- 自分に適切な個人年金保険の選び方を知りたい
- 20代でも個人年金保険に入る必要性があるのかがわからない
- 20代におすすめの個人年金保険を知りたい
高齢化社会と寿命の長期化に伴い、公的年金だけでは経済的に安定した老後生活を送ることが難しくなってきている。
そこで注目されているのが個人年金保険である。
20代からでも入っておくべきだと思っているが、選び方をどうすればいいか悩んでいる方もいるのではないか。
本記事では、20代が個人年金保険に入る重要性や選ぶ際のポイント、おすすめの商品について解説する。
早い段階で個人年金保険に入りたいと考えている方は、参考にしてほしい。
なぜ20代に個人年金保険がおすすめなのか
20代のうちから個人年金保険に興味を持ち、加入を検討することは、将来の安心した老後を築くために非常に重要だ。
公的年金だけでは、老後の生活を安心して送ることは難しくなるとも言われている。
老後資金の柱のひとつとして、個人年金保険が注目されているが、なぜ20代から個人年金保険に取り組むべきなのかを掘り下げてみよう。
20代における個人年金保険の役割
まず、年代別ライフステージと個人年金保険との関係性から、 20代における個人年金保険の役割について確認していこう。
異なる年代におけるライフステージに合わせた年金保険の選択を理解しておくことは、将来の安心感を築くうえで重要となるはずだ。
20代から30代は、就職、結婚、出産など多くのライフイベントを迎える時期である。
キャリアの形成や家族が増えるとともに、将来の老後資金の準備も始めたい。この段階では収入がまだ安定しておらず、保険に充てる余裕があまりないかもしれない。
しかし、若いうちから個人年金保険に加入することには大きなメリットがある。
20代のうちに個人年金保険に加入することで、老後に向けた安定的な資産を築くスタートを切ることができる。
特に20代は、ライフイベントに合わせて保険内容を柔軟に調整できる点がメリットだろう。
たとえば、結婚や出産に伴う家計負担の増加に備えた保険プランを立てることができる。若い時期から積み立てをスタートすることで、将来の保障をしっかりと築くことも可能なはずだ。
将来のリスクや不確実性に備え、早期に個人年金保険を検討することが賢明だ。
40代から50代にかけては、住宅ローンの返済や子どもの教育費など、家計の負担が重くなる時期である。
同時に、老後資金の準備にも本格的に取り組み始める時期といえるだろう。この段階での年金保険の選択は、家計の安定と老後資金の積み立ての両立が求められる。
40代から50代に検討する保険として、将来の年金受給を見据えたプランの検討が重要だ。
これらの年齢層では収入がある程度安定しており、老後資金の積み立てが本格的に可能となる。
60代に入ると、定年を迎え、退職金や老齢年金の支給も始まり、老後生活の始まりともいえる時期だ。
この段階では、個人年金保険による老後の追加収入が有益となるはずだ。退職金や老齢年金だけでは生活が厳しい場合に、個人年金保険の受け取りが頼りになるのだ。
60代以降の年金保険選択においては、老後の生活スタイルや支出に合わせたプランを検討しなければならない。
個人年金保険の給付期間や支給額を適切に設定し、老後の生活を充実させるための計画を立てるようにしたい。
老後資金としての個人年金保険
将来の老後資金を考えるとき、公的年金制度(老齢年金)や退職金だけでは不安が残る。
なぜなら、老齢年金の支給開始時期が引き上げられる可能性があったり、年金支給額が不透明なことから、将来の年金制度に対する不安が広まっているからだ。
そもそも、老後を安心して過ごすために、公的年金だけで足りるのかも気になるところ。
現役時代の収入によって、公的年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)がいくら受給できるか変わってくるが、夫婦二人で月20-25万円程度が平均の額だろう。
一方、安心して老後の生活を送るには、あと10-15万円程度の上乗せが必要となる家庭が多いのではないだろうか。
個人年金保険は、このような不安要素に対処し、その上乗せ分を補助するための私的年金という位置づけとなる。
会社員であれば、老齢基礎年金に加え老齢厚生年金も受給できるが、自営業者だと、公的年金は老齢基礎年金だけであり、老後の生活費が不足する可能性も出てくる。
その補填としても活用できるため、積極的に加入することを考えておこう。
20代に個人年金保険への加入をおすすめする理由
20代で個人年金保険に加入するメリットはいくつもある。
以下にその具体的なメリットを詳しく説明しよう。
- 返戻率が高くなる
