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医療保険と傷害保険の違いとは?

この記事で解決できるお悩み
  • 医療保険と傷害保険の違いが理解できない
  • 医療保険と傷害保険、どういった場合にどちらが必要なのか分からない
  • 自分に適した保険選びの視点が見つけられない

医療保険と傷害保険は一見似たような保障であり、どちらに加入すべきか悩む方も多いだろう。

実は、それぞれに特性があり、適用される病気や事故の条件が異なる。

自分がどのようなリスクから自身や家族を守りたいのかを明確にすることで、どちらの保険を選ぶべきかが見えてくる。

この記事では、医療保険と傷害保険の違いと選び方、その選択基準について詳しく説明する。

ぜひ参考にして欲しい。

目次

医療保険と傷害保険の基本的な特徴と違い

医療保険と傷害保険の基本的な特徴と違い 生命保険ナビ

医療保険と傷害保険の違いを以下3つの観点から解説する。

  • 保障(補償)範囲の違い
  • 加入条件の違い
  • 保険料の違い

保障(補償)範囲の違い

医療保険の給付金や保険金が支払われるのは、病気やけがが原因で「手術」または「入院」した場合だ。

通院は保障範囲から外れてる医療保険が多く、保障の対象にしたければ特約として「通院保障」を付ける必要がある。

傷害保険は事故が原因で負ったけがが補償の対象だ。傷害保険の補償対象となるけがは以下3つの要件を満たさなければならない。

  • 急激:突発的に発生し、けがを負うまでタイムラグがない
  • 偶然:けがを負うことが予知できない
  • 外来の事故:けがの原因が身体の外にあること

上記3つの条件に当てはめると、時間をかけて傷ができる靴擦れや、自身の体に原因がある病気は傷害保険の補償対象には含まれないとわかる。

より具体的に医療保険と傷害保険の保障(補償)範囲の違いについて理解するため、交通事故で足の骨を骨折したケースを例に説明する。

医療保険では、骨折の治療に入院や手術が不要と判断されると保障範囲からは外れる。

一方で傷害保険は入院や手術の有無を問わず、通院であっても保険金が支払われる。

加入条件の違い

加入条件にも違いがある。医療保険では健康状態や過去の病歴の申告が必要で、加入に際して保険会社の審査がある。

健康状態が悪いと判断された場合、医療保険への加入を断られるケースもある。

他方、傷害保険に健康状態の申告義務はなく、保険会社からの審査もない。

そのため健康状態が悪い方であっても、傷害保険には加入できる。

保険料の違い

保険料の算出方法にも違いがある。医療保険は加入者の年齢・健康状態・性別によって保険料を決定する。

つまり若く健康状態が良い方ほど保険料が安くなる仕組みだ。

傷害保険では年齢や健康状態による保険料の差はない。加入者の職業の危険度によって保険料に差をつけている。

たとえば、建設作業員や漁師はけがをする危険度が高いと判断され、保険料が高めに算出される。

一方で室内で仕事をする事務員はけがをする危険性が低いため、保険料は割安になる。

医療保険と傷害保険のメリットとデメリット

医療保険と傷害保険のメリットとデメリット 生命保険ナビ

医療保険と傷害保険の違いは理解いただけたと思う。

次に2つの保険のメリットとデメリット、それぞれの保険に向いている方の特徴を解説する。

医療保険のメリットとデメリット

医療保険のメリット4つとデメリット2つを解説する。

病気が保障の範囲になる

傷害保険と比較したとき医療保険の一番のメリットは、病気による入院や手術が保障の範囲になることだ。

また医療保険の保険金は使途が定められていないため、公的医療保険では保障されない収入の減少の埋め合わせ、家族の生活費などを賄うことも可能だ。

万が一病気になった際に、手厚い保障を受けられるのが医療保険のメリットと言える。

特約でさまざまなリスクに備えられる

また医療保険には以下のような特約があり、あらゆるリスクに備えられる。

医療保険の主な特約には以下の3つがある。

通院特約通院も医療保険の対象にする特約。特約によっては入院後の通院にしか給付金が支払われないケースもあるため、契約前の確認が必要。
三大疾病特約三大疾病と呼ばれるがん・急性心筋梗塞・脳卒中を罹患した際に、給付金の上乗せや一時金を受け取れる特約。給付金を受け取れる条件は疾病ごとに異なる。
先進医療特約公的医療保険の対象とはなっていない先進医療を受けたときの費用負担に備えられる特約。

特約の付加によって、医療保険を自分好みにカスタマイズできる点が魅力だ。

また2つ以上の保険に加入するよりも、1つの保険に特約を付けた方が保険料が安くなるケースも多い。​​

「将来のあらゆるリスクに備えたい」「管理が面倒だから1つの保険で完結したい」という方は、医療保険がおすすめだ。

生命保険料控除の活用で税負担を軽減できる

医療保険の保険料は生命保険料控除の対象だ。生命保険料控除とは1年間に支払った保険料に応じて、所得税と住民税の負担が軽減される制度だ。

​2012年1月1日以降は、以下3つの保険料が控除の対象となっている。

  • 生命保険料
  • 個人年金保険料
  • 介護医療保険料

医療保険の保険料は「介護医療保険料」に該当する。また年間の保険料と控除額の関係は以下の表にまとめたので参考にしてほしい。

所得税の生命保険料控除

年間の払込保険料控除額
20,000円以下払込保険料全額
20,000円超40,000円以下(払込保険料×1/2)+10,000円
40,000円超80,000円以下(払込保険料×1/4)+20,000円
80,000円超一律40,000円
出典:公益財団法人生命保険文化センター「生命保険料控除制度とは」

