- 死亡保険の保険料をどれくらいに設定すべきか分からない
- 自分に適した死亡保険を選ぶポイントを理解したい
- 保険料が安いおすすめの死亡保険が知りたい
中部地区には「お値打ち」という言葉があり、これは品質がよく、価格も安い商品を表す言葉だ。
そこで今回は「お値打ちな生命保険」を選ぶ方法を解説する。
生命保険の場合は、保険の対象者のライフステージや家族構成によって、選ぶべき保険は変わってくる。
このため価格が安いだけで、自分に合っていない保険は、お値打ちとはいえない。
この記事では、保険料の考え方や自分に合った保険の選び方、さらにはおすすめの保険商品までを紹介する。
自分に最適な保険を探している人は、ぜひ参考にしてほしい。
死亡保険の保険料はどれくらいに設定すると安いのか
ここでは自分に最適な保険料について考えていく。
最初に保険料の支払額の世代別データを紹介するので、自分と同じ世代の人が、どの程度保険料を支払っているのかを確認しよう。
また保険には定期保険と終身保険の二種類あるが、それぞれの内容とサンプル価格から、いずれの保険が割安かを解説する。
最適な保険料は、金額だけではなく、保険の目的と合わせて考えなければならない。
そのために、保険の目的を踏まえて適切な保険を選べば、最適な保険料になるだろう。
どのくらいの保険料を払っているのか?
下記の表は、公益財団法人である生命保険文化センターが調査した、保険料の年間支払額の世代別データだ。
年齢 | 年間払込保険料の平均額 |
---|---|
全体平均 | 37.1万円 |
29歳以下 | 21.5万円 |
30~34歳 | 26.2万円 |
35~39歳 | 38.2万円 |
40~44歳 | 34.8万円 |
45~49歳 | 37.5万円 |
50~54歳 | 43.2万円 |
55~59歳 | 43.6万円 |
60~64歳 | 38.4万円 |
65~69歳 | 43.6万円 |
70~74歳 | 33.7万円 |
75~79歳 | 31.4万円 |
80~84歳 | 28.6万円 |
85~89歳 | 35.8万円 |
90歳以上 | 25.6万円 |
「生命保険文化センター調査報告」 P38「〈図表Ⅰ-52〉世帯年間払込保険料(全生保)(世帯主年齢別)」2021(令和3)年のデータより引用
上記データで「35〜39歳の層」から平均値を超えるのは、結婚・出産により家族が増え、教育費などを備え始める世代だからだ。
平均値を常に上回る「45歳〜69歳の期間」は、家族への万一の備えと、老後への備えを行っている期間だと思われる。
ライフステージに応じて保障内容が見直され、保険料が変わっていることが、上記のデータから推察できる。
あなたは、どの世代にあたるだろうか?
定期保険と終身保険の比較1:月々の保険料について
保険には、保険の加入時に定めた保険期間まで保障する定期保険、そして亡くなるまでの生涯を保障してくれる終身保険がある。
一般的には、定期保険の方が割安といわれているが、実際にはどうだろうか?
ここでは、オリックス生命の定期保険と終身保険で見積もった保険料を、見比べてみる。
- 見積対象者
- 生年月日:1984年2月1日生まれ
- 性別:男性
- 見積実施年月:2024年2月
- 対象保険商品と保障内容
- 定期保険
- 保険商品名:定期保険Bridge[ブリッジ](死亡保険)
- 死亡保険金額:1,000万円
- 支払方式:月払い
- 保障期間:20年
- 終身保険
- 保険商品名:終身保険RISE[ライズ]
- 死亡保険金額:1,000万円
- 支払方式:20年払済
- 定期保険
【見積結果:月額保険料】
- 定期保険:2,886円
- 終身保険:31,230円
上記の比較では、定期保険の方が保険料は非常に割安であり、終身保険の保険料の9%ほどの料金であることがわかった。
定期保険と終身保険の比較2:保障内容について
定期保険の方が、月々の保険料は圧倒的に割安だ。
しかし定期保険は20年を過ぎると保障はなくなってしまうが、終身保険は20年間の支払いが終わっても、保障は生涯継続する。
終身保険では、保険料の支払総額が20年間で7,495,200円になるが、それ以上の保険料を支払う必要はないということだ。
つまり7,495,200円しか払っていないが、終身保険では、一生涯1,000万円の死亡保障をしてくれることになる。
