- 生命保険の必要性について知りたい
- 生命保険の見直しや解約のタイミングがよくわからない
- 見直しや解約の適切な手順と方法についてわからない
多くの人が、生命保険を検討し、そして加入している。しかしながら、果たしてそれは本当に必要なのだろうか。
また「保険はいらない」と言われているのはなぜなのか。
この記事では、生命保険が不要と言われる理由や、生命保険が必要とされるのはどのようなケースかを解説する。
また、専門家に相談するメリットや信頼できる保険のプロの探し方なども紹介しているため、ぜひ参考にしてあなたに合った保険を見つけてほしい。
生命保険はやめるべき?その真相とは
日本は生命保険への加入率が高い一方で「入る必要はない」と考えている人たちもいる。
ここでは、その必要性に関する議論に絞って、その詳細を解説する。
日本における生命保険の加入率をあらためて確認したうえで、それでもなぜ不要だと言われるのか、そして生命保険のメリットとデメリットについて説明しよう。
生命保険の高い加入率とその理由
生命保険文化センターの2022年度「生活保障に関する調査」によると、日本人の男性の77.6%、女性の81.5%の人たちが生命保険に加入しているという。
日本人の約8割に相当する人たちが、民間の生命保険会社や郵便局、JA、県民共済・生協等で取り扱っている生命保険や共済を契約しているとのことだ。
日本での加入率が8割と高い理由は、以下の3つが考えられる。
- 戦後の高度経済成長期に普及しそのまま定着した
戦後の高度経済成長期に、それまで年払いがメインだった保険料支払いに、月払いの小口化された生命保険が生まれ、一般家庭でも契約しやすくなった。
同時に日本経済が発展し、人々の所得が急速に向上したこともあって、家計に余裕が生まれ多くの人の契約が進んだ。
また、生命保険各社で、担当受け持ち地区の決まっているパートの営業職員を大量に採用し、新規営業と集金を行う仕組みが導入されたことも、加入率が高くなった原因といわれている。
生命保険は、死亡保障や医療保障など、万が一のときに経済的な不安を軽減してくれるというメリットがあり、人々のニーズにマッチしていたことも、加入率の高さにつながったと考えられている。
- 社会的なインフラとして認識されている
日本では、就職、結婚、出産など多くのライフイベントを迎えるタイミングで、生命保険を契約するのが当たり前という風潮が以前からあった。
生命保険会社に勤務する多くの営業職員が、顧客企業の社員の個人の状況を常に把握していて、適切なタイミングを見計らって、勧誘していた、ということもあるだろう。
いまでは、社会的なインフラとして認識されている。
- 貯蓄手段としての役割を担う
万が一のときの保障としての役割と同時に、将来の資産を積み立てる手段としても利用されることが多い。
一定の期間支払った保険料が、契約者の死亡したときのリスクに備えるためだけでなく、将来の貯蓄としても利用される。
子供の教育資金や退職後の生活費などのため、死亡保障と同時に資産形成のための役割も担っているため、加入率が高いということもいえるだろう。
- 参考:公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に加入している人はどれくらい?」
なぜ生命保険はやめるべきと言われるのか?
生命保険がいらないと言われる理由は、主に以下の3つだろう。
公的保障が充実している
日本には、健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度の3種類があり、国民皆保険制度に従って、いずれかの保険に加入する義務がある。
企業に勤務している従業員や公務員とその家族は「健康保険」に加入し、自営業者やその家族などは「国民健康保険」に加入する必要がある。
また、75歳になると「後期高齢者医療制度」に国民全員が加入することになる。
すべての国民が公的医療保険に加入することになり、病気やケガで医療を受ける際の自己負担を3割程度に抑えることができる。
高額療養費制度は、月あたりの自己負担限度額を超えた医療費(入院や手術などで支払った治療費など)が、後から戻ってくる制度である。
自己負担額は所得や年齢によって変わるが、平均的な年収であれば自己負担額は9万円程度で済むようになっており、高齢者にも適用される。
これらの公的保障があれば、民間の保険を契約して高額の保険料を払わなくても、ある程度の医療保障は受けられるというのが理由の1つである。
もしものときのために貯蓄しておけばいい
万が一のときに備えて、貯蓄をしておけば、保険に加入しなくても対応できるはずだ、という考え方もある。
将来の想定外の支出や緊急事態のための資金を計画的に預貯金で準備しておけば、もしものことがあっても預貯金を使って乗り切ることができるだろう。
結婚や出産などのライフイベントのタイミングで、貯蓄を開始しておくことが多いかもしれない。
自分や家族のための医療費だけでなく、災害による修繕費用や失業による収入減少などさまざまなことが起こりうるため、預貯金で備えるのは非常に大切だ。
自分に合った保険に加入していない
元来、生命保険は長期的な契約であるため、生活環境や経済状況の変化とともに、適切な保険を契約しているか適切なタイミングでの見直しが必要なはずだ。
しかし、多くの人が当初の契約内容のまま、ずっと見直さずに入り続けていることが多い。
そのため、契約から時間が経つと、自分の求める保障内容に合っていない場合も出てくるだろう。
無駄な保障が設定されたまま保険料を払い続けるくらいなら、解約したほうが賢明かもしれない。
