吉岡 直之様

IFAの皆様に、それぞれのキャリアや投資に関する考え方、日々の業務についてをインタビューする連載コラム。

今回のIFA個人インタビューは、吉岡 直之様です。

総資産で10億円以上の超富裕層をメインにして、株式投資など資産運用のアドバイスをしている吉岡様。超富裕層のお客様が求める情報をどのようにして集め、アドバイスに活かしているのかを伺いました。

目次

金融業界を選んだきっかけを教えてください。

単純な理由ですが、報酬体系がよかったことです。

今の会社に入社して良かったと思うことは、どんなところでしょうか。

社長と直接話ができることです。風通しがよくて、若手のIFAにとっては非常に良い環境だと思います。

普段どんな仕事をされていますか。

株式のご提案が中心です。投資信託や保険商品の提案は行っていません。

ただ、資産運用のご相談に乗るだけでなく、お客様のお仕事を含め、生活全般に関して必要な情報提供も、私自身のコネクションを通じて出来る部分については、対応させていただきます。

たとえば先日は、ある経営者のお客様から、ある食品会社の商品について市場調査をしてもらえないかというご相談を受けました。私自身は金融の専門家なので、食品の市場調査は門外漢ではあるのですが、さまざまなコネクションを持っているので、その分野の専門知識を持っている知人をご紹介させていただき、市場調査は無事に完了したと聞きました。

長いお付き合いをさせていただくためにも、資産運用や金融に関することだけでなく、お客様のあらゆる悩み事を解決できるような体制を築いております。

また、私自身は株式投資のご提案に特化していますが、お客様によっては投資信託や保険商品、債券など、他の金融商品に対するニーズをお持ちの方もいらっしゃいます。

その場合は、その分野のアドバイスを得意とする他のIFAと連携しながら、お客様の二―ズを満たせるように対応させていただきますが、まずはお客様のニーズを的確に把握することに努めます。そのうえで、最適な資産運用のご提案をするように心がけております。

仕事のやりがいはどのような時に感じますか。

私は株式投資のアドバイスが専門なので、やはりお客様が投資で利益を上げて下さった時が一番嬉しい瞬間です。あとは、お客様から「役に立ったよ」とおっしゃっていただいた時に、IFAという仕事を選んで良かったなと思います。

仕事をする上でのこだわりはございますか。

こだわりは、特にありません。

ただ、これはこだわりというわけではないのですが、お客様に対しては常に生き残ることが大事ですよというお話はさせていただいております。「こうすればこれだけ儲かる」ということではなく、「こうすれば生き残れますよ」という類のお話ですね。

それは資産運用に限らず、たとえばお客様の事業にも当てはまると思います。大事なことは、どのような環境変化があったとしても生き残ること。それはすべてだと思っています。

お客様はどのような層の方が多いのですか。

10億円以上のご資産を保有されている超富裕層の方々をメインに担当させて頂いております。個人の方が2名、法人オーナーの方が3名、法人口座として稼働して下さっている企業が5社です。今のところ、この5名の個人口座と5社の法人口座をメインに担当させていただいております。

超富裕層の方々はどのような資産運用をメインにしていらっしゃるのですか。

新規公開株(IPO)と公募・売出(PO)を提案させていただいております。1回のお取引額は5億円、10億円単位の方が大半です。今後も大きなお取引をしていただけるように、お客様との信頼関係をしっかり構築していきたいと思います。

過去のお客様との取引で印象的だった案件はありますか。

4〜5年前の話ですが、テレビCMで結構有名になっていたライザップという会社の株式売出しのご提案をして、それに応じて下さったお客様に損をさせてしまったことがあります。

実は、私がIFAとして仕事を始めたばかりの案件で、そこそこ大きな金額を買い付けていただいたのですが、売出しの当日に株価が何と8%も下がってしまいました。これで大勢のお客様にご迷惑をおかけしてしまったのですが、この経験でひとつ学んだことがあります。それは、結果にコミットしなければお客様の信頼を得ることは出来ない、ということと共に、一度失った信頼を回復させるのは非常に大変だということです。

私の場合、業務委託を受けているIFAですので個人事業主です。苦境に追い込まれた時、助けてくれる人はそう大勢はいません。ですから、自分自身をきちんと律して、常に自分に厳しくあらねばと思っています。

お客様にご提案する投資のアイディアはどのようにして考えるのですか。

自分の足で稼ぎます。知人、友人の伝手をたどって、海外の資産家にも会いにいきます。これまで香港、中国、インドネシアの資産家にお会いしました。もちろん東京や大阪にいらっしゃる資産家にも会ってお話を伺うようにしています。何しろ皆、直接会って伺うお話ですから、本当の意味で生きている情報です。お話を聞いているだけで、いろいろなアイディアが浮かんできます。

株式市場の動向を見ていると、こうした資産家の皆さんの行動が株価などに反映されるケースが結構あります。

たとえば2020年の新型コロナウイルスの感染拡大では、マスク関連やワクチン関連の銘柄が大きく値上がりしましたが、実は2019年12月前後に中国の富裕層はマスク関連やワクチン関連の銘柄をポートフォリオに組み入れていました。

ですから今、海外の富裕層が何に注目して、どのような投資行動を取ろうとしているのかを常時、気にするようにしています。そこからヒントを得て自分のお客様に資産運用のご提案を差し上げられるところに、自分自身の付加価値があると認識しています。

今後の金融業界はどうなっていくとお考えでしょうか。

再編と改革が進むと思います。SBIグループが地方銀行と業務提携を結んでいますが、同じ動きが各地方で起こると思います。SBIグループは第4のメガバンクになるのではないでしょうか。

加えて、金融プラットフォーマーが増えていくと予想しています。いずれにしても、金融業界では大変革が始まるでしょう。その中でお客様に付加価値を提供できるように精進していかなければなりません。

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