- シングルマザーにおすすめの保険が知りたい
- シングルマザーの保険料負担を減らすポイントが知りたい
- シングルマザーに最適な保険の選び方が知りたい
子どもを守り家計を支えるシングルマザーの悩みの一つに、家族への保障を保険でどのように備えるかという問題があるだろう。
必要な保障と収支のバランスを考慮して適切な保険を選ぶのは簡単なことではない。
そこで本記事では、シングルマザーに必要な保険や、家計への負担を抑えるために保険料を抑えるポイントについて解説する。
また、最適な保険の選び方についても解説するので、あなたが保険を選ぶ際の判断材料となれば幸いだ。
シングルマザーにおすすめの保険とは
シングルマザーは一家の大黒柱として、家庭を支えなくてはならない。
ただ、収入が少ないことで不安を抱く方も多いのではないか。厚生労働省の調査によれば、令和2年時点での母子世帯における母親の収入平均額は、272万円となっている。
貯蓄が十分ではないため、保険を利用して子どもの教育費を準備したい、万が一の事態に備えたい、と考える人もいるだろう。
では、そんなシングルマザーにはどのような保険がおすすめなのだろうか。
本章では、シングルマザーにおすすめな3種類の保険について紹介する。
学資保険
まず紹介するのは学資保険だ。子どもの教育資金を積み立てる目的で利用する。
そもそも教育資金はどれくらいあれば足りるものなのだろうか。
文部科学省が行った令和3年度の調査によれば、幼稚園〜高校まで全て公立で大学のみ私立にした場合、かかる費用の合計平均額は、553万8,725円となる。(大学の費用は4年間の授業料と入学費用の合計で計算)
つまり、子どもを大学まで進学させるには最低でも600万円の教育費が必要になるのだ。
そこでおすすめなのが学資保険だ。保険料を一定期間支払うことで貯蓄を行い、高校入学時や大学卒業時など決まった時に給付金を受け取ることができる。
この給付金を教育資金として活用する、という流れになる。
なお、学資保険で払い込んだ保険料は、保険を解約しない限り途中で引き下ろすことはできない。
そのため、貯金が苦手な人でも半強制的に教育費用を貯めていく事ができるのだ。
また、各会社毎に設定された返戻率によって、保険満期後にもらえる金額は保険料の合計より高くなる。
返戻率とは、保険料の総額に対して将来受け取る金額の割合を表す。
たとえば、返戻率が110%の時、支払った保険料が100万円であれば110万円になって返ってくる。
返戻率が高ければ、教育資金をより増やす事が可能になるのだ。
さらに、学資保険の大半には、親に万が一の事態があった際に保険料の支払いが免除される特約が付加されている。これも注目すべき点だ。
シングルマザーが教育資金を貯める方法として、学資保険は有効に利用できるものと言えるだろう。
収入保障保険
次に紹介するのは収入保障保険だ。被保険者に万が一の事態が起きた時に、保険金を受け取ることが出来るものであり、定期死亡保険と同じく保障を備える保険となる。
収入保障保険は、保険期間中に保障額が年々減少する代わりに保険料を安く抑えることができる。
加入している間の保障額が変わらない定期死亡保険より、安価な保険料で子どもへの保障を備えることができるのだ。
また、収入保障保険は、加入者に万が一の事態が起きた月から、決まった金額が保険の満期まで毎月支払われる。
例えば、保険の満期を60歳・月額の保険金を10万円として、加入者が40歳の1月で死亡した場合、20年×12ヶ月×10万円=2,400万円を子どもに残すことができる。
加入者が50歳で死亡した場合は、保険金が1,200万円になる。
では、収入保障保険と定期死亡保険で、保険料の違いはどれくらい出るのだろうか。
オリックス生命の商品を例に挙げて比較してみよう。
収入保障保険「家族を支える保険Keep」に30歳女性が満期60歳・月額保険金10万円で加入した場合、月額保険料は1,810円となる。
仮に40歳で加入者が死亡した場合、2,400万円を子どもに残すことが出来る。
定期死亡保険「定期保険ファインセーブ」に満期60歳・保険金額2,500万円で加入した場合の保険料4,325円と比べると、2,500円以上保険料を安くする事が可能だ。
子どもは成長と共に身体が強くなり、アルバイトなどで資金を稼ぐこともできるようになる。
つまり、必要な保障額は年齢と共に減少していく傾向にあると言える。
保険料を抑えながら、子どもの年齢に応じて必要な保障金額を備える事ができる収入保障保険は、シングルマザーにうってつけのものとなる。
