- 適応障害になると医療保険に加入できないのかがわからない
- 適応障害でも加入できる医療保険があれば知りたい
- 適応障害になった後に医療保険へ加入する際の注意点が知りたい
人間関係や労働環境によるストレスがかかり精神疾患を抱える人は近年増加傾向にある。
適応障害もそのうちの一つだ。では、もし適応障害を発症してしまった場合、医療保険には一切加入することはできないのだろうか。
結論から述べると、加入できる医療保険も存在する。
そこで本記事では、適応障害の方の医療保険への加入可否について改めて解説し、加入可能な医療保険と加入時の注意点についても説明する。
適応障害でも加入できる医療保険があれば知りたいという方には、ぜひ参考にしてほしい。
適応障害を発症すると医療保険には加入できないのか
適応障害とは、環境の変化が起こったとき、新しい環境に順応できないことで精神的に疲弊してしまう病気を指す。
転校や転職などのライフイベントの変化が起こったときや環境の変化が起こったときに発症しやすく、仕事だけでなく私生活にも悪影響が出る点が特徴だ。
まずは、適応障害をはじめとした精神疾患と医療保険の関係について解説する。
医療保険における精神疾患とは
適応障害などの精神疾患を抱えているときに精神科やメンタルクリニックを受診すると、公的医療保険が適用され自己負担額は原則3割で済む。
また、「自立支援医療(精神通院医療)」という制度があり、通院治療にかかる医療費について1カ月当たりの自己負担額には上限がある。
そのため、精神疾患の治療を行うにあたって、まずは公的医療保険を活用しよう。
しかし、精神疾患で入院することになったら、一部の費用は全額自己負担となる。
具体的には、食事代や日用品に関する費用は、公的医療保険ではカバーされない。
精神疾患は、一般的に入院日数が他の疾病と比べても長いため、公的医療保険だけでは保障が薄いと感じることもあるだろう。
そのため、もし精神疾患を抱えている場合は、民間医療保険へ加入することで安心感を得られる。
民間医療保険は公的医療保険ではカバーされない医療関連費用をカバーしてくれる。
もし適応障害などの精神疾患を発症するリスクに備えたい場合は、医療保険へ加入して家計に与える影響を軽減できる。
精神疾患があると保険に入れないのか
しかし、「精神疾患があっても、民間医療保険に加入できるのか」という疑問を持つ方もいるだろう。
結論、「通常の保険は断られる可能性があるが、引受条件を緩和している保険であれば加入できる」と言える。
精神疾患を抱えている方は入院日数が長くなりがちである。そのため、保険会社は多くの場合、医療保険の加入条件として「有病者の保険はリスクが高い」という理由で引き受けを断る傾向にある。
しかし、もともと有病者であることを前提にした保険や、引受条件を緩和する代わりに保険料を高めに設定する保険が販売されている。
これらの「引受緩和型保険」などの保険を活用すれば、精神疾患を抱えている方でも医療保険に加入することが可能だ。
もちろん、加入にあたって審査が必要になるため、全員が加入できるわけではない。
しかし、通常の保険と比較して加入しやすいことから、有病者の方でも保険加入をあきらめる必要はない。
適応障害が治った人でも医療保険に入れないのか
過去に適用障害の診断を受け、現在は治っているという方も多いだろう。
適応障害が治った方に関しては「過去5年以内に医師の診察・検査・治療・投薬等を受けていない」状況であれば、通常の保険に加入できる可能性がある。
一般的に、多くの医療保険では過去5年以内(商品によっては過去3年以内)の病歴に関する告知義務がある。
5年以内の通院歴や治療歴に関しては告知義務があるが、5年以上前に関しては告知する必要はない。
つまり、適応障害が治ってから5年が経過していれば、通常の医療保険にも加入できる可能性があるのだ。
治ってから5年間が経過していない場合でも、医師の診断書の内容次第で加入が認められることもある。
また、引受基準緩和型医療保険や無告知型医療保険など、加入のハードルが低い保険であれば治ってから5年以内でも加入できる可能性がある。
適応障害は治る?
