- 自身の年収に応じた保険料がいくらかわからない
- みんながどのくらいの保険を選んでいるか知りたい
- 最適な学資保険を知りたい
将来の子どもの教育費のために学資保険が果たす役割は大きい。
しかしながら、その保険料は決して安いものではない。必要以上の保険料にならないようにしたい、と考える方が多いのも事実だろう。
学資保険に加入する際は、年収を含むあなたの状況に合った保険を選ぶことで、適切な金額の保障を得られる。
そこでこの記事では、年収に応じた学資保険の選び方を解説する。
自分の状況に応じた、最適な学資保険を見つけるための参考にしてほしい。
年収に応じた学資保険を選ぶ前に!必要となる教育費用の平均額とは
必要となる子どもの教育費をステージごと(高校・大学など)、かつそれぞれのケース別(公立・私立など)に解説する。
また、年収別の貯蓄率をもとに、なぜ学資保険で教育資金を準備する必要があるのかを説明しよう。
高校卒業までに必要となる教育費
文部科学省では、「令和3年度子供の学習費調査」において、幼稚園から高校卒業までにかかる教育費の総額を公表している。
種別公立私立別学習費総額合計
学校種別 | 学習費総額 |
---|---|
(公立) 幼稚園 | 472,746円 |
(私立) 幼稚園 | 924,636円 |
(公立) 小学校 | 2,112,022円 |
(私立) 小学校 | 9,999,660円 |
(公立) 中学校 | 1,616,317円 |
(私立) 中学校 | 4,303,805円 |
(公立) 高等学校 | 1,543,116円 |
(私立) 高等学校 | 3,156,401円 |
幼稚園、小学校、中学校、高等学校とそれぞれにおいて、私立と公立に進んだ割合は以下の通りとなる。
- 幼稚園 ( 公立:12.8% 私立:87.2% )
- 小学校 ( 公立: 98.7% 私立:1.3% )
- 中学校 ( 公立:92.3% 私立: 7.7% )
- 高等学校 ( 公立:65.6% 私立:34.4% )
一番多いパターンをケース①としよう。
※私立幼稚園924,636円+公立小学校2,112,022円+公立中学校1,616,317円+公立高等学校1,543,116円=合計6,196,091円
次に多いパターンをケース②とする。
※私立幼稚園924,636円+公立小学校2,112,022円+公立中学校1,616,317円+公立高等学校3,156,401円=合計7,809,376円
幼稚園から高校卒業までの15年間で、ざっと620-780万円の教育費がかかるという計算となる。
- 参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
大学で必要となる教育費
一方、大学の4年間(または6年間)の教育費について、これも文科省の調査から考えてみよう。
授業料 | 入学料 | 施設設備費 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
国立大学 | 535,800円 | 282,000円 | ー | 817,800円 |
私立大学 | 930,943円 | 245,951円 | 180,186円 | 1,357,080円 |
国立大学の場合、4年間で243万円(入学金282,000円と1年間の学費535,800円から計算)、私立大学だと平均で469万円(入学金245,951円と授業料930,943円+施設設備費180,186円が4年分)かかる。
高校までの15年間がケース①で、大学が国立だと合計863万円、私立大学だった場合は、1,089万円となる。
高校までの15年間がケース②だった場合で、大学が国立だと合計1024万円、私立大学だった場合は、1,250万円もの教育費が必要となるのだ。
もちろん、すべての金額が一度に必要となるわけではないが、大学入学時だけは入学金と1年間の学費はまとめて必要となると想定しておいたほうがいい。
これらの結果から考えると、幼稚園から高校までは通常の家計収入でやりくりし、並行して大学進学時の費用3-400万円程度を貯めておくことが必要となる。
年収別・年代別の貯蓄額と教育費
年収別の貯蓄率を、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査 令和4年調査結果」で確認してみよう。
年収500〜750万円の世帯では、貯蓄額の平均値は1,226万円、中央値が500万円となっている。
平均値を押し上げるほど資産を保有している人もいるので、中央値のほうが実態に合っているといえるだろう。
なお、年収750〜1,000万円世帯になると、貯蓄額の平均値は1,787万円、中央値が900万円と少し余裕のある金額となる。
続いて、世帯主の年代別の貯蓄額を見ていこう。
学資保険が必要となる年代は、30-40歳代が中心と考えられるが、
- 30歳代の貯蓄額の平均値は526万円、中央値が200万円
- 40歳代の貯蓄額の平均値は825万円、中央値が250万円
と、現実に則した額といえるのではないか。
ある程度年収が高ければ、貯蓄もそれなりに増えているが、30-40歳代の家庭では、まだ十分に貯蓄があるといえる状態ではないだろう。
また、一般的な家庭であれば、住宅のための資金も必要となるし、老後を見据えておかなければならず、貯蓄を教育費のためだけに使うわけにもいかないはずだ。
やはり、子どもが大学入学するタイミングに合わせて、200-300万円程度は用意しておくためにも、学資保険を有効に活用したい。
- 参考:金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査 令和4年調査結果」
年収の何%が目安?学資保険の適正な保険料とは?
