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【2978】株式会社ツクルバ代表取締役CEO  村上浩輝氏 「成長期待の高い中古・リノベーション住宅市場でシェアを伸ばす」

※本コラムは2022年10月26日に実施したIRインタビューをもとにしております

子供の頃から起業を決意し、2011年に創業した会社を着実に成長させている、株式会社ツクルバ代表取締役CEOの村上浩輝氏。cowcamo事業と不動産企画デザイン事業で住宅・不動産領域のデザイン×テクノロジー企業を目指しています。

目次

株式会社ツクルバを一言で言うと

住宅・不動産領域のデザイン×テクノロジー企業であると自負しています。創業時から「アップルやソニーのように偉大な会社をつくる」という志のもと、「他の誰かに任せるのではない。社会や未来は自分たちの手でつくるんだ」という想いをもって創業した会社です。

創業の経緯

起業したいと思ったのは、実は小学生だった頃です。ウインドウズ95が発売された時、ソフトバンクの孫正義さんと、マイクロソフトのビル・ゲイツさんがニュースによく取り上げられていました。

それを見ていて、子供心に何か凄いことが起きているんだと感じたのでしょうね。「世界は神様がつくったものではなくて、誰かの力によってつくられているんだ」ということに気付いた瞬間でもあります。その時、自分もそうした「創造する側の人間でいたい」という気持ちを持つようになり、いつか起業しようと思うようになったのです。

実は、学生の時に一度、起業しました。プロダンサーの舞台に学生が出られるようにするための事業だったのですが、結構評判になり、ナイキさんから声をかけてもらって、マーケティングのお手伝いなどもさせてもらえるようになりました。

そういう学生でしたから、「何が何でも・・・・・・」というような、気を張って起業を目指すのではなく、自分で事業を興すのが当たり前という感じでした。

ただ、もう少し会社組織などについて勉強したいという気持ちもあったので、コスモスイニシアに就職しました。面接の時、「将来は起業するつもりですが、3年間は馬車馬のように働きますから雇って下さい」と言うような、変わった学生だったと思います。

こうして内定をいただいたのですが、入社直前にリーマンショックが起こり、その煽りを受けて事業再生ADR手続きを申請するところまで追い込まれました。実質的な倒産です。

結果、700人いた社員を350人までリストラすることが決定され、1年目の新卒社員は全員解雇となりました。それでITを活用した会社に行こうと考えて株式会社ネクスト、今のLIFULLに転職しました。ここではマーケティング関連の仕事をさせてもらい、HOME’Sの会員向けにSaaSのサービス提供などを行っていたのですが、2011年に3.11、東日本大震災が起こりました。それを機に、共同創業者である中村真広とともに創業したのです。

東日本大震災では、私の身内も被災しました。その時、自分自身もいつ死に直面するか分からないな、という気持ちが沸き上がってきて、とにかく今できることに全力を尽くそうと考えて、起業の道を選んだのです。もともと起業するつもりではいましたが、3.11は私の背中を強く押した出来事として、印象に残っています。

ツクルバの祖業は空間プロデュース事業です。メルカリやアカツキのオフィスデザインを手掛けたり、コワーキングスペースである「co-ba」の運営をしたりしていました。業績は黒字経営でしたし、業界のプレゼンスも上がってきたのですが、正直、この仕事だけでは世の中を変えるようなことはできないという気持ちもあって、2015年に資金調達を行い、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォームである「cowcamo(カウカモ)」という事業を立ち上げました。

もともとコスモスイニシアという不動産会社からキャリアをスタートさせた後、ネクストで不動産IT関連のサービスを手掛けていましたから、不動産テクノロジー領域で事業を展開させるのは、自然の流れだったともいえますね。

よく上場前に組織崩壊したとか、役員が全員辞めたといった類の話を聞きますが、今のところツクルバに関しては、そこまで危機的な事態には直面していません。

ただ、上場して早々に新型コロナウイルスの感染拡大があって、業績が瞬間、大きく落ち込むことがありました。現在はV字回復をしていますが、その間、組織が急拡大したこともあり、マネジメントがうまく追いつけずに苦労したところはありました。

事業内容について

「『場の発明』を通じて欲しい未来をつくる」というのが私たちのミッションです。主な事業領域は2つあります。「cowcamo(カウカモ)事業」と、「不動産企画デザイン事業」です。

