MENU

医療保険の贈与に必要な手続きと注意点とは?

この記事で解決できるお悩み
  • 医療保険の贈与に必要な手続きについての情報がほしい
  • 贈与による医療保険の移行に関する注意点が知りたい
  • 医療保険の贈与にかかる税金について知りたい

医療保険に加入している方の中で、医療保険の贈与を考えているという方はいるだろうか。

医療保険の贈与を行う際には、多額の税金が発生してしまう場合もあり、注意が必要である。

そこで本記事では、贈与の際に気をつけるべきポイントや節税方法について解説していく。

医療保険への加入を検討している方、または既に加入しており贈与を考えているという方には、ぜひ最後まで読んでほしい。

目次

医療保険の贈与とは

医療保険の贈与とは 生命保険ナビ

医療保険を子や孫に贈与できるというのはご存じだろうか。

生命保険(死亡保険)が相続対策になるのは良く知られている。しかし、医療保険の贈与も実は相続対策に活用できるのだ。

そこでまずは、医療保険を子や孫に贈与する方法が気になる方のために以下の3つのポイントを詳しく解説する。

  • 医療保険の贈与とは
  • 医療保険を贈与するメリット・デメリット
  • 医療保険の贈与がなぜ相続対策になるのか

「医療保険を子や孫に贈与する」とは具体的にどのようなことなのか、メリット・デメリットは何なのか、そもそも何故、相続対策ができるのかを詳しく確認していこう。

医療保険の贈与とは

医療保険の贈与とは、医療保険の保障を子や孫に無償で譲ることだ。

医療保険にはいわゆる「プレゼントプラン」が存在する。具体的に説明すると医療保険の保障を子どもや孫が受けられるようにできる仕組みだ。

より具体的に言えば、プレゼントプランを使って医療保険の保障を子どもや孫が受けられるようにすることを、医療保険の贈与と考えれば分かりやすいだろう。

医療保険を贈与するメリット・デメリット

医療保険を贈与するメリットは2つだ。

  • 相続税の節税対策になる
  • 子どもや孫が保険料を負担せずに一生涯の医療保障を受けられる

次の項で詳しく解説するが、医療保険の贈与は相続税がかかる場合、相続税を減らす効果がある。

また、親が保険料を全て前払いしてしまうので子どもや孫は保険料を負担する必要がない。

保障が一生涯続く終身医療保険の保障を名義変更で子どもや孫を被保険者とすれば、病気やケガをしても子ども、孫は医療保障を受けられる。

医療保険の贈与で考えられるデメリットは以下の2つだ。

  • 解約返戻金を受け取れなくなる
  • 将来的な医療費高騰で備えとして不十分になってしまう可能性がある

医療保険を全期前納払いで支払ってしまうと、解約返戻金を受け取れなくなるのが一般的だ。

分かりやすく言えば保険を現金に戻せなくなってしまうのはデメリットかもしれない。

また、終身型の医療保険の給付金は生涯、保障が続くが医療費や物価が高騰してしまうと、贈与される医療保険の保障では足りないことも考えられる。

メリット・デメリットを踏まえた上で本当に医療保険を贈与するべきなのかを判断しよう。

医療保険の贈与がなぜ相続対策になるのか

そもそも医療保険を贈与すると何故、相続対策になるのかを説明する。

医療保険を贈与する手順を踏む際に、契約者である親は終身医療保険を全期前納払いすることになる。

つまり、保険料を払うことで、親が残すはずだった金融資産を減らせる。

相続税の対象となるはずだった相続財産が減れば、必然的に相続税も減るというわけだ。

親が生前に保険料を全て払った後に契約者・受取人を子や孫に変更する際には贈与税の対象となる。

しかし、贈与税には年間110万円の非課税枠がある。

全期前納払いで解約返戻金が受け取れなくなった医療保険は、譲渡時の評価額が低く贈与税の非課税枠内で譲渡しやすい。

まとめると、祖父の相続財産を保険料の支払い分だけ減らせて、しかも贈与する際の医療保険の評価額が低いことで贈与税非課税枠におさまることがほとんどのため、医療保険の贈与は相続対策になるのだ。