住民税の生命保険料控除

年間の払込保険料控除額
12,000円下払込保険料全額
12,000円超32,000円以下(払込保険料×1/2)+6,000円
32,000円超56,000円以下(払込保険料×1/4)+14,000円
56,000円超一律28,000円
出典:公益財団法人生命保険文化センター「生命保険料控除制度とは」

年齢が高くなると保険料が増える

先述したように医療保険の保険料は、加入者の年齢や健康状態によって決まる。

健康状態は普段の生活で気を付けることはできるが、年齢は対策のしようがない。

加入する年齢が遅くなるほど保険料は高くなってしまうため、保険料の負担を少なくしたい方は若いうちから医療保険に加入する必要がある。

健康状態や病歴によっては加入できない可能性がある

そもそも健康状態が悪かったり、過去に大病を患っていたりすると、保険会社の審査によって加入を断られる可能性もある。

ただ最近では保険会社への告知内容が限定されている「引受基準緩和型医療保険」や、健康状態の告知が不要な「無選択型医療保険」が提供されている。

一般の医療保険に比べ保険料は割高だが、健康状態に不安のある方は加入を検討してほしい。

傷害保険のメリットとデメリット

傷害保険のメリット3つとデメリット1つを解説する。

年齢で保険料が変わらない

傷害保険は年齢で保険料が変わらない。保険は年齢が高くなると保険料が高くなってしまうため、病気やけがのリスクが高い高齢者は加入が難しいのが実情だ。

しかし傷害保険は年齢で保険料が決まらないため足腰が弱り、けがのリスクが高まった高齢者であっても保険料の負担が小さいことがメリットだ。

健康状態が悪くても加入できる

傷害保険は加入時に健康状態の申告が不要だ。そのため健康状態に自信のない方でも。傷害保険には加入ができる。現在持病を抱えており医療保険の契約はできず、将来の医療費が不安という方は、傷害保険の加入を検討してほしい。

保険の種類や特約によって補償の範囲を広げられる

傷害保険には様々な種類の保険や特約があり、補償範囲を広げられることがメリットだ。

同じ症状であっても、傷害保険の種類によって補償範囲は異なる。

けが細菌性食中毒
ウイルス性食中毒
地震・噴火・津波が原因によるけが
普通傷害保険××
家族傷害保険××
国内旅行傷害保険×
海外旅行傷害保険

普通傷害保険と家族傷害保険では、食中毒や地震・噴火・津波が原因によるけがは補償の対象外だが、国内・海外旅行傷害保険は保障範囲内だ。

また家族傷害保険は契約者本人に加え、同居している家族や別居の未婚の子も補償の対象となる。

※別居の未婚の子とは、たとえば親元を離れて一人暮らししている大学生が該当する。

傷害保険の主な特約には以下の2つがある。

個人賠償責任特約日常生活で他人にけがを負わせたり、他人の物を壊したりした場合に追う損害賠償責任を補償する特約
携行品損害特約カメラや衣類といった携行品に盗難・破損・火災など偶然の事故が原因で損害が生じた場合、保険金を受け取れる特約

保険会社によって付加できる特約が異なるため予算と相談の上、補償範囲を広げよう。

補償されないけがもある

傷害保険は全てのけがが補償範囲ではない。無免許運転や飲酒運転によって生じたけが、スカイダイビングや山岳登はんなど危険度の高い運動によって負ったけがは、補償範囲とはならない。

