- 40代でFIREを達成するための必要資金額が知りたい
- 独身の場合と夫婦2人の場合で必要資金額が異なることについて知りたい
- FIREを達成するために退職金や資金調達方法について知りたい
運用益などで生活資金を確保して早期退職する「FIRE」を目指すものは多い。昨今の早期リタイアブームで、仕事中心の生活から自分の趣味や家族の時間を優先的に確保したいと考える方も少なくはないのではないだろうか。
そこで今回は40代のFIREで必要な金額について、わかりやすく解説していく。自分の生活スタイルに適したシミュレーションを選んで可能かどうか判断していただきたい。
よくある質問などもまとめているので、40代でFIREを検討している方向けの内容となっている。
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FIREについて
FIREとはFinancial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、日本語に訳すと「経済的自立と早期リタイア」という意味だ。つまり、現在勤めている企業の定年退職を待たずにリタイアし、その状態でも生活費が破綻しないように暮らすライフスタイルのことを指している。
このFIREは大きく、完全なFIREとサイドFIREの大きく2種類に分けられる。完全なFIREとは、労働収入がなく配当や貯金のみで暮らしている状態を指す。配当生活で悠々自適な暮らしのイメージはこちらの完全なFIRE状態に近い。
サイドFIREは労働収入と配当や家賃収入などを組み合わせて生活していく状態を指す。完全に仕事を辞めずに、自分の負担にならない仕事をアルバイトやパートタイマーとして働く状態をイメージしてもらえればわかりやすい。
完全なFIREの場合は自分の時間がしっかりと確保でき、優先的に好きなことをして暮らせる。しかし時間を持て余すことになり、社会とも断絶されやすくなるので孤独感を感じやすいというデメリットがある。
一方、サイドFIREの場合は労働時間を割かなければならないというデメリットはあるが、労働収入という安定的な給料の確保と社会との交流機会を増やせるというメリットを持っている。
自分がどちらのFIREをの状態を実現したいのか、によって必要金額や目指す方向性が変わってくるためまずは自分の希望を確認しておこう。
40代でのFIREはいくらあれば可能?
1ヶ月あたりの支出を独身の場合は月15万円、夫婦の場合は月30万円と仮定し、FIRE開始年齢は45歳としてFIREとサイドFIREに分けてシミュレーションした。
FIRE
配当収入のみで暮らす完全なFIREを達成するために必要な資金をシミュレーションしていく。
独身の場合
独身の場合は月15万円 × 12ヶ月 × 45年= 8,100万円が生活費として必要となる。
将来受け取れる年金額に関して、厚生年金保険料を20歳から44歳まで納め、45歳から60歳までは国民年金保険料を納めたとする。その場合、将来もらえる金額は以下の簡略化した計算式で求められる。
将来もらえる金額の計算式
- 平均年収 ÷ 1,000 × 5.5 × 加入年数(厚生年金)
- 78万円 × 加入年数 ÷ 40年(国民年金)
つまり平均年収が500万円の方であれば、年146万7,500円(月12万2,000円)が貰える金額となる。
- 500万円 ÷ 1,000 × 5.5 × 25年 = 68万7,500円
- 78万円 × 40年 ÷ 40年 = 78万円
これを65歳から90歳まで25年間受け取った場合、生涯受け取る額は約3,700万円だ。つまりFIREする場合の必要資金は、4,400万円(生活費8,100万円 − 年金3,700万)となる。
また年金に頼らず運用のみで月15万円を得る場合、税金を加味して利回り年5%で4,400万円を運用すれば良い。このケースならかなり余裕を持ってFIREできるといえる。つまり独身でFIREをするためには、以下のどちらかで達成可能だ。
- 最低限:4,400万円を用意
- 余裕あり:4,400万円を利回り5%で運用
夫婦2人の場合
夫婦2人の場合は月30万円 × 12ヶ月 × 45年 = 1億6,200万円が必要だ。先程の年金の計算方法に基づいて、夫は厚生年金、妻は就職せずずっと専業主婦であったとして計算する。
- 旦那の年金額は前述した金額 + 妻の年金は78万円(78万円 × 40年 ÷ 40年)
合計額は146万7,500円 + 78万円 = 224万7,500円で、2人で月18万7,000円もらえる計算だ。これを65歳から90歳までもらった場合、合計で5,600万円の年金が受け取れる。不足金額は1億6,200万円 − 5,600万円 = 1億600万円とわかる。
