- 法人カードの審査において個人信用情報がチェックされる理由を知りたい
- 具体的に個人信用情報に傷が付いている事例とは?
- 法人カードに審査に落ちてしまった人におすすめのカードを知りたい
「法人カードの審査では、個人信用情報が見られるって本当なの?」このような疑問をお持ちの経営者の方も多いのではないだろうか。
法人カードの審査では、事業の財務状況や売上状況などはもちろん、経営者・事業主の個人信用も重視される。
個人信用に問題がある場合は、残念ながら法人カードの審査には通過できない。
もし過去に延滞や債務整理などの金融事故を起こして個人信用情報に傷が付いている場合、法人カード以外の決済手段を講じなければならない。
こちらの記事では、法人カードの審査で個人信用情報をチェックされる理由や個人信用を高める方法などを解説する。
最後まで読めば、法人カードの審査に通過する確率を高めるためのコツをつかめるだろう。
法人カードの審査に落ちてしまったときの対処法も解説するので、ぜひ参考にしてみてほしい。
法人カードの審査では個人信用情報もチェックされる
法人カードの審査においては、法人の経営・財務状況だけでなく経営者個人の信用情報もチェックされる。
法人の代表者や経営者が信用に足る人物でなければ、残念ながら法人カードの審査には通過できない。
特に、中小企業やスタートアップ企業、個人事業主の場合では代表者や経営者の個人的な信用状況が重要視されると考えられる。
組織が小規模だと、事業の財務状況と代表者の個人的な信用状況が、密接に関連しているケースが多いためだ。
代表者や経営者の個人信用情報に問題がなければ、法人カードの審査に通過できる可能性は高まる。
また、信用情報が良好であれば、限度額を高く設定してもらいやすい。
法人カードの審査前に知っておきたい個人信用情報に傷が付いている具体的な例
「信用情報に傷がついている」とは、具体的にはクレジットカードやローンの返済を延滞した場合や、債務整理などの行為が挙げられる。
お金に関するネガティブな情報があると、個人信用力が乏しいことになる。
以下で、信用情報に傷がついている具体的なケースについて解説するので、参考にしてみてほしい。
カードの支払いを延滞したことがある
過去にクレジットカードの支払いを延滞したことがあると、その旨が信用情報機関に登録されている。
当然、クレジットカードの利用代金は支払わないといけないため、延滞したことがあると信用情報に大きな傷を付けることにつながる。
一般的に、延滞の期間が長ければ長いほど、また頻度が多ければ多いほど信用情報へ与える悪影響は大きくなる。
延滞の記録が残っている機関(約5年間)は、新しくクレジットカードに申し込んでも、審査に通過できないと考えてほしい。
なお、クレジットカードの延滞に関する情報が信用情報機関に登録されるのは、具体的に3カ月以上の延滞があった場合だ。
短期間の遅延(数日程度など)は、即座に信用情報に影響を与えるとは限らない。
3カ月以上の延滞は信用情報に「異動情報」として登録されるため、気を付けよう。
一時的にうっかり延滞してしまったとしても、即座に延滞している状況を解消すれば、信用情報への悪影響を最小限(もしくはゼロ)にできる。
債務整理をしたことがある
過去に債務整理(任意整理、個人再生、自己破産など)を行うと、信用情報に記録される。
債務整理とは、債務の返済が困難な状況に陥ったときに行うもので、借金減額や返済免除のための手続きだ。
債務整理の履歴があると、カード会社としては「返済が困難な状況に陥るリスクが高い」「また債務整理をするかもしれない」という疑問を持つ。
債務整理を行った事実が記録されている期間(5年~10年)は、信用情報に傷が付いている状況だ。
そのため、債務整理後に一定期間を経過しない間は、法人カードの審査に通過するのは難しいだろう。
カードの多重申込をしている
短期間に多数の法人カードに申し込んでいると、カード会社としては「財務状況に不安がある」と判断する可能性がある。
その結果、法人カードの審査に落ちてしまうリスクが高まるので、注意しよう。
信用情報機関に照会すると、クレジットカードの申し込み状況は把握できる。