したがって傷害保険で補償されないけがのリスクにも備えたい方は、先述したように特約の付加を検討しよう。

医療保険をおすすめする方

医療保険をおすすめする方は以下の3つだ。

  • 貯蓄が少ない方
  • 養う家族がいる方
  • 収入が不安定な自営業者やフリーランス

貯蓄が少ない方

手術や入院をすると治療費がかかるだけでなく、その間仕事ができなくなり収入が減少してしまうケースは珍しくない。

会社員であれば有給や傷病手当金によって、期間の短い入院であれば経済的に困窮することはないだろう。

しかし想定外に入院が長期化してしまうと、貯蓄が少ない方の場合、治療費や入院費が支払えなくなってしまう。

お金の不安があると精神的に疲れてしまい、治療に専念できなくなってしまう。

医療保険に加入することで、治療費や入院費をはじめとしたお金の不安をなくし、貯蓄の少ない方でも治療に専念できる。

養う家族がいる方

養う家族がいる方も医療保険の必要性が高い。家族がいると日々の出費も大きくなる。

そのため入院し収入が減ってしまうと、家族が経済的に困窮してしまう可能性が高い。

医療保険の保険金は自由に使えるため、治療費に充てても家族の生活費に使うこともできる。

自身に万が一のことがあり、お金のことで家族に心配をかけたくない方は医療保険に加入するのがおすすめだ。

収入が不安定な自営業者やフリーランス

収入が不安定な自営業者はフリーランスも、医療保険への加入を検討すべきだ。

自営業者やフリーランスは会社員と異なり、通算で1年6ヶ月支給される傷病手当金、厚生老齢・障害年金がない。

自営業者やフリーランスは、これまでの貯蓄で治療費や生活をカバーしなければならない。

もしもの事態に備えるためにも、医療保険に加入することをおすすめする。

傷害保険をおすすめする方

傷害保険をおすすめする特徴は以下の2つだ。

  • 医療保険に加入できない方
  • スポーツが好きな方

医療保険に加入できない方

前述のように持病を持っていたり、過去に大病を患ったりしている方は医療保険の加入が難しい。

告知義務のない医療保険もあるが、保険料が割高で家計に余裕のない方にはおすすめしにくい。

そのような方には傷害保険をおすすめする。けがをするリスクは誰もが抱えている。

病気に対する相談はできなくても、けがリスクにだけでも備えられると安心できるという方は多いだろう。

医療保険に加入できず、将来に不安を抱えている方は傷害保険の加入を検討してほしい。

スポーツが好きな方

スポーツが好きでアクティブな方は、そうでない方と比べてけがをするリスクが高い。

けがをしたときに備えて、医療保険に加入しておくと経済的に安心感が得られる。

なお前述のように、危険度の高いスポーツは補償の対象外となっている。

そのため傷害保険に加入する際は、好きなスポーツが補償の対象か、専用の特約はあるのかを確認しよう。

医療保険と傷害保険をどのように選ぶべき? 選択基準と注意点

医療保険と傷害保険をどのように選ぶべき? 選択基準と注意点 生命保険ナビ

医療保険と傷害保険の必要性は理解いただけただろう。

ただ「どのような基準で、それぞれの商品を選んでいいかわからない」と悩む方もいるだろう。

ここでは以下3つの観点から保険商品の選択基準と注意点について解説する。

あわせて読みたい

ライフスタイルから考える

自身や家族のライフスタイルによって必要な保険は異なる。

そのため、まずは家族内の誰に保障(補償)が必要か考えよう。

一般的に保険が必要になる方は、一家の稼ぎ頭だ。一家の稼ぎ頭に万が一のことがあり、収入が減ってしまうと、家族全体に影響が出るためだ。

また成人していない子どもであっても、部活やクラブでスポーツをしており、けがのリスクが高い場合は傷害保険を検討しても良いだろう。

加入目的を明確にする

次に加入目的を明確にし、どの保障(補償)がどの程度必要か考えよう。

仮に会社員である一家の大黒柱が入院した場合に備えて、医療保険に加入するとしよう。

病気やけがで入院すると、公的医療保険の活用で治療費の負担割合は1割〜3割となる。

しかし差額のベッド代や収入の減少は保障の範囲外のため、医療保険で備える必要がある。

必要な保障額は何日入院することを想定するか、個室に入院するかなどによって決まるため一概には言えない。

生命保険文化センターの調査によると、自己負担した1日あたりの入院費用の平均は20,700円とのデータがある。

また同センターの調査で平均在院日数は32.3日とあるため、1回あたりの自己負担する入院費はおよそ667,000円だ。

医療保険の保障額を決められない方は、この金額を参考に考えることをおすすめする。

保険料と保障(補償)内容のバランスを考える

保険料と保障(補償)内容のバランスを考えることも重要だ。

保障(補償)が充実していても、保険料の支払いが負担になっていると、長期的に保険を継続することは難しい。

保険は将来のリスクに備えるための商品なので、長期契約が前提だ。

しかし保険料の負担が重いと、継続的に払い込みができず解約してしまう方も出てくるだろう。

望まない解約を避けるためには、無理なく支払える保険料の中で保障(補償)内容を決めることが重要だ。

また保険料を安く抑えたいならば、払込方法の検討も重要だ。

保険料の月々の払い込みだけでなく、半年払いや年払いなどまとめて支払う方法もある。

基本的にまとめて支払う方が、保険料の割引を受けられるため、保険料の総額は安くなる。

月々の保険料の負担を減らしたい方は毎月の払込「毎月払い」を、保険料の総額を減らしたい方は「半年払い」や「年払い」を選択しよう。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

医療保険と傷害保険は、それぞれに特性があり、保障内容や対象範囲が異なる。

医療保険は疾病の治療費をカバーし、傷害保険は事故による治療経費や損害を補償するものになる。

自分に必要な保障を見極めるためには自分に必要な保障内容やリスクをしっかりと把握し、適切な保険を選ぶことが大切だ。

しかし、自分も把握できていないリスクは数多く存在するものだ。

そのため、あなたに最適な保険選びには、専門知識を持つプロの意見を求めることを強くお勧めする。

「生命保険ナビ」では、全国の保険のプロの中からあなたの条件にあったプロを探すことができる。

保険選びに迷った際は、ぜひ「生命保険ナビ」を活用してみてほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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