医療保険
最後に紹介するのは医療保険だ。ひとり親世帯は「ひとり親家庭等医療費助成制度」をはじめとした公的医療保険の制度が利用可能だ。
ただ、制度にも限度額や適用条件があるため、民間の医療保険を活用するとより安心できるだろう。
ひとり親家庭等医療費助成制度とは、医療費の自己負担上限額を超えた費用を支給する制度である。
通院の場合は18,000円・入院の場合は57,600円が1ヶ月の上限金額となり、超過分の医療費を申請すると後ほど支払われる。
ただし、上記制度が適用されるのは公的医療保険の対象となる費用のみだ。
そのため、入院時の食事代や個室に移る際の差額ベッド代、高度な技術が必要になる先進医療の治療費など保険適用外の費用については全額自己負担となってしまう。
民間の医療保険に加入することで、入院時や手術時に給付金が支給され、医療費の支払いや収入の減少に備えることができる。
また、保険に特約を付加することで、先進医療など特定の医療行為への保障を手厚くすることもできる。
シングルマザーの医療費負担を抑えるには、医療保険の活用が欠かせない。
なお、以下の記事で解説している親に必要な保険も参考にしていただき、ひとり親がおさえるべきポイントへの理解を深めてほしい。
シングルマザーの保険料負担を減らすポイント
ここまでシングルマザーにおすすめしたい保険について解説してきた。
ただ、前章でも述べた通り、シングルマザーの収入は決して高い水準とは言えない。
そのため、高額な保険料を払い続けることは難しい。保険を利用する際は、保険料負担を抑えることも必要だろう。
そこで本章では、シングルマザーの保険料負担を減らすためのポイントを3点解説する。
公的手当と併用する
シングルマザーの収入を増やすことで、保険料の負担額を実質的に抑えることができる。
そのために活用すべきなのが公的手当である。ここでは主に、児童手当と遺族年金について解説する。
児童手当は、0歳〜中学校卒業までの児童を対象に、一定額の手当を支給する国の制度である。
6月・10月・2月に、それぞれの前月分までの手当てがまとめて支払われる形で、月額は15,000円もしくは10,000円となっている。
所得制限はあるが、申請すれば年間12万〜18万円の援助が受けられるため、積極的に活用すべきと言えるだろう。
他にも、ひとり親世帯に向けて最大月43,000円程度の費用が支給される児童扶養手当など、様々な児童関係の手当が存在する。
気になった方は、各地方自治体の窓口へ相談してみると良いだろう。
遺族年金についても解説しよう。
これは、国民年金もしくは厚生年金保険の被保険者が亡くなり、遺族が被保険者によって扶養されていた場合に受け取ることができる年金である。
受け取れる年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類がある。
シングルマザーは、「子のある配偶者」として受給対象者になる。
亡くなった夫が国民年金に加入していた場合は基礎年金が支給され、職場で厚生年金に加入していた場合は両方の年金を受け取ることができる。
なお、手続きは年金事務所で行なっている。
このような公的制度を利用して収入を増やすことで、実質的な保険料負担を抑えることができるだろう。
- 参考:内閣府「児童手当制度のご案内」
- 参考:厚生労働省「児童扶養手当」
- 参考:日本年金機構「遺族年金」
保険料の払込期間を長くする
月々の保険料の金額を抑えるには、保険料の払込期間を長くする方法がある。
払込期間とは、保険料を支払う期間のことを指す。払込期間には、短期払いと終身払いの2種類が存在する。
両者の違いは、保険料を決められた期間までに払い終わるか、保険期間の満期まで支払い続けるかというものになる。
支払うべき保険料は一定のため、終身払いで満期まで保険料を支払い続ければ、月々の保険料は安くなる。
SBI生命の終身医療保険「SBI生命の終身医療保険Neo」に30歳女性が加入する場合、保険料は終身払いであれば月額1,155円、60歳までの短期払いであれば月額2,105円となる。
ただし、医療保険の加入期間が長期間になると、短期払いの方が支払う保険料総額が少なくなる場合もある。
基本的には終身払いを選択することで、月々の保険料支払いを減らすことができる。積極的に活用するようにしよう。
既に加入している保険を見直す
既に加入している保険の見直しをすると、必要でない保険へ加入し続けている場合がある。
