60代におすすめの資産運用とは?投資するときのコツを徹底解説!

この記事の要約はここをチェック
  • 60代の約2割が1年以内に投資を始めている
  • 60代で積極的にリスクをとる運用は失敗のもと
  • 60代の運用ポートフォリオには配当株・投資信託・債券がおすすめ
  • 効率的な投資戦略を立てるなら「資産運用ナビ」でアドバイザーに相談がおすすめ

定年後の生活を安心して過ごすために、資産運用を検討する60代が増えている。

しかし、退職金などまとまった資金が手元にある一方で、「失敗したくない」「何から始めればいいかわからない」と感じる方も多いのではないだろうか。

この記事では、60代からの資産運用で押さえておきたい基本と注意点、おすすめの運用方法や相談先についてわかりやすく解説する。

老後のお金の不安を少しでも減らしたい方は、ぜひ参考にしてほしい。

監修者情報デザイン
平 行秀

証券アナリスト/代表取締役
アドバイザーナビ株式会社

監修者: 平 行秀

新卒で野村證券に入社し、富裕層1000人以上の資産運用コンサルを担当。2019年に弊社創業し、投資家とアドバイザーをつなぐマッチングプラットフォームを運営。公益社団法人 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。

目次

60代に資産運用が必要な理由

資産運用は若い世代のみが行うものではない。60代も資産運用をして、計画的に資産形成をする必要がある。

では、なぜ資産運用は60代にも必要なのだろうか。

まずは、資産運用が60代に必要な理由について解説していく。

寿命は延びているのに、退職金と年金は減っている

老後資金の柱である年金と退職金だが、その水準は年々下がっているのが現実だ。

まず、会社から受け取る退職金は、勤続35年以上の会社員でさえ、以下のように減少している。

退職金給付額の推移

平成30年令和5年減少額
大卒・大学院卒2,173万円2,037万円▲136万円
高校卒(現業職)1,629万円1.471万円▲158万円

※ 出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査概況」

また、年金についても同様だ。

厚生年金の受給額は、平成10年の175,646円をピークに減少し、平成19年には161,059円まで落ち込んでいる。

厚生年金の受給額

平成元年調査平成10年調査平成19年調査
138,186円175,646円161,059円

※ 出典:厚生労働省「厚生年金 受給者の平均年金月額の推移」

医療の発達により平均寿命はのびているが、退職後に頼れるお金はむしろ少なくなっているのだ。

これらの状況を考えると、年金や退職金だけに頼るのは危険である。

制度に頼るだけでなく、自ら資産を育てる視点が不可欠だ。

証券アナリスト 平行秀

こうしたデータを踏まえたうえで、退職後の資金計画を見直すことが重要です。
特に「年金+退職金だけで暮らす」という従来型の考えに頼らず、資産運用や副収入の可能性も含めた総合的なプランニングが必要です。

