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生命保険の満期後に保障を継続したい場合はどうする?更新や切り替え時の注意点を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 生命保険の満期について知りたい
  • 生命保険が満期を迎えた際の対処法が分からない
  • 生命保険の更新や切り替えの時に注意すべき点が知りたい

生命保険は原則として満期を迎えることで保障期間が終了する。

では、引き続き同じ保険を利用したいという場合にはどのようにすればいいのだろうか。

そこで本記事では、「満期を迎えた生命保険を継続利用する方法」について解説する。

合わせて生命保険の更新や切り替えの時の注意点についても述べるので、生命保険を安心して利用するためにもぜひ参考にしてほしい。

目次

生命保険の満期とは何か

生命保険文化センターが203年3月に発表した「生活保障に関する調査」によると、生命保険の加入率は全体で79.8%であった。

男性は77.6%、女性で81.5%と、男女ともに75%を超えている。

生命保険には、保険期間が一生にわたって継続する終身保険と、一定期間で保険が終了する定期保険がある。

終身保険と定期保険の特徴や、代表的な保険種類について解説する。

生命保険の満期について解説

契約時に定められた保障期間を終えるタイミングを「満期」という。

満期をむかえた保険に関しては、以後保障が受けられない。

生命保険は保障期間中に死亡または高度障害状態に該当すると保険金が支払われるが、満期をむかえると保障が終了する。

そのため、保障が一生涯にわたって続く終身保険には、満期という概念がない。

満期が存在する保険として代表的な保険の種類に、養老保険がある。

養老保険は、契約満了までに死亡した場合に死亡保険金を支払い、契約の満期になる日まで生存していれば満期返戻金を支払う保険である。

生死混合保険ともいわれる。生命保険文化センターが調査した「生命保険に関する全国実態調査」では、2016年から2021年における養老保険の加入率は、全体の3.2%だった。

