資産運用は40歳からでも遅くない!40代のための新NISA活用法と失敗しないコツ

この記事で解決できるお悩み
  • 40代から資産運用を始めても遅くないのか知りたい
  • 老後資金・教育資金・近い将来使うお金をどう分ければよいか知りたい
  • 初心者でも続けやすい運用方法やポートフォリオ例を知りたい

40代は、子どもの教育費や住宅ローンの負担が重なりやすい一方で、自身の老後資金準備も本格化させたい時期だ。

「今から資産運用を始めても遅いのでは?」と不安を感じる方も多いだろう。

結論から言えば、40代からの資産運用は決して遅くない。ただし、20代・30代と同じように長い時間を前提にすべてのお金を投資へ回すのではなく、「使う時期」と「目的」ごとにお金を分けることが重要だ。

老後資金のように15〜25年以上先に使うお金は、長期・分散・積立を軸に運用しやすい。一方で、5年以内に使う予定のお金は、運用益よりも元本確保を優先すべきだ。

この記事では、40代が資産運用を始める前に確認すべきこと、目的別のおすすめ資産運用方法、リスク許容度別のポートフォリオ例まで解説する。

読み終える頃には、あなたの家庭で「投資してよいお金」と「現金で守るべきお金」を整理しやすくなるはずだ。

資産運用の相談先に悩む方はこちらの記事をチェック

目次

40代から資産運用を始めても遅くない|老後資金なら15〜25年以上の積立期間がある

「40代から資産運用を始めるのは遅すぎる」という不安は、過度に心配しすぎる必要はない。

40代からでも、老後資金のように長期で使うお金であれば、十分に積立期間を確保しやすい。

証券アナリスト 平行秀

40代は、家計の見直しやライフプラン設計が必要になる時期です。
このタイミングで資産運用を始めることは、今後の老後資金や教育資金の準備にも直結します。
現実的な収支の把握とリスク許容度を踏まえたポートフォリオ設計が鍵となります。

40代で資産運用を始めるべき3つの理由

40代が資産運用を始めるべき理由は、主に以下の3つだ。

理由1:老後資金なら運用期間を取りやすい

40歳から65歳までは25年、45歳から65歳までは20年ある。老後資金のように使う時期が先のお金であれば、40代からでも15〜25年以上の積立期間を取りやすい

また、40歳時点の平均余命は男性42.03年、女性47.88年、45歳時点では男性37.26年、女性43.03年とされている。老後に使うお金を準備する期間だけでなく、老後にお金を使う期間も長くなりやすい。

長期運用では、利息や運用益が次の運用元本になる複利効果を活かしやすい。ただし、長く運用すれば必ず増えるわけではないため、リスクを取りすぎない配分が前提となる。

理由2:家計を見直すタイミングになりやすい

40代は、教育費・住宅ローン・保険料・老後資金が重なりやすい時期だ。

だからこそ、家計全体を見直し、「毎月いくらなら無理なく投資へ回せるか」を確認する意味がある。収入が増えている家庭でも、支出が増えていれば投資余力は限られるため、先に家計を見える化しよう。

理由3:NISA・iDeCoなどの税制優遇を活用できる

2024年からのNISAやiDeCoなど、資産形成を後押しする制度が整っている。

NISAは運用益が非課税となり、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象になる。どちらもメリットがある一方で、iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、目的に応じた使い分けが必要だ。

40代が資産運用の前に確認すべき2つのこと

40代の資産運用では、商品を選ぶ前に以下の2点を確認しよう。

  • 生活防衛資金の確保
    生活費の6ヶ月〜1年分を現金で確保する(例:毎月の生活費が30万円なら、180万〜360万円が目安)
  • 家計の見える化
    収入・支出・資産・負債を把握し、投資に回せる余剰資金を算出する