加入年齢が若いほど、個人年金保険の保険料を払い込む期間が長くなる。
長期間積み立てをすることにより、将来の給付金が増加し、返戻率が高くなるのだ。
言い換えれば、同じ保険料を支払った場合、若いときに加入しているほうがより多くの給付金を受け取ることができることになる。
- 保険料の負担が軽くなる
払い込んだ保険料をもとに、老後に受け取る年金額が決まってくる。
20代から加入していれば、その分長い期間保険料を支払うことになるため、必然的に多くの金額が積み立てられているはずだ。
40代から加入するよりも、20代に加入したほうが、毎月の保険料の負担は軽くすむということである。
- 生命保険料控除を最大限活用できる
個人年金保険の保険料は、一定の条件を満たせば、所得税や住民税の計算基礎となる所得からの控除対象となる。
毎年の所得から、個人年金保険に支払った保険料を差し引くことで、節税効果を得られることになる。
生命保険料控除のうち、一般生命保険料控除とは別枠で個人年金保険料控除が設定されており、所得税で4万円、住民税で2.8万円が控除対象の上限となる。
早期に個人年金保険に加入することで、払い込み期間が終わるまで毎年節税できることになる。
たとえば、25歳で加入し、60歳まで保険料を支払うと、35年間毎年税金を軽減することができ、メリットは大きい。
年末調整や確定申告で忘れずに申請して、節税を行うようにしよう。
20代におすすめの個人年金保険を選ぶポイント
個人年金保険を選ぶ際には、いくつかの具体的なポイントを検討することが大切だ。
以下で、詳しく解説しよう。
保険料の負担感と収益性
個人年金保険の選択において検討すべきポイントは、保険料の負担感と収益性だ。
自身の収入や予算に合った保険料の支払いが、可能かどうかをまず検討しよう。
個人年金保険の保険料は、将来の年金受給額や満期時の給付金に直結する。無理なく支払い続けられる保険料の設定が重要となる。
支払いが難しい場合、保険料未払いとなり、保険契約が解除されてしまうこともあるので、慎重に計画したい。
また、個人年金保険を選ぶ際は、将来の収益性も考慮しておきたい。
保険料の払い込みが終わるときに、保険会社の運用によって、どれだけの年金原資がたまっているか、リスクとリターンを見極めることが必要となる。
リスク許容度や収益性のバランスを考えながら、適切なプランを選択するようにしよう。
解約返戻金の有無
予期せぬ事情で個人年金保険を解約せざるを得ない場合も考えられる。
この際、保険契約の解約返戻金ポリシーが大きな影響を与えるだろう。
一般的に、保険会社によって解約返戻金の支払い条件が異なるため、加入期間が短ければ、少しの金額しか戻ってこないことは十分にありうる。
加入していた期間が10年を超えていても、解約返戻金は支払った保険料を下回ってしまうことは多いはずだ。
個人年金保険は、当初決めた期間まで払い込みを続けることで、元本割れを避けることができる。
極力、解約せずに継続するようにしたい。
また、長期間の契約が一般的な個人年金保険だが、契約者に不測の事態が発生する可能性も考えなければならない。
その際に意識しておきたいのが、死亡給付金の額である。
年金受取の前に、契約者が死亡してしまった場合、その時点までの払い込み済み保険料相当額が死亡給付金として遺族に支払われるため、掛け捨てとはならない。
個人年金保険の種類によっては、死亡給付金が払い込んだ保険料よりも多くなるタイプや、死亡給付金を少なくして、その分生存時の年金を多くするタイプなどもある。
積立期間と給付期間
個人年金保険の契約において、積立期間と給付期間を確認することも大切だ。
前述の生命保険料控除を受ける場合は、積立期間(保険料払込期間)が10年以上あり、かつ給付期間(年金受取期間)が10年以上あることが条件となるため、これらの期間をしっかり理解しておこう。
個人年金保険は、給付期間によって、終身、有期、確定の3種類がある。
- 終身年金
- 文字通り、本人(被保険者)が生存しているあいだはずっと保険金が支給されるというタイプの保険である。本人が死亡すると支払いは終了するので、できるだけ長生きしたほうがオトクになるのは間違いない。
- 有期年金
- 5年、10年などと、給付期間が決まっているタイプの保険である。その期間内に本人が死亡すると、年金も終了するというものだ。
- 確定年金
- 給付期間は5年、10年などと、契約時に決めておくタイプの保険であるのは有期年金と一緒だが、決めた期間内は本人の生死に関係なく、年金を受け取れる。本人が死亡した場合は、残りを遺族が受け取ることになる。
これらの期間を検討し、将来のライフプランに合わせた個人年金保険を選択しよう。
