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医療保険に加入できる先進医療特約とは?メリットや選択基準について解説

この記事で解決できるお悩み
  • 先進医療特約のメリットとデメリットを理解したい
  • 先進医療特約の選択基準が分からない
  • 先進医療特約が必要かどうか見極めたい

先進医療特約とは、医療保険に付加できる特約のうち、厚生労働省が認定していない最先端の医療にも対応し、治療費を補填する特性を持つ。

ただ、先進医療は利用している人が少ない制度であり、自分が利用するか分からないのに特約をつけるべきか悩む人も多いだろう。

本記事では、先進医療特約の仕組みやメリットとデメリット、本特約の選び方について詳細に解説する。

医療保険にこれから加入しようとする方は、判断基準の参考としてほしい。

目次

先進医療特約の仕組みとは

先進医療特約の仕組みとは 生命保険ナビ

先進医療特約とは、医療保険やがん保険にオプションで付与できる特約だ。

医療保険やがん保険は、所定の入院や手術をした時、がんにかかった時に給付金が支払われる仕組みである。

それに対して先進医療特約は、先進医療を受けた時に発生する費用を補填してもらえる。

医療保険やがん保険を検討するときに、「先進医療」は必ずと言って良いほど出てくるワードだ。

難解な内容ではあるものの、この記事で詳しく説明するので、ぜひ保険選びの参考にしてほしい。

先進医療の定義と先進医療特約の概要

先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いたもので、かかる費用は患者の自己負担となるが、将来的に公的な保険給付の対象とするか検討されているもののことだ。

