- 生命保険でよくあるトラブルを知りたい
- 生命保険でトラブルがあった時の相談先がわからない
- トラブルにならないためのポイントが知りたい
保険というのは、将来のリスクに備え自分や大切な人を守るための重要なツールである。
しかし、その保険契約においてトラブルに遭遇するケースは少なくない。
「保険金が受け取れると思っていたのに受け取れなかった」「勧誘時に説明された内容と保険の内容が異なっており、気づかずに契約してしまった」など、ドラブルに遭遇した場合には、どのように対処すれば良いのだろうか。
本記事では、生命保険に関するトラブルの具体的な対処法から、どのような専門家に相談すべきかまで詳しく解説する。
また、信頼できる相談相手の見つけ方なども紹介しているため、ぜひ参考にして欲しい。
生命保険で考えられるトラブルとは
生命保険の契約を巡って、トラブルが起こることは誰しもが考えられる。
契約前の理解不足や営業員の説明不足などが主な要因だが、慎重になれば防げるトラブルがあるのも事実だ。
まずは、生命保険で考えられるトラブルについて解説する。「実際にこのようなトラブルが起きている」ことを把握しよう。
トラブル①:保険金が受け取れなかった
「保険金支払事由に該当したのに、保険金が支払われなかった」というトラブルが代表的だ。
例えば、ケガや病気で入院したときは医療保険から給付金が支払われるのが一般的だが、認識の齟齬があり保険金が支払われないケースが該当する。
保険の中には「免責事由」という、保険金の支払いを免除するための規定を設けていることがある。
どのような免責事由があるのか確認しておかないと、いざというときに保険金が受け取れずに困ってしまうだろう。
似たようなトラブル事例に「保険金の支払いが遅い」がある。
多くの保険会社は、請求からおおむね5日以内に保険金を支払うこととしているが、各社で差があるのが実情だ。
必要に応じて、保険金を支払うべきか事実確認を行うこともある。
そのため、請求してから給付金が振り込まれない場合は、進捗を問い合わせてみよう。
トラブル②:販売方法が高圧的・不適切
保険会社の営業員や代理店の担当者が、相談者に対して強引に契約を迫る事例もある。
保険会社としても代理人としても、保険を販売することが利益につながるためだ。
例えば、顧客のニーズに合っていない高額の保険商品を勧めたり、リスクに関する重要な説明を怠ったりするケースが挙げられる。
実際に、外貨建て保険をめぐってトラブルになる事例が起きているので、注意が必要だ。
相談者に十分な保険知識が無いことをいいことに、必要としていない保険を勧めてくるケースは、残念ながら起こり得る。
また、不要な保険の切り替えを迫る「スイッチング」などを迫る担当者もいるため、注意しよう、
基本的に、各保険会社や代理店はコンプライアンスを遵守しているが、中には意識が低い営業員も存在する。
もし不安がある場合はコールセンターや第三者に相談し、意見を求めると良いだろう。
「よくわからないけど、契約した」という保険は、後々になってトラブルになる可能性が高い点に注意しよう。
トラブル③:勧誘の時に受けた説明と違う
近年はインターネット上で契約が成立する「ネット型保険」も増えているが、多くの保険会社では外交員が勧誘や営業を行っている。
「説明を受けて、納得したうえで契約したのに、いざ確認すると説明の内容と違う」というトラブルも実際に起こっているため、注意しよう。
保険外交員はコンプライアンスを遵守して正確な情報を伝えるべきだが、誤った情報を伝えてしまう可能性はゼロではない。
また、聞き手が勘違いしてしまうケースも考えられるうえに、そもそも「言った言わない」の世界なので解決が難しいのが現実だ。
保険外交員は自分の在籍している会社が販売している商品を取り扱っている以上、基本的に誤りのない情報を伝えてくれると捉えて差し支えない。
しかし、自分でも約款を見て、疑問点があれば質問することが重要と言えるだろう。
トラブル④:契約時に既往症を告知したものの告知義務違反と言われた
保険に加入する際には、現在の健康状態や既往症を告知するのが一般的だ。
保険会社としては、既往症や持病を持っている人は「リスクが高い契約者」となるため、加入できるかどうかの審査を厳格に行う傾向にある。
しかし、契約時に既往症を告知したものの、保険会社から「告知義務違反である」という指摘を受け、保険金が支払われなかった事例が存在する。
