- FIREして老後に資金が足りるかどうか分からない
- FIREのためにいくら準備すればいいのか知りたい
- 老後に困らないために投資のポイントを押さえたい
日本では経済的自立と早期退職を意味する「FIRE」を目指すものが多い。
現在の仕事を定年退職まで続けず、早めに辞められるFIREだが、実は4パターンのFIRE方法が存在している。
自分の理想のライフスタイルとアルバイトなどでの労働収入の有無によって目指すべきFIREの種類は異なる。
そこで今回は、4種類のFIREについて必要な資金額を紹介している。
さらにFIREで失敗する人の注意点なども紹介しているので「老後まで待てない」「早くFIREしたい」という方は、ぜひ自分に適切なFIREの種類を選んでいただきたい。
そもそもFIREには4種類ある
そもそもFIREには、以下の4種類のパターンが存在する。
- 超富裕層向けFat FIRE(ファットFIRE)
- 労働せずに暮らすLean FIRE(リーンFIRE)
- アルバイトを続けるBarista FIRE(バリスタFIRE)&Side FIRE(サイドFIRE)
- FIREまでゆったり生活費を稼ぐCoast FIRE(コーストFIRE)
労働の有無で前者2つと、後者2つに大きく分けることができる。
FIREに必要な資金額4パターン
FIRE達成に必要な金額は目指すライフスタイルによって変わる。
それぞれ紹介していくので、自分の理想像や現状と照らし合わせながらご覧いただきたい。
ここでは運用益にかかる税金額は一律20%と設定している。
Fat FIRE(ファットFIRE)
労働をせず完全に運用益だけで過ごし、趣味などに潤沢な資金を使っても生活が破綻しない「かなり裕福な状態」の暮らしを指す。
このFIREが実現できるのは、資産家やかなり高額な遺産を相続した者、事業家などが挙げられる。
かなりゆとりを持って資金を浪費したとしても問題ないような豪華な生活を目指したい方はFat FIREを目標としよう。
生活費を毎月80万円とすると、年間960万円が必要とわかる。
3億円を年4%で運用する場合、税引前の利益1,200万円から税金240万円を引けば960万円が得られる。
つまりFat FIREに必要な金額は、3億円が必要となる。
Lean FIRE(リーンFIRE)
労働は行わないものの、最低限の生活費を全て運用益でカバーする状態を指す。
Fat FIREに比べて慎ましい暮らしではあるが、労働収入がないためかなり自由な時間を作れて、好きなように過ごせるという特徴がある。
運用益を4%として毎月の生活費を30万円と仮定する。
その場合の年間生活費は360万円必要となり、この生活費をまかなうためには1億2,000万円が必要となる。
4%運用で、税引前480万円から税金96万円を引くと384万円が得られる計算だ。
つまりLean FIRE達成のためには、1億2,000万円が必要となる。
Barista FIRE(バリスタFIRE)・Side FIRE(サイドFIRE)
アルバイトやパートタイムで労働収入を得つつ、運用益も入ってくる状態を指す。
労働収入と運用益の2種類の収入が得られるので、達成条件は緩くなる。
Barista FIREとSide FIREの違いは、前者の方が運用益重視であることだ。
Barista FIREの名前の由来はスタバスターバックスコーヒーのバリスタに由来する。
退職後スターバックスのバリスタとしてアルバイトやパートタイムで働き、配当収入も得て暮らす人のことを呼び、その名前が浸透していったのだ。
毎月の生活費を30万円(運用7:労働3)と仮定すれば、月9万円のアルバイトと月21万円(年252万円)の配当収入を得るような生活となる。
運用益を4%として8,000万円で運用すれば、税引前利益320万円から税金64万円引いて256万円の運用益が得られる。
Side FIREで毎月の生活費30万円(運用5:労働5)と仮定すれば、月15万円のアルバイトと月15万円(年180万円)の配当収入を得るような生活となる。
運用益を4%として6,500万円で運用すれば、税引前利益260万円から税金52万円引いて208万円の運用益が得られる。
つまりBarista FIREは8,000万円、Side FIREの場合は6,500万円が必要となる計算だ。
Coast FIRE(コーストFIRE)
労働収入を得る点ではSide FIREなどと同じだが、FIREまでは全て労働収入で生活費を賄うという前提でFIREを狙うようなものとなる。
FIRE達成水準まで運用し続け、その間の生活費は労働収入でカバーする。
そのためアルバイト以外に社員も視野に入れる必要が出てくるのだ。
運用して資金をコツコツと増やすことが目的になるので、最初からまとまった資金が用意できていなくても良い。
一方、他のFIREよりも達成時間が必要なことには注意しておこう。
年金や退職金などでCoast FIREの達成水準まで到達する方もいるので、達成ハードルでいえば最も低いといえる。
毎月の生活費を30万円と仮定すれば、Coast FIRE時点で毎月30万円、年間360万円の運用益を得られる状態を実現する必要がある。
そのために、資金4,000万円を4%運用をすれば30年後には1億2,000万円まで貯められる。
そこから4%運用していけば得られる利益は480万円で、税金96万円を引いて最終的には384万円を得られる状態に持っていける。