一度適応障害になると「完治しないのではないか」「一生ストレスを感じることになるのか」などの不安を抱える方もいるだろう。
だが、適応障害はストレス要因を遠ざければ完治が望める。症状が良くなったあとも再発するリスクはあるが、きちんとストレス要因を分析したうえで最適な対策を施せば、完治が見込める病気だ。
- ストレスに関する理解を深めること
- ストレス要因を遠ざけること
- ストレスを溜めないこと
- ストレスを十分発散すること
- ストレスの耐性を身に着けること
以上のように、主治医の指導を受けながらカウンセリングや心理療法、薬物療法を含む治療を続けることが大切だ。
十分な睡眠をはじめとした健康的なライフスタイルの維持や、主治医だけでなく家族や友人と良好な関係を築き、サポートを受けることも効果的と言われている。
完治まで時間がかかることも考えられるが、適応障害は「完治できる病気である」点を知っておこう。
適応障害でも入りやすい医療保険とは
適応障害の治療を継続している方や、治ってから十分な年数が経過していない方でも、加入しやすい医療保険がある。
長期的な入院や適応障害の再発に備えたいと考えている方は、以下で解説する保険の加入を検討してみてほしい。
また、適応障害は誰しもがなってしまう可能性がある。
ストレス耐性に自信がない方も、適応障害でも入りやすい医療保険について知っておくメリットは大きいだろう。
引受基準緩和型医療保険
引受基準緩和型保険とは、保険を引き受ける基準を緩和している保険だ。
通常の保険よりも加入要件が緩く、3〜6項目程度の告知に答えるだけで加入できる。
引受基準緩和型保険は医療保険の一種で、保険金支払事由に該当すると、入院給付金や手術給付金を受け取れる。
加入しておけば、適応障害が悪化してしまい、長期入院を強いられたとしても安心できるだろう。
ただし、引受基準緩和型保険は通常の保険よりも保険料が高い点には注意しよう。
保険会社が高いリスクを引き受けているため、保険料を高めに設定しないと保険機能を維持できないためだ。
なお、適用障害などの既往症も保障対象に含まれるが、契約から一定期間は受け取れる給付金や保険金が減額されるケースがある。
事前に保険金を受け取る条件や保険料のバランスをシミュレーションしておこう。
無告知型医療保険
無告知型保険は、無選択型保険とも呼ばれており、加入にあたって告知や医師の診査が不要な保険だ。
告知が不要なので、保険会社としても「有病者が加入する前提」で保険商品を設計している点が特徴だ。
無告知型保険は健康状態の告知が不要なので、誰でも加入できる一方で、保険料が高く設定されている。
また、加入してから一定期間は保険期間の対象外となる点や、保険金額が削減されることがある。
「適応障害でも加入できる」のは確かだが、加入後に保険料を払い続けられるか確認しよう。
がん保険
適応障害などの精神疾患を患っていても、がん保険に加入することは可能だ。
精神疾患とは別にがんを発症するリスクに備えたい場合は、がん保険への加入を検討しよう。
がん保険に加入すれば、がんに罹患したときに一時金や給付金を受け取れるため、経済的なサポートを受けられる。
がんになると長期にわたる治療を受けるケースが多いため、がん保険に加入すれば安心できるだろう。
がん保険に加入する際には、病歴や通院歴をきちんと告知する必要がある。
また、申し込み時点で入院中の場合は加入できない可能性があるため、注意しよう。
適応障害やがんを発症すると、仕事に悪影響が出る可能性が高い。
収入減に備えるためにも、がん保険への加入を検討する意義は大きい。
適応障害の方が医療保険に加入する際の注意点
適応障害の方でも、医療保険に加入することは可能だ。
精神疾患に関する入院だけでなく、さまざまな疾病に備えられるため、大きな安心材料となるだろう。
しかし、適応障害の方が医療保険に加入する際には注意するべき点もある。加入する前に、以下で解説する注意点を把握しておこう。
加入条件を満たしているか確認する
医療保険を契約するにあたって、加入条件を満たしているかを確認しよう。
そもそも、加入条件を満たしていなければ、加入したい保険があったとしても叶わない。