 医療保険を贈与する際のポイント

 医療保険を贈与する際のポイント 生命保険ナビ

医療保険を贈与する際の具体的な段取りや注意するべきポイントを整理する。

医療保険で相続対策をする際にどのような医療保険を選び、どのように契約、手続きを進めれば良いのか、そして、そもそも相続対策が必要なのかどうかも確認してみよう。

医療保険を贈与する方法

医療保険の贈与で相続対策をする際の具体的な手順は以下の通りだ。

  • 保険料を一括で支払えるタイプの終身型の医療保険を選ぶ(全期前納払いができる医療保険)
  • 契約者と受取人は親にし、被保険者は子か孫にしておく
  • 保険料の支払いを前払いで終える
  • 契約者・受取人の名義を子に変更する
  • 子は一生涯の医療保障を受けられる

少し分かりづらいが保険料を払い終えるまでは、受取人が親なので、子が病気やケガをすると親に給付金が支払われる状態となる。

しかし、保険料を払い終えて契約者・受取人の名義を子か孫に変更すれば、子か孫が病気やケガをしたら子や孫に給付金が支払われることになる。

この方法なら、子か孫は保険料を負担することなく一生涯の医療保障を受けられる。

ちなみに、最初から子や孫を医療保険の契約者・被保険者にして、祖父が保険料を孫に渡す場合も考えてみよう。

この場合だと祖父が孫に保険料分、現金を贈与することになるため贈与税の非課税枠を無駄に使ってしまうことになる。

また、全期前納払い込みが終わった医療保険は評価額が低いため、直接現金で保険金を親から子や孫に渡すよりも有利になる。

医療保険を贈与する時のポイント

医療保険の贈与を進める際には以下、3つのポイントに注意して手順を進めたい。

  • 医療保険の贈与に適した医療保険かどうかを確認
  • 事前に親族の間で相談をしてから保険加入を決める
  • 医療保険の保障内容も確認する

医療保険を贈与するときのポイントとして、そもそも医療保険の贈与に適した保険なのかどうかを確認する必要がある。

例えば、医療保険の契約者・被保険者・受取人の名義変更ができるのかどうか、全期前納払いができるかどうかなど、医療保険を贈与する際に必要な手続きができる保険選びをしなければならない。