つまり、複数のカードに申し込んでいるという事実は、カード会社に筒抜けなのだ。
財務状況に不安がある経営者にカードを発行すると、貸し倒れのリスクが高いと判断されるだろう。
そのため、興味がある法人カードが複数あったとしても同時に申し込むのではなく、優先順位をつけて順繰り申し込むことをおすすめする。
カードの強制解約を受けたことがある
クレジットカードの不正使用や規約違反が原因で強制的に解約された経験がある場合も、信用情報に傷が付いている。
強制解約は言うまでもなくマナー違反であり、経済状況の問題以前にモラル面に問題がある。
カード会社としては、よほどの重大違反を犯さない限りは強制解約という手段を講じないことから、強制解約の履歴があると信用情報に大きな傷が付いていると言えるだろう。
そのため、クレジットカードの強制解約に関する記録がある場合は、新たに法人カードの審査に通過するのは絶望的だ。
個人用のカードを利用する際にも、規約違反を犯さないように気を付けよう。
個人信用情報が回復するまでに必要な期間
個人の信用情報が回復するまでに必要な期間は、信用情報に記録された内容によって異なる。
一般的に、信用情報が回復するまでに必要な期間の目安は以下のとおりだ。
- 軽微な遅延(数日~1カ月程度の遅延)
- 短期間で回復する(信用情報に傷がつかないケースもある)
- 61日以上または3カ月以上の遅延
- 5年~7年間程度で回復する
- 債務整理・強制解約
- 5年~10年程度で回復する
61日以上または3カ月以上の遅延を起こすと、信用情報機関に「異動情報」として記録される。
債務整理や強制解約などの重い事案の場合は、信用情報の回復までに5年~10年程度の期間が必要となる。
また、一定の期間が経過すれば、信用情報が回復できるわけでない。
異動情報が消えると「クレジットカードやカードローンの履歴が何もない」という状態になる。
キャッシュレス決済が主流化している昨今で、金融サービスの履歴がないということは「何か曰くつきなのかも」という印象を与えるためだ。
このように、一度信用情報に傷がついてしまうと、完全な信用回復には膨大な時間がかかってしまう。
法人カードを含めて、金融サービスを利用する際には、日ごろから信用情報を良好に保つ意識を持つことが重要と言えるだろう。
法人カードの審査に申し込む前に個人信用を高める方法
法人カードの審査に申し込む前には、個人信用を高めることで審査に通過する確率を高められる。
例えば、既存のクレジットカードやローンの支払いを期日までにきちんと行い、着実に支払いを履行することだ。
クレジットカードやカードローンなどの金融サービスを利用するうえで当然のことではあるが、「やるべきことを着実に履行する」ことは非常に重要だ。
支払いを遅延させることなく、綿密な資金管理を行おう。
ほかにも、クレジットカードのショッピング機能を活用している一方で、キャッシングの記録がなければカード会社に好印象を与えられる。
キャッシングとは端的に言うと「借金」であり、キャッシングを利用した記録がなければ、安定した家計管理・事業運営ができていることに他ならない。
すでにキャッシングやカードローンでの借り入れがある場合は、可能な限り返済して借入れの整理を進めると良いだろう。
借り入れがあったとしても、着実に返済できていれば問題はないことから、信用情報を良好に保つことにつながる。
短期間に複数のクレジットカードやローンに申し込むと、信用情報に悪影響を与えることから、法人カードへの申し込みは「1枚ずつ」行うと良いだろう。
カード会社に「お金に困っている」「返済能力が怪しい」という印象を持たれると、審査に通過する確率は低くなってしまう点は留意しよう。
以上の方法を実践することで、多少なりとも個人の信用情報を改善する効果が見込める。
行える対策がある場合は、可能な範囲で行ったうえで、法人カードに申し込むを行うと良いだろう。
個人信用情報に傷があり法人カードの審査に通過できないときの対処法
もし個人の信用情報に傷がついており、法人カードの審査に通過できない場合は代々手段を講じる必要がある。