老後生活は取り崩しが必須

公的な支援が徐々に縮小する中で、日々の生活費も年金収入だけでは賄いきれないのが現状だ。

総務省統計局の「家計調査年報(2023年)」によると、65歳以上の無職世帯では、毎月の収支が赤字の状態である。

  • 夫婦のみの世帯:月々37,916円の赤字
  • 単身世帯:月々30,768円の赤字

多くの世帯が、この赤字分を貯蓄の取り崩しで補っているが、それもいつかは底をついてしまう。

さらに、近年の物価上昇は家計に追い打ちをかけ、節約だけでは対応が難しくなっている。

つまり、老後の家計は「収入減」と「支出増」のダブルパンチにさらされており、資産運用によって家計を補う必要性が高まっている。

「長寿化」と「インフレ」リスクに備える必要がある

さらに、「長寿化」と「インフレ」という2つの大きなリスクにも、備える必要がある。

厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によれば、平均寿命は以下のように大きく延びている。

昭和22年令和5年
男性50.06歳81.09歳
女性53.96歳87.14歳

60歳の方の平均余命は男性が約24年女性が約29年。つまり、退職後の人生は20年以上にわたって続くことになる。

この長い退職後の期間中、物価が上昇し続ける可能性も考慮しなければならない。

現在、日本銀行が掲げるインフレ目標は年2%である。仮にこのペースで物価が上昇すれば、10年後には約1.2倍、20年後には約1.5倍の物価水準になる。

つまり、「老後は20年〜30年続くうえに、今と同じ物価水準では済まない」のである。

現在の収入で生活がぎりぎりであれば、将来、生活が立ち行かなくなるリスクが高い。

こうした将来のリスクに備えるため、NISAなどの制度を活用し、お金にも働いてもらう発想が大切だ。

証券アナリスト 平行秀

60代でも10〜20年の運用期間があれば、長期投資は十分可能です。
安定した資産形成のためには、できるだけ早い段階から取り組むことが大切です。

60代で資産運用をしている人はどのくらいいる?

では、実際に60代で資産運用を実践している人はどの程度いるのだろうか。

以下は、60代全体のうち、株式や債券、投資信託などを保有している人の割合をまとめたものである。

金融資産の種類60代が保有している割合
株式33.7%
債券9.6%
投資信託※127.0%
デリバティブ6.3%

※ 参考:金融広報中央委員会
※1 MRF、MMF、REITなどを含む

このデータから、60代の約3人に1人が株式や投資信託といった値動きのある金融商品を保有していることがわかる。

つまり、60代で資産運用に取り組んでいる人は少なくないのだ。

老後の生活費やインフレへの備えとして、「貯金だけでは不安」「少しでもお金を増やしたい」と考える方が増えている今、60代から資産運用を始めるのは、ごく自然な流れとも言えるだろう。

また、60代は退職金などまとまった資金が手元に入るタイミングでもある。資産の一部を「守りながら育てる」形で活用すれば、将来への安心感にもつながる。

すでに多くの同世代が運用を始めている今こそ、自分に合った方法で一歩を踏み出すチャンスにしてほしい。

証券アナリスト 平行秀

60代は資産を守りつつ増やす意識が高まる時期です。
実際、株式や投資信託といったリスク資産をバランスよく組み入れて運用を継続している方は少なくありません。
高配当株など、安定収益を見込める商品への関心が特に強まっています。

60代におすすめの5つの投資法

60代は、積立投資と一括投資を組み合わせて運用するのがおすすめだ。

投資信託

投資信託とは、多数の投資家から集めたお金を、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが管理・運用する金融商品である。

自分で銘柄を選ぶ必要がないため、投資経験が少ない人や、運用に自信がない人にも適している。

投資先は商品(ファンド)によって異なり、国内外の株式や債券、不動産など幅広く分散されている。そのため、1つの商品だけでリスクを抑えた資産運用が可能だ。

また、投資信託は少額から投資できるため、積立投資にも向いている。特に「新NISA」などの税制優遇制度を使えば、運用益が非課税となり、効率よく資産形成できる。

メリット デメリット
プロが運用するため手間がかからない
幅広い資産への分散でリスクを抑えられる
少額から気軽に始められる
NISAなど税制優遇を利用できる
運用成績次第では元本割れの可能性がある
商品数が多く初心者には選択が難しい場合もある

個人向け国債

個人向け国債とは、国が個人投資家向けに発行する債券のことである。投資家は国にお金を貸し、定期的に利息を受け取り、満期が来ると元本が戻ってくる仕組みだ。

最大の特徴は、その安全性の高さである。国が利払いと償還に責任を持っているため、他の金融商品と比較して極めてリスクが低い。

預貯金と同じ感覚で運用したい60代に適している。

ただし、絶対的な元本保証があるわけではなく、市場金利の変動や途中売却のタイミングによっては、元本割れのリスクが生じる可能性もあるので注意が必要だ。

また個人向け国債は、銀行や証券会社を通じて1万円単位から気軽に購入できる。金利は決して高くないが、安定した定期収入が得られるというメリットがある。

ただし、株式や投資信託のように高いリターンは見込めないため、資産を大きく増やしたい人には不向きである。

他の金融商品と組み合わせるなど、資産全体でバランスをとった運用を心がけるとよい。

メリット デメリット
国が責任をもつため安全性が非常に高い
1万円単位の少額から気軽に購入できる
元本割れのリスクがない
金利が低いため大きなリターンは期待できない
購入から一定期間は換金できない
インフレに弱く、実質的価値が目減りする可能性がある