自身や家族の将来に安心感をもたらすために、適切なプランを選ぶことが重要だ。
20代におすすめの個人年金保険とその特徴
それでは、20代におすすめの具体的な個人年金保険商品とその特徴について見てみよう。
「いつ個人年金保険に加入するか」によって最適な商品は変わる。
各年代ごとにおすすめの個人年金保険については以下の記事でまとめたので、比較してみるとより理解を深めることができるはずだ。
20代におすすめの個人年金保険①マニュライフ生命 こだわり個人年金(外貨建)
マニュライフ生命の「こだわり個人年金(外貨建)」は、外貨建てで運用される個人年金保険である。
運用する外貨は、米ドルか豪ドルのどちらかを契約時に決めておく。
なお、保険料の払い込みは、一定額の「円」で月々1万円以上の金額と決まっており、毎月の支払額が為替などで増減することはない。
積立時の利率は、年1.5%以上となることが保証されており、運用成果が期待できるだろう。
年金の受け取りは、以下の4種類から選ぶことになる。
- 契約通貨建ての年金で受取る
- 契約通貨建ての年金を毎年円に換算して受取る
- 年金原資を円に換算して円で年金を受取る
- 年金を一括して受取る
ただし、外貨積み立ての保険のため、どうしても為替リスクは発生する。
毎月払い込んだ円での保険料が、外貨で運用され資産が増えるとしても、将来の年金受給時に、円高になっていると、支払った金額の合計を割り込み元本割れしてしまうことは考えられるため、十分理解しておくことが重要だ。
20代におすすめの個人年金保険②住友生命 たのしみグローバルII
住友生命の「たのしみグローバルII」は、外貨建て一時払い個人年金保険商品だ。
「指数連動プラン」と「定率増加プラン」の2種類がある。
指数連動プランは、投資信託や変額保険と似ているが、積極的な運用を行いながらも安定的に積立てることができる新しいタイプの外貨建保険である。
分散投資により運用リスクを軽減し、安定的な運用を目指すタイプの保険商品だ。
定率増加プランも指数連動プランと似た特徴を持っているが、もっと堅実に定率で増やすための保険商品となっている。
契約時に設定した積立利率と経過年数に応じて複利で増加するのが特徴である。
どちらのプランも、年金の受け取りは、米ドル、豪ドル、円から選ぶことができる。そのときの為替レートをもとに、いずれかを決めることができるということだ。
また、年金支払開始日を最長3年まで、先延ばしにすることができる。これも、為替レートによって判断が可能になるということだ。
ただ、年金として受け取る場合は、年金額に対する1%の手数料がかかってしまうことには注意したい。
- 参考:住友生命「たのしみグローバルII」
20代におすすめの個人年金保険③明治安田生命 年金かけはし
明治安田生命の「年金かけはし」は、将来の老後に向けた資産形成ができる個人年金保険だ。
保険料を支払う積立期間の死亡保障の金額を低くすることで、支払保険料よりも年金としての受取総額が多くなるようになっている。
個人年金保険はどれもそうだが、老後も生存していることを前提とした保険であり、生命保険というよりは投資商品に近い設定となっている。
そのため、死亡保障を低くする、というのも理にかなっているといえるだろう。また、加入時の告知は不要で、健康状態に不安があってもとくに問題はない。
ただ、上の2つの個人年金保険は外貨建てでの運用だったが、この年金のかけはしは、円建てでの運用となる。
外貨建て運用のほうが利率も高く、総じて運用成績がよくなることが多い。円建てであれば為替リスクはないが、運用成績は低くなりがちであることは理解しておきたい。
20代からの個人年金保険選びは、将来の安心感を高める大切な一歩となる。
自身のライフプランや予算に合わせて、慎重に検討し、老後の生活を豊かにするための準備を始めよう。
20代におすすめの個人年金保険を理解して最適なものを選ぼう
本記事では、20代が個人年金保険に入る重要性や選ぶ際のポイント、実際におすすめの商品について解説した。
自分のライフスタイルや目指す生活資金に見合った保険を選ぶためには、保険料や積立期間などを複合的に判断する必要があり、本記事を理解したとしても、一人だけで判断するには難しい部分もあるだろう。
そんな時は保険のプロに相談することも検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、的確に必要な保険を選択することができる。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることもまた難しい。
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