つまりCoast FIREを実現するためには、4,000万円を用意して30年間運用する必要がある。
FIREで老後に失敗する人の共通点
これまで4種類のFIREについて紹介してきたが、どのFIREを目指すにしても失敗する人の共通点が存在する。
あらかじめ確認しておいて、FIREの達成確率を上げていただきたい。
元本を減らす
投資した元本を切り崩すのは失敗の要因となりうる。
FIRE時点で労働収入を減らすことになるので、得られる運用益は生きていく上でかなり重要だ。
資産運用を行う際のリターンは、利回りが一定の場合元本に応じて変動する。
つまり、元本を減らすということは「運用益を減らす = 生活費を少なくする」という行動をとっていることになる。
運用益でカバーできなくなれば、生活水準を下げ、アルバイトを行い、アルバイトでも不足すれば正社員として再就職も行わければならない。
想定していた資金計画が狂ってしまうため、元本は減らさないという意識を持ちつつ運用を行っていくことをおすすめする。
ただ、パフォーマンスが悪いのに元本を入れたままであると結果的に損をするケースもあるので注意していただきたい。
つまり、資産運用の適切なリスク管理ができている状態で想定以上の元本を減らすような行動は慎むようにすべきということだ。
シミュレーション不足
FIREで最も失敗しやすいポイントは将来のシミュレーション不足だ。
自分の生活資金や臨時出費なども視野に入れておかないと生活資金が枯渇する。
住民税や健康保険料、国民年金保険料などの必要経費を考慮しつつ、自分の年金額・退職金額も逆算しておかなければならない。
シミュレーション不足はFIRE失敗を引き起こすといっても過言ではない。
もしご自身でのシミュレーションに自信がない方はプロの手を借りつつ、なるべく現実的で自分に合った計画を立ててもらおう。
急落時を見据えていない
FIREで失敗する人は、ポートフォリオを組む際に最悪のケースを想定していないことがほとんどだ。
長期間運用をする場合、どこかで1回は急落するタイミングが来ると考えておいた方が良い。
そのため、以下を事前に確認した上で運用先を決めるようにしよう。
- FIRE後の運用パフォーマンスが悪くなったらどのように対処するか
- ポートフォリオはそもそも逆に下落時に耐えきれるものか
「運用益 = 生活費」なので、成績が悪化するとFIRE状態は破綻する。
必ず好調な時ではなく下落など特に最悪のケースを想定して、計画を立てるようにしよう。
FIREして老後に困らないために
FIREをして老後生活で困るような事態を防ぐためには以下の3点を押さえておくことが大切だ。
- 老後の収支を管理する
- 適切な運用戦略で投資を行う
- リスク管理を徹底する
各ポイントについて解説していく。
老後の収支を管理する
繰り返しとなるが、FIREをしてからは「運用益=生活費」となる。
老後の収支を明確にした上で、どれだけの資金があればFIREできるのかというシミュレーションを実践しておこう。
まず、老後に想定される収入としては公的年金や退職金、企業年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)などが挙げられる。
一方、支出には生活費や医療費、住宅ローン、税金、社会保険料などがある。
これらの収支を踏まえ、必要な資金を準備していく計画を立てることが重要だ。
現実的なシミュレーションを行い、老後の収支を管理した上でFIREに向けた準備を進めていこう。
適切な運用戦略で投資を行う
FIREの達成を目指す際、適切な運用戦略を立てて効果的な投資を行うことが重要となる。
前述した4種類のFIREに適した運用戦略を検討しておこう。
例えば、生活費のすべてを運用益でカバーするFat FIREやLean FIREにはまとまった資産が必要となる。
ある程度リスクを取って個別株投資を行ったり、資金を借り入れて不動産投資を行ったりと、大きなリターンが見込める運用戦略を実践する必要がある。
一方、Side FIREやCoast FIREは運用益で生活費のすべてをカバーする必要がない分、必要資金はやや少ない。
過剰なリスクを避け、投資信託などを活用した運用戦略を取っていくことが推奨される。
もちろん個々の資産状況や年齢、リスク許容度によって取るべき戦略は異なる。
目標としているFIREの内容と自身の状況を総合的に考慮し、適切な運用戦略を立てていこう。
外部の専門家に相談して運用戦略を立ててもらうことも視野に入れておくと良い。
リスク管理を徹底する
FIREの際には投資が不可欠となるが、投資にはリスクが伴う。
リスクが大きくなるほどリターンの不確実性が大きくなり、計画的なFIRE達成が難しくなるため、リスク管理の徹底が重要なポイントだ。
投資におけるリスク管理のポイントとして「長期・積立・分散」の投資を実践することが挙げられる。
いずれもリスクを軽減しながら安定的なリターンを目指すためのポイントである。
長期投資を行うと、リターンのブレが平均化されて安定した収益を狙える。
積立投資では購入単価が平均化され、高値掴みのリスクを回避可能だ。
そして、投資先を分散させておくことで万が一投資先のひとつが暴落しても資産全体で受けるダメージは小さく抑え込める。
仮にほかの投資先でリターンが生じていれば、損失と相殺することも可能だ。
投資の不確実性を軽減し、安定的なリターンを狙うためにも「長期・積立・分散」による投資の実践を心掛けよう。
FIREして老後資金に困らないためには誰に相談するべきか?