外貨建て債券

外貨建て債券とは、米ドルや豪ドルなど、日本円以外の外国通貨で発行された債券のことである。外貨建て債券に投資すると、定期的な利息と、満期時の元本が外貨で支払われる仕組みだ。

主なメリットとして、日本の債券より高い利回りを期待できることが挙げられる。先進国や新興国の債券は日本の国債より金利が高いことが多く、資産運用での収益力向上が狙える。

また、円資産に偏りがちな日本人にとっては、外貨を持つことで資産を分散できるという効果もある。

ただし、為替レートの変動により、受け取る利息や元本の日本円換算額が変動することには注意が必要だ。

為替レートによっては、元本割れを起こすリスクもあるため、慎重な運用が求められる。

資産の一部に外貨を組み入れたい60代にとって、有効な選択肢のひとつである。

メリット デメリット
日本の債券よりも高い利回りを狙える
外貨を保有することで資産の分散効果を得られる
定期的に利息収入を得られる
為替レートの変動で元本割れのリスクがある
為替動向の知識や理解がある程度必要
国や企業の信用リスクにも注意が必要

退職金定期預金

退職金定期預金とは、銀行が退職金を受け取った人向けに用意している特別な定期預金である。

一般の定期預金より高い金利が設定されており、退職金を安全かつ確実に運用したい人に適した金融商品だ。

最大の特徴は、預け入れた元本が保証されている点である。そのため、「元本割れだけは避けたい」「リスクを取るのが苦手」という60代でも、安心して資産を預けられる。

ただし、退職金定期預金の多くは特別金利が適用される期間が数ヶ月〜数年と短い。そのため満期後の資金の預け先や運用先を事前に考えておく必要がある。

また、自動継続型で契約すると、特別金利の適用期間終了後は通常の低い金利が適用されるため注意したい。

安全重視で資産を守りたい60代にとって、退職金定期預金は有効な選択肢の一つである。

メリット デメリット
元本保証があるので元本割れリスクがない
通常の定期預金より金利が高い
手間をかけず簡単に運用できる
特別金利の適用期間が短い(数ヶ月〜数年)
特別金利の適用後は通常金利に戻る
大きなリターンは見込めない

株式

「せっかく資産運用をするなら老後資金を大きく増やしたい」と考える60代も少なくない。その場合、おすすめなのが株式投資だ。

株式投資とは、企業が発行する株式に投資し、値上がり益(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)を狙う投資方法である。

株式の保有中には配当金を受け取れるほか、企業によっては株主優待を実施している場合もある。

株主優待では、特定サービスの割引券や商品、自社製品などが株主に提供される。

ただし、株式投資には価格変動リスクがあることに注意が必要だ。

株価は常に変動し、短期間で大きなリターンを得られる可能性がある一方で、購入直後に株価が急落することも珍しくない。

リスク管理を徹底し、株価の変動には十分注意しながら投資判断をすることが重要だ。

メリット デメリット
大きなリターンを狙える
配当金による定期収入がある
株主優待を受けられる企業も多い
株価が大きく変動し、損失リスクが高め
市場状況によっては元本割れの可能性もある
銘柄選びや市場分析に手間や知識が必要