不要な保険を解約することで、保険料を抑えることが可能になる。
例えば、結婚していた時に収入保障保険と医療保険、学資保険を利用していたとしよう。
夫の死別もしくは離婚に伴って、シングルマザーとなり収入が減少した場合は学資保険の解約を検討すべき場合がある。
自分に万が一の事態があって子どもへの生活保障が必要な場合、収入保障保険や医療保険の給付金はすぐに支払いが始まるため、利用すべき保険と言える。
一方、学資保険は、途中で保険金を引き下ろすことができない。収入に余裕がない場合は、解約返戻金を受け取った方が良いこともあるのだ。解約すれば月々の保険料支払いは必要なくなり、費用が抑えられる。
上記のように、シングルマザーになった時に入っている保険を見直すことで保険料が抑えられる場合がある。
加入状況について、一度は確認するようにしよう。
シングルマザーに最適な保険の選び方
シングルマザーが保険料を抑えるポイントについて理解できたと思う。
では、自分に最適な保険を選ぶには、どのような点に気をつければよいのだろうか。
本章では、シングルマザーにとって最適な保険を選ぶ際の注意点を3点解説する。
保険に加入する目的を明確にする
シングルマザーの多くは、限られた収入の中で子供の教育資金や万一の際の備えを整えなければならない。
そのため、保険に加入する目的を明確にして、無駄な保険に入らないようにする必要がある。
シングルマザーが保険に加入する目的は、生活保障と資金の貯蓄の大きく2つが挙げられる。
例えば、子どもへ残す資金を用意したければ学資保険、自分が亡くなってから子どもの生活を守りたければ収入保障保険にそれぞれ入るべきである。
どちらにも備えたければ両方加入する必要がある、といった具合だ。
自分の家庭状況に合わせてどの種類の保険を選ぶべきか、慎重に検討する必要があるだろう。
遺族年金で足りない部分を補える保険を選ぶ
前章でも記述したが、夫が亡くなってしまった場合、シングルマザーは遺族年金を受け取ることができる。
また、シングルマザーが亡くなった場合は、子どもが遺族年金を受け取れる。
万一の際の生活保障を目的に保険に加入する際は、年金額を考慮し、その差額分を目安に保険金額を設定すると良いだろう。
子どもが受け取れる遺族基礎年金の月額は、以下の式で求められる。
なお、加算額は2人目までが228,700円・3人目以降は76,200円となる。
また、受給されるタイミングは2ヶ月に1回で、偶数月に2ヶ月分支給される。
子どもが1人であれば100万円以上、2人でも1人当たり約50万円の費用が毎月もらえる。
加えて、シングルマザーが厚生年金に加入していれば、年金額はさらに増える。
遺族年金で受け取れる金額を計算し、足りない費用がある場合に、学資保険や収入保障保険を選んでいくと良いだろう。
- 参考:日本年金機構「遺族年金」
若くて健康なうちに保険を選ぶ
シングルマザーに最適な保険を選ぶ最後のポイントは、若くて健康なうちに保険への加入を検討することだ。
早めに加入を検討することで、入れる保険の選択肢を広げることができる。
加入年齢に制限を設けている、もしくは特定の病気にかかった既往歴がある場合には加入できない、という保険は多い。
この点、病気にかかるリスクが低く、保険金を支払う確率の低い若い世代であれば、加入条件は問題なくクリアでき、年齢を重ねてから加入するよりも保険料も抑えられるのだ。
シングルマザーは多忙で、保険が後回しになる人も多いだろう。
ただ、早めに行動することで、自分に最適な保険を選べる可能性も高まるため、優先度を上げることをおすすめする。
シングルマザーは公的制度と民間保険も併用して子どもの教育費などを備えよう
本記事では、シングルマザーに必要な保険の種類や保険料を抑えるポイント、さらに最適な保険の選び方について解説した。
一家を支える存在であるシングルマザーは、子どもの教育費や、自分が働けなくなった際の家族保障を保険で賄う必要がある。公的制度と共に民間保険も併用していくべきだろう。
また、払込期間を長くするなど、保険料を抑える工夫も大切だ。
数ある商品の中から自分がどの保険を選ぶべきなのか、一人では判断できないという方がいれば、保険のプロに相談すると良いだろう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、シングルマザーに必要な保険を選びつつ、保険料も抑えることができるはずだ。
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