- 年代や性別ごとの医療保険加入率を把握したい
- 自分は医療保険に加入する必要があるのかどうか知りたい
- 自分に合った保険は何なのか知りたい
海外と比較して、日本の医療保険の加入率が高い水準にあることをご存知だろうか。
本記事では、日本の医療保険加入率や医療保険の必要性、さらに自分に適した保険を選ぶためのポイントについてを解説する。
医療保険への加入を検討している方、医療保険を見直したいと考えている方には、ぜひ最後まで読んで参考にしてほしい。
日本の医療保険の加入率
日本において病気やケガを保障する医療保険には、どれくらいの人が加入しているのだろうか。
下記の表は生命保険の分析に活用されることの多い、生命保険文化センターの統計による性別・年代別の加入率だ。
医療保険だけではなく、終身保険なども含まれていることに注意したい。
なお前提として、医療保険は0歳から申し込むことができる。終身保険は成人になってからを前提とする保険会社が多い一方、80歳以上でも加入できるなど上限の幅が広く設定されている。
20代の医療保険加入率は50%台
まず20代の加入率だが、50%台にとどまっていることが読み取れる。
全体の加入率と比較しても、著しく低い水準にあるといえるだろう。
病気に罹患する確率が低いため、医療保険をはじめとした生命保険の必要性を感じる機会が少ない。
また単身者の場合が多いため、家族から加入を勧められる機会が少ないことも関係しているだろう。
現時点の生活でいっぱいであるため、保険料を拠出する余裕がないことも関係すると見られる。
30代の医療保険加入率は80%強に急上昇する
30代の平均値は男女とも80%強に急上昇する。婚姻数が増えていることが大きな要因だろう。
また職場で勤務したり、社会のなかで生活したりするなかで、充分な医療保険に入らず、突然の病気やケガに見舞われた話を耳にする。
その対策として何か医療保険に入っておこうという需要が生まれるものと考えられる。
実際に女性特有のがんなどは30代後半あたりから増えてくるため、30代になってライフプランの観点から医療保険のニーズが高まっていくのは、効果的なリスクヘッジになっていると考えることができる。
40代以降は高い医療保険加入率
40代以降は高い加入率を継続する。30代に比べても増加しているのは晩婚化の影響と、若い時には医療保険不要派だった人たちが体調不良等の自覚から最低限の医療保険容認派に転じる点も多いだろう。
また従来から医療保険に加入している人はそのまま継続している。
一度生命保険に加入したあとに保険を見直すことはあっても、保険を解約する人は圧倒的に少ないことが読み取れる。
現在の日本社会において会社勤めを終えるのは60代が多いが、この統計を見る限り、会社勤めを終えても何かしら医療保険に加入し続けている人が多いことがわかる。
どのような加入目的で医療保険に加入するのか
前項と同様に生命保険文化センターの調査によれば、加入目的で最も多かったのは「ケガや病気になった時の保障に対処するため」で56.3%、ついで「万が一死亡した時のため」で25.3%だ。
前者には医療保険、後者には終身保険で対策できるが、死亡特約や医療特約でカバーすることもできる。
医療保険にも解約返戻金付きや還付金付き保険があるが、大半は掛け捨て保険のため、貯蓄目的で加入するという声はほとんど見当たらない。
加入率は高いが医療保険は本当に必要なのか?