60代おひとりさまにおすすめの資産運用の基本

60代から資産運用を始めるときは、自分の状況や将来への備えを意識し、着実な運用を目指すことが重要だ。

ここでは、60代が資産運用を行う際に特に意識すべき3つのポイントを、それぞれ別の視点からわかりやすく解説する。

自分自身の状況を把握し、無理のない目標を立てる

まず最初にやるべきことは、自分の「リスク許容度」と「余剰資金」を把握し、無理のない運用目標を立てることだ。

リスク許容度とは、「どのくらいのリスクまで許容できるか」を示す指標であり、人それぞれ異なる。

リスク許容度が低い人が無理をしてリスクの高い運用を行えば、相場が悪化した際に大きな損失を被る恐れがある。

また、余剰資金とは、収入から生活費と非常用資金を差し引いた後に残るお金のことだ。

投資に使える資金が限られているにもかかわらず、大きな額を投資に回すことは、生活を圧迫する原因になる。

自分のリスク許容度を知るには、金融機関が提供するウェブサイトの診断ツールなどを活用するとよい。

質問に答えるだけで、自分がどれくらいのリスクをとれるのか簡単に数値化できる。

まずは自分自身の状況を冷静に見つめ、無理のない運用目標を立てることが堅実な資産形成への第一歩である。

「資産寿命」を伸ばす

次に意識すべきは、人生100年時代と言われる中で「資産寿命を伸ばす」という視点だ。

資産寿命とは、自分の金融資産が底をつくまでの期間のことである。現代では長寿化が進み、60代であっても90歳以上まで生きる可能性は十分にある。

仮に3,000万円の資産を持っていたとしても、月20万円ずつ取り崩せば15年で資産はなくなる計算になる。資産を取り崩すだけでは資産寿命は短くなり、長生きのリスクに対応できない。

そこで重要になるのが、利子や配当金などのインカムゲイン(運用収入)を重視することだ。

元本を極力取り崩さず、資産を運用しながら得られる収入を生活費の一部に充てることで、資産寿命を伸ばすことが可能になる。

スクロールできます
運用利回り
(年率)
毎年得られる
運用収入
毎月
取り崩す額
資産寿命
(資産が底をつくまでの期間)
0%
(運用なし)
0円20万円約12〜13年
(75歳前後)
年率3%約90万円約12.5万円約20年前後
(82歳前後)

高配当株式、不動産投資信託(REIT)、国債などをうまく組み合わせ、年2〜3%程度の収益を安定的に得られる仕組みを作ることが有効だ。

安全性とリターンのバランスを考えて資産配分を決定する

最後のポイントは、「安全性」と「リターン」のバランスをとった資産配分を行うことだ。

安全性ばかりを追求すれば、低金利によって資産価値が目減りするインフレリスクに直面する。

一方、リターンだけを追い求めれば、元本割れのリスクが高まってしまう。60代の資産運用は、特にこのバランス感覚が重要になる。

一般的には、安全資産(国債、定期預金など)と収益資産(株式や投資信託、不動産など)を6:4または7:3程度で組み合わせることが理想とされる。

例えば、資産の6割〜7割を個人向け国債や定期預金で安全に守り、残りの3割〜4割を高配当株式や投資信託(バランス型・インデックス型)に振り分けるとよいだろう。

安全資産と収益資産をバランスよく組み合わせることで、安定的なリターンを得ながら、資産価値をしっかり守ることができる。

60代におすすめの資産運用とポートフォリオ

60代におすすめの資産運用商品についてここまで紹介してきたが、具体的に「どの商品に、どのくらい投資すればよいのか」と悩む人も多いだろう。

実際に資産運用を始める際は、「積立投資」と「一括投資」を組み合わせてバランスよく運用することがおすすめだ。

積立投資は毎月一定額を継続して投資するため、価格変動リスクを抑えて安定的に資産を育てられる。

一方、一括投資はまとまった資金を一度に運用することで、安定収入や早い段階からのリターンを狙える点がメリットだ。

ここからは、60代が実際に資産運用を進めるにあたり、「積立投資」と「一括投資」の具体的な方法や、配分のバランス(ポートフォリオ)について詳しく解説していく。

積立投資はNISAの活用がおすすめ

積立投資をするなら、まずは税制優遇がある「新NISA」を活用するとよい。

NISA口座で投資をすれば、得られた利益に税金がかからないため、効率よく資産を増やせる。

NISAでは、投資信託や国内外の株式、ETFなどが購入できる。

なかでも初心者に特におすすめなのは投資信託、特にインデックスファンドである。

インデックスファンドは市場の値動きに連動する仕組みのため、運用コストが低く、長期的に安定した運用成果が期待できる。

具体的には、新NISAのつみたて投資枠で採用されている低コストの商品を選ぶのが良いだろう。

おすすめの商品例としては、以下の通りだ。

  • 「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
  • 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
  • 「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」

これらの商品を毎月一定額積み立てていけば、60代からでもリスクを抑えた安定的な資産形成が可能になる。

一括投資は投資信託・債券がおすすめ

退職金などまとまった資金がある場合、一括投資を活用するのも有効な手段である。

一括投資には、利回りが比較的高く、安定的な収入を期待できる債券がおすすめだ。

特に「外国債券(米ドル建て債券や豪ドル建て債券)」は、日本の債券よりも利回りが高く、資産の分散にもつながる。

また、国内であれば日本国が発行している「個人向け国債」もよい。

個人向け国債は元本割れリスクが極めて低く、定期的な収入を得られるため、安心して運用できるだろう。

実際に60代の金融資産保有状況をみると、株式や投資信託などリスクのある資産を一定割合で保有していることが分かる。

60代の種類別金融商品保有額(金融資産保有世帯)