この保障内容については、20年後には保障をしなくなる定期保険と比べて、終身保険の方がおトク感を感じないだろうか。
適切な保険料とするために適切な保険を選ぶ
以上のことから定期保険と終身保険の保険料は、ミクロでみるか、マクロでみるかによって評価が変わる。
ミクロつまり毎月の保険料で見れば定期保険の方が割安だが、マクロつまり長期的な視点で見れば終身保険の方がおトク感はある。
このため定期保険と終身保険の保険料を、月々の金額だけで、比較することはできない。
下記のようにライフステージに応じて、適切な保険を選べば、その人にとって最適な保険料が設定できるだろう。
- 小さな子どもがいる場合(子どもが独立するまでの保障を考えている人)
- 子どもが独立するまでは、保険金が1,000万円では不十分なため増額したい
- そもそも定期保険の保険料は、終身保険と比べて少額
- 定期保険は保険金額を増額しても、保険料が少額であるため、家計への負担は小さい
→定期保険を選択(保障は子どもが独立するまででよい)
- 子どもが独立するまでは、保険金が1,000万円では不十分なため増額したい
- 子どもが独立している場合(自分が亡くなるまでの保障を考えている人)
- 子どもは独立した後なので、保険料は減らしたいが、生涯の保障は得たい
- 保険金は葬式代程度でよい
- 保険料の負担を下げるため、保険金額を下げてもよいが、保障は一生涯必要
→終身保険を選択
- 子どもは独立した後なので、保険料は減らしたいが、生涯の保障は得たい
保険料が安いおすすめの死亡保険を紹介
ここでは死亡保険金が得られる生命保険のなかで、おすすめの保険商品を三つ紹介する。
紹介する保険商品は、調査会社オリコンの生命保険ランキング(2024年2月時点)の「保険料満足度ランキング結果」を引用する。
ランキング結果は以下の通りだが、このなかでFWD生命は定期保険・終身保険ともに発売していないので、この紹介では除外する。
【オリコン生命保険ランキング:保険料満足度ランキング結果(2024年2月時点)】
第1位:FWD生命(除外)
第1位:ライフネット生命
第3位:アフラック生命
第4位:ソニー生命
ライフネット生命“かぞくへの保険”
ライフネット生命は、独立系のネット型生命保険会社だ。
独立系企業ではあるが、KDDIグループと三井住友フィナンシャルグループの資本提携を受けており、財務面も安定している。
ここでは、ライフネット生命の定期保険“かぞくへの保険”を紹介する。
保険料の見積もりから申し込みまでネットで完結できるので、24時間いつでも手続きができる。
一方でこの会社には営業担当者がいないので、相談しながら内容を決めたいと考えている人には、向いていないかもしれない。
アフラック生命“死亡保険 Lightフィットプラン”
がん保険で有名なアフラック生命は、日本では1974年に営業を開始した、外資系保険企業のなかでは草分け的存在だ。
がん保険以外にも、さまざまな保険商品を販売しており、ここでは定期保険“死亡保険 Lightフィットプラン”を紹介する。
この保険では、「災害死亡割増特約」が付帯しており、不慮の事故で亡くなった場合には、契約した死亡保険金額の倍額が受け取れる。
さらに「ノンスモーカー割引特約」も付帯しており、タバコを吸わない人は保険料が割安になる。
だが保障対応年齢は80歳までのため、老後の備えとして考えている人には向いていない保険といえる。
ソニー生命“平準定期保険”
ソニー生命は対面型保険会社であり、その保険商品はライフプランナーと呼ばれる営業担当者を通じて販売される。
このライフプランナーは、提案力とアフターサポートへの評価も高い。
J.D.パワーが実施した「2021年生命保険契約満足度調査」では第1位を受賞した。
※J.D.パワー:米国ミシガン州に本社を置く、世界的な市場調査会社。
今回紹介しているオリコンランキングの「アフターフォロー満足度ランキング結果」では、第1位になっている。
ソニー生命の定期保険“平準定期保険”では、下記のさまざまな特約が付けられる。
ライフプランナーと相談しながら、自分に合った保障内容に、保険をカスタマイズできる。
- 家族収入特約
- 逓減定期保険
- 災害死亡給付特約
- 傷害特約
- がん特約
- リビング・ニーズ特約
- 5年後と利益配当付年金支払特約
安いと感じる自分に最適な死亡保険を選ぶには
ここでは、自分に最適な生命保険を選ぶポイントを解説する。