この2つが整っていないまま投資を始めると、急な出費や収入減の際に投資資産を取り崩すことになり、長期運用のメリットを活かしにくくなる。

生活防衛資金の確保

生活費の6ヶ月〜1年分は、いつでも引き出せる現金(普通預金など)で確保しておこう。

生活防衛資金は、病気やケガ、失業、家電の故障など、予期せぬ支出に備えるためのお金だ。

目安は家族構成や働き方によって変わる。共働きで収入源が複数ある家庭は6ヶ月分を目安にしやすい一方、自営業・単身収入・扶養家族が多い家庭は1年分を厚めに確保した方が安心だ。

生活防衛資金がないまま投資を始めると、緊急時に投資資産を売却せざるを得ない。市場が下落しているタイミングで売却すれば、損失を確定させてしまう可能性がある。

家計の見える化

収入・支出・資産・負債を把握し、毎月いくら投資に回せるかを算出しよう。

家計簿アプリなどを使い、固定費と変動費を分けて確認すると、無理のない積立額を決めやすい。

保険料、通信費、サブスクリプション、車関連費などの固定費を見直せば、投資に回せる資金を作れることもある。

投資は余剰資金で行うのが鉄則だ。

生活費や近い将来に使う予定のお金を投資に回すと、市場の下落時に売却を迫られ、損失を確定させてしまうリスクがある。

40代の資産運用を成功させる4つのステップ|商品選びの前に設計する

40代が資産運用を始める際は、以下の4ステップで進めよう。

いきなり商品を選ぶのではなく、まずは目的・期間・リスク許容度を整理することが重要だ。

ステップ1:資産運用の目的を明確にする

まず、資産運用の目的を明確にし、お金を「使う時期」ごとに分けて管理することが重要だ。

目的が曖昧なまま投資を始めると、必要な時にお金が足りなかったり、使う予定のないお金を過度に安全資産で持ち続けたりと、非効率な運用になりやすい。

40代が管理すべきお金は、大きく以下の4つに分類できる。

  • 教育資金:5〜10年以内に使う予定のお金(大学入学費用など)
  • 老後資金:15〜25年以上先に使うお金
  • 近い将来の出費:車の買い替え、リフォームなど5年以内に使うお金
  • 生活防衛資金:緊急時のための現金(生活費6ヶ月〜1年分)

たとえば、「老後資金として25年後までに2,000万円を準備したい」「10年後の大学入学費用として300万円を確保したい」といった形で、具体的な金額と時期を設定しよう。

老後資金なら株式中心でリターンを狙いやすい一方、教育資金や近い将来使うお金はリスクを抑える必要がある。

この「使う時期で分ける」という発想が、40代の資産運用成功の土台になる。

ステップ2:自分のリスク許容度を把握する

次に、自分がどの程度のリスクを取れるかを把握しよう。

リスク許容度とは、投資で損失が出た場合にどの程度まで耐えられるかという度合いのことだ。

リスク許容度は人によって異なり、以下のような要素で判断する。

判断要素リスク許容度が高いリスク許容度が低い
投資経験ありなし
運用期間長い(15年以上)短い(10年未満)
資産額生活防衛資金に余裕がある余裕が少ない
扶養家族なし/少ないあり/多い
近い将来の
大きな支出
予定なし予定あり