続いて、学資保険の保険料の相場を考えてみよう。
他の家庭は一般にどの程度の金額を教育費用として用意しているのだろうか。
また、年収の何%程度を目安に考えればよいのか、などを説明する。
大学入学までに、必要な費用をどうしても準備できないこともあるだろう。
その際にどんな対処方法があるのかも解説しよう。
進学費用として月々いくら準備しているか
ソニー生命の「子どもの教育資金に関する調査」によると、子どもの進学費用に備えた家庭の支出金額は月18,372円が平均とのこと。
この金額は、多くの家庭にとって妥当な支出といえるのではないか。
もちろん毎月の収入や支出状況によって、家庭ごとに捉え方は変わってくるが、家計を大きく圧迫せずに、対応することができるだろう。
子どもの大学入学の時期まで、この金額を学資保険や教育費のために継続的に貯めることができれば、安心感を得られるはずだ。
たとえば、子どもが0歳のときから18歳になるまで、毎月18,000円を学資保険の保険料とすることができれば、400万円の学資金とすることができる。
また、中学や高校になると、塾代など学校以外の教育費もかかるため、0-10歳までに集中して保険料を払い込むプランを提供している保険会社もある。
10歳まで毎月18,000円の保険料を支払うプランだと、18歳満期で220万円を受け取ることになる。
さまざまな保険会社が多くの学資保険を提供しているので、家族のライフプランに適した商品を選択するようにしたい。
年収の何%程度を目安に設定する?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査 令和4年調査結果」によると、30-40歳代の世帯の手取り収入に対する貯蓄の割合は、12-14%程度とのことだ。
その貯蓄をすべて教育費に回すわけではなく、住宅費や老後のための貯蓄なども必要となるため、実際は5-6%程度が教育費となるのではないだろうか。
たとえば年間の手取りが350万円程度とすると、貯蓄に回るのが45万円(13%)ほどで、そのうち年21万円(6%)が教育費となり、月に換算すると17,500円程度となる。
教育費としては、手取りの5-6%、年収だと4-5%程度を目安として考えるとよいだろう。
- 参考:金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査 令和4年調査結果」
大学費用が高くなる場合の対処法
大学進学のための資金が学資保険だけでは不足する場合、早めに具体的な対処法を検討するようにしたい。
できるだけ学資保険で賄うことを最優先で考えることだ。
保険料や学資金を見直し、支払えるのであれば極力、保険料を増やしておきたい。
これにより、大学入学時の費用不足を最小限に抑えることが期待できる。
とはいえ、学資保険だけでは不足することもあるだろう。
その際は、他の用途の貯蓄(たとえば、老後のために積み立てていたお金や住宅の資金など)などを活用することを考えよう。
ただし、これには老後の生活プランや住宅購入、補修計画などにも影響してくるため、十分な検討が必要だ。
子どもの将来と老後や住宅のことをバランスよく考えておかなければならない。
それでも足りない場合は、最終手段として奨学金や教育ローンを検討することも考えよう。
将来の収入を活用して返済する形となるため、返済計画を慎重に立て、リスクを最小限にとどめるよう心掛けたい。
年収に合った学資保険を選択する時の注意点
ここまで学資保険の必要性や保険料の適正額について解説してきた。
しかし、学資保険を選ぶうえでは保険料以外にも注意するべきポイントがある。
そこで最後の章では、学資保険選択における注意点を踏まえ、自分に合った保険の見つけ方について解説する。