FIREの達成を目指すのであれば、投資助言を行う専門家への相談をおすすめする。
なかでも「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」が相談先として最適だ。
ここでは、資産運用を専門家に相談すべき理由やIFAを利用するメリット、IFA検索サービス「資産運用ナビ」について解説していく。
資産運用を専門家に相談すべき理由
FIRE達成に向けた資産運用を専門家に相談すべき理由として「もっとも効果的な運用手法を選択できる」という点が挙げられる。
効率良く資産準備を行えるため、FIRE達成の可能性を高めるためにも専門家への相談は欠かせないと言えるだろう。
前述の通り、FIRE達成のためには適切な運用手法の選択やリスク管理が重要となる。
しかし、自身の資産状況や年齢、リスク許容度に合った運用手法を選択することは難しく、継続的なリスク管理も容易ではない。
専門家に相談を行えば、目指すFIREの種類や資産状況に応じて適切な投資計画を策定してもらうことができる。
リスク管理の助言も受けられるため、持続的に安定したリターンを狙っていくことが可能だ。
最適な運用戦略で効率良く資産を準備するためにも、FIREを検討している方は投資助言を行う専門家に相談してみよう。
IFAをおすすめする理由
投資助言を行う専門家のなかでIFAを推奨する理由は以下の2点だ。
- 中立な目線による投資助言を得られる
- 中長期的なサポートを受けられる
IFAは金融機関から独立した経営を行い、中立な立場で顧客の資産運用をサポートする専門家である。
既存の金融機関のように手数料が高い商品やリスク水準が合わない商品を提案される心配がなく、本当に自分に合った商品を提案してもらえることがメリットだ。
また、IFAには原則として転勤や異動といった制度がないため、同じ担当者が中長期的にサポートしてくれる。
自分のことをよく知る担当者がライフプランに寄り添ってサポートを継続してくれる点もIFAに相談すべき理由のひとつだ。
中立な立場からベストな投資助言を長期にわたって提供してくれることがIFAの大きな強みである。
資産運用の相談先をお探しの方はIFAに相談してみてはいかがだろうか。
「資産運用ナビ」の利用がおすすめ
信頼できるIFAをお探しの方は、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用がおすすめだ。
「資産運用ナビ」は、相談先を探す投資家とIFAをマッチングさせるオンラインプラットフォームである。
サービスの利用は非常に簡単で、資産状況や希望する条件をフォームに入力するだけで良い。
あとは全国のデータベースから運用目的や資産状況にマッチしたIFAを抽出し、紹介する仕組みとなっている。
IFAの紹介料や相談費用は原則無料となっており、対面だけでなくWEBでも相談にも対応できる。
気軽にプロであるIFAに相談できることが特徴のサービスだ。
ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を活用し、信頼できる相談先を探してFIRE達成を目指そう。
FIREで老後困らないためには、綿密な計画を立てよう
本記事では4種類のFIREの特徴やFIREで失敗する人の特徴、老後に資金面で困らないためのポイントを解説してきた。
FIREを目指す上では、適切な運用戦略を選択してリスク管理を徹底していくことが重要となる。
そして、自力だけでFIREを目指すことが難しい場合には投資助言を行う専門家への相談がおすすめだ。
特に、IFAは中立な立場から最適な投資助言を長期にわたって提供するため、相談先として最適である。
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