リスク許容度が高い方は、株式中心のポートフォリオでリターンを狙う選択肢がある。

一方、リスク許容度が低い方は、債券や預貯金の比率を高め、値動きを抑えた運用を選ぶ方が続けやすい。

大切なのは、「高いリターンが欲しいか」ではなく「一時的にどれくらい値下がりしても続けられるか」を基準に配分を決めることだ。

※期待リターンは市場環境や資産配分、手数料等で変動するため一律に断定できない。資産配分とリスク許容度に応じて判断することが大切だ。

自分のリスク許容度がわからない場合は、専門家に相談するのも一つの方法だ。客観的な視点から、家計状況や目的に合うリスク水準を確認しやすくなる。

ステップ3:NISA・iDeCo・預貯金を目的別に使い分ける

目的とリスク許容度が決まったら、次は「どの口座・制度で運用するか」を考えよう。

NISA・iDeCo・特定口座・預貯金にはそれぞれ特徴があり、目的に応じて使い分けることで、税制優遇や資金の使いやすさを整理しやすくなる。

口座・制度特徴向いている目的資金の使いやすさ
新NISA運用益非課税。年間投資枠は合計360万円老後資金・教育資金など売却して換金可
iDeCo掛金全額所得控除、運用益非課税老後資金原則60歳まで不可
特定口座NISA枠を超える分の運用に使う余剰資金の運用売却して換金可
預貯金元本保証生活防衛資金・5年以内の出費いつでも使いやすい

※新NISAの年間投資枠は「つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円」、非課税保有限度額(総枠)は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)だ。NISA口座で損失が出ても、特定口座や一般口座との損益通算や損失繰越はできない点に注意しよう。

※iDeCoは掛金全額が所得控除になるなど税制上の優遇措置がある一方、原則として60歳になるまで資産を引き出せない。教育資金や住宅関連費など、途中で使う可能性がある資金には向きにくい。

迷った場合、途中で使う可能性がある資金はNISA、老後まで使わない資金はiDeCoを検討しよう。

どの制度から使うか悩んだ際は、以下の順番を基本にすると整理しやすい。

基本的な優先順位

  1. 生活防衛資金を現金で確保
  2. 新NISAのつみたて投資枠
  3. iDeCo(老後資金として使う分)
  4. 新NISAの成長投資枠
  5. 特定口座

まずは生活防衛資金を確保し、その後に新NISAのつみたて投資枠から始めるのが基本だ。

余裕があればiDeCoも併用し、それでも投資余力があれば成長投資枠や特定口座を活用しよう。

ステップ4:年に1回は運用状況を見直す

資産運用は「設定して終わり」ではない。年に1回は見直しを行おう。

  • リバランス
    当初の資産配分比率から大きくずれていたら調整する
  • ライフイベントの確認
    子どもの進学、住宅ローン、転職、収入変化などに応じて戦略を見直す
  • 使う時期の再確認
    教育費やリフォーム費用など、使う時期が近づいた資金は現金比率を高める

【目的別】40代におすすめの資産運用方法|老後・教育費・5年以内のお金で分ける

40代の資産運用では、運用期間によって適した方法が大きく異なる。

「老後資金」「教育資金」「5年以内に使うお金」の3つに分けて、それぞれの考え方を確認しよう。

老後資金(15〜25年以上先)はインデックス積立を軸にする

検討しやすい運用方法
  • 全世界株式インデックスファンドなどへの積立投資
  • 新NISAのつみたて投資枠とiDeCoの併用
  • リスク許容度に応じて株式比率60〜80%程度を検討

老後資金のように15〜25年以上先に使うお金は、株式中心のインデックス投資が代表的な選択肢だ。

インデックス投資とは、日経平均株価や全世界株式指数など、市場全体の動きに連動することを目指す運用方法である。個別銘柄を選ぶ手間が少なく、低コストで分散投資しやすい。

株式は短期的には値動きが大きいものの、長期で積み立てることで購入時期を分散しやすい。ただし、長期投資でも元本割れの可能性がなくなるわけではない。

投資初心者の場合は、全世界株式インデックスファンドなど、1本で幅広い地域へ分散できる商品から検討すると管理しやすい。

新NISAのつみたて投資枠とiDeCoを併用すれば、税制優遇を活かしながら老後資金を準備できる。ただし、iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、老後資金専用と考えよう。

積立額のシミュレーション(年利5%想定・税金・手数料考慮なし)