もし年金に頼らず月30万円(年360万円)の運用益を得たければ、9,000万円を利回り年5%で運用すれば良い。つまり夫婦でのFIREは、以下のどちらかで達成可能だ。
- 最低限:1億600万円を用意した状態でFIRE
- 余裕あり:9,000万円を利回り5%で運用
サイドFIRE
次にサイドFIREのケースについて紹介していく。
独身の場合
独身の場合の生活費は8,100万円で、年金額は約3,700万円となる。退職後に45歳から65歳まで、アルバイトを20年間続けた場合に得られる金額は以下の通りだ。
月収 | 3万円 | 5万円 | 7万円 | 12万円 |
---|---|---|---|---|
20年で得られる金額 | 720万円 | 1,200万円 | 1,680万円 | 2,880万円 |
収入と年金額を生活費から引くと、サイドFIREの必要額は以下の通りとなる。
月収 | 3万円 | 5万円 | 7万円 | 12万円 |
---|---|---|---|---|
必要額 | 3,680万円 | 3,200万円 | 2,720万円 | 1,520万円 |
大体2,000万円から3,000万円が必要とわかる。もしくは、年金に頼らず年5%運用を行いつつ毎月アルバイトで収入を得る場合、必要な元手は以下の表のようになる。
月収 | 3万円 | 5万円 | 7万円 | 12万円 |
---|---|---|---|---|
必要額 | 3,600万円 | 3,000万円 | 2,400万円 | 900万円 |
つまりサイドFIREを独身でする場合は、以下で達成可能だ。
- 最低限:2,000万円から3,000万円を貯める
- 余裕あり:上記の額を年5%で運用する
夫婦の場合
夫婦の場合の生活費は月30万円 × 12ヶ月 × 45年 = 1億6,200万円必要となる。年金も前述したように合計で5,600万円程度受け取れる。そして月収別に45歳から65歳まで2人で働く場合は、以下の金額が必要だ。
1人あたりの月収 | 3万円 | 5万円 | 7万円 | 12万円 |
必要額 | 9,160万円 | 8,200万円 | 7,240万円 | 4,840万円 |
もしくは、年金に頼らず年5%運用を行いつつ毎月アルバイトで収入を得る場合、必要な元手は以下の表のようになる。
月収 | 3万円 | 5万円 | 7万円 | 12万円 |
必要額 | 9,000万円 | 7,500万円 | 6,900万円 | 5,400万円 |
つまりサイドFIREを夫婦で行う場合は、どちらかで達成可能だ。
- 最低限:5,000万円から9,000万円を貯める
- 余裕あり:上記の額を年5%で運用する
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40代でFIREする際のよくある質問
退職金はいくらになる?
40代でFIREする場合、ほとんどのケースでは自己都合の退職で、大幅に減額されることになる。東京都産業労働局が発表しているデータによれば、中小企業の自己都合退職の場合は以下の通りだ。
学歴 | 勤続20年間 | 勤続25年間 |
---|---|---|
高校卒 | 278万円 | 407万円 |
高専・短大卒 | 297万円 | 438万円 |
大学卒 | 353万円 | 524万円 |
おおよそ400万円程度と想定しておけば良いだろう。定年はどの学歴でも1,000万円程度の退職金が支給されるので自己都合退職となると、かなりカットされてしまう。
退職金に頼らず、資産を築いておく必要があることを念頭に置いておこう。
おすすめの資金調達方法は?
FIREの場合、ある程度の貯蓄が必要だ。その際に資産を集める方法として投資が有効である。
つみたてNISAやiDeCoなど運用益を非課税にしてもらえる制度を活用しつつ、リスクはリターンと表裏一体なので2%など利回りの低めな商品から始めてみてはいかがだろうか。
40代でのFIREは専門家へ相談を
今回シミュレーションしてきたケースで退職金を加味すれば、もう少し必要金額を下げることが可能だ。ただ40代であるとまだまだ子育てや住宅ローン支払い、子供の結婚などさまざまなライフイベントが発生する。
特に子供が成人していない家庭では、臨時的な支出が必要になるケースも多いだろう。そのためなるべく多めに資産を確保し、資金ショートしないように計画立ててFIREを目指さなければならない。
シミュレーション時には、正確な必要資金の算出が求められるが、自分で具体的に算出するのが難しい場合もあるだろう。そんな時には「退職金ナビ」を活用して、資産運用アドバイザーに相談をしてはいかがだろうか。プロの視点から資産運用の疑問を解決し、納得した上で資産運用を行おう。
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