そもそも医療保険は必要なのだろうか。公的医療制度があれば、医療保険は不要という意見を持つ人も一定数いる。
国民皆保険制度のなかで、医療保険はどのような役割を持っているのだろうか。
医療保険は生存保険の一種
医療保険は病気やケガを保障する生命保険の一種だ。保険に加入した本人の医療費を保障するため、生存保険の一種といわれる。
死亡や高度障害によって残された家族の生活を保障する終身保険は死亡保険だ。
医療保険に死亡保障特約があったり、逆に死亡保険に医療特約が設けられたりはしているものの、基本的には保障の対象がまったく異なる保険といえる。
医療保険が必要かどうかを検討するには、自分たちの家計に対し公的医療制度がどれくらい適用されるかを考える必要がある。
日本国民は国民皆保険に加入し、いずれかの公的医療保険制度に加入している。
会社員であれば組合けんぽや共済けんぽ、自営業なら国民健康保険だ。
この公的医療保険により、医療費が必要になった場合に現役世代なら3割、高齢者世代なら所得に応じて1割〜3割の自己負担で充実した医療を受けることができる。
医療保険が必要な人とは
医療保険は公的保障に上乗せで医療費の負担が必要になった際、預貯金から捻出する余裕がない人にとって加入意義がある。
医療保険の持つレバレッジ効果を活用することができるためだ。
レバレッジ効果について説明しよう。
たとえば入院給付金5,000円と手術一時金5万円の保険に加入し、月々の保険料が2,000円だったとする。
加入から1年後、ある病気に罹患し、10日間の入院をしたケースだ。
(入院時点までの払込保険料)2,000円×12=24,000円
(入院給付&手術給付)5,000円×10日+50,000円=100,000円
上記の医療保険に加入していなければ、10万円の自己負担が生じたことになる(便宜上、公的医療制度による保障は除く)。
医療保険に入ることで、それまでの払込保険料24,000円を控除しても、7万円以上の支給額が期待できる。
一方で日本における医療保険の大半が掛け捨てだ。保険加入してから病気やケガに罹患することが無ければ、拠出した保険料が返ってくることはない。
この掛け捨ての性格をどう考えるかによって、医療保険の評価が変わるといえる。
子どものいない夫婦にとっての医療保険
子どもがいない夫婦の場合、夫婦それぞれが自分に保障をかけたい。
それぞれが自分型の医療保険に加入するか、夫婦型の医療保険を選択したい。
医療保険の加入期間に子どもが誕生するなど、ライフプランが変更する可能性が高い。
その折には家族型にするのがいいのか、そのまま継続加入が適切なのか判断するようにしたい。
子どものいる夫婦にとっての医療保険
子どもがいる場合は子どもそれぞれに医療保険を加入するか、家族型を検討するようにしたい。
詳細は後述するが子どもに対して自治体が医療費の支援をする制度も拡大しているため、そのうえでどのような医療保険が必要なのかを考えるようにしたい。
高齢者世代と医療保険
会社の定年を迎えても医療保険は必要だ。終身型で加入している場合は安い保険料で継続することができるため、ライフスタイルの変化を受けても簡単に解約をしないようにしたい。
公的保障は75歳から、後期高齢者医療制度に変わる。収入によって自己負担率が変わるため、人によって医療保険の意味合いも変わるだろう。
最近は国内生保会社から高齢者向けの格安の医療保険も広く発売されているため、最新の商品ラインナップを踏まえて検討するようにしたい。
加入率に左右されない自分に適した医療保険選びのポイント
医療保険を検討するにあたり、自分に適した保険選びのポイントを考えていこう。
ライフプランから必要な保障を導く
医療保険を選ぶ際は、ライフプランを設計したうえで適切な保険商品を選びたい。
ライフプランは設計時以後の収入や支出やライフイベントを記載し、毎年の収支がプラスになっているか、マイナスになっているかが一目で確認できるものだ。
世の中には様々なライフプランツールがあるが、なかには公的医療保険の保障や遺族年金の支給額を計算しているものがあり、自分たちにとってこれからの課題が何かを把握できる。
公的医療保険との兼ね合い
自身の家計が受けられる公的保障の内容も、必要な医療保険を決めるにあたって重要な要素となる。
たとえば最近の自治体では、15歳もしくは18歳までの子どもに対し、公的医療保険内の医療費を無料としている。
自治体の財政状態によっては1日500円などと制限が設けられているところもあるが、子どもに数々の支出がかかる子育て世代にはとても有難い仕組みだ。
この制度を利用すれば、基本的に子どもへの医療費は不要といえる。
保険会社によっては、親の医療保険に付帯している家族型の医療保障で対応できる場合がある。
家族型の医療保障は被保険者のみ保障対象になる一般的な医療保障(本人型)と比較して、減額した保険料で加入することができる。
家族型のデメリットは保険料が減額される分、保障内容も目減りする点だ。
定期的に保険のスペシャリストに相談したい
ライフプラン別に保険の見直しが必要とわかっても、複雑な医療保険の保障内容を理解するのは難しい。
そのため、定期的に保険のスペシャリストに相談し、アップデートするようにしたい。
保険の募集人は保険の手続きをする仕事ではなく、前段階のライフプランの見直しから相談できる役割だ。
数あるライフプランの相談に乗っているため、他の人のケースや公的保障にも精通している。存分に活用したい存在だ。
加入率の高さではなく自分に最適な医療保険を見つけよう
本記事では医療保険について、年代・性別・世帯年収別の加入率や加入の必要性、自分に適した保険の選び方について解説した。
医療保険は、病気やケガなどのもしもの時に助けとなる重要なツールの一つである。
そのため、保険は個々のライフステージやニーズに最適な保険を見つけることが重要だ。
ただし、ライフプランの作成や数多くの商品の比較など自分一人では難しいと感じる方も多いだろう。
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