- 高額の死亡保険に加入するメリットを把握したい
- 現在の保険料金を見直したい
- 自分に適した保険金額を把握したい
現在加入している死亡保険が高額すぎるのではないかと悩んでいる方もいるだろう。
高額な死亡保険について、その必要性や選び方を深く理解している方は少ないのではないだろうか。
本記事は、高額死亡保険に加入するメリットや自分に適した保険の選び方、さらに保険を見直す際のポイントについて解説していく。
すでに死亡保険に加入している方、これから加入を検討している方はぜひ最後まで読んで参考にしていただきたい。
高額な死亡保険とは
自分に万が一のことがあった場合に備え、家族へ十分な保障を残したいと考える人も多いだろう。
十分な保障といえば 高額な死亡保険が思いつくのではないだろうか。しかし高額な死亡保険の定義は人それぞれである。
ここでは次の内容から高額な死亡保険とは何かについて解説しよう。
- 死亡保険金の上限は?
- 上限が定められている理由は?
- 高額な死亡保険への加入条件は?
死亡保険への加入を考えている人や死亡保険の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。
死亡保険金の上限は?
死亡保険金の上限は、次の3つの内容によって定められていることが一般的だ。
- 職業
- 年収
- 年齢(15歳未満の場合)
職業
死亡保険金の上限は、被保険者の職業によって異なる。 これは、職業によって死亡率が大きく異なるためだ。
危険性が高い職業の場合、死亡保険金の上限が低く設定されていたり、死亡保険に加入できない場合もある。
これは、職業の危険度によって、加入者間の保険料負担に不公平が生じないようにするためだ。
なお、 職業による死亡保険金の上限額や加入できない職業は保険会社によって異なる。
年収
死亡保険金の上限は、次の2つの理由から年収によっても異なる。
- 保険料の支払い能力
- 保険料負担の公平性
死亡保険は、保険金額が高額になるほど保険料負担が増加する。
このため、保険会社は被保険者の年収に応じて、保険料の支払い能力を超えないよう、死亡保険金の上限を設けている。
また、保険料負担の公平性を確保する観点からも死亡保険金の上限が設けられている。
例えば、何らかの理由で寿命が短いことを知った者が、遺族へ高額な保険金を遺すため、年収に不相応な金額で死亡保険に加入したとしよう。
この加入者が想定通り短期間で亡くなった場合、少ない保険料で高額の死亡保険金が支払われることになり、他の保険契約者に対して不公平となってしまう。
なお、 高額な死亡保険に加入することを目的として年収を偽ることは、告知義務違反となり、保険契約が解除される場合もあるので注意が必要だ。
年齢(15歳未満の場合)
死亡保険金の上限は、被保険者の年齢が15歳未満の場合に、各生命保険会社通算で1,000万円以下と定められている。
これは、15歳未満の未成年者を生命保険金目当ての犯罪から保護するためである。
ただし、 一時払い終身保険及び一時払い養老保険の死亡保険金に上限は設けられていない。一時払いの終身保険や養老保険が、貯蓄を目的とした商品であるからだ。
一方、 15歳以上の未成年者を被保険者とした場合、本人の同意があれば保険金額に上限は設けられていない。
未成年者の死亡保険金上限についてまとめると次のとおりだ。
15歳未満 | 15歳以上 |
---|---|
各生命保険会社通算で1,000万円以下 (一時払い終身保険及び一時払い養老保険の死亡保険金を除く) | 被保険者の同意がある場合は制限なし |
上限が定められている理由
死亡保険に上限が定められているのは、モラルリスクに対応するためである。
モラルリスクとは、生命保険が不当な保険金受給によって悪用されるリスクのことだ。
死亡保険は高額になるほどモラルリスクが高まる傾向にあり、 保険会社は死亡保険に上限を設けることでモラルリスクに対応している。
なお、生命保険会社各社と一般社団法人 生命保険協会は、モラルリスクへの対策として、次のような取り組みを行っている。
- 契約内内容録制度及および契約内容照会制度の実施
- 支払査定時照会制度の実施
- 不正請求対応の推進
- 警察との連携強化
- 暴力団排除条項の約款への導入
- 「保険金不法取得目的の保険契約の無効」を約款に規定
モラルリスクへの対応は、悪意ある契約者を排除できるため、保険契約者全体の保護においても重要である。
高額な死亡保険への加入条件
高額な死亡保険への加入条件は、保険会社や契約内容によって異なるが、一般的には次の内容が加入条件として挙げられる。
- 健康状態
- 年収
- 職業
高額な死亡保険は申し込み時に、健康診断や人間ドックの結果を提出する必要がある。
このため、健康状態は加入条件の大きなポイントだ。
また、死亡保険は遺された家族への収入保障を目的としていることから、年収も加入条件の一つとなる。
その他には、職業も加入条件として重要だ。これは、職業によって死亡率が大きく異なるためである。
リスクの高い職業に就いている場合は、高額な死亡保険に加入できない可能性が高い。
高額な死亡保険は必要?
「高額な死亡保険に加入しないと不安だ」
そんな風に考える方も多いのではないだろうか?
