院・手術を受ける可能性は十分にあるのだ。
今後も健康上のリスクが高まっていく可能性を踏まえ、リスクをカバーできる医療保険に加入しよう。
必要な保障金額と給付金の受取時期を確認する
家族がいる場合、自分自身とその家族にとって必要な保障金額を把握することが大切だ。
入院期間中にどの程度の給付金を受け取ることができれば、家族が生活に困らないのかを確認しておこう。
必要な保障金額の計算は、万が一のときにかかる支出と得られる収入から計算できる。
入院期間中にかかる差額ベッド代や食費、家族の生活費等と、傷病手当金や会社の福利厚生などで得られる収入を計算し、不足する分をしっかりとカバーしよう。
また、給付金をいつ受け取れるのか確認しておくことも大切だ。
請求手続きを行ってからどのくらいで給付金が振り込まれるか把握しておかないと、トラブルになる可能性がある。
請求手続きから振り込みまでの期間は保険会社によって異なるため確認しておく必要がある。
一般的に郵送手続きの場合は請求書類が保険会社に到着した翌日以降、インターネット手続きの場合はWebで請求手続きをした翌日以降に、それぞれ5営業日以内程度で振り込まれる。
「保障金額をどれくらい準備すべきか」「給付金はいつ受け取れるのか」を確認し、万が一入院・手術となった場合の対応をイメージしておこう。
すでに入っている保険との重複を避ける
新規で医療保険を契約する場合、すでに入っている保険商品と保障内容が重複していないかを確認しておこう。
保障内容が重複していると、支払う保険料が無駄になってしまうリスクがあるためだ。
保障内容の重複で多いのは、医療保険とがん保険の両方に加入するパターンである。
すでにがん特約の付いた医療保険を契約しているにもかかわらず、がん保険にも加入するケースだ。
がんと診断されたり、がん治療のために入院・手術となったりした場合の保障が過剰になる。
保障内容が重複していると、複数の保険から給付金を受け取れてお得に感じる方もいるだろう。
しかし万が一のリスクのために月々支払う保険料を増やしてしまうと、家計にかかる負担が重くなってしまう。
複数の保険に加入する場合は、お互いの不足分をカバーしつつ、重複する分がないように保障内容を確認することが大切だ。
シンプルかつ幅広い保障を備えるためにも、加入中の保険や新規で加入を検討している保険の保障内容をよくチェックしておこう。
まとめ
本記事では、男性が医療保険で備えるべきリスクと必要な保障、そして保険を選ぶポイントについて解説した。
男性は家庭を支える大黒柱であることが多い。そのため、突然の病気や怪我に備えて医療保険に加入する必要性は高いと言える。
男性が医療保険に加入する際は、年齢による自身の健康リスクや家族に必要な保障金額を考慮する必要がある。
これは、独身であっても検討すべき事項だ。
また、既に医療保険に加入している場合でも、保障内容が重複していないかなどを定期的に見直し、常に自分や家族に合った保障を整えることが大切だ。
そのため、これらの判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な保険を的確に判断することができるはずだ。
また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。
「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができるマッチングサービスである。
気になった担当者とは無料相談もできるので、ぜひ活用してほしい。