以下で、具体的にどのような手段が考えられるのかを解説する。
法人カードの審査に通過できなかったときは、以下の対処法を実践しよう。
他社の法人カードに申し込む
発行を希望していた法人カードの審査に落ちたら、他社の法人カードに申し込むと良いだろう。
カード会社によって審査基準は異なるため、他社カードに申し込めば審査に通過できるケースはあり得る。
ただし、審査落ちの原因が「信用情報に問題がある」という場合は、残念ながらどの法人カードに申し込んでも審査には通過できない。
もし信用情報に問題がある場合は、法人用のデビットカードかプリペイド型のカードに申し込むと良いだろう。
なお、自分の信用情報は信用情報機関に対して、手数料を払えば照会を依頼できる。
もし不安がある場合は、申し込み前に照会を行うことも検討しよう。
法人用のデビットカードを発行する
法人カード用のデビットカードは与信審査が行われないため、法人カードの審査に落ちた場合に発行を検討すると良いだろう。
デビットカードは利用した分がすぐに口座から引き落とされる仕組みのカードなので、カード会社としては貸し倒れのリスクがない。
デビットカードは、引き落とし用の口座に残高があれば、信用情報に関係なく利用できる。
信用情報に傷がついており、回復途上にある経営者や事業主でも利用できるため、申し込みを検討すると良いだろう。
デビットカードの中には、クレジットカードと同様にポイント還元やキャッシュバックなどのサービスが付帯しているものがある。
また、経費管理が楽になるため、経済的にも事務的にも現金決済よりデビットカードのほうが優れている。
法人用のプリペイド式のカードを発行する
法人用のプリペイド式カードも、与信審査なしで発行できる。
プリペイドカードとは、あらかじめ残高をカードにチャージしておき、残高の範囲内で決済手段として利用するカードだ。
チャージされた残高の範囲内でしか利用できないことから、カード会社としては貸し倒れのリスクが発生しない。
そのため、デビットカードと同様に与信審査を経ずに発行できるのだ。
利用する前にチャージする手間が発生するものの、ブラックリスト入りしている状態でも保有できる。
法人カードの審査に落ちてしまった経営者からすると、頼れる存在と言えるだろう。
債務整理をした会社・強制解約を受けた会社のサービスには申し込まない
もし過去に債務整理をした人であれば、債務整理を行った会社の法人カードへの申し込みは回避すると良いだろう。
クレジットカード会社や貸金業者は独自で自社の事故情報を管理しており、過去に自社で問題を起こした利用者のデータは半永久的に残る。
債務整理を行った人は、カード会社や貸金業者にとって大きなリスク要因だ。
余計なリスクを取らないためにも「過去に債務整理や強制解約を受けた人」に関しては、利用を断るだろう。
そのため、債務整理を行った会社や強制解約になった会社は、5年~10年の時間が経過したとしても信用情報は回復しない。
法人カードへ申し込む前に、過去に問題を起こしていないか再確認しておこう。
個人信用に傷があり法人カードに審査に落ちてしまった人におすすめのカード
法人カードの審査に落ちてしまったら、与信審査が行われないカードへの申し込みを検討しよう。
与信審査が無ければ、個人信用情報に問題があっても保有することが可能だ。
以下で、法人カードの審査に落ちてしまった人におすすめできる、具体的なカードを解説する。
三菱UFJ-VISAビジネスデビット
三菱UFJ-VISAビジネスデビットは、個人事業主でも申し込める年会費無料のデビットカードだ。
創業間もない会社や個人事業主の申し込みも受け付けているため、気軽に申し込める。
利用金額の0.2%が自動的にキャッシュバックされる特徴があり、現金決済よりもお得だ。
経理の事務を楽にできることから、経済的な恩恵だけでなく事務を簡素化する恩恵も受けられる。
ビジネスにおけるさまざまな場面で活躍する「VISAビジネスオファー」を利用できるため、付帯サービスも有効活用できるだろう。
具体的には、Google Workspaceやマネーフォワード クラウド会計・確定申告と連携しているため、活用できる幅は広い。
