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【医療保険加入者必見】保険料と医療費は控除できる?対象外になるものは?

この記事で解決できるお悩み
  • 生命保険料控除について知りたい
  • 医療費控除の概要がわからない
  • それぞれの控除の申請方法や上手な活用法が知りたい

医療保険に加入してから支払う保険料には、生命保険料控除が適用される。

また、実際にかかった医療費は医療費控除の対象となる。

ただ、それぞれの控除には一部対象外となるケースもあるので、よく理解することが重要である。

そこで本記事では、2つの控除制度について、対象外になる場合や控除の申請方法も含めて解説していく。

それぞれの控除をお得に利用したいという人はぜひ参考にしてほしい。

目次

生命保険料控除について解説

生命保険料控除について解説 生命保険ナビ

生命保険や医療保険では、生命保険料控除が利用可能だ。あなたは控除という概念について理解しているだろうか。

また、控除の対象範囲や限度額について理解できているだろうか。

そこで本章では、控除という考え方の説明後に、生命保険料控除に関する解説を行う。

控除という考え方について知ろう

まず、控除という言葉の意味について理解しておこう。

控除とは差し引くことを意味し、主に税金の金額を引く制度になる。

控除には所得控除と税額控除の2種類があり、両者の違いは税金が差し引かれる対象の違いとなる。

所得控除の場合は課税対象となる所得金額が引かれ、税額控除の場合は税金そのものの金額が安くなる。

生命保険料控除や医療費控除は、所得控除に該当する。

所得控除は15種類も存在し、所得税や住民税だけでなく、相続税や贈与税にも適用される場合がある。

控除を正しく理解して利用することで、大きな節税効果が期待できるのだ。

生命保険料控除の対象となる費用とは

控除について理解できたところで、生命保険料控除に関して解説していこう。

生命保険料控除は、支払った保険料の金額によって契約者の所得から控除がなされる制度だ。

税率が適用される前に所得の金額が下がるため、所得税や住民税の負担額が軽減される。

生命保険料控除には「新制度」と「旧制度」があり、2011年12月以降に加入したかどうかで、対象となる保険料が異なる。

大きな違いとしては、「介護医療保険料が含まれているかどうか」となる。

生命保険料控除の対象となる保険料には以下の3種類がある。

一般生命保険料

生存もしくは死亡により、一定額の保険金や給付金が支払われる保険の保険料。(死亡保険や養老保険、学資保険が該当)

個人年金保険料

個人年金保険の保険料。ただし、控除を受けるためには下記の①〜③の全ての条件を満たす必要あり。

  • 受取人が契約者か配偶者であり、被保険者と同一人物である
  • 保険料払込期間が10年以上であり、確定年金や有期年金の場合は受け取り開始年齢が60歳以降で、受け取り期間が10年以上である
  • 個人年金保険料税制適格特約が付加されている

介護医療保険料

入院や通院に伴って保険金や給付金が受け取れる保険の保険料。(医療保険やがん保険が該当)

2011年12月以前は、介護医療保険料は一般生命保険料に含められていた。

取り扱いが異なるため、自分の医療保険が旧制度と新制度のどちらに属するか、今一度確認しておこう。

生命保険料控除の適用限度額とは

旧制度と新制度における生命保険料控除の適用限度額についてまとめた。

それぞれ所得税と住民税に分け、支払った保険料に対する適用限度額を記載している。

旧制度

介護医療保険料以外に適用(限度額:所得税10万円、住民税7万円)

所得税の場合住民税の場合
10万円を上回る場合→5万円7万円を上回る場合→3.5万円
5万〜10万円になる場合→支払額÷4+2.5万円4万〜7万円になる場合→支払額÷4+1.75万円
2.5万〜5万円になる場合→支払額÷2+1.25万円1.5〜4万円になる場合→支払額÷2+7,500円
2.5万円以下になる場合→全額適用1.5万円以下の場合→全額適用
参考:生命保険文化センター『税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」』

新制度

全ての保険料で適用(限度額:所得税12万円、住民税7万円)

所得税の場合住民税の場合
8万円を上回る場合→4万円5.6万円を上回る場合→2.8万円
4万〜8万円になる場合→支払額÷4+2万円3.2万〜5.6万円になる場合→支払額÷4+1.4万円
2万〜4万円になる場合→支払額÷2+1万円1.2〜3.2万円になる場合→支払額÷2+6,000円
2万円以下になる場合→全額適用1.2万円以下になる場合→全額適用
参考:生命保険文化センター『税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」』

