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高齢者に生命保険は必要?加入時の注意点と既加入の保険を見直す際のポイントを解説

この記事で解決できるお悩み
  • 高齢者が生命保険に新しく加入する必要があるかわからない
  • 高齢者が新たに生命保険へ加入する際の注意点が知りたい
  • 高齢者が既に加入している保険を見直す際のポイントがわからない

生命保険はいざという時に自分や家族の暮らしを保障してくれるもので、日本ではほとんどの人が生命保険へ加入している。

70歳以上の高齢者になると、健康状態の観点から新たに生命保険に入るのが難しくなるというのはよく聞く話である。

そんな状況でも高齢者が新しく保険に加入するメリットはあるのだろうか。

また、既に加入している保険を見直す際にはどんなことに気を付けるべきなのだろうか。

そこで本記事では、高齢者が新たに生命保険に加入する必要性や加入時の注意点、また既に加入している保険を見直す際のポイントについて解説する。

生命保険の加入や見直しで悩んでいる高齢者の方には、ぜひ参考にしてほしい。

目次

高齢者が新たに生命保険に加入する必要性はあるのか

高齢者が新たに生命保険に加入する必要性はあるのか 生命保険ナビ

70歳以上の高齢者は、すでに何かしらの生命保険に加入している場合が多い。

現役世代と違い、子どもを扶養しているわけでもなく、働いているわけでもない高齢者が、新たな生命保険に加入する必要性があるのか悩む方は多いだろう。

そこでここからは高齢者の生命保険加入率を参考にし、自分の葬儀費用や家族への経済負担の軽減について解説していく。

現在新たな保険への加入や見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。


高齢者の生命保険加入率はどれくらいか

高齢者はどのくらいの割合で生命保険に加入しているのだろうか。

生命保険文化センターの生命保険に関する全国実態調査によると、高齢者の生命保険加入率は下記のとおりになった。

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2009年2012年2015年2018年2021年
70〜74歳86.7%87.0%89.0%88.4%88.2%
75〜79歳77.2%84.8%79.9%82.3%85.0%
80〜84歳66.9%67.8%71.1%76.9%80.2%
85〜89歳61.8%64.3%68.4%69.5%67.5%
90歳以上72.7%55.6%52.2%71.4%52.2%

上記のように、もっとも低い数字をみても半数以上の高齢者が何かしらの保険に加入していることがわかった。

ただしこの数値は生命保険や個人年金保険、共済などすべてを含んでいるため、十分な保障を確保しているとは限らない。


死亡後の葬儀代を用意する必要がある

自分に万が一のことがあったときの葬儀代の備えは万全だろうか。昨今は新型コロナウイルス感染拡大の影響により葬儀代が減少傾向にあるとはいえ、総額は約111万円となっている。内訳は下記のとおりだ。

葬儀代678.000円
飲食代201.000円
返礼品228.000円
参考:公益財団法人生命保険文化センター「葬儀にかかる費用はどれくらい?」2022

他にもお墓代や身辺整理などが必要であれば費用はさらに高額になる。

また、死亡直前まで入院していた場合は、入院費の清算なども必要になるだろう。

家族に経済的負担をかけないためにも、自分の葬儀費用は準備しておくべきである。


受取人を指定することで家族の経済負担を減らすことができる

「葬儀費用やその他にかかる費用は貯金で賄おう」と考えている方もいるかもしれない。

しかし、預貯金の場合は口座が凍結されてしまい、すぐにお金が引き出せないというデメリットがある。

葬儀代の請求がくるときに間に合わない可能性が高いだろう。

遺産分割協議成立前でも引き出すことは可能だが、全額ではなく一定の金額に限られる。そのため、家族に立て替えてもらう必要があるといえるだろう。

一方生命保険は、受取人が請求すればすぐに保険金が振り込まれるので家族の経済負担を減らすことができる。

高齢者も必要!新規で生命保険に加入する際の注意点

高齢者が新規で生命保険に加入する際の注意点 生命保険ナビ

高齢になると、死亡や入院、手術、介護などすべてにおいてリスクが高まる。

若い頃に加入した保険が満期になったので新たに保険へ加入したいと考えている方もいるだろう。

高齢者が新規で生命保険に加入する際はどのようなことに注意すればいいのだろうか?一緒に確認していこう。

保険料が高額になりやすい

一般的に、年齢が上がるにつれて保険料も高額になる。高齢になると、収入源が公的年金のみという方も多いだろう。

保険料が家計を圧迫しないように保険料と保険金額のバランスを見るのが重要だ。

高齢者が新規で加入する場合は、手厚い保障でなくても高額な保険料になることは覚悟しておいたほうがいいだろう。


加入する条件が厳しい保険が多い

昨今は80歳でも加入できる生命保険が増えているが、加入する条件が厳しい保険が多いのが現状だ。

生命保険ではありのままの健康状態を告知しなければならないため、持病がある場合や直近で入院・手術をした場合はかなり難しいだろう。

「持病があるけど保険に加入したい」という方は持病があっても加入しやすい引受基準緩和型を検討してほしい。

一般の生命保険よりも告知事項が少なく、各保険会社が定めている条件を満たせば加入することができる。

それでも加入できない場合は無選択型の保険に加入するのも1つの方法だ。

無選択の保険なら現在の健康状態や入院歴に関わらず、希望すれば誰でも加入することができる。

しかし、一般の保険料よりも高額になるため保険料と保障内容をよく確認したうえで検討するべきだ。


必要な保障内容を備えていない保険が多くなる

高齢になると「終身保険以外は保障に入っていない」「満期を迎えたら保障がなくなってしまう」「更新後の保険料が高額なので悩んでいる」というさまざまな状態の人がいるだろう。