保険を選ぶ場合には、保険料は重要なポイントの一つだが、それだけで保険商品を選ぶと後悔するだろう。
保険商品の内容と保険料を総合的に判断し、自分が求めている保障内容やライフステージにあう保険を選ぶべきだ。
公的な遺族年金などの社会保障制度を組み合わせることも検討しながら、よりよい保障内容を考えていこう。
保障内容と保険料のバランスを考える
保障範囲を広げて保険金額を多く設定すれば、安心感は高まるが、保険料も高額になる。
保険料が高額になると、家計への負担も大きくなるため、保険を継続することが困難になる場合がある。
このため保障内容と保険料のバランスを考える必要があるだろう。
このとき保険で、すべてまかなおうとせず、下記のような公的な遺族年金や勤め先の福利厚生も利用しよう。
これらの制度を用いて死亡保険金額を減らせれば、保険料も下がるので、余裕があれば必要な特約も付けられる。
特徴 | 注意点 | |
---|---|---|
遺族基礎年金※1 | 国民年金の加入者が亡くなった場合に、子どものいる配偶者、または子どもが受け取れる 公的年金子どもが18歳になるまで支給される(障害年金の障害等級1級または2級の子どもの場合は20歳未満) | 支給対象は、未成年の子どもがいる家庭のみ |
遺族厚生年金※2 | 厚生年金の加入者が亡くなった場合に、配偶者や子どもが受け取れる 公的年金子どもがいなくても配偶者は支給対象になる | 個人事業主など厚生年金保険に加入していない人が亡くなった場合には、支給されない |
死亡退職金 | 従業員が死亡により退職した場合に、勤め先から遺族に支払われる退職金 | 死亡退職金は企業の福利厚生の一環であって、企業の義務ではないため、死亡退職金がない企業も多い |
※2:出典 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
保険料が安くなる定期保険や終身保険も考える
先にも述べたが、保険期間が短ければ定期保険、終身保障を考えるのであれば終身保険がよいだろう。
それぞれの保険には、保険料が安いタイプの保険もある。
定期保険を選ぶ人は逓減定期保険(ていげんていきほけん)、終身保険は低解約返戻金型終身保険も検討してみよう。
以下がそれぞれの特徴となる。
逓減定期保険の概要
概要 | 注意点 |
---|---|
一般的な定期保険と比べて、保険料が割安子どもの成長に応じて減っていく 生活費や教育費への備えと同様に、保険料も減っていく | 一般的な定期保険と同じく、掛け捨て型保険であるため、途中で解約しても保険料の払戻金がない |
低解約返戻金型終身保険の概要
概要 | 注意点 |
---|---|
一般的な終身保険と比べて、保険料は割安 | 途中で解約しても保険料の払戻金はあるが、保険の払込期間中は、一般的な終身保険と比べて少ない |
それぞれの保険を検討する際には、各保険の注意点に気をつけよう。
複数の保険会社を比較する
保険商品を選ぶときには、複数の保険会社から資料や見積を手に入れよう。
保険会社には、ネット型保険会社と対面型保険会社の二種類があり、保険料はネット型保険会社の方が割安だ。
これはネット型保険会社には実店舗や営業担当者がなく、店舗経費や人件費が、保険料に含まれていないからだ。
しかし、営業担当者と相談しながら保険の内容を決めたい人は、対面型生命保険会社の方がよいだろう。
また保険会社や保険商品によっては、健康優良体割引で保険料が安くなる場合もあるので、保険選びの際には確認しておこう。
※健康優良体割引:健康診断を提出し、肥満度や血圧値などが保険会社の基準を満たしていれば、保険料が割引される。またタバコを吸っていない人にも適用される場合があるが、このときはニコチン検査を行う必要がある。この割引を利用する場合には、保険に加入する際に申し込めばよい。
保険料の安さだけで決めてはいけない死亡保険!保険料と保障のバランスも大事
この記事では、保険料がお値打ちな生命保険の選び方を解説した。
保険を探す際には、保険料の安さだけで判断するのではなく、保障内容と保険料のバランスを考えて選ぶべきだ。
定期保険と終身保険の選択は、自分のライフステージや保険の目的を踏まえ、保険期間を考えたうえで決めよう。
しかし保険選びには、保険商品の知識が豊富な「保険のプロ」に相談することをおすすめする。
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