みずほビジネスデビット
みずほビジネスデビットは、個人事業主も保有できる年会費無料のデビットカードだ。
インターネットを含む世界中のVISA加盟店で利用できるため、スムーズに経費の決済ができる。
会員専用WEBを利用すればカード利用明細をダウンロードでき、会計ソフトとの連携にも対応している。
請求書のやり取りを行ってから支払いをしていた取引でも、みずほビジネスデビットで支払えば振り込み作業が発生しない。
管理事務を簡素化できるのはもちろん、カードごとに「国内・海外」「1回・1日・1カ月」の利用限度額を設定できるため、利便性も高い。
カードを保有していれば「VISAビジネスオファー」を利用できることから、ビジネスを助けてくれる存在と言えるだろう。
りそなビジネスデビット
りそなビジネスデビットは、初年度年会費のデビットカードだ。
翌年以降は税込み1,100円の年会費が発生するが、年1回以上の利用があれば翌年度の年会費は無料となるため、実質的に無料と言える。
年に2回、対象期間の利用金額を合計したうえで、1,000円ごとに3円のキャッシュバックを受けられる。
経費を削減しつつ経理事務の効率化を図れる点は、りそなビジネスデビットの魅力だ。
券面なしのバーチャルカードの発行に対応しており、入出金管理は随時メール通知で確認できる。
安全性やセキュリティ性能も申し分ないため、初めてデビットカードを持つ経営者でも使いやすいだろう。
「VISAビジネスオファー」の利用もできるため、ビジネスにおけるさまざまな場面で活躍してくれる。
GMOあおぞらネット銀行「ビジネスデビットカード」
GMOあおぞらネット銀行「ビジネスデビットカード」は、年会費が無料で最大1.0%が現金還元される。
自動的に現金還元されることから、自然と経費の削減を行える点が魅力だ。
あおぞら銀行からの入金だけでなく、セブン銀行やイオン銀行などの提携ATMからも入金が可能だ。
利便性が高いことから、チャージに関する手続きはスムーズに行えるだろう。
最大1,000万円の不正利用補償やカードロック機能など、不正利用を防ぐためのセキュリティ機能も充実している。
カード決済を行うたびにリアルタイムでメールが届くため、安心して利用できるだろう。
クラウド会計ソフトのfreee会計、弥生会計オンライン、マネーフォワードクラウド会計とも連携している。
多くの経営者や事業主の経理事務を快適にサポートしてくれるだろう。
マネーフォワードビジネスカード
マネーフォワードビジネスカードは「経営を前に進めるビジネスカード」という謳い文句があるとおり、経営者や事業主の経営をサポートしてくれるカードだ。
プリペイドカードなので、与信審査を経ずに誰でも保有できる。
年会費は永年無料で、還元率は1.0%~3.0%と高い水準にある。
ポイントは残高に振り替えて普段の支払いに充てられるため、経費の削減につながるだろう。
利用可能枚数に制限なく目的別にカードを発行でき、カードごとに利用上限を設定できる。
利用明細はマネーフォワード クラウドリアルタイムで反映され、証憑の回収状況を一元管理できる点も魅力だ。
利用の際にはアプリとメールで通知されるなど、便利な機能も多く付帯している。
申し込みから最短1週間程度で届き、すぐに利用できるスピード感も魅力だ。
不正利用被害に関しても最大1,000万円まで補償してくれるため、安心して利用できるだろう。
法人カードの審査前に自分の個人信用情報を確認しよう!
法人カードの審査では、事業の信頼性や財務状況だけでなく、個人信用情報もチェックされる。
個人用のクレジットカードを使う際や個人名義でローンを組む際には、信用情報を良好に保つことを意識しよう。
個人の信用情報に問題がある場合は、残念ながら審査に通過できる可能性は非常に低い。
信用情報に問題があり、法人カードの審査に落ちたらデビットカードかプリペイドカードの利用を検討しよう。
こちらの記事で紹介したデビットカードは、お得な特典が付帯しており、還元も受けられる。
使い勝手が良く、経営者にとって頼れる存在なので、ぜひ申込みを検討してみてほしい。