養老保険には、満期金が定額で支払われる「定額養老保険」と、満期金が運用実績によって変動する「変額養老保険」に分かれる。

変額養老保険は、将来受け取れる満期返戻金が運用実績で異なるため、元本割れする可能性もあるので注意が必要である。

終身保険の特徴と代表的な保険種類

終身保険は、契約者が途中で保険を解約しない限り、保障が一生涯にわたって続く保険である。

契約としては、一定の年齢まで保険料を納めると、以後保険料は支払わずに保障を継続させる形が一般的である。

保険料の払込期間は「歳満了」と「年満了」に分かれる。

  • 歳満了:被保険者の年齢に達するまで保険料を支払う
  • 年満了:契約後、一定年数まで保険料を支払う

終身保険は、一生涯にわたる死亡保障に加えて、貯蓄の機能も備わっている。

というのも、契約途中で終身保険を解約すると解約返戻金が支払われる。

一般的に、解約返戻金は経過年数に応じて増えていくため、子どもの進学時の教育資金や、老後資金としても活用できる。

具体的な商品として代表的なのは「円建て終身保険」「外貨建て終身保険」である。

円建て終身保険は、解約返戻金が円で運用される商品なので、経過年数ごとに定められた解約返戻金を受け取れる。

一方、外貨建て終身保険は外貨で運用するため、解約時の為替レートによって支払われる解約返戻金が異なる。

為替の状況によっては元本割れする可能性もあるので注意が必要である。

また、終身保険の中には解約返戻金が運用実績によって変動する商品もある。

代表的な商品は「変額終身保険」である。

変額終身保険は、解約返戻金が契約期間中に変動するため、外貨建て終身保険と同じく元本割れに注意が必要である。

定期保険の特徴と代表的な保険種類

定期保険の中には、あらかじめ保険金が保障される期間が決まっている「定期保険」をはじめ、保険金が逓減する「収入保障保険」がある。

どちらも満期を契約時に設定する保険で、一般的に解約返戻金や満期保険金のない掛け捨ての保険商品である。

両者の違いは保険金の受け取り方法が異なる点にある。定期保険の場合、死亡時もしくは高度障害状態に該当すると、保険金が一括して支払われる。

もし5,000万円の保険金で契約していた場合、契約後から満期までの間であれば、いつでも5,000万円が保障される。

収入保障保険は受け取り方を一括払いもしくは分割払いのどちらかを選択できる。

ただし、収入保障保険はどのタイミングで支払い事由に該当したかで、受け取る保険金額が変わる。

たとえば、30歳の男性が以下の条件で収入保障保険を契約した場合、40歳と50歳で受け取れる保険金額を比較する。

契約例
  • 保険金月額:10万円
  • 保険期間:60歳

40歳で死亡した場合、満期となる60歳まで20年なので、受け取れる保険金は2,400万円となる。

10万円×12ヵ月×20年=2,400万円

50歳で死亡した場合、満期となる60歳まで10年なので、受け取れる保険金は1,200万円となる。

10万円×12ヵ月×10年=1,200万円

以上から、収入保障保険は満期となるタイミングに近づくほど、保険金の受取総額が少なくなる保険である。

保障額が下がっていくものの、保険料は一般的な定期保険に比べて割安な金額で準備できる点がメリットである。

どちらの保険を準備するにしても、満期をむかえると基本的には保障がなくなってしまう

点は共通している。では、保険が満期をむかえそうになったらどうすれば良いか、次章で確認していこう。

満期を迎えた生命保険を継続利用するには

定期保険が満期をむかえても継続したい場合は、更新手続きを行えば良い。

ただし、契約を更新すると保険料が上がり、家計や生活を圧迫するリスクが伴う。

そのため、満期をむかえる前に更新手続きをするべきか、よく検討しておくことが望ましいだろう。

今回は、更新手続きの方法や更新前に検討しておくべきポイントについて解説する。

更新時期が近づいた時にやるべきこと

更新時期が近づいた場合、他の保険商品で代用できないか、複数の保険会社の商品を比較しておくと良い。

契約している保険商品を更新した場合、保険料は高くなる。

そのため、トータルコストを下げられないかは確認しておく必要がある。

保障内容が現契約と同じで、保険料を引き下げられるのであれば、積極的に見直しを検討すると良いだろう。

また、更新のタイミングで必要な保障と不要な保障を洗い出しておくと良い。

一般的に、以下のリスクに対して備えられるが、世帯状況や資産状況を踏まえて、以下に記載しているリスクをどの程度備えておくべきか、検討しておくと良いだろう。

  • 病気のリスク
    • 病気やけがによる治療費の確保および収入が減少した場合の補てん
  • 死亡のリスク
    • 死亡した場合の身辺整理資金や遺族への生活費の補てん
  • 介護のリスク
    • 介護時の費用や施設入所費、家族への生活費の補てん