また、旧制度と新制度が適用された保険の両方に加入している場合は、それぞれの制度で計算を行った合計額が控除対象となる。

控除限度額は、新制度に合わせて所得税12万円・住民税7万円である。

限度額を超えた分の税金に関しては対象から外れてしまうので、控除の申請をする前に自分で計算して確認しておくようにしよう。

医療費控除とは

医療費控除とは 生命保険ナビ

続けて医療費控除について学習していこう。医療費控除の額は、生命保険料控除よりも大きくなる場合が多いため、節税効果も高くなりやすい。

本章の内容を読めば、医療費控除について正しく理解できるはずだ。

医療費控除の算出方法と限度額を解説

まず、医療費控除の算出方法と限度額について知っておこう。

医療費控除は、年間でかかった医療費の一部を控除してくれる制度だ。

控除対象となる金額の計算式は、以下の通りになる。

年間所得が200万円を超える場合

年間の医療費ー10万円ー医療保険の保険金や公的医療支援制度で補填される金額

年間所得が200万円未満の場合

年間の医療費ー年間所得の5%ー医療保険の保険金や公的医療支援制度で補填される金額

控除の上限金額はどちらも200万円だ。

なお、医療費が10万円を下回っている場合は控除の対象外となる。

さらに、高額療養費制度・出産育児一時金といった公的医療保険で支給される費用も対象外だ。

医療費控除の対象範囲

次は、医療費控除の対象、もしくは対象外の費用について、以下の表をもとに確認していこう。

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医療費の分類控除の対象になる費用控除対象外の費用
入院や通院・入院中の食事代
・通院や入院でお見舞いに来てくれる家族の交通費
・通院時に車を利用した場合のガソリン代
・個室に移る場合の差額ベッド代
・日用品費
治療や検査・診察費や治療費
・マッサージや鍼級、柔道整復
・治療用品の購入費(松葉杖やコルセットなど)
・美容整形費用(脱毛やレーザー治療など)
・予防接種
・眼鏡やコンタクトを作る際に受けた眼科の費用
・健康診断の費用
医薬品・医師からの処方箋をもとに薬局で受け取った薬
・病気の治療のため、自ら薬局で購入した薬
・病気の予防をするために自ら薬局等で購入した薬(ビタミン剤など)
出産・妊娠中の定期検診費用
・出産費用
・助産師の分娩介助費用
・流産や母体保護法に基づく中絶にかかった費用
・出産のために実家へ帰る際の交通費
・母体保護法に基づかない中絶にかかった費用
歯医者・虫歯の治療費
・金歯や入れ歯の作成費用
・医療的に治療が必要と診断された場合の歯列矯正
・美容整形のための歯列矯正
・歯石除去のための費用

参考:生命保険文化センター「医療費控除について知りたい」2023年11月調査

もちろん、上記以外にもかかる費用は存在する。あくまで一例であることを認識しておいてほしい。

また、医療費控除の対象となる費用は移り変わりが激しい。医療は日々進歩するものであり、控除対象は広がっている傾向にある。

気になる人は、国税庁がまとめている「医療費控除の対象となる医療費」のページを見ると、最新の情報が掴めるだろう。

セルフメディケーション税制とは

医療費控除の特例制度として、セルフメディケーション税制が存在する。

セルフメディケーションとは「自分自身の健康責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)にて定義される。

大病となる前に、健康管理を自ら行ってもらいたい、という意図で導入された制度だ。

セルフメディケーション税制は平成29年から導入されており、令和8年までの医療薬品の費用が控除対象となる。

以下の表で制度の特徴をまとめた。

利用できる条件①年間で1万2,000円以上対象の医薬品を購入しており、レシートを保存している。
②医療費控除の申請をしていない。(どちらか片方しか利用できない)
③申請をする年に予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組を行い、その領収書又は結果通知表を保存している。
金額の範囲1万2,000円〜8万8,000円
計算式対象金額ー1万2,000円
対象薬品スイッチOTC医薬品(医療用から一般用に転用された医薬品)