ライフプランを考える
ライフプランとは、将来の目標や家族構成、収入などを踏まえた、人生設計のことだ。
ライフプランを考える上で、教育費だけでなく、子どもの成長や将来のライフスタイルに伴う他の必要な費用も計画に組み込むことが重要となる。
具体的には、以下の点を明確に意識しておくべきだろう。
- 子どもの年齢
- 小中高大学の進学先
- 教育費の総額目安
- 教育費の支払い時期
現在の子どもの年齢や進学先が私立か公立かによっても、必要な教育費は大きく変わる。
特に子どもの年齢が上がるほど、塾などの教育費が必要となってくるため、先々まで見据える必要がある。
また、教育費そのものが年々上昇傾向にあることも、意識しておこう。
そのうえで、将来の子どもの結婚資金や住宅購入のための資金も考慮し、学資保険をライフプランに合わせて選択したい。
どのタイミングで、どれだけの資金が必要かを具体的に計画することが大切だ。
加入のタイミング
学資保険の契約タイミングについては、できるだけ早いほうがいいのは言うまでもない。
通常は生まれてすぐに加入するのがベストだが、学資保険によっては生まれる前(妊娠中から)加入できるのもあるため、よく調べておきたい。
学資保険に早期に加入することには、たとえば、以下のようなメリットがある。
- 保険料を低く抑えられる
- 幅広い選択肢の中から商品を選ぶことができる
- 万が一のリスクに備えることができる
子どもがまだ小さいうちから学資保険に加入することで、将来の教育資金を効果的に準備することが可能となる。
無理のない範囲で検討する
学資保険を選ぶ際には、家計に無理のない範囲で検討することが肝要だ。
過度な保険料の支払いや負担は避け、将来のためにも持続可能な範囲でプランを構築しよう。
具体的には、以下のようなポイントを押さえておきたい。
- 学資金を必要以上に高く設定しない
- 払込期間を無理のない範囲で設定する
- 払込方法を柔軟に選択する
毎月の保険料が無理のない範囲で設定されているかどうか、よく検討しよう。
保険料は、学資金をいくらとするか、保険期間や払込期間をどう設定するか、払込方法を月払いとするか年払いとするかなどによって、大きく異なってくる。
家計状況や将来の収入を見据えて、無理のない範囲で保険料を設定することが大切となる。
小学校高学年以降から、教育費は高くなっていくので、例えば0-10歳くらいまでで学資保険の保険料を払い終えて、そのあとは日々の教育費を賄うようなプランも検討すると良いだろう。
あるいは、毎月の収入が一定でない場合は、払込期間を長めに設定したり、払込方法を月払いから年払いにしたりすることで、支払いの負担を軽減することができる。
学資保険の保険料はご家庭の年収に応じた無理のない範囲で設定しよう
学資保険を契約する際、保険料の設定には多くの方が頭を悩ませることだろう。
保険料は、主に保険金額によって変動するため、必要な教育費用を算出し、慎重に設定することが必要となる。
また、保険金額だけでなく、保険期間や払込期間・方法ををどう設定するかによっても変動するため、各家庭ごとの収入をふまえ、無理のない範囲で設定することが重要である。
しかし、学資保険は将来の備えであるため不確定な事項が多く、決断するにあたって何を指標にすべきか悩む方が多いだろう。
そんなときは、保険のプロに相談することを強くおすすめしたい。
保険のプロに相談すれば、個人の状況に合わせて最適な選択肢を提示してくれるはずだ。
ただ、自分に合った保険のプロを選ぶのもなかなか難しいのも事実。
その点を解決するのが「生命保険ナビ」のサービスだ。
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