「きちんと申告したのに、なぜこっちが悪者扱いされなければならないんだ」と憤るのも無理はないだろう。
告知義務違反という指摘に納得できない場合は、保険会社に対して意見を主張することが肝要だ。
きちんと告知をしたのであれば、診断書などの書類とともに正当性を主張しよう。
事態が解決しない場合は、一般社団法人生命保険協会へ相談することも視野に入れると良いだろう。
トラブル⑤:貯蓄性のある保険に加入したが元本割れした
保険の中には貯蓄性がある商品も多くあるが、元本割れしてしまったことに対する苦情やトラブル事例も多い。
特に、変額保険や外貨建て保険は、運用結果や為替変動に大きな影響を受ける。
つまり、元本割れするリスクがある保険商品なので、事前にリスクを把握することが欠かせない。
「貯蓄性」という文言があるため、安全な運用商品に見えるが、変額保険や外貨建て保険にはリスクが伴う点を認識することが大切だ。
保険契約期間中に保険金や解約返戻金が変動するタイプの保険に加入する際には、どのような商品なのか正しく理解しよう。
また、通常の貯蓄型保険も、契約期間が短いタイミングで解約すると解約返戻金が支払った元本を大きく毀損することがある。
「保険」と聞くと安全なイメージがあるが、結果的に損失を被る可能性があるため、中身を理解することが欠かせない。
生命保険でトラブルが起きた時の相談先
生命保険を巡ってトラブルが起きたときは、まずは保険会社のカスタマーサポートで相談しよう。
契約内容を確認したうえで、どのような点に問題があったのか教えてくれる。
しかし、カスタマーサポートで解決しない場合は、第三者に相談して事態の解決を図ろう。
以下で、生命保険でトラブルが起きたときの、代表的な相談先について解説する。
相談先①:生命保険相談所
生命保険相談所は、一般社団法人生命保険協会が運営している、保険のトラブルを解決する窓口だ。
金融庁から指定紛争解決機関の指定を受けており、公正中立な立場から、迅速かつ透明度の高い処理を行うことを使命としている。
保険契約者の正当な利益の保護に資することを目的としており、「保険金が支払われない」「契約前と後で話が違う」など、保険契約にまつわるトラブルを解決に導いてくれる。
窓口・電話・相談フォームから問い合わせが可能だ。
電話代、郵便代、交通費などの実費は自己負担だが、相談料は無料なので不明点や納得できない点があれば相談してみよう。
相談先②:裁定審査会
裁定審査会とは、一般社団法人生命保険協会が運営している窓口だ。
生命保険相談所が苦情を受け付け、契約者と生命保険会社が十分に話し合いをしてもトラブルが解決できない場合、裁定審査会が中立・公正な立場から紛争解決支援を行ってくれる。
裁定審査会に申し立てを行えるのは、生命保険相談所が契約者から苦情の連絡を保険会社に対して行い、原則として1カ月を経過しているときだ。
裁定申し立てに関する手数料は無料で、公正な立場からトラブルの解決を目指してくれる。
主に書面により事実確認と必要に応じて事情聴取を行いつつ、「和解による解決が相当」と判断したときは、契約者と生命保険会社の双方に和解案を提示する。
生命保険相談所での相談を通じてトラブルの解決が見込めない場合は、裁定委員会への申し立てを検討しよう。
相談先③:国民生活センター
独立行政法人国民生活センターでも、生命保険に関する相談を受け付けている。
相談だけでなく、ADR(裁判外紛争解決手続)の紹介も行っているため、トラブルの解決が期待できる。
助言やあっせんなど、単に相談するだけで解決が見込めない場合は、国民生活センター紛争解決委員会に対して、和解の仲介や仲裁を申請できる。
相談や申し立ては無料で、中立かつ専門的な立場からトラブルの解決を模索してくれるため、非常に頼りになる。
国民生活センターでは、実際にあったトラブル事例などを公表して注意喚起を行っているため、過去にあった事例を参考にするのも良いだろう。
生命保険のトラブルに遭遇しないために
生命保険は、万が一のときに家族の生活を守るためのツールだ。
必要なときに必要な保障を受けられないと困ってしまうため、そもそもトラブルが発生しないように対策することが大切だ。
以下で、生命保険のトラブルに遭遇しないための効果的な対策について解説する。
必要な保障と加入保険の保障内容を正しく理解する
まずは、必要な保障と加入保険の保障内容を正しく理解し、適切な保険に加入することが大切だ。