医療費控除よりも対象の下限金額が低いが、対象となるスイッチOTC医薬品は、水虫の薬や風邪薬などドラッグストアで購入できる一般的なものとなる。

医療費控除より申請できる範囲が広いのは大きな魅力と言えるだろう。

ただし、申請時には健康の維持増進もしくは疾病の予防への取組を行っている必要があり、少し手間がかかる点は認識しておこう。

控除の申請方法と有効な活用法を紹介

控除の申請方法と有効な活用法を紹介 生命保険ナビ

ここまで、2種類の控除について解説してきた。

どちらもお得な制度のため、早速活用したいと考えている人もいるだろう。ただ、控除を利用するには申請をしなければならない。

そこで最後の章では、それぞれの控除の申請方法と、控除を有効活用するためのポイントを解説する。

生命保険料控除の申請方法

まずは、生命保険料控除の申請方法から説明しよう。

会社員か、自営業かで、申請方法が変化するのがポイントとなる。

会社勤務で給与が支払われる立場の場合は、年末調整で控除を行う。所得税の手続きを行えば、住民税も共に控除される。

保険会社から毎年届く保険料控除証明書を「給与所得者の保険料控除等申告書」に添付して、勤務先に提出することで控除が受けられる仕組みだ。

また、会社によっては申請方法を電子化しているところもあり、生命保険会社に請求すれば証明書を電子発行してもらえる。自分の会社が電子と紙のどちらで申請するのか、確認しておくと良いだろう。

ただし、給与所得が2,000万円を超えるもしくは年末調整が間に合わずに控除を受けれなかった場合は、確定申告を行う必要がある。

自営業の場合は、会社による年末調整がないため、最初から確定申告を行う必要がある。

確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日の1ヶ月間となり、証明書を紙もしくは電子で確定申告に添付して提出する。

医療費控除の申請方法

続いて、医療費控除の申請方法について解説する。

医療費控除は会社勤務・自営業を問わず、確定申告で申請する必要がある。

提出時には医療費控除の明細書を確定申告に添付する。これは、手元にある医療費の領収書の情報を記入する書式だ。

また、マイナンバーカードと連携させれば、医療費情報を自動で明細書に記入することも可能となる。

ただし、一部の医療費については控除を受けるために、専用の証明書が必要になる場合がある。(寝たきりの人が利用するおむつ代の控除を受ける時は、おむつ使用証明書など)

自分が申請する費用に該当がないか、一度明細書を確認しておくと良いだろう。

確定申告は、時期が近づくと毎年専用の案内ページが作成される。

慣れていない人はもちろん、毎年申告している人にも有益な情報が掲載されているため、見ておくことをおすすめする。

それぞれの控除を有効活用するには

最後に、それぞれの控除を有効に活用するポイントを説明しよう。

生命保険料控除は、制度変更によって医療保険も対象となった。

加入している保険を見直し、自分が入っている保険に控除が適用されるか今一度確認するようにしよう。

また、上限金額を超えた分については控除対象外になってしまうため、どれくらいの費用が控除されるのか、事前に計算をしておくと家計の管理がスムーズにできるはずだ。

医療費控除は、申請できる医療費合計額が10万円からなのでなかなか利用する機会がないと考える人も多いだろう。

しかし、セルフメディケーション税制であれば1万2,000円から申請が可能であり、ハードルは低くなる。

少額でも医療費のレシートを保管していくことで、控除を活用できる幅は広がると言える。

また、医療費控除の対象は本人だけでなく、その家族も含まれる。医療費の管理は家族全体で考えるようにしよう。

上記のように、保険料や医療費の管理を細やかに行うことで、控除を有効活用できる。

本記事が、家計の負担を少しでも抑える参考となれば幸いだ。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、生命保険料控除と医療費控除について、対象外になるケースや実際の控除限度額、申請方法などを解説した。

生命保険料控除は、制度改正により死亡保険や個人年金保険の他に医療保険でも適用されるようになった。

また、医療費控除についてもセルフメディケーション税制の導入で利用できる費用の範囲が広がっている。

範囲の拡大に伴って、制度を有効活用するには、細かな保険料や医療費の管理が必須になったと言える。

保険料の管理をするために保険を見直したいと考えた方は、保険のプロに相談することをおすすめする。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、保険を見直しつつ、控除を有効に活用することができるはずだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。

マッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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