毎月の積立額20年後の資産額うち運用益
1万円約411万円約171万円
3万円約1,233万円約513万円
5万円約2,055万円約855万円

※上記は年利5%で運用できたと仮定した場合の概算であり、将来の運用成果を保証するものではない。税金・手数料は考慮していない。

上のシミュレーションでは、月3万円の積立でも20年続ければ、運用益は概算で500万円以上となる

長期運用では複利効果が働きやすいため、無理のない金額で早めに始め、途中で止めない仕組みを作ることが大切だ。

教育資金(5〜10年先)は使う時期に近づくほど安全資産へ

検討しやすい運用方法
  • バランス型ファンド(株式と債券を組み合わせる)
  • 新NISAのつみたて投資枠を活用
  • 使う時期が近づいたら、徐々に現金比率を高める

教育資金は「10年後に大学入学費用として300万円」など、いつ・いくら必要かが比較的明確な支出だ。

ただし、運用期間が10年程度と限られるため、老後資金ほど大きなリスクは取りにくい。

株式100%のポートフォリオだと、使うタイミングで市場が下落していた場合、元本割れのまま取り崩すことになりかねない。

教育資金の運用では、株式と債券を組み合わせたバランス型ファンドなど、値動きを抑えた方法を検討しよう。

また、使う時期が近づいてきたら徐々に現金比率を高めることも重要だ。「あと5年」を目安に、新規の積立先を安全資産へ切り替える、または一部を現金化するなどの対応を考えよう。

5年以内に使うお金は運用益より元本確保を優先する

検討しやすい置き場所

「基本的に大きなリスクを取らない」が前提。
以下のような置き場所を検討しよう。

  • 普通預金・定期預金
  • 個人向け国債(1年以上使わない資金向け)
  • ネット銀行などの定期預金

車の買い替えやリフォームなど、5年以内に確実に使う予定のお金は、基本的に大きなリスクを取るべきではない

理由はシンプルで、運用期間が短いと価格変動のリスクを吸収しきれないからだ。

たとえば投資した直後に市場が20%下落した場合、5年では回復しきらない可能性がある。必要なタイミングで必要な金額を用意できなければ本末転倒だ。

こうしたお金の置き場所としては、普通預金・定期預金が基本となる。

少しでも金利を得たい場合は、個人向け国債(変動10年)も選択肢になる。ただし、個人向け国債は第2期利子支払日(発行から1年経過)以後であれば中途換金可能となる仕組みで、中途換金時には直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685の中途換金調整額が差し引かれる。

そのため、1年以内に使う可能性がある資金は、個人向け国債よりも普通預金・定期預金の方が管理しやすい。

5年以内に使うお金は、利回りよりも「必要な時に必要額を使えること」を優先しよう。

40代におすすめの運用ポートフォリオ3選|リスク許容度別の配分例

ここからは、リスク許容度や目的に応じた3つのポートフォリオ例を紹介する。

いずれも一例であり、正解は家庭の状況によって変わる。自分の運用期間、支出予定、値下がりへの耐性に合わせて調整しよう。

成長重視型ポートフォリオ|20年以上運用でき、値下がりに耐えられる人向け

※15年以上の長期運用が前提だ。一時的に資産が大きく減る可能性も受け入れられる方向けのポートフォリオである。

老後資金の準備を最優先し、長期的な資産成長を目指す配分例だ。

株式比率を高めに設定し、長期的な成長を狙う。

資産クラス配分比率
国内株式20%
先進国株式50%
新興国株式10%
国内債券10%
先進国債券10%

株式比率は80%で、成長性を重視した配分だ。

国内・先進国・新興国の株式に分散し、特定地域への依存を抑えている。

この配分で株式部分が40%下落し、債券部分が横ばいだった場合、全体では概算で32%(=40%×80%)の下落要因となる。実際には為替や債券価格の変動もあるため、値下がりに耐えられるかを事前に確認しよう。

債券を20%組み入れることで、株式100%よりは値動きを抑えやすい。ただし、金利上昇局面では債券価格も下落することがあるため、元本割れしないという意味ではない。

向いている人

  • 扶養家族が少ない
  • 生活防衛資金や預貯金に余裕がある
  • 運用期間が20年以上ある
  • 投資経験がある
  • 大きな値動きでも積立を続けられる