ここでは次の点から本当に高額な死亡保険が必要なのかを解説する。
- 死亡保険の平均金額
- 必要な保険金額を明確にする
- 高額な死亡保険のメリット・デメリット
死亡保険の平均金額
生命保険文化センターの2022年度「生活保障に関する調査」によると、死亡保険の平均加入額は男性で1,373万円、女性で647万円だ。
性別・年齢別にみると、男性は30代が2,065万円、女性は40代が807万円ともっとも高く、全体的に働き盛りの男性の加入額が高い結果となっている。
ただし、公的保障や企業保障も含め「万が一の際の保障に充足感はあるか」という質問に対しては、52.5%が「充足感なし」と回答している。
つまり、死亡保険は平均的な加入額では不足していると考えてよいだろう。
必要な保険金額を明確にする
死亡保険への加入を検討する際は、自分に万が一のことがあった場合を考え、必要な保険金額を明確にすることが必要だ。
必要な保険金額は、「遺族の支出額- 遺族の収入額」で算出する。
一般的な家庭における「遺族の支出額」と「遺族の収入額」は次のとおりだ。
遺族の支出額の例 | 遺族の収入額の例 |
---|---|
配偶者と子供の生活費 住居費 リフォーム代 子供の教育費用 進学費用 葬儀費用など | 死亡退職金 遺族年金 配偶者の収入 子供の収入(就職している場合) 貯蓄などの資産など |
ただし、必要な保険金額は家族構成やライフイベント、住居の状況によって異なる。
まずは綿密なライフプランニングを作成する必要があるだろう。
このため、必要な保険金額は保険のプロに相談することが望ましい。
高額な死亡保険のメリット・デメリット
高額な死亡保険には加入するメリットだけではなく、デメリットも存在する。
このため、メリットとデメリットを考え、本当に高額な死亡保険が必要か判断することが重要だ。
- 万が一の場合に十分な保障を得られる
- 相続対策になる
高額な死亡保険に加入する最大のメリットは、万が一の場合に十分な保障を得られることだ。
特に、収入が高い方や子供が小さい方は高額な死亡保険に加入するメリットは大きいだろう。
また 高額な死亡保険は相続対策になることもメリットの一つだ。死亡保険金のうち一定額は、相続税の非課税財産となるためである。
例えば、法定相続人が4人の場合、死亡保険金のうち2,000万円までが相続税の非課税財産となる。
- インフレに対応できない(終身保険の場合)
- 保険料が無駄になる(定期保険の場合)
高額な死亡保険は、終身保険の場合と定期保険の場合で、それぞれ異なるデメリットがある。
終身保険の場合は、インフレに対応できない点がデメリットである。
終身保険は、契約時の予定利率によって保険料が運用されるため、物価上昇率が予定利率を上回ると、解約返戻金の貨幣的価値が実質的に減少するためである。
一方、定期保険の場合は、死亡給付金を受け取らずに満了を迎えると、結果として保険料が無駄になる点がデメリットだ。定期保険は掛け捨て型で、貯蓄性がないためである。
高額な死亡保険ではなく自分に適した保険の選び方
生命保険は、万が一の場合に遺された家族の生活を支える大切な存在だ。
商品内容も多いため、自分に適した商品を選ぶには次の内容に注意すべきである。
保障内容を確認する
自分に適した保険を選ぶには、必要な場合に十分な給付が受けられるか保障内容を確認することが重要だ。
保障内容を確認する際は、次の項目をチェックするべきだ。
- どのような場合に保障が受けられるか
- いつまで保障が受けられるのか
- いくら保障されるのか
また、年齢の経過とともに保障額が減額される商品もあるので注意が必要である。
保険金額と保険料は最適か
生命保険は保険金額と保険料が最適か確認することも大切だ。
必要な保険金額は家族構成や年収、ライフプランによって異なるため、プロに相談するのもよいだろう。
また、生命保険は同じ保障内容でも、保険会社によって保険料が異なる点にも注意が必要だ。
ただし、自分で複数の保険会社を比較するのは難しいだろう。
そんな場合は、保険のマッチングサービス「生命保険ナビ」を活用して、保険料を比較することをおすすめする。
ライフイベントごとの見直しが重要
生命保険は、ライフイベントごとに見直しをすることが重要だ。
具体的には、次のタイミングで必要な保障内容が変わってくるため、見直しが必要となる。
- 結婚
- 出産
- 子供の独立
- 退職
また、ライフイベントの際に見直しができるように、保険設計を行うことも大切だ。
定期保険や掛け捨て型の保険を活用して、柔軟な見直しができるよう工夫するべきだろう。
高額な死亡保険ではなく、自分に合った保障と保険料のバランスを見極めよう
本記事では、高額保険の必要性や必要保険金額の考え方について解説した。
設定できる保険金額は幅広く、なかには1億円を超える額を設定できるケースもある。
例えば、生涯年収が高い方や、経営者などはこういった高額な保険金額を設定することもあるようだ。
しかし、人それぞれ状況によって必要保障額は異なる。本文で解説した内容をもとに、ご自身が加入する際は保険金額をいくらに設定するのか考えてみよう。
また、保険選びには保険金額以外にも、保障内容や保険料、保険期間など多くの検討すべき事項がある。
その上、保険は膨大な量の商品が存在するので、そのなかから自分に合った一つを選ぶのはとても難しい。
そんなときは、保険の専門家に相談することをおすすめする。
また、専門家を探すには、「生命保険ナビ」を活用しよう。
あなたが希望する条件に合った保険のプロを探して相談することができるので、保険金額の見直しや自分に適した保険を見つけることが可能だ。
「生命保険ナビ」を通じて、あなたにピッタリの専門家を見つけ、最適な保険選びを進めてみてはいかがだろうか。