(万円)

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預貯金
(運用または将来の備え)
金銭信託生命保険損害保険個人年金保険債券株式投資信託財形貯蓄その他金融商品
1,03039258341871345462842149

ただ、60代は資産を守りつつ安定収入を得ることを重視すべき年代だ。

現在の株式比率が高い場合は、資産の一部を債券や投資信託などの安定性のある商品に徐々に移行していくことをおすすめしたい。

まとまった資金は安定性を重視しつつ、積立投資で資産を徐々に成長させよう。

60代におすすめのポートフォリオ例

60代の資産運用では、大きなリターンを目指すよりも、安定的な資産運用を心がけることが重要である。

そこで預貯金、債券、投資信託をバランスよく組み合わせたポートフォリオがおすすめだ。

具体的な資産配分例としては以下のようになる。

資産の種類配分割合主な目的
預貯金20%緊急時の備え・流動性確保
国内債券(個人向け国債など)20%安全性・安定収入の確保
外貨建て債券(米ドルなど)30%分散投資・利回り向上
株式型投資信託(国内外)30%資産成長・インフレ対策

まず、資産のうち約4割を預貯金と国内債券に振り分け、安全性や緊急時の対応力を確保する。

特に国内債券は、元本割れリスクが極めて低く、安定した収入源となるため、資産運用の軸として適している。

一方で、利回り向上や分散投資を目的として外貨建て債券(米ドル建て債券など)を組み入れる。

外貨建て債券は日本国内の債券に比べて利回りが高く、通貨を分散することで為替リスクにも対応できる。

さらに、インフレ対策や長期的な資産の成長を目的として、株式型投資信託を資産全体の約3割ほど組み込む。

株式型投資信託を活用する際は、税制優遇制度(NISA・つみたてNISA)を利用することで、運用益を非課税にできるため、効率的に資産を増やすことが可能である。

以上のような資産配分であれば、リスクを抑えつつ適度なリターンを目指すことができ、60代でも安心して資産運用を続けられるだろう。

60代の資産運用を成功させるなら「資産運用ナビ」で専門家に相談しよう

ここまで、60代におすすめの資産運用を紹介した。

しかし、自分に合った資産運用がどれか悩む人も多くいるだろう。

資産運用を成功させたい60代は、専門家に相談しながら運用することをおすすめする。

ここからは、資産運用の専門家に相談すべき理由やおすすめのサービスについて解説していく。

60代が資産運用でやってしまいがちな失敗例

60代が資産運用でやってしまいがちな失敗例を3つ紹介していく。ここで解説する失敗例を確認して、同じ轍を踏まないようにしてもらいたい。

すべての退職金を投資に回してしまう

「この退職金を投資に回したら、さらに多くのお金が手元に入る」と考えてしまい、すべての退職金を投資に回してしまうパターンだ。

勤めていた会社から退職金を受け取ると、臨時ボーナスをもらった気になってしまうかもしれない。しかし、退職後は定期的な収入源がなくなってしまう。

もし退職金を使った資産運用に失敗すると、老後生活に悪影響を及ぼす可能性が高まり、ゆったりとした余生を過ごすことができなくなるかもしれない。

事前に前退職金の使い道を決めておくことが重要だ。

証券アナリスト 平行秀

退職金は老後生活の柱となる大切な資金です。
全額を投資に回すのはリスクが大きく、生活費・予備費・運用資金に分けて使途を明確にすることが、安心した老後の第一歩となります。