たとえば、世帯主が亡くなった場合、これまであった収入がなくなってしまうので、生活水準を下げるか、生活水準を維持するために貯蓄を切り崩さないといけなくなる。

そのため、配偶者や子どもに対して大きな負担がかかってしまうだろう。

また、教育資金や老後資金など、保険とは別に将来の資金が必要になるので、保険料が適正なのか考えておく必要があるだろう。

更新する方法

更新手続きをする方法は、保険会社によって異なる。

そのため、詳細は各保険会社に確認しておくと良い。

一般的には、更新の数ヵ月前に、更新のお知らせと更新の意思があるかを確認する書類が登録住所宛てに届く。

たとえば、大同生命の場合、満期の4ヵ月前に「契約更新のご案内」と「更新確認書」が届く。

更新手続きをする場合は、「更新」を選び提出すると同じ保障内容で契約が更新される。

もしくは「見直しを検討」を選ぶと、保障額を減額させて更新することができる。

そのため、世帯状況に合わせて対応すると良い。

保険料は一般的に高くなる。

日本生命の「ニッセイみらいのカタチ 定期保険」で、30歳の男性が1,000万円を10年更新で契約した場合、毎月の保険料は以下の通りになる。

  • 30歳:2,470円
  • 40歳:3,510円
  • 50歳:5,920円

注意したいのは「自動更新」の契約だ。自動更新の場合、契約内容の変更や更新を希望しない旨を伝えないと、そのままの保障内容で継続してしまう。

そのため、自動更新の場合は満了前に必ず見直しや更新の中断を保険会社に伝えるのを忘れないように注意する必要がある。

更新と保険の切り替えのどちらを選択すべきかの判断基準

更新手続きと、新たな保険商品への切り替えのどちらを選ぶべきかは、世帯状況や保険商品によっても異なる。

一般的に、新たな保険に切り替えるべき基準としては、以下の通りである。

  • 世帯状況が変わった
  • 40代から50代
  • 保障の良い商品で代用できる

まず、世帯状況が変わった場合は、必要な保障が変わっている場合がある。

そのため、保障を全面的に見直さないといけない可能性が高い。

保障が自分に合った他社の保険商品がないかも含めて、見直す必要がないか確認しておくと良いだろう。

また、年齢が40代や50代になると、更新時の保険料が一気に高くなる可能性がある。

そのため、保障を減らすか保険料が上がらない商品を探すか検討しておくと良い。

満期を迎えた生命保険の更新や切り替え時に注意すべき点

満期をむかえる保険を延長させるために更新手続きを行うと、保険料が高くなる。

とはいえ、新たな保険に切り替える必要があるかは、世帯状況や資産状況によって異なる。

生命保険を更新、または切り替えをする場合に、注意しておきたいポイントを解説する。

保障の減額や特約解約の必要がないか確認

更新をむかえるタイミングに差し掛かったら、何もせず放置しないように注意しよう。

そのまま自動的に更新してしまうと、保険料が上がってしまい、必要以上に保険料を支払ってしまう可能性がある。

たとえば、ネオファースト生命の「ネオdeからだエール」を、30歳の男性が契約した場合、その後の保険料は以下の通りになる。

契約例
  • 保障額:100万円
  • 更新条件:健康年齢が実年齢で推移した場合
年齢30歳40歳60歳70歳
保険料(月額)1,544円1,597円4,113円8,173円

30歳から40歳にかけては、保険料は53円上がっている。

しかし、40歳から60歳までの20年間で、保険料は2,516円上がっている。

保険料が急激に上がると、家計を圧迫しかねない。

そのため、保障額を減額するか、余分な特約が付加されていないか確認すると良いだろう。

新たな保険に加入できないか確認

新たに保険商品を変える場合も、注意すべきポイントがある。

一般的に、健康状態に関係なく更新手続きは問題なく実施できることが多いが、新たな商品に加入する場合は、健康状態の告知が改めて必要になる。

そのため、新たな保険に見直す場合には、健康状態に問題がないか確認してから見直すと良い。

また、積立金がある商品を契約している場合、積立金を活用して別の保険に加入し直す転換制度もある。

ただし、転換制度はこれまで積み立てられていた資金を、新たな保険料の原資にするため、注意が必要である。

転換契約をするかも含めて、保険の専門家に相談してから決めると良いだろう。

保険期間が空白にならないか確認

最後に、保障される期間に空白が生まれないか注意する必要がある。

一般的に、新たな保険に契約し直す場合は、保障が有効になるタイミングまで一定期間のタイムラグがある。

保障が有効になるまでの間に現契約の満期をむかえると、それ以降の保障がなくなる。

特に、がんに関する保障は90日間の免責があるので、空白期間が生まれやすい。

満期をむかえるまでに余裕をもって見直すと良いだろう。

生命保険の満期後に継続利用する場合は保険料と保障内容を確認しよう

本記事では、「満期を迎える生命保険を継続利用する方法」について解説を行った。

保険の契約期間が終了するタイミングが「満期」である。

満期の概念がある保険は、定期保険や養老保険があり、そのうち代表的な商品には「収入保障保険」がある。

満期後に保障を継続する場合は、更新手続きをする必要があり、保険商品によって手続き方法が異なる。

満期をむかえる際は、契約を更新するか保険を新たに加入し直すか、よく検討しておく必要があるだろう。

特に、更新後の保険料が高くならないかチェックして、不要な保障がないか、また保障期間に空白が生まれないかも同時に確認しておくと良いだろう。

生命保険を継続利用するかは、世帯状況や資産状況によっても異なる。

大切なことは、それぞれの状況に合わせて保険の必要性や最適なプランを判断することである。

そのため、少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することをおすすめする。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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