バランス型ポートフォリオ|教育費と老後資金を両立したい人向け

成長と安定のバランスを取り、着実な資産形成を目指す配分例だ。

40代の投資初心者にも検討しやすい、標準的な配分である。

資産クラス配分比率
国内株式15%
先進国株式35%
国内債券25%
先進国債券25%

株式と債券を50%ずつ組み合わせた、バランス重視の配分だ。

株式で成長を狙いつつ、債券で値動きを抑えることを目指す。

この配分で、仮に株式部分が30%下落し債券部分が横ばいだとすると、全体の下落は概ね15%(=30%×50%)に抑えられる計算だ。ただし、金利上昇局面などで債券価格も同時に下落する場合は、全体の下落幅が広がる可能性がある。

リスクを取りすぎず、かといってリターンも完全には諦めたくない方に向いている。

【向いている人】

  • 子どもの教育費と老後資金の両方を準備したい
  • 投資初心者
  • 運用期間が15年程度ある
  • 大きな損失は避けたい

安定重視型ポートフォリオ|大きな支出が近い人向け

価格変動を抑え、安定した運用を優先する配分例だ。

近い将来に大きな支出を控えている方や、値下がりに敏感な方に適している。

資産クラス配分比率
国内株式10%
先進国株式20%
国内債券40%
先進国債券30%

債券比率を70%に高め、安定性を重視した配分だ。

株式は30%に抑えているため、大きなリターンは期待しにくい。一方で、株式100%よりは値動きを抑えやすい。

ただし、債券中心の配分でも元本割れの可能性はある。特に先進国債券は為替変動の影響も受けるため、「安全資産」ではなく「値動きを抑えるための資産」と考えよう。

大きく増やすよりも、長く続けられる安定性を重視する方に向いている。

【向いている人】

  • 近い将来に大きな支出がある
  • 損失に敏感
  • 運用期間が10年程度
  • 投資経験が少ない

40代が避けるべきNGポートフォリオとは

以下のような配分は避けよう。

知らず知らずのうちに陥りやすい失敗パターンだ。

NG1:一つの銘柄・資産に集中

「この会社は絶対に成長する」と思って、個別株1社に全額投資するのは危険だ。

どんな優良企業でも、業績悪化や不祥事で株価が急落するリスクはある。複数の銘柄・地域・資産に分散しよう。


NG2:目的の異なるお金を混在

教育費と老後資金を同じ配分で運用するのは非効率だ。

教育費は使う時期が決まっているため、老後資金とは別に管理し、使う時期が近づいたらリスクを下げる必要がある。


NG3:設定後の放置

一度設定して何年も見直さないと、配分が大きくずれてリスクが増えることがある。

年に1回はリバランスを行い、当初の配分に近づけよう。


NG4:SNSで話題の短期売買に乗る

40代は、失敗した時に取り戻す時間が20代・30代より短くなりやすい。

SNSの話題や短期的な値動きだけで売買するのではなく、分散投資と長期積立を基本に据えよう。

40代の資産運用で失敗しないためのコツ

資産運用で成功するには、よくある失敗パターンを知り、事前に対策を決めておくことが重要だ。

よくある失敗パターンと対策

失敗パターンなぜ起きるかどう対策するか
暴落時の
パニック売り
下落に不安を感じて売却目的と期間が変わらなければ積立を続ける
高値での
一括投資
「今がチャンス」と焦る積立投資で時間分散する
情報に
振り回される
SNSやニュースに反応自分の投資ルールを決める
失敗1:暴落時のパニック売り