お気に入りの企業の株式を何となく購入してしまう

証券口座を開設すると株式の購入ができるようになる。お気に入りの企業の株式が見つかることもあるだろう。

しかし「この企業の商品やサービスが好きだから購入したい」という安易な気持ちだけで株式を購入するのはNGだ。

企業の商品やサービスの良さと株価は、必ずしも連動するわけではない。何も調べないまま思いつきで株式を購入してしまうと、思わぬ含み損を抱える恐れもある。

必ず投資戦略やリスク許容度に合う金融商品を選ぶようにしよう。

購入した金融商品を短期間で売却してしまう

安定したリターンを得るためには、長期投資を行う必要がある。株式や投資信託などを購入した後は売却せず、数年~数十年ほど保有しておくのだ。

「売却しなくてもいいだけなら簡単」と思うかもしれない。しかし、実際に投資をしてみると、長期投資の難しさを実感するだろう。

例えば、保有している投資信託が値下がりし続け、5%の含み損を抱えたとする。この時点ではまだ保有できるかもしれない。しかし、10%もの含み損となった時はどうか。

「このまま値下がり続けるかもしれない」「含み損が20%になるかもしれない」と心配になってしまうだろう。

また心配のあまり何度も評価損益を確認してしまうケースも考えられる。結果として、感情に任せてしまい途中で売却してしまうのだ。

60代の資産運用を専門家と進めるべき理由

60代が慣れない資産運用を始めると、先述した失敗をしてしまう可能性がある。60代が資産運用を始めるのであれば、専門家と進めることをおすすめする。

60代の資産運用を専門家と進めるべき理由には、下記の3つがある。

  • 自分に合う運用方法を見つけるのは非常に難しい
  • 最新のマーケット情報や株価などをチェックするのは困難
  • 継続的なリターンを得るためには専門家のフォローがカギとなる

これまで、様々な運用方法について紹介してきた。しかし、自分に合う方法を決める要因はいくつもあるため、万人におすすめできる運用方法はない。

60代から資産運用を始める投資初心者が、自分に合う運用方法を見つけるのは非常に難しい。

また、市場は常に変動しているので、最新情報をチェックしておく必要がある。ただ、最新情報をチェックするのは手間と時間がかかる。

上記の理由から、60代が自分の力だけで成功するのはハードルが高い。しかし、自分に合う運用方法が見つかれば、自信を持って運用を続けられるだろう。

そこで専門家のフォローがあれば、自分に合う運用方法を提案してもらえる。また、適切なアフターフォローを受けることで、成功確率が高まるのだ。

資産運用ナビを利用するメリットと活用法

資産運用の専門家に相談してみたいと考えているものの、探し方が分からない人もいるだろう。資産運用の専門家を探したいのなら「資産運用ナビ」の利用をおすすめする。

「資産運用ナビ」は、投資家と専門家をマッチングさせるサービスだ。相談内容を解決できる専門家が紹介されるので、心強い味方となるだろう。

また、専門家のデータを確認できる点もうれしい。得意分野や経歴などをチェックすれば、自分に合う専門家を見つけやすい。

さらに、専門家は投資する銘柄やポートフォリオに関するアドバイスも可能だ。

専門家に相談しながらポートフォリオを構築すれば、安定したリターンを得られる可能性が高まる。

相談料は無料となっている。まずは相談をしてみて、信頼できる専門家を探してみてはいかがだろうか。

60代は早めに資産運用を始めて老後資金を形成していくことが重要

近年、平均寿命は延びているものの退職金と年金額は減少傾向にある。また、物価高も重なったことで、60代は早い段階から老後資金を貯めておく必要がある。

60代におすすめの運用方法としては、債券投資が挙げられる。債券は価格変動リスクが比較的低いため、資産を大きく減らすことなく安定的な運用が可能である。

このほかにも、株式や投資信託といった選択肢があるが、60代においては安全性の高い投資戦略を立てておくことが重要である。

加えて、老後資金のシミュレーションを行ったり、「長期・積立・分散」といった投資の三原則を実践したりすることも、安定した資産運用を行うための有効な手段である。

証券アナリスト 平行秀

60代は“守り”が基本ですが、何もしないことがリスクになる時代です。
インフレに備える意味でも、低リスク資産での運用は必須。預貯金だけでは資産が目減りする可能性があるため、計画的な運用が重要です。

「60代から資産運用を始めるのは難しい」と感じている人は多いだろう。もし資産運用に対する心配があれば、専門家に相談してみよう。

専門家に相談しながら資産運用をすれば、より効果的な運用が期待できる。

資産運用の専門家を紹介するサービスが「資産運用ナビ」だ。

「資産運用ナビ」を利用すると、自分に合う専門家を紹介してくれるので、安定したリターンを出せる可能性が高まる。

初回相談は無料となっているので、この機会に相談してみてはいかがだろうか。

60代の資産運用ポートフォリオに関するQ&A

60代から始める資産運用で気を付けるべきポイントは何ですか?