保険商品のパンフレットや販売員の説明を聞いたうえで、自分でも加入できるか確認しよう。
「加入できるか判断できない」ときは、きちんと告知をしたうえで「とりあえず申し込んでみる」のもアリだ。
仮に加入できなかったとしても経済的な損失を被るわけではない。
ほかの医療保険を探せばいいだけの話なので、判断に迷う場合は申し込んでみよう。
複数の保険会社の内容を比較する
医療保険はさまざまな保険会社が販売しているため、複数の保険商品を比較検討しよう。
保険商品によって、保障内容や保険料は異なっている。
複数の保険会社の商品を比較検討することで、自分にとって相性がいい保険に加入できる。
安易に「この会社の保険でいいや」と決めてしまうと、後々になって「もっと自分にとっていい保険があった」と後悔しかねない。
自分だけで複数の保険会社や保険商品の内容を比較検討するのは手間がかかるため、保険のプロに相談することも検討しよう。
客観的な立場から専門的な知識を活かして有益なアドバイスをしてくれるため、非常に参考になるだろう。
引受緩和型保険と無告知型保険の特徴を把握する
引受緩和型保険と無告知型保険の特徴を把握することも、非常に重要だ。
いずれも持病を持っている方でも加入しやすい保険なので、保険料が高い傾向にある。
保険の契約内容や保険金支払事由が複雑であることが多いので、契約書や約款をよく読み、理解した上で加入することが大切だ。
契約にあたって不明点や疑問点がある場合は、保険会社の外交員や保険の専門家に相談しよう。
告知義務違反をしないようにする
無告知型医療保険を除いて、基本的に保険に加入する際には現在の健康状態について告知する必要がある。
持病や既往歴を詐称することを「告知義務違反」というが、告知義務違反は絶対にしてはいけない。
「加入できる確率を高めたいから」という気持ちは理解できるが、告知義務違反をしてまで保険に加入するメリットはない。
タイミングの差こそあれ、いずれ告知義務違反は発覚するし、発覚したら保険が強制解約となる可能性が高い。
強制解約になっても、それまでに支払った保険料は戻ってこないため、「保険料を無駄に払って終わり」という結果になる。
そのため、通院状況や服薬状況などはきちんと告知し、偽りの申請をするのは慎もう。
公的な制度も活用する
医療保険の加入も非常に重要な手段だが、公的な制度もきちんと活用しよう。
順序としては「公的保険を使い、それでも足りない場合は民間保険でカバーする」と考えればいい。
例えば、精神疾患にかかる医療費負担を軽減できる「自立支援医療制度」の利用が挙げられる。
自立支援医療制度では、自己負担割合が原則1割となるため、医療費負担を軽減できる。
また、精神障害による初診日から6カ月が経過しても症状が回復しない場合は、「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けられる可能性がある。
精神障害者保健福祉手帳があれば、税の減免や公共サービスの割引を受けられる。
会社員や公務員の方が休職する際には、傷病手当金も活用しよう。
傷病手当金を受給できるのは「給与の3分の2程度」で、受給できる期間は最長で1年6カ月だ。
まずは、これらの公的な制度を活用し、必要に応じて民間医療保険の加入を検討しよう。
まとめ
本記事では、適応障害の方の医療保険への加入可否、および加入可能な医療保険と加入時の注意点について解説した。
適応障害になると、基本的には医療保険への加入が難しくなる。
引受基準緩和型保険などの加入条件が緩い保険も存在するが、それでも適応障害の人が入れる保険は種類が限られる。
本記事を理解しただけでは、実際に自分が必要な内容の医療保険を判断できないという人は、保険のプロに相談することも検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに自分に必要な医療保険を選択することができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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