病気やケガをして病院にかかる時に、公的医療給付により治療費の一部が支払われる。

たとえば、風邪をひいて病院にかかるときに支払う治療費の自己負担割合は3割だ。

未就学児や高齢者になると、自己負担割合は2割以下あるいはゼロで済む。

風邪の治療やケガの治療など、日常的な通院に関しては公的医療給付の対象であることがほとんだ。

しかし、がんなど重い病気では公的医療給付の対象でない治療方法が検討されることがある。

例えば、がんの治療方法で陽子線や重粒子線を使った方法がある。

これらは健康保険が適用されない先進医療であり、治療費用(技術料)は全額患者負担だ。

費用は数百万円に及ぶ場合があるが、先進医療特約付きの医療保険やがん保険に加入していれば、その費用を補填してもらえる。

本特約は、高額な治療費が必要となったときの経済的な負担を抑えるためにある。

先進医療特約が付加できる保険商品

所定の入院や手術に対して、給付金・保険金を支給するものが医療保険だ。

がん保険ならば、所定のがんになった時に一時金などの形で給付金が支給される。

医療保険やがん保険に加えて先進医療特約を契約しておけば、先進医療の高額な費用を補填することが可能だ。

なお、本特約はオプションであるため、主契約に追加した場合は保険料の支払い金額は増えてしまう。

しかし、追加分は概ね数百円程度で済むケースがほとんどだ。

もし将来的に先進医療を受けることがあれば、結果的に少ない負担額で大きな恩恵を受けられることになる。

先進医療特約の保障範囲

本特約の保障は無制限ではなく、多くの保険会社では保障金額に上限を設けている。

実際には、通算1,000万円〜2,000万円までとされていることが多い。

先進医療であれば、無制限に保障されるわけではない点に気を付けよう。

また、先進医療である治療方法は、公的な医療給付の対象とするか国で検討された結果、公的な医療給付の対象になることがある。

保険を契約した時点では指定されていても、実際に治療を受けるときには指定から外れていることもある。

つまり、契約時の状況と治療を受ける時の状況で先進医療の指定に変更が発生している可能性がある点にも留意するべきだろう。

先進医療に指定されていないと本特約で保障されないので、病院で治療方法を医師と相談する際には、対象医療であるか確認する必要があるだろう。

契約によっては全ての先進医療を保障していない場合があるため、注意が必要だ。

がん保険の場合、あくまでがんの治療をする先進医療が対象となっていることが多い。

ミスマッチを防ぐためにも、特約の内容が自分の考えに一致したものかよく確認しよう。

先進医療特約のメリットとデメリット

先進医療特約のメリットとデメリット 生命保険ナビ

本特約は、少ない保険料で高額な先進医療に対応できる。

しかしデータ上先進医療の事例が少なく、本特約を全く使わない可能性も有り得る。

そうすると特約に保険料を支払うのは無駄ではないかと考えられるだろう。

以下では、本特約のメリットとデメリットについて説明するので参考にしてほしい。

先進医療特約のメリット

本特約は、少ない保険料にも関わらず、高額な先進医療の費用を補填してくれることがメリットとして挙げられる。

例として、第105回先進医療会議の資料によると令和3年度の陽子線治療にかかった先進医療費平均は約265万円、重粒子線治療は約319万円だ。

治療においてはこれらの費用に加えて、診察費用や入院費などが加わる。

診察費用や入院費は公的な医療給付の対象になるが、先進医療を行うような傷病では入院期間も長く負担は大きいだろう。

万が一の病気にかかるリスクに対して、できる限り費用を抑えたいと考える人にとっておすすめな特約だ。

先進医療特約のデメリット

日本国内で先進医療が行われる事例が少なく、特約を保険に付加していても使われない可能性が高い。

医療保険やがん保険を契約しても、保険金支払事由となる病気や入院がなければ無駄になってしまう。

本特約も同じであり、先進医療を受けなくては、加入しても結果的に無駄になってしまうと感じる人がいるかもしれない。

厚生労働省の令和3年度のデータによると、先進医療を受けたのは全国で年間約5,800人なので事例としては少ない。

また、先進医療を実施できる病院は限定的で、先進医療を検討しようにも「近くに受ける病院がない」という可能性もある。

たとえばがんの陽子線治療を受けられる病院は全国で19箇所であり、重粒子線治療は7箇所である。

家族性アルツハイマー病の遺伝子診断を行う病院は、現在2箇所のみだ。

このように、肝心の「先進医療を提供している医療機関が少ない」点も留意しておくべきだろう。

先進医療特約の重要性

先進医療を受ける可能性が低いことについて述べてきたが、先進医療の特約をつける必要性はあるのだろうか。

そもそも医療保険やがん保険は無駄になるかどうかで考えるべきでなく、万が一のリスクに備えるためのものだと考えるべきだ。

治療で発生する高額な費用は、家計にとって大きな負担ではないだろうか。

先進医療ならば病気が治るかもしれないのに、お金が出せずに諦める人もいるかもしれない。

見方を変えれば、特約によって治療費の負担が無くなることで、治療の選択肢を増やしてくれる側面があるだろう。

保険は万が一の事態に備えることが本質なので、損得について考えるべきではない。

適切な先進医療特約を選ぶために

適切な先進医療特約を選ぶために 生命保険ナビ

適切な先進医療特約を選ぶためには、加入する医療保険やがん保険の契約内容をよく理解することが欠かせない。

そのうえで、自分自身の価値観に合ったものかを確認する必要がある。

保険の契約内容をすべて把握するのは難しいので、ファイナンシャルプランナー(FP)などプロのアドバイザーに相談できる「生命保険ナビ」や、保険紹介サイトを利用するのも一つの手だ。

以下では、適切な先進医療で特約を選ぶためのポイントを解説する。

先進医療特約へ加入する前にチェックするべきこと

本特約を付加するにあたって、以下のような細かいが重要なチェック事項がある。

  • 契約が更新型かどうか
  • 二重に加入していないか
  • 費用の立て替えはあるか

医療保険に定期型や終身型があるように、本特約にも定期型と終身型がある。

定期型は定期的に保険の更新があり、更新の可否と保険料が見直されるものだ。

主契約が終身型でも、本特約は更新タイプということもあるので契約内容をよく確認しよう。

更新するタイプだと、保険料は更新ごとに上がっていくので注意が必要だ。

次に、同じ保険会社で医療保険とがん保険に入っている場合、両方に特約をつけても、両方から保障されるわけではないことが多い。

がん保険に特約を付与してもがんの治療に関連する先進医療しか対応しない場合が多いので、医療保険に特約を付ければ良いだろう。

先進医療の費用の補填が、どのようなタイミングでされるかもよく確認しよう。

治療後に費用分が支払われるタイプであると、一時的にでも高額な先進医療の費用を立て替えなくてはならない。

高額な療養費を払わなくて済むように特約を付けたのに、これでは意味がない。

保障の内容が、直接病院に対して支払ってくれる契約か確認しよう。

また、直接支払ってくれる場合でも、保険会社によって、支払える病院が決まっていたり、限度額がある場合があるので注意が必要だ。

先進医療特約の選択基準

特約を選ぶかどうかは、将来的なリスクに対してどのように備えるか、個人の価値観の問題と言える。

可能性だけで考えれば、すでに述べたように、病気になって先進医療を受けることはないかもしれない。

しかし、可能性は低いとはいえ、もし起こった場合に備える必要があれば加入を検討する必要がある。

例えば、先進医療の費用が、家計が逼迫して家族に迷惑をかけるようであれば加入を検討すると良いだろう。

「安い保険料負担で済むなら、お守り程度の感覚でつける」という考えもあるだろう。

一方で、「そこまで大きなリスクではないため、月々の負担保険料を減らすことを優先したい」という考えもありだ。

絶対的な正解はないので自分の価値観で決めると良いだろう。

もし自分で決められないのならば、「生命保険ナビ」の利用をはじめ、ファイナンシャルプランナーなどプロのアドバイザーに相談すると良い。

プロのアドバイザーは、家計状況や資産状況をヒアリングし、客観的な立場からアドバイスをしてくれる。

必要なリスクや保障を分析したうえで、最適な選択肢を提供してくれるため、非常に頼りになる存在だ。

既に加入している保険に先進医療特約は付加できるのか

すでに加入してしまっている保険に先進医療特約を付けることができるかは、保険商品によって異なる。

もしも特約をつけたいと考えるならば、加入している保険会社に確認しよう。

仮に途中から特約を付けることができない場合、その保険を一度解約して新たに特約付きの保険に加入する必要がある。

その場合は、主契約の保険料も変更となるので、よく検討する必要があるだろう。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、先進医療特約の仕組みやメリットとデメリット、先進医療特約の選び方について解説した。

本特約は、最新の医療技術に対応した保障を提供する特約であり、高額な治療費の負担軽減となる。

一方で対象となる病気の範囲は限定的である他、医療保険とがん保険で対象になる医療が違うなど細かな注意点があるため、本記事を理解しただけでは自分に最適な特約を探し出すのは難しいだろう。

そんな時は保険のプロに相談することも検討してほしい。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、短時間で的確に必要な保険を選択することができる。

ただ、生命保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることもまた難しい。

マッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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