60代の資産運用では「資産を増やすこと」よりも「資産を守りながら寿命を延ばしていくこと」が重要となる。

安全性が高い方法で運用を行いながら、資産を長持ちさせる運用戦略を立てよう。

60代の貯金の理想額はどれくらいですか?

以前話題となった「老後2,000万円問題」を踏まえると、夫婦で2,000万円ほどの貯金があると安心した老後生活を送れるだろう。

ただし、2,000万円に満たない場合でも資産を運用しながら取り崩していけば不足分をカバーできる可能性は十分にある。

家計の支出や受給できる年金額等を踏まえて投資計画を立てていこう。

なぜ資産運用においてポートフォリオが重要なのですか?

自分のリスク許容度に合ったバランスで資産運用を行えるためだ。

投資する資産の比率を調整し、自分に合ったリスク・リターンのバランスでポートフォリオを構築しよう。

60代から始める資産運用の注意点は何ですか?

過剰なリスクを取ってしまわないように注意しておこう。

積極的に資産を増やそうとしてリスクを取ってしまうと、運用に失敗したときに資産が大きく減ってしまう可能性がある。

60代は収入が減少しているケースが多く、資産の減少が生活に影響を与えるリスクがあるため、堅実な運用を心掛けることが大切だ。

60代のポートフォリオにおける理想的な年間リターンはどれくらいですか?

退職の時期がせまった60代は積極的な運用ではなく、リスクを抑えた保守的な運用を目指す年代の方が多いだろう。

そのため、積極的にリターンを狙う必要はないが年間3%〜5%のリターンが理想とされるだろう。60代は増やす意識よりも、資産を守るといった意識をもち運用することが大事である。

60代はポートフォリオをどのくらいの頻度でリバランスするべきですか?また、必ず見直しをするべきタイミングはありますか?

ポートフォリオのリバランスは最低でも1年に1度は行うべきだ。

そのなかで必ず見直しをするべきタイミングは退職をしたとき、退職金を受け取ったときである。

退職をしたあとは収入源が年金のみになるため、今一度リスク管理を徹底することがおすすめだ。

その一方で退職金というまとまった金額が入る時期でもある。

退職金を受け取った際には、現在の支出、近い将来使う予定のある貯蓄、手元に残すべき老後資金を計算し、どれくらいの金額を資産運用にあてるか把握したうえでポートフォリオの見直しをしよう。

資産運用の専門家は60代のポートフォリオ構築において具体的にどのようなサービスを提供してくれますか?

60代は退職、退職金の受け取り、老後資金などポートフォリオ構築がそれまで以上に複雑になるだろう。

プロに相談することで、現時点での資産や退職金を最大限に活用する運用方法のアドバイスを受けられるだろう。

また、どれくらいの資産を手元に残す必要があるのか、どのような投資先を選べばいいのかなど、中立的な立場で提案してもらえるので、専門家に相談することをおすすめする。

60代の資産運用を支援する専門家の選び方について詳しく知りたいです。

60代の資産運用において、相談先となる資産運用のプロをどう選ぶかは重要だ。

60代は退職を迎え、本格的に老後資金の確保に取り組む必要がある。

また大切な退職金を用いて資産運用を考えているなら、なおさら信頼できる相談先を見つけることが責務だ。

投資に関する深い知識と経験があることはもちろん、現在の資金や今後の老後資金、求める運用スタイルに沿った提案をしてくれるアドバイザーを選ぶといいだろう。

この記事を書いた人

資産運用メディア編集部は、初心者から上級者までが「将来に備える確かな運用判断」を得られるよう、公的統計や最新市場データに加え、自社アンケートを基に中立的な情報を発信しています。記事は資産運用アドバイザーと投資家を結ぶプラットフォーム「資産運用ナビ」を運営するアドバイザーナビ株式会社が監修。おすすめの資産運用やおすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。