生命保険のメリットとデメリット
次に、メリットとデメリットを以下で確認しておこう。
- 家族を経済的負担から守る
保険契約者が亡くなった際、通常は受取人として設定されている家族に死亡給付金が支払われる。
この保険金は、家族を経済的な負担から守り、生計を立てる手助けとなるだろう。
特に、子供がまだ幼かったり、介護の必要な家族がいる場合、家族の生活水準を維持するためにも重要となるはずだ。
- 将来の備えになる
将来の不測の出来事に備える手段として役立つ。
保険契約者が生存したまま、契約期間が満了を迎えた場合、養老保険や学資保険であれば、満期保険金が支払われる。
これは老後の生活や子供の教育費のための資金として活用できるだろう。
- 税金の優遇を受けられる
保険料のうち、保障内容によっては生命保険料控除の対象となるものがある。
該当する場合、年間の保険料支払い額が80,000円以上で、所得から40,000円控除できるため、その分の所得税や住民税を節税することができる。
保険料を定期的に支払っている場合は、毎年、控除の対象となるため、税金の観点からも魅力的な選択肢となるだろう。
- 保険料がかかる
デメリットの1つは、保険料がかかることだ。
通常、契約者が保険料を定期的に支払う必要があり、経済的な負担となることがある。
支払いを怠り、滞納が続くと保険契約が無効になる可能性があるため、継続的な支払いは重要である。
- 解約時に返戻金が少ない
解約する場合、返戻金は少なくなる。
解約返戻金は、契約の期間や支払った保険料に応じて異なるが、支払い期間が短いと返戻金が少なくなることが多いため、元本割れをすることがほとんどである。
生命保険についての選択は、慎重に行うべきだ。
個人の状況に応じて、本当に必要かどうかを検討し、バランスの取れた保険プランを見つけることが賢明となる。
自身や家族の経済的な状況、将来の計画、リスクなどを考慮して、最適な商品を選ぶようにしたい。
生命保険をやめるべきでない人とやめるべき人の特徴とは?
保険が必要な人、不要な人を整理したうえで、特徴や理由について詳しく説明しよう。
生命保険をやめるべきではない人の特徴とその理由
生命保険への加入が必要な人は、どのような人だろうか。
- 扶養家族がいる人
生命保険が必要な人として、まず扶養家族がいる人が挙げられる。
扶養家族とは、配偶者や子供など、あなたの収入や経済的支えを必要とする家族のことだ。
万が一の事故や病気で亡くなった場合、家族は収入が激減し医療費の負担なども増えるだろう。
生命保険は、遺族が経済的に安心して生活できるようにするための重要なツールとなる。
- 十分な貯蓄がない人
突発的な支出や緊急の医療費をカバーできる十分な貯蓄がない場合、生命保険が必要となる。
預貯金が不足していると、突然の支出に対処できない可能性が高くなる。
緊急の支出をカバーし、家計に負担をかけずに支える手段となるだろう。
- 公的保障だけでは不安な人
公的保障だけでは不安に感じる人も、民間の保険が必要となるだろう。
実際、公的保障だけだと、それなりの自己負担が発生してしまう。
特に、公的保障の対象外となる先進医療にかかる費用は金額が大きくなるため、公的保障だけでは対応できない場合、生命保険(医療保険)に契約することは有効となるはずだ。
生命保険をやめるべき人の特徴とその理由
一方で生命保険が不要な人は、どのような人なのだろうか。
- 扶養家族がいない人
扶養家族がいない人は、保険に入る必要はあまりない。
独身であったり、あなたの収入に依存している家族がいない場合、万が一のことがあっても経済的に困窮する人が自分以外にいないので、入る必要はないといえるだろう。
- 十分な貯蓄がある人
十分な貯蓄があれば、生命保険を契約する必要性はあまり高くない。
預貯金によって緊急の支出や将来の備えに対処できるのであれば、わざわざ保険料を支払って保障を備える必要はないだろう。
- 公的保障で十分足りる人
公的保障で十分と考える人であれば、やはり不要だ。
通常の医療費であれば、自己負担は3割であり、入院や手術となって高額になったとしても、高額療養費制度を使って、自己負担額は平均9万円程度に抑えることは可能となる。
病気やケガをする確率はそれほど高くない、公的保障だけで十分だ、という考えもあるだろう。
ライフステージに合わせた生命保険の見直しの必要性
各自の生活状況や将来の計画に合わせて、生命保険を随時見直すことは重要だ。
ライフステージの変化に伴って、保険ニーズも変わるため、以下のポイントも考慮しておこう。
- 結婚
- 結婚によって、夫婦二人の家族となる。この時点で、配偶者はもちろん、子供の将来に備える必要があるだろう。家族を経済的に守るための適切な保障となっているか、保障内容をよく見直すべきだ。
- 子供の出産
- 子供が生まれると、子供の将来を見据えた保険とする必要がある。教育資金や子供の将来に備えた保障となっているかも確認しよう。
- 住宅購入
- 自宅を購入すると、住宅ローンの返済や住宅に関連する多くの費用がかかってくる。住宅ローン返済に対しては、団体信用生命保険に通常加入するが、これはあくまで死亡したときのものである。病気やケガで、仕事ができなくなり、ローンの支払いが滞る可能性もある。就業不能保険などの加入を検討してもいいだろう。
- 退職後
- 退職後の生活に備えるために、生命保険の見直しが必要となる。退職金や年金受給する場合も、それに適した保険プランを選択し、老後の安心を確保しよう。
自分に合った生命保険を見つけるためのポイントは?