保険は「リスクに備えるためのモノ」なので、本質を間違えると目的とはズレた保障しか得られない。
前段階として、自分の資産状況や収支状況、家族構成を把握したうえで備えるべきリスクを分析しよう。
例えば、専業主婦(夫)世帯であれば、遺族の生活を守るために死亡保険や収入保障保険の活用が挙げられる。
遺伝や家系の関係から病気のリスクが高い場合は、医療費負担の増大に備えるために医療保険へ加入するのもよいだろう。
備えるべきリスクが把握できたら、続いて必要な保障額を検討しよう。
「自分に万が一のことが起きたら、いくら残せば家族の生活を守れるか」をイメージすることが大切だ。
保障内容が過大だと保険料を無駄に払うことになり、保障内容が過小だと万が一の事態に備えられない。
このように、リスクと必要な保障額を把握できれば、ミスマッチのない保険契約ができるだろう。
定期的に生命保険の見直しを行う
保険は、一度契約したら終わりではない。ライフイベントが起こったタイミングや「○年おき」など、定期的に見直しを行うことが大切だ。
保険商品は新しいものが続々と開発されていることに加えて、時間の経過に伴って備えるべきリスクも変わってくるためだ。
例えば、子どもが小さい頃に加入した死亡保険があれば、子どもが独立したタイミングで不要になる。
備える必要はないリスクに対して保険を掛けるのは非合理で、保険料を無駄に払うことになる。
逆に、子どもが増えた場合など、必要な保障額が増えるケースも考えられる。
ライフステージの変化やライフイベントが起こったときは、保険契約について見直す癖をつけたい。
生命保険に詳しい専門家に相談する
保険に詳しい専門家に相談することで、後々のトラブルを防げる可能性が高まる。
専門家であれば、どのような保険で、どのようなときに保険が支払われるのかをわかりやすく教えてくれるだろう。
保険にはさまざまな種類があるため、自分だけで最適な保険を選ぶのは難しい。
また、保障内容が複雑で「結局、どのようなときに保険金が支払われるのか」を理解できないケースもあり得る。
効率よく、自分に最適な保険を探すためには、保険に詳しい専門家に頼ると良いだろう。
「死亡保険」と一口に言っても、保障内容や保険料が異なる保険があるため、専門家のサポートを受けながら最もマッチする保険を探そう。
「外部の人と相談するのは、手間がかかって面倒」と感じる方がいるかもしれない。
しかし、後々になってトラブルが起こると、もっと面倒なことになる。
必要なときに保険金が支払われないと、そもそも保険に加入した意味がない。
そのため、例え面倒だと思っても、専門家の意見を仰ぐことは有意義だ。
理解できない保険には加入しない
そもそも、理解できない保険には加入してはいけない。
変額保険や外貨建て保険など、一定の保障を得ながら資産運用できる点が人気を得ているが、元本保証ではない点を理解できていない人が実在する。
厳しい言い方をすると、根本的な原因は「理解できない保険に加入したから」だ。
保険外交員の説明が不足していた可能性ももちろんあるが、そもそも「理解できない保険には加入しない」というスタンスでいれば、トラブルに巻き込まれるリスクは軽減できる。
保険に加入する際には、「納得できるか」だけでなく「保険の内容を理解できているか」を意識しよう。
少しでも疑問や不明点があれば、保険外交員や保険の専門家に相談することが大切だ。
生命保険のトラブルについて相談できる相手を見つけよう
生命保険のトラブルは様々な形で発生する可能性がある。
その解決のためには、自身の状況をしっかりと把握し、適切な相談先に助けを求めることが重要である。
本記事では、生命保険で考えられるトラブルと、その際の相談先を紹介した。
トラブルに巻き込まれた時には、これを参考に正しく対処してほしい。
また、そもそもトラブルに巻き込まれないためのポイントも解説した。
生命保険は、商品性が複雑なものが多い上に、数多くの商品が存在するため、最適な保険選びが難しい。
ここで誤った商品を選択することもトラブルの原因の一つである。
そのため、保険選びは信頼できる保険のプロに相談することをおすすめする。
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質の高いアドバイスを得ることで、あなたに合った保険が見つかり、保険の有効的な活用が可能となるだろう。
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