40代の資産運用で避けたいのが、暴落時のパニック売りだ。

市場が下落すると「もっと下がるかも」と不安になり、保有資産を売却したくなる。

しかし、長期目的のお金を下落時に売却すると、損失を確定させる可能性がある。投資目的や運用期間が変わっていないなら、積立を続けるルールを事前に決めておこう

失敗2:高値での一括投資

「今がチャンス」と思って、まとまった資金を一度に投資するのも注意が必要だ。

その直後に下落すれば、大きな含み損を抱えることになる。積立投資で購入タイミングを分散すれば、高値掴みのリスクを軽減しやすい

失敗3:情報に振り回される

SNSやニュースの情報に振り回されるのも、よくある失敗だ。

「おすすめ銘柄」を見て飛びついたり、悲観的な報道で慌てて売却したりすると、目的に合わない売買をしてしまいやすい。

最初に自分の投資方針とルールを決め、それに従うことが重要だ。

資産運用を長く続けるための仕組みづくり

投資で最も重要なのは「続けられる仕組みを作ること」だ。

相場の上げ下げに一喜一憂せず、感情に頼らない仕組みを作っておこう。

仕組み効果
自動積立の設定毎月自動で買付け、感情に左右されず継続しやすい
投資ルールの明文化「下落時も売らない」など決めておけば迷いにくい
情報源を2〜3個に絞るノイズを減らし、冷静な判断を保ちやすい
チェックは月1回程度毎日見て不安になるのを避けやすい

特に効果が高いのが、自動積立の設定だ。

一度設定すれば、相場がどう動いても毎月同じ金額を淡々と投資できる。「下がっているから怖い」「上がっているから様子を見よう」といった感情による判断を減らせる。

また、投資ルールをあらかじめ紙やメモに書き出しておくのも有効だ。

「〇〇%下落しても老後資金は売らない」「年1回だけリバランスする」など明文化しておけば、いざという時に感情で判断しにくくなる。

情報源を絞ることも重要だ。

信頼できる情報源を2〜3個に限定し、それ以外のノイズは距離を置こう。毎日の値動きをチェックすると感情が揺さぶられるため、確認は月1回程度でも十分だ。

40代の資産運用は必要に応じて専門家へ相談する

40代の資産運用は、投資商品選びだけでなく「家計全体の設計」が重要だ。

教育費、住宅ローン、保険、老後資金が重なりやすいため、自分だけで優先順位を決めるのが難しい場合は、専門家に相談するのも一つの選択肢である。

専門家に相談すると整理しやすいこと

資産運用の専門家に相談すると、以下のようなことを整理しやすい。

  • 積立額の決定
    家計状況を分析し、無理なく続けられる金額を確認できる
  • 資産配分の最適化
    目的・期間・リスク許容度に合ったポートフォリオを検討できる
  • 税制優遇の活用
    NISA・iDeCoの使い分けを確認できる
  • 家計の最適化
    固定費の見直し、投資余力の捻出について相談できる
  • リスク管理
    保険の過不足や緊急資金の準備を確認できる