新たに加入できる保険の種類や金額などには制限がかかることが多い。

高齢になるほど持病がある方や投薬、手術歴がある方が多いためだ。したがって、これから加入する保険で、自分が求める保障内容を網羅することは難しいだろう。

自分にはどのような保障が必要なのか、優先順位を決めることをおすすめする。

高齢者が既に入っている生命保険を見直す際のポイントとは

高齢者が既に入っている生命保険を見直す際のポイントとは 生命保険ナビ

公的年金で生活費や保険料を支払っていく高齢者にとって、保障内容を確認し、無駄な保障を排除することは急務である。
ここからは、既に加入している生命保険を見直す際のポイントについて解説していく。

これから保険の見直しをする際の参考にしてほしい。

保障内容が重複しないようにする

いくつかの生命保険に加入している場合は保障内容が重複していないか確認するべきだ。

生命保険といっても、死亡・入院・がん・介護などさまざまなリスクに備える商品が販売されており、なかには内容が重複し余分に保険料を支払っていることもあるだろう。

受け取る保険金額・受取人の確認・満期金や解約返戻金の有無などの確認や、どのようなときに保険金が受け取れる保険なのかなどの細かな部分もチェックすべきだ。

もし若い頃に加入したままの保険がある場合は、一旦保障内容を確認し、必要であれば整理や解約することも視野にいれよう。

また、どのような保障が不足しているかも合わせて確認することをおすすめする。


公的保障をどれくらい受けられるか確認する

日本では公的保障の加入が全国民に義務づけられている。

公的保障でどのくらいカバーできるかを確認し、不足している部分を民間の保険で補うのがもっとも無駄のない方法である。

例えば70歳以上の夫が死亡した時は、妻は遺族厚生年金を受け取ることができる。

遺族厚生年金の受給額は人によって異なるため一概には言えないが、計算方法は下記のとおりだ。

平成15年3月以前に加入していた場合平均標準報酬月額×79125/1.000×平成15年3月までの加入月数
平成15年4月以降に加入している場合平均標準報酬月額×5.481/1.000×平成15年3月までの加入月数

遺族厚生年金の計算方法は、老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3となる。

死亡した場合だけでなく、入院や手術に対しても高齢者になると公的保障が活用できる。

70〜74歳は所得によって負担額が異なるが、現役並み所得者は3割負担、一般・低所得者は2割負担となる。

75歳以上が該当する後期高齢者医療制度は、現役並み所得者は3割負担、一般・低所得者は所得により2割負担または1割負担で適切な治療が受けられる仕組みだ。

ベッド差額代や食事代、先進医療の技術料などは公的保障の対象外となるが、高齢者は少ない負担額で医療が受けられるのがメリットといえるだろう。

上記を踏まえたうえで、保険でどのくらい補うか決めていくことをおすすめしたい。


保険期間や保険料が適切か検討する

加入している生命保険の保険期間と保険料にも着目してほしい。

定期保険であれば基本的に解約金や満期金はなく、保障もいずれ終わる。いつ保障が終わるのかを確認し、その後の対策を考える必要がある。

一方終身保険に加入している場合は、一生涯の保障が確保できているので、よほどのことがない限り解約せずにそのまま加入しておくべきだ。

つづいて保険料も適切か判断しよう。

終身保険は保険料が上がる心配はないが、定期保険の場合は更新時の年齢で保険料が再計算されるため、小さな保障であっても高額になる恐れがある。

余裕があるなら短期払いや一時払いも選択肢の1つに入れるべきだろう。

終身払いにすると月々の保険料は安くなるが、死亡するまで保険料を支払い続けられるかよく検討すべきだ。

70歳以上の世帯年間払込保険料は下記のとおりである。

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2009年2012年2015年2018年2021年
70〜74歳43.136.930.729.933.7
75〜79歳43.832.930.035.331.4
80〜84歳48.743.930.629.528.6
85〜89歳16.973.921.136.535.8
90歳以上64.223.621.422.525.6
(万円)参考:生命保険文化センター「生命保険の加入状況」令和3年

2021年は年間払込保険料が25〜36万円となっており、高齢者は毎月2〜3万円の保険料を支払っていることがわかった。

上記をぜひこれからの保険見直しや新たな保険加入の参考にしてほしい。

高齢者でも生命保険は必要!保険の加入で家族の不安や経済的負担を減らそう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、高齢者が新しい生命保険に加入する必要性や加入時の注意点、また既に加入している保険を見直す際のポイントについて解説した。

ご高齢の方でも、生命保険に新しく加入することで病気や怪我による貯蓄の目減りを防ぎ、家族の経済的負担を減らすことができる。

ただ、高齢者が加入できる保険は保険料が高くなりやすいため、既に加入している保険と内容が重複しないよう、注意する必要がある。

本記事を理解しただけでは入るべき保険を選ぶことが難しいという人は、保険のプロに相談することも検討してほしい。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な生命保険を的確に選択することができるはずだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。

そんな時はマッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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