医療保険に加入する前に、医療保険の贈与で相続対策ができる保険なのかどうかを確認しておくべきだ。

そして、相続対策なので事前に関係者である子や孫に医療保険を贈与する旨を伝えておくことも必要だ。

何も聞かされずに、いきなり祖父から医療保険の契約者・受取人の名義人変更の手続きを進めるように言われても困惑してしまうだろう。

また、せっかく子や孫に医療保障を残すのであれば、医療保険そのものの保障内容についても確認しておこう。

近年の医療保険は特約も豊富で様々な種類がある。相続対策だけでなく質の良い医療保障を残せるかも贈与する際に確認したい。

医療保険を贈与する際の注意点

そもそも相続対策を医療保険の贈与という面倒な手続きでする必要があるかどうかについても確認しよう。

相続税にはそもそも基礎控除が存在する。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算できる。

例えば祖父が亡くなった際の相続人が子どもが3人だった場合、基礎控除は計算式に当てはめると4,800万円となる。

基礎控除以上に子に残す財産がなければ、そもそも相続税については特に対策を立てる必要がない。

医療保障を子や孫に残すことが主な目的ならば良いが、相続対策として本当に有効な手立てかどうかも事前に確認しておくと良いだろう。

また、医療保険の贈与の際には先に紹介した以下の2つのデメリットについても注意したい。

  • 解約返戻金を受け取れなくなる
  • 将来的な医療費高騰で備えとして不十分になってしまう可能性がある

また、相続税は税制改正が進められており税制も変化している。

医療保険を子や孫に贈与するタイミングで税制が変わっている可能性も踏まえた上で医療保険を贈与する段取りを進めるかどうかを判断したい。

自分に適した資産の受け渡し方法を見つける方法

自分に適した資産の受け渡し方法を見つける方法 生命保険ナビ

医療保険の贈与は数ある資産の受け渡し方法のひとつにすぎない。

相続対策をする際には、医療保険の贈与以外の選択肢とも比較検討した上で決めたい。

資産の受け渡し方法は、それぞれの事情に合わせて最適な方法を見つけたい。

最終的には専門家に相談しながら決める必要がある。

しかし、事前に自分でも受け渡し方法を考えておくことで相続対策の理解も深まり、専門家との相談もしやすくなるはずだ。

  • 家族構成と受け渡し相手を明確にする
  • 発生する税金・費用を明確にする
  • 多くの受け渡し方法を比較検討する

この3つは、相続税や贈与税が改正されても変わらず、相続対策で重要な確認事項だ。

家族構成を把握し、受け渡す相手を明確にする

まずは、相続の対象となりそうな家族構成の洗い出しをしておこう。

税理士や保険の専門家に相談する際には、家族構成を整理して伝えられるようにしておくことで、正確な相続対策ができる。

家族構成のうち誰が相続権を持つのかは特に明確にしておきたい。

相続税には基礎控除もあり、相続人の数で控除額も変われば、一人あたりいくら相続できるのかも変わってしまうからだ。

注意してもらいたいのが、遺産を相続できるのは、民法で定められた「相続権を持つ人」だけということだ。

例えば、孫は民法上、法定相続人ではない。祖父の子供が亡くなっていて、孫がいる場合など限られた状況でなければ、孫は法定相続人にならない。

そのため、祖父が医療保険を子供が生きている状態で孫に贈与する場合は、生命保険料を払い込むことで祖父の子供に対する相続財産を減らして、且つ孫に医療保障をプレゼントできることになる。

また、内縁の妻も法律上は相続人にはならない。

確認してみると法定相続人ではない人を相続する人と誤解していることも考えられる。

誰が相続権を持っているのかは明確にしておこう。

そして、資産を譲り渡す相手も明確にしておきたい。遺産には法定相続で決められた分け方もあるが、遺言書があれば、分け方を自分で決めることもできる。

相続させたい相手が法定相続人でなかった場合は遺言書を用意したり生命保険(死亡保険)の受取人に指定したりするなど、別の方法を考えなければいけない。

発生する税金や費用を明確にする

医療保険の贈与ならば全期前納払いの保険料が発生する。

投資信託で資産を増やしてから子や孫に現金を渡すなら、投資信託の売買手数料や信託報酬を負担し、売却益に対する課税と贈与税がかかってしまう。

このように、お金を増やしたり、受け渡したりしようとすると税金や費用が発生してしまうものだ。

相続対策のためにやろうとしていることの費用対効果に関しては明確にしておきたい。

特に相続に関しては、相続税がかかるほどの資産があるのかどうか、相続税がかかる場合、どの程度の負担を相続人が負うことになるのかも明確にしたい。

よく調べてみたら相続対策自体が必要ないこともあれば、したところで焼石に水で費用対効果に合わないことも十分、考えられるためだ。

多くの受け渡し方法を比較検討する

医療保険の贈与は相続対策の数あるうちの一つの受け渡し方法にすぎない。

そのため、子や孫に資産を受け渡す方法を洗い出した上で、比較検討して最適な方法を選びたい。

例えば、年間110万円までなら贈与税の基礎控除があるため、暦年贈与で譲り渡す方法がある。

ただし、暦年贈与に関しては定期贈与と認定されると贈与額の合計金額に対して税金が課せられるなど注意するべき点が多い。

また2024年以降には過去7年分の暦年贈与された額が相続財産に加算されてしまうなど、実際にやるとなると専門家のアドバイスを受けた上ではじめる方が無難だ。

また、祖父(直系尊属)から孫への贈与ならば、教育資金の一括贈与(最大非課税枠1,500万円)、結婚・子育て金の一括贈与(最大非課税枠1,000万円)、住宅取得等資金の譲渡(省エネ等住宅の場合は1,000万円、通常の住宅なら500万円の非課税枠)など非課税枠が大きい贈与方法もある。

医療保険の贈与を検討する際には、このような多くの受け渡し方法と比較検討した上で、本当に必要だと判断してから、実際に保険に加入すると良いだろう。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、医療保険を贈与するメリットデメリットを解説した。

贈与対策にもなり、子供や孫に生涯にわたる保障をプレゼントできるのであれば、とても魅力的な制度であると感じるだろう。

医療保険を贈与する時のポイントや注意点も紹介したので、参考にしてほしい。

しかし、実際に加入する際には、贈与の制度や、保障内容、保険料など様々な観点から検討する必要がある。

さらに、保険には数多くの商品が存在するため、その中で比較し、最適なものを見つけるのは極めて困難であるだろう。

そのため、まずは専門家に相談することをおすすめする。無料で提供している「生命保険ナビ」を活用して、自分に合った保険担当者を見つけて相談をしてみてはいかがだろうか。

生命保険ナビでは、全国の保険のプロの中からあなたの状況に適した担当者を厳選している。

このサービスを活用し、医療保険の贈与を成功させてほしい。

  • URLをコピーしました!

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

目次