特に40代は、教育費・住宅ローン・老後資金が重なり、お金の優先順位をつけるのが難しい時期だ。

専門家に相談することで、限られた資金をどの順番で使うべきか、どの程度のリスクを取れるかを整理しやすくなる。

資産運用を続けるために「守り」も整えよう

投資は「攻め」の資産形成だが、継続するためには「守り」も重要だ。

ここで言う「守り」とは、生活防衛資金や保険など、万一の事態に備える仕組みのことである。

病気やケガ、死亡、収入減に備えた保障が不足していると、いざという時に投資資産を取り崩す必要が出てくる。これでは長期投資を続けにくい。

一方で、保障が過剰でも問題だ。

必要以上に高い保険料を払っていると、その分だけ投資に回せるお金が減ってしまう。40代は保険料が上がりやすい時期でもあるため、保障の過不足を点検することが重要だ。

資産運用と保険の見直しを一体で考えることで、「攻め」と「守り」をバランスよく設計できる。投資を安心して続けられる土台を整えよう。

40代の資産運用は目的別に分けて、長期・分散・積立で進めよう

40代で資産運用を始める場合、老後資金なら15〜25年以上の積立期間を取りやすい。

ただし、教育資金や5年以内に使うお金まで同じ配分で運用するのは避けるべきだ。

40代におすすめの資産運用は、まず「使う時期」でお金を分け、老後資金は長期・分散・積立を基本に、教育資金はリスクを抑え、近い将来使うお金は現金で守ることだ。

そして、投資額や資産配分に迷う場合は、家計全体を見たうえで専門家に相談しながら進めるのも有効である。

証券アナリスト 平行秀

40代は将来に向けた資産形成を本格化させる好機です。
ご自身のライフプランに合った運用設計とリスク管理を行うことで、安心して長期的に投資を続けやすくなります。

40代の資産運用に関するQ&A

40代の平均的な貯蓄・負債の状況はどうなっていますか?

二人以上の世帯のうち、世帯主が40〜49歳の世帯では、2024年平均で貯蓄現在高は1,314万円、負債現在高は1,445万円、純貯蓄額は▲131万円(負債超過)となっている。

世帯主40〜49歳(二人以上の世帯)
貯蓄現在高1,314万円
負債現在高1,445万円
純貯蓄額▲131万円(負債超過)
負債保有割合69.0%

40代は住宅ローンの返済期間中であることが多く、負債保有世帯割合は69.0%と高い。純貯蓄がマイナスだからといって「手遅れ」というわけではなく、住宅ローンの影響が大きい。

金利・返済計画・緊急資金の確保を整理したうえで、投資に回せる余剰資金を算出しよう。

新NISAとiDeCoはどちらを優先すべき?

資金の自由度を優先するなら、新NISAから始める方が使いやすい。ただし、所得税・住民税の負担が大きく、老後資金として確実に使うならiDeCoも有力だ。

新NISAを優先しやすい理由は以下の3点だ。

  • 売却して換金できる(iDeCoは原則60歳まで引き出せない)
  • 非課税枠が大きい(年間360万円、生涯1,800万円)
  • 老後資金だけでなく、教育資金などにも使いやすい

新NISAは売却して換金できるため、教育資金など途中で使う可能性があるお金にも活用しやすい。一方、iDeCoは60歳まで引き出せないため、老後資金専用と割り切る必要がある。

所得が高く節税メリットを重視したい場合は、iDeCoを併用する選択肢もある。自分の年収、家族構成、老後まで使わない金額に応じて判断しよう。

40代の資産運用初心者は何から始めればいい?

投資初心者は、以下の順序で始めることをおすすめする。

  1. 生活防衛資金(生活費6ヶ月〜1年分)を現金で確保する
  2. 証券会社の手数料・取扱商品・サポートを比較する
  3. 新NISA対応の証券口座を開設する
  4. 全世界株式インデックスファンドなどを少額から積立開始する
  5. 慣れてきたら家計に合わせて積立額を増やす

最初から完璧を目指す必要はない。まずは少額から始めて、投資の値動きに慣れることが大切だ。

「商品選びや金額設定に自信がない」「自分に合った運用方法を知りたい」という方は、専門家に相談するのも一つの方法だ。

40代におすすめの投資信託の選び方は?

40代の長期投資では、全世界株式インデックスファンドなど、幅広く分散できる投資信託が代表的な選択肢だ。

1本で世界中の株式に分散投資できる商品なら、個別銘柄選びに悩む必要が少ない。

投資信託を選ぶ際は、以下の3点を基準にしよう。

  • 信託報酬が低い:長期運用では、わずかなコスト差が大きな違いにつながる
  • 純資産総額が大きい:規模が小さいと繰上償還(運用終了)のリスクがある
  • インデックス運用:市場平均に連動し、低コストで分散しやすい

具体的な商品名は時期によって変わりうるため、上記の基準で選ぶ力をつけることが重要だ。迷った場合は、新NISAのつみたて投資枠の対象商品から選ぶと、一定の基準を満たした商品に絞り込みやすい。

老後に必要な貯蓄額はいくらですか?