株式会社ツクルバ 2022年7月期通期 決算説明会資料 より引用

cowcamo事業では、ITを活用した中古・リノベーション住宅の流通プラットフォームの運営を行っています。cowcamoでは、物件情報の掲載・提供を行うメディアサービスから、リノベーションされた住宅や中古住宅の不動産仲介を行うエージェントサービス、さらには購入ユーザー向けにリノベーションのプランニング、リノベーション住宅のデザインや企画プロデュース、インテリアコーディネートも含めて、住まいに関する様々なサービスを提供しています。

従来だと、物件を探すために物件情報が掲載されているサイトを見て、ある程度あたりをつけたら不動産屋さんに連絡をして物件を下見させてもらい、購入を決めてリノベーションをしたい時には、またその専門業者に依頼するというように、それぞれ業者がバラバラで、ユーザーにとってはそれが非常に煩わしい面があったので、私たちはそれらをすべて一気通貫で提供できるようにしています。

株式会社ツクルバ 2022年7月期通期 決算説明会資料 より引用

さらに2022年2月からは「売却検討者が住まい情報を手軽に投稿して、購入検討者からのリアクションを得ることのできる「ウルカモ」という売買意向のマッチングプラットフォームサービスを、cowcamo事業の一環としてスタートさせました。

2つめの事業は、祖業でもある空間プロデュース業やシェアードワークプレイス運営を行う不動産企画デザイン事業です。国内で早くからコミュニティを重視したシェアードワークプレイス事業を行ってきたノウハウやアセットを活用して、不動産領域における新しい価値の創出を行っています。

中長期の成長イメージとそのための施策

高い成長率を維持していきたいと考えています。売上総利益30%以上の成長率は実現可能だと考えていますし、40%の成長率を維持できれば、3年で会社の規模が3倍くらいになります。そのくらいのスピード感を持って事業を進めていきたいと考えています。

株式会社ツクルバ 2022年7月期通期 決算説明会資料 より引用

中古・リノベーション住宅市場は長期的には、全国で20兆円規模に拡大していくという政府目標があります。現時点でも、東京都内の、築20年以上が経過した40㎡超マンションで、購入前後リフォームを実施しているカウカモが強みを持つ物件だけで、1.5兆円の規模があります。そして、そこでの私たちのシェアは、まだ2%程度に過ぎません。

したがって、今のビジネスをしっかり拡大させていけば、売上高100億円もそれほど遠くないうちに十分達成できると考えています。東京都でのシェア拡大が難しくなったら、次は首都圏、さらにその次は全国へと展開することも考えれられます。

株式会社ツクルバ 2022年7月期通期 決算説明会資料 より引用

中古・リノベーション住宅市場のポテンシャルは、かなり期待できると思います。そもそも築25年以上が経過している築古物件の比率というのは、2015年時点では32%だったのですが、時間の経過と共に、これが50%くらいまで上がってきます。また、築15年以上を見れば、全体の75%が該当してきます。

これからは築古の物件が当たり前になってきますし、そのなかでリノベーション物件もどんどん増えていくでしょう。その意味では、マーケットの拡大余地はまだまだ大きいと考えられます。

それに加えて、中古物件は新築物件に比べてマクロ経済の変化の影響を受けにくいという側面があります。実際、リーマンショックの時や東日本大震災の時でも、中古物件の取引件数は新築物件のように大きな影響を受けませんでした。それだけ需要が底堅いということです。それらの特性から考えても、中長期的な市場規模の拡大は十分に期待できます。

株式会社ツクルバ 2022年7月期通期 決算説明会資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

株式市場には美人投票的な要素があるので、会社の良さに気付いていただく必要があります。まずはそこから丁寧に、一人でも多くの投資家の方々に、中古・リノベーション住宅市場の魅力、そこにコミットしている私たちツクルバの成長ポテンシャルをお伝えしていきたいと思います。

株式会社ツクルバ

本社所在地:東京都目黒区上目黒1-1-5 第二育良ビル 2F

設立:2011年8月

資本金:14,314千円(2022年7月末時点)

上場市場:東証グロース(2019年7月31日上場)

証券コード:2978

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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