自分に合った保険を見つけるためにはいくつかのポイントを考慮しなければならない。
以下で、それらのポイントに焦点を当てて詳しく説明しよう。
生命保険選びのポイント1:加入目的の明確化
保険の契約をする前に、まずはなぜ保険が必要なのか、その目的を明確にしよう。
実際に加入する人の目的は、以下のように様々なはずだ。
- 万が一のときの家族の生活費を保障するため
- 万が一のときの葬儀費用のため
- 子どもの教育費や結婚費用を準備するため
- 介護費用を保障するため
- 老後の生活資金を準備するため
- 医療費や入院費のため
- 災害や事故に備えて
- 財産づくり
加入者それぞれが保険に加入する目的を明確にすることで、適切な保険を選ぶことができる。
以下の点を自身に問いかけながら、考えてみるといいだろう。
万が一のときに、何を保障したいのか?
保険料をいくら払えるのか?
どのくらいの期間、加入するのか?
これらの質問に対する答えを明らかにすることで、加入する目的を明確にすることができるはずだ。
そして、この目標をはっきりさせることで、適切なプランを見つけやすくなるはずである。
生命保険選びのポイント2:適切な保険料の設定
保険料を無理のない範囲で支払うために、以下の3点を確認しておこう。
現在の収入
現在の収入が、保険料を支払ううえでどの程度の余裕があるかを把握しておく。
毎月の給与やその他の収入を算出し、自身や家族のライフプランにおいて、保険料がどの程度を占めるかを見極めよう。
将来の収入予想
将来の収入変動も検討材料となる。
収入が今後増加する見込みがあれば、現行の保険料のままで余裕となるが、逆に、収入の減少が予想される場合は、その変化に対応できるようにしなければならない。
家計の支出
毎月の保険料は、家計全体の支出にどの程度の影響を与えるかを考慮することが不可欠だ。
保険料が家計全体のバランスを損なわないように計画しよう。これらを総合的に検討し、無理なく加入し続けられる範囲を見極めよう。
保険料を支払うことができないと、長期的な契約を続けるのは難しくなる。
自身の経済状況に合わせて、適切な保険料を設定してほしい。
生命保険選びのポイント3:必要な保障内容と保険期間の考慮
保険を選ぶ際には、必要な保障内容と保険期間を検討することが大切だ。
生命保険には多くの種類や特約があり、それぞれ異なる保障となる。
自身のライフスタイル、家族構成、将来の計画に合致する保障内容を選択することが必要である。
また、保険は通常、長期にわたるものであり、適切な保険期間を考え、将来のライフステージに合わせて検討しよう。
これらのポイントを考慮しながら、自分に合った生命保険プランを見つけよう。
生命保険はやめるべきなのかと感じたら加入の目的を思い出そう
本記事では、生命保険をやめるべきと言われる理由、そして、保険が必要なケースについて解説した。
保険は長期的な契約であるため、生活環境や経済状況の変化とともに適切な保険への加入、見直しが必要である。
自分に合っていない保険に加入していることが、保険がいらないと言われる理由の一つである。
しかし一方で、保険商品の選択には保障内容や保険料など保険内容への理解や、自分に必要な保障の把握など様々な専門的な知識が必要である。
また、保険には膨大な数の商品があり、自分でその中から最適な商品を見つけるのは難しいだろう。
こうした悩みを持つ方は、経験豊富な保険のプロに相談することがお勧めだ。
その際に役立つのが「生命保険ナビ」である。
多種多様な保険のプロが在籍しており、自分にマッチした専門家を自由に選ぶことが可能だ。
記事の内容に沿った見直しや解約の具体的なアドバイスをもらえるだろう。
保険の見直しを実際に考えている方、これからのために一度相談したいと考えている方、「生命保険ナビ」の活用をぜひ検討してほしい。