老後資金の必要額は「(毎月の生活費−毎月の年金等収入)×老後期間+医療・介護・住居費など」で考えるため、家庭状況により大きく変わる。

参考として、2025年平均では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、可処分所得は221,544円、消費支出は263,979円、差額は42,434円の支出超過となっている。

単純計算でこの差額が20年続くと、約1,018万円(=42,434円×12か月×20年)になる。

ただし、これは平均値に基づく一例であり、物価上昇、持ち家か賃貸か、退職後の就労、医療・介護費の有無によって必要額は大きく変わる。自分自身の前提条件を当てはめて試算することが重要だ。

新NISAを始める場合、毎月いくら積立すればいいですか?

積立金額は下記2つの要素から判断しよう。

  • 運用期間
  • 想定利回り

たとえば、「20年後までに2,000万円を作りたい」という目標があり、年率5%で運用できた(税金・手数料を考慮しない)と仮定する。この場合、逆算すると毎月の積立金額は約5万円となる。

しかし投資初心者の中には、いきなり毎月数万円の投資は怖いと感じる方もいるだろう。

そのような方は、無理のない月1,000円〜5,000円程度の少額から始めよう。投資の値動きに慣れてきたら、家計と相談しながら月1万円・3万円・5万円と積立金額を徐々に増やしていくのがおすすめだ。

資産運用で失敗する人の特徴は何ですか?

短期間で成果を出そうとする人と、感情でルールを破ってしまう人だ。

運用期間が短くなるほど、相場の短期的な動きや経済状況の変化の影響を受けやすくなる。デイトレードなどで短期的に成果を出せる方もいるが、豊富な知識と経験が必要なため、投資初心者が安易に手を出すのは危険だ。

また、市場が暴落した際に不安になって「パニック売り」をしてしまったり、SNSの断片的な情報に振り回されて特定の個別株に集中投資してしまったりするのも、よくある失敗パターンだ。

資産運用は、最初に決めた「長期・分散・積立」のルールを、家計に無理のない範囲で続けられる設計にすることが重要である。

40代の投資家はどのようなタイミングで運用戦略の見直しをするべきですか?

40代の投資家における運用戦略の見直しは、以下のタイミングで行おう。

  • 年に1回の定期点検を行うとき
  • 子どもの進学、住宅購入、転職、退職などライフイベントが近づいたとき
  • 家族構成や扶養家族に変化があったとき
  • 教育費やリフォーム費用など、使う時期が近づいたとき

ライフイベントが近づいている資金は、比較的リスクの低い商品や現金へ移すことを検討しよう。

一方、子どもの独立などで扶養家族が減った場合は、リスク許容度が変化する可能性がある。改めて目的・期間・家計状況を確認し、運用戦略を見直そう。

40代の投資家はどのような専門性を持った資産運用アドバイザーに相談するべきですか?

40代の投資家は、以下のような専門性をもつアドバイザーに相談すると良いだろう。

  • 退職後の生活に向けたライフプランニング
  • 目的別のポートフォリオ構築とリスク管理
  • NISA・iDeCoなど税制優遇制度の使い分け
  • 保険・住宅ローン・教育費を含めた家計全体の整理

投資商品だけでなく、家計全体を見ながら老後資金・教育資金・保険・ローンのバランスを相談できる相手を選ぶと、40代の資産運用は進めやすくなる。

出典

厚生労働省「令和6(2024)年簡易生命表の概況」(公開日:2025年7月25日)
金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」
金融庁「NISAを利用する皆さまへ」
iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「iDeCo(イデコ)の特徴」
iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「iDeCo(イデコ)のメリット」
財務省「個人向け国債の発行条件等」(公開日:2026年4月3日)
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」(公開日:2025年5月16日)